ダグラスA-26インベーダー。アメリカ陸軍の攻撃機です。第二次世界大戦時に運用された機体ですが、朝鮮戦争とベトナム戦争にも駆り出されて無駄に長期間現役にいました。ただしこれは民間に払い下げられた後、火災消火用に改造された消防機です。コンエアという空中火災専門の航空会社に所属していた機体です。消防機は森林火災のような大規模火災発生時に威力を発揮します。
非武装の民間機なので機首にたんまりと搭載された機銃は撤去されています。
A-26に元々あった爆弾倉を改造して消火剤の水槽になっています。蓋を開ければ消火剤がばらまかれるというもの。
コンエアは自前で消防機の改造もやってのける会社で、A-26も十数機が改造されてコンエアに所属していたそうな。
22番機 (CF-BMS) です。
操縦席です。
操縦席の後ろの方。
ルータン クイッキーというホームビルド機。バート・ルータンという一部に熱烈なファンがいるとかいないとかの設計士が開発しました。ルータンは独特なセンスを持つ設計士で、世界初の無着陸世界一周飛行のボイジャー、世界初の民間宇宙船スターシップワン、低燃費のビジネス航空機スターシップはどれも奇抜な外観をしています。空力的な設計というよりルータンの美学が多く表れているという気がします。クイッキーでもそれが発揮されています。クイッキーは25馬力の低出力エンジンでも飛行できるような機体として設計したのですが、それにしたって彼の手掛けた他の機体を見るに彼の趣味でしょう。機体はガラス繊維製で軽量化には配慮しているんですけどね。これは複葉機に当てはまるのでしょうかね?前方の翼はカナード翼?水平尾翼は無くても大丈夫なのか。
主翼端に車輪を付けるのは面白いものですね。トレッドとホイールベースが最大限大きく取ってあって、地上での安定性は抜群だろうなと思います。クイッキーのキットは1,000機以上売れたそうなので、ホームビルド機としては成功でしょう。そのうちいくつ完成したのやら。
マンガかアニメに出てきそうだけどこんなのムチャクチャで却ってマンガかアニメには出てこなさそう。
ビッカーズ バイカウント757というトランスカナダ航空の旅客機。イギリスが1944年に「この戦争どうやら勝ちそうだな」と思って、戦後の旅客機市場の覇権を狙って立ち上げたブラバゾン委員会により各社に開発させた旅客機のひとつです。これには当時のイギリスには輸送機の開発製造ノウハウが無かったので、戦後の覇権をアメリカに取られるのに危機感を持っていたというのもあるそうな。実際、エアバスが現れるまでは西側の旅客機市場はアメリカ優勢で進んでいったようなものですから、その危機意識は間違っていなかったわけです。ただ委員会により開発された旅客機はどれも鳴かず飛ばずで結局アメリカに覇権を取られるわけですが・・・。バイカウントは1948年初飛行の世界初の実用ターボプロップ旅客機です。ブラバゾンが生んだ旅客機たちの中では最も成功した機体と言われています。機首と機首から客室へかけての胴体の膨らみが中々好ましい機体なのです。定員は75名で、現在のリージョナルジェット機と同等の規模です。
ターボプロップエンジンは4発。機体規模の割にはエンジンが多いなという印象で、まだターボプロップエンジンの黎明期という感じ。757型はトランスカナダ航空向けの機材で、エンジンは専用のロールスロイス ダート510です。この個体 (CF-THG) はバンクーバーの航空学校の教材として使われていました。寄贈に際しては、巨大な筏に機材を解体等せぬままそのまま載せて、バンクーバーとバンクーバー島の間に横たわるジョージア海峡を渡ってくるという力技を使いました。
第二次世界大戦後に生産された出目金ジープですね。
運転席。簡素オブ簡素。
ジープはアメリカ車にしては小型なんですが、これは当時の輸送機に搭載できる寸法から逆算するとこのくらい小型にしないとダメだったのではと思います。確証はないんですけども・・・。
ベル 47D型というヘリコプター。骨川強右衛門・・・というぐあいの肉付きのない機体。1945年12月初飛行で、ヘリコプターの中でも初期の機体です。5,600機以上造られてバカ売れしました。P-39とかP-59とか使えない戦闘機ばっか造って軍から干されていたベルが、ヘリコプターこそ俺の生きる道、と活路を見出したのがこれ・・・なのかもしれません。
この個体は1948年にBC州で最初に登録されたヘリコプターで、最初は風防なし、尾部は鉄板で覆われた無印の47型でした。それを後年、風防付、骨組みだけの尾部に改良した47D型相当に改造したそうな。脚の上に荷棚を追加して少しながら貨物輸送にも対応できるところがかわいい。
俺んだ・・・もといオレンダ11エンジン。アブロカナダ製のターボジェットエンジンです。他社のライセンス生産品だと思っていましたが、アブロカナダの独自開発なんですね。
オレンダエンジンはカナディアがライセンス生産したF-86セイバーとアブロカナダの迎撃戦闘機CF-100カナックに搭載されていました。この11型 (S/N 3982) はCF-100カナックMk.5用のエンジンでした。
ユナイテッド航空機のPT-6ターボプロップエンジン。ユナイテッド航空機はプラット・アンド・ホイットニーのカナダ現地法人です。ユナイテッド航空とは無関係。今は普通にプラット・アンド・ホイットニー・カナダと名前を変えています。ターボプロップエンジンといえばコレ、というくらい広く普及していてほぼ独占状態。1964年に量産型での使用が開始されて以来、改良を重ねながら4万発以上が生産されていて、採用された機種は100種類以上と言われています。
というところで今日はここまで。
最終回へ→
非武装の民間機なので機首にたんまりと搭載された機銃は撤去されています。
A-26に元々あった爆弾倉を改造して消火剤の水槽になっています。蓋を開ければ消火剤がばらまかれるというもの。
コンエアは自前で消防機の改造もやってのける会社で、A-26も十数機が改造されてコンエアに所属していたそうな。
22番機 (CF-BMS) です。
操縦席です。
操縦席の後ろの方。
ルータン クイッキーというホームビルド機。バート・ルータンという一部に熱烈なファンがいるとかいないとかの設計士が開発しました。ルータンは独特なセンスを持つ設計士で、世界初の無着陸世界一周飛行のボイジャー、世界初の民間宇宙船スターシップワン、低燃費のビジネス航空機スターシップはどれも奇抜な外観をしています。空力的な設計というよりルータンの美学が多く表れているという気がします。クイッキーでもそれが発揮されています。クイッキーは25馬力の低出力エンジンでも飛行できるような機体として設計したのですが、それにしたって彼の手掛けた他の機体を見るに彼の趣味でしょう。機体はガラス繊維製で軽量化には配慮しているんですけどね。これは複葉機に当てはまるのでしょうかね?前方の翼はカナード翼?水平尾翼は無くても大丈夫なのか。
主翼端に車輪を付けるのは面白いものですね。トレッドとホイールベースが最大限大きく取ってあって、地上での安定性は抜群だろうなと思います。クイッキーのキットは1,000機以上売れたそうなので、ホームビルド機としては成功でしょう。そのうちいくつ完成したのやら。
マンガかアニメに出てきそうだけどこんなのムチャクチャで却ってマンガかアニメには出てこなさそう。
ビッカーズ バイカウント757というトランスカナダ航空の旅客機。イギリスが1944年に「この戦争どうやら勝ちそうだな」と思って、戦後の旅客機市場の覇権を狙って立ち上げたブラバゾン委員会により各社に開発させた旅客機のひとつです。これには当時のイギリスには輸送機の開発製造ノウハウが無かったので、戦後の覇権をアメリカに取られるのに危機感を持っていたというのもあるそうな。実際、エアバスが現れるまでは西側の旅客機市場はアメリカ優勢で進んでいったようなものですから、その危機意識は間違っていなかったわけです。ただ委員会により開発された旅客機はどれも鳴かず飛ばずで結局アメリカに覇権を取られるわけですが・・・。バイカウントは1948年初飛行の世界初の実用ターボプロップ旅客機です。ブラバゾンが生んだ旅客機たちの中では最も成功した機体と言われています。機首と機首から客室へかけての胴体の膨らみが中々好ましい機体なのです。定員は75名で、現在のリージョナルジェット機と同等の規模です。
ターボプロップエンジンは4発。機体規模の割にはエンジンが多いなという印象で、まだターボプロップエンジンの黎明期という感じ。757型はトランスカナダ航空向けの機材で、エンジンは専用のロールスロイス ダート510です。この個体 (CF-THG) はバンクーバーの航空学校の教材として使われていました。寄贈に際しては、巨大な筏に機材を解体等せぬままそのまま載せて、バンクーバーとバンクーバー島の間に横たわるジョージア海峡を渡ってくるという力技を使いました。
第二次世界大戦後に生産された出目金ジープですね。
運転席。簡素オブ簡素。
ジープはアメリカ車にしては小型なんですが、これは当時の輸送機に搭載できる寸法から逆算するとこのくらい小型にしないとダメだったのではと思います。確証はないんですけども・・・。
ベル 47D型というヘリコプター。骨川強右衛門・・・というぐあいの肉付きのない機体。1945年12月初飛行で、ヘリコプターの中でも初期の機体です。5,600機以上造られてバカ売れしました。P-39とかP-59とか使えない戦闘機ばっか造って軍から干されていたベルが、ヘリコプターこそ俺の生きる道、と活路を見出したのがこれ・・・なのかもしれません。
この個体は1948年にBC州で最初に登録されたヘリコプターで、最初は風防なし、尾部は鉄板で覆われた無印の47型でした。それを後年、風防付、骨組みだけの尾部に改良した47D型相当に改造したそうな。脚の上に荷棚を追加して少しながら貨物輸送にも対応できるところがかわいい。
俺んだ・・・もといオレンダ11エンジン。アブロカナダ製のターボジェットエンジンです。他社のライセンス生産品だと思っていましたが、アブロカナダの独自開発なんですね。
オレンダエンジンはカナディアがライセンス生産したF-86セイバーとアブロカナダの迎撃戦闘機CF-100カナックに搭載されていました。この11型 (S/N 3982) はCF-100カナックMk.5用のエンジンでした。
ユナイテッド航空機のPT-6ターボプロップエンジン。ユナイテッド航空機はプラット・アンド・ホイットニーのカナダ現地法人です。ユナイテッド航空とは無関係。今は普通にプラット・アンド・ホイットニー・カナダと名前を変えています。ターボプロップエンジンといえばコレ、というくらい広く普及していてほぼ独占状態。1964年に量産型での使用が開始されて以来、改良を重ねながら4万発以上が生産されていて、採用された機種は100種類以上と言われています。
というところで今日はここまで。
最終回へ→