トロント・ユニオン駅で列車の撮影の続きです。今度はGOトレインの列車が入ってきます。路線名や行き先は表示されないので、何線の列車なのかはよく分かりません。
MPI MP40PH-3C形 620号機(旧塗装)とバイレベル客車です。
おしりの制御客車は332号です。
あっちからはMPI MP40PH-3C形622号機(新塗装)が。新塗装機も一応撮影できました。
ホームに停まっているVIA鉄道の列車に戻ります。GOトレインのホームへは出入りが自由で改札すら無いのですが、VIAは改札があります。日本のように入場券も無さそうなので、ホームへ立ち入るには乗るしかないのです。ただし反対側のGOトレインのホームから撮影ができるのでほぼ問題ないと思います。
やはりかっこいいな、うふふ。機関車はEMD F40PH-2D形6446号機です。客車はバッド製ステンレス客車です。骨董品コンビなのです。
F40PH-2D形はVIAが1989年から新造導入したディーゼル機関車です。これもアムