立山黒部アルペンルートの第1走者関電トンネルトロリーバスに立ち乗りして、黒部ダム駅へ着きました。ここに降り立った時、そこはもう赤沢岳を超えて・・・というか潜って富山県です。バスのモーターはVVVFインバータ制御だったので、それの音が聞こえてくるのはやはり不思議な感じです。
駅の端っこ。トロリーバスは基本的にバック運転を想定していないので、駅は一方通行のループ状になっています。路線終端がループ状になっているのは、バスはもちろん鉄道でも日本では珍しい構造じゃないかと思いますが、よく調べていないので分かりません。バスターミナルがループ状になっているのはよく見ますけどね。鉄道だと今は亡きトゥーンタウンの路面電車がそれでしたね。
最後に300形のお顔を見てお別れ。1993(平成5)年製ですが、当時のどのバスメーカーの車両にも似ていない変な車体をしています。後で調べてみると、大阪車輌工業製なのだそうな。なるほどそれでか。ここは特殊車両や鉄道車両の改造を主にやっているのだそうで。
いつまでも乗り場に留まっていれるような雰囲気じゃなかったのでそそくさと退散。これでトロリーバスとはお別れですが、最終運行年の各種企画が盛り上がったおかげなのか車両保存の機運が高まって、1台扇沢に保存されることになったのでまた会いに行くことは出来にけり。
階段を登って外に出ると姿を現しました、黒部ダムです。よく黒四ダムと呼ばれますけど、黒部川第四発電所から取られていて、黒部第四ダムではないのだ。私未だに時々間違えてしまいますが。実はここに来るのは2度目。初回はもう何年前かは定かではないですが、家族旅行で白馬へ行った時に寄りました。ただしこんなにまだ雪が残っている季節じゃないですしこんなに朝早い時間でもなかったです。いやこれは寒いです。
黒部湖です。水深めっちゃ深そうなんですよね・・・。ここにダムが建てられたのは豊富な水量と発電時の高低差の高さからなのはご存知の通りですが、このような富山県の奥の奥によく目を付けられたと思いにけり。
堰堤の上は道路になっていて、ここを歩いて渡ってアルペンルートは続いていくのじゃ。道路の上のゴマ粒みたいなのが人間なので、クソデカイダムだなとなるわけです。
堰堤の上を歩くと分かりますが、ダムはW字のように折れ曲がっています。これは、堰堤の中央部の弧を描いている部分がアーチ式ダム、両端の折れ曲がって直線状になっているのが重力式ダム、というふうに2種類の方式のハイブリッドだから。専門用語だとコンバインダムと呼ぶのだそうな。アーチ式ダムはダム湖の水圧を堰堤ではなく両岸の山に負担させます。水圧を堰堤で負担する重力式ダムに比べてコンクリートの使用量を少なくすることが出来にけり。未開の地で物資搬入がえらく大変な黒部ダム建設では特に適した工法でした。ただし両岸には水圧に耐えるだけのとても強固な岩盤が必須条件です。しかし、黒部ダムの両岸の山は水圧に耐えられないことが分かりました。黒部ダムは初めはアーチ式ダムでやるつもりでしたが、これじゃだめなので端だけは重力式にして耐圧と資材量の低減を両立したのでした・・・と、前に流れていたブラタモリでやっていました。
黒部ダム周辺の模型です。右側が下流です。ダム自体は水を貯めるだけで、肝心の発電所は10kmくらい下流にあります。右端に第四発電所の文字がありにけり。これだと見にくいけどね・・・。ダム湖から発電所まではダム湖に導水路を開けて水を通しています。ダム湖から発電所までの落差は545mあります。これが水力発電日本第4位の最大発電量33.5万kwを出します。
遥か向こう北アルプスを見てみる。いや普通に雪山ですがな。しかしこの雪が少しずつ融けていくので、黒部川は通年に渡って安定した水量を保っているんだそうな。
陽向と日陰の境界。これは朝でないと見れぬな。
こんな朝から出店があります。きっと住み込みで働いているのだろう。ご苦労さまです。
単にデカイと言うより、厚くて背が高いダムですな。これは本当にたまげる。
これは建設時に使った機材ですね。
黒部ダムの堰堤のコンクリートを運搬するためのコンクリートパケットです。たぶん流し込んで固まったものを入れて運んでいたと思われ。
パケットを上から吊り下げるためのフックです。
作業用の穴でしょうなあ。
少し下の階層へ降りてみます。堤高186mは日本一の高さです。天端とほぼ同じ高さですかね。天端の下には10門の洪水吐がありにけり。これは単純に溢れただけ流れ出るだけの自然式です。あとは、ハウエルバンガーバルブが高・中・低水位用に設けられています。有名な観光放水はこのハウエルバンガーバルブから流れ出ているものです。観光放水はせっかくダム湖に貯めた水を発電せずにただ下流に捨てるだけで無駄でしかないんですが、だから”観光”と但書のように呼ばれとるんでしょうな。まだシーズン開始直後のこの時期は観光放水をしないので、今はただ静かな黒部ダム。ちなみに以前訪れた時も観光放水は見ていません。この先3度目の訪問があるとすれば観光放水を見ておきたいものです。
ダム直下。川の水は流れているっぽいですが、どこから出ているのかよく分からん。
謎構造物。建設時に使っていたものでしょうかねぇ。遺跡みたいだ。後で調べてみたら、ケーブルクレーンの基礎だったものでした。ケーブルクレーンは黒部川両岸に跨って架けられていたので、対岸にも同様の基礎があります。しかし地面からの高さは右岸の方が高く迫力が大きいので、よく写真に撮られるのはこっちのようです。この基礎は軌道状になっていて、この写真から見ると左右方向にクレーンを動かすことができるのだそうな。さっき見たコンクリートパケットはこのケーブルクレーンから吊り下げられて、コンクリートをダムに降ろしていました。
そいでは、堰堤の天端を歩いて渡ります。ダム湖の貯水率はまあまあありそうです。
日陰だから寒い・・・。川を渡るというより山を渡るという言葉がふさわしい威容を感じさせます。
奥の山に左岸側のケーブルクレーン基礎があります。
水力発電、なんだかんだ周辺の環境を激変させてしまうので他の発電方式と比べて目に見えて環境破壊が大きいんですが、それでもこの黒部湖と北アルプスの取り合わせは美しいなぁ、とこぼしてしまいます。
ダムの左岸は堰堤の天端からすぐに地下へ潜ります。以前訪れた時は黒部ダムの天端を歩いて引き返したので、この坑口からは未踏の領域となります。
黒部湖の巡視船(?)のしらとり丸が陸に揚げられていて坑道内に置かれていました。冬季はこの中で冬眠しているんですね。これからまたダム湖に戻るのかな?
というところで今日はここまで。
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駅の端っこ。トロリーバスは基本的にバック運転を想定していないので、駅は一方通行のループ状になっています。路線終端がループ状になっているのは、バスはもちろん鉄道でも日本では珍しい構造じゃないかと思いますが、よく調べていないので分かりません。バスターミナルがループ状になっているのはよく見ますけどね。鉄道だと今は亡きトゥーンタウンの路面電車がそれでしたね。
最後に300形のお顔を見てお別れ。1993(平成5)年製ですが、当時のどのバスメーカーの車両にも似ていない変な車体をしています。後で調べてみると、大阪車輌工業製なのだそうな。なるほどそれでか。ここは特殊車両や鉄道車両の改造を主にやっているのだそうで。
いつまでも乗り場に留まっていれるような雰囲気じゃなかったのでそそくさと退散。これでトロリーバスとはお別れですが、最終運行年の各種企画が盛り上がったおかげなのか車両保存の機運が高まって、1台扇沢に保存されることになったのでまた会いに行くことは出来にけり。
階段を登って外に出ると姿を現しました、黒部ダムです。よく黒四ダムと呼ばれますけど、黒部川第四発電所から取られていて、黒部第四ダムではないのだ。私未だに時々間違えてしまいますが。実はここに来るのは2度目。初回はもう何年前かは定かではないですが、家族旅行で白馬へ行った時に寄りました。ただしこんなにまだ雪が残っている季節じゃないですしこんなに朝早い時間でもなかったです。いやこれは寒いです。
黒部湖です。水深めっちゃ深そうなんですよね・・・。ここにダムが建てられたのは豊富な水量と発電時の高低差の高さからなのはご存知の通りですが、このような富山県の奥の奥によく目を付けられたと思いにけり。
堰堤の上は道路になっていて、ここを歩いて渡ってアルペンルートは続いていくのじゃ。道路の上のゴマ粒みたいなのが人間なので、クソデカイダムだなとなるわけです。
堰堤の上を歩くと分かりますが、ダムはW字のように折れ曲がっています。これは、堰堤の中央部の弧を描いている部分がアーチ式ダム、両端の折れ曲がって直線状になっているのが重力式ダム、というふうに2種類の方式のハイブリッドだから。専門用語だとコンバインダムと呼ぶのだそうな。アーチ式ダムはダム湖の水圧を堰堤ではなく両岸の山に負担させます。水圧を堰堤で負担する重力式ダムに比べてコンクリートの使用量を少なくすることが出来にけり。未開の地で物資搬入がえらく大変な黒部ダム建設では特に適した工法でした。ただし両岸には水圧に耐えるだけのとても強固な岩盤が必須条件です。しかし、黒部ダムの両岸の山は水圧に耐えられないことが分かりました。黒部ダムは初めはアーチ式ダムでやるつもりでしたが、これじゃだめなので端だけは重力式にして耐圧と資材量の低減を両立したのでした・・・と、前に流れていたブラタモリでやっていました。
黒部ダム周辺の模型です。右側が下流です。ダム自体は水を貯めるだけで、肝心の発電所は10kmくらい下流にあります。右端に第四発電所の文字がありにけり。これだと見にくいけどね・・・。ダム湖から発電所まではダム湖に導水路を開けて水を通しています。ダム湖から発電所までの落差は545mあります。これが水力発電日本第4位の最大発電量33.5万kwを出します。
遥か向こう北アルプスを見てみる。いや普通に雪山ですがな。しかしこの雪が少しずつ融けていくので、黒部川は通年に渡って安定した水量を保っているんだそうな。
陽向と日陰の境界。これは朝でないと見れぬな。
こんな朝から出店があります。きっと住み込みで働いているのだろう。ご苦労さまです。
単にデカイと言うより、厚くて背が高いダムですな。これは本当にたまげる。
これは建設時に使った機材ですね。
黒部ダムの堰堤のコンクリートを運搬するためのコンクリートパケットです。たぶん流し込んで固まったものを入れて運んでいたと思われ。
パケットを上から吊り下げるためのフックです。
作業用の穴でしょうなあ。
少し下の階層へ降りてみます。堤高186mは日本一の高さです。天端とほぼ同じ高さですかね。天端の下には10門の洪水吐がありにけり。これは単純に溢れただけ流れ出るだけの自然式です。あとは、ハウエルバンガーバルブが高・中・低水位用に設けられています。有名な観光放水はこのハウエルバンガーバルブから流れ出ているものです。観光放水はせっかくダム湖に貯めた水を発電せずにただ下流に捨てるだけで無駄でしかないんですが、だから”観光”と但書のように呼ばれとるんでしょうな。まだシーズン開始直後のこの時期は観光放水をしないので、今はただ静かな黒部ダム。ちなみに以前訪れた時も観光放水は見ていません。この先3度目の訪問があるとすれば観光放水を見ておきたいものです。
ダム直下。川の水は流れているっぽいですが、どこから出ているのかよく分からん。
謎構造物。建設時に使っていたものでしょうかねぇ。遺跡みたいだ。後で調べてみたら、ケーブルクレーンの基礎だったものでした。ケーブルクレーンは黒部川両岸に跨って架けられていたので、対岸にも同様の基礎があります。しかし地面からの高さは右岸の方が高く迫力が大きいので、よく写真に撮られるのはこっちのようです。この基礎は軌道状になっていて、この写真から見ると左右方向にクレーンを動かすことができるのだそうな。さっき見たコンクリートパケットはこのケーブルクレーンから吊り下げられて、コンクリートをダムに降ろしていました。
そいでは、堰堤の天端を歩いて渡ります。ダム湖の貯水率はまあまあありそうです。
日陰だから寒い・・・。川を渡るというより山を渡るという言葉がふさわしい威容を感じさせます。
奥の山に左岸側のケーブルクレーン基礎があります。
水力発電、なんだかんだ周辺の環境を激変させてしまうので他の発電方式と比べて目に見えて環境破壊が大きいんですが、それでもこの黒部湖と北アルプスの取り合わせは美しいなぁ、とこぼしてしまいます。
ダムの左岸は堰堤の天端からすぐに地下へ潜ります。以前訪れた時は黒部ダムの天端を歩いて引き返したので、この坑口からは未踏の領域となります。
黒部湖の巡視船(?)のしらとり丸が陸に揚げられていて坑道内に置かれていました。冬季はこの中で冬眠しているんですね。これからまたダム湖に戻るのかな?
というところで今日はここまで。
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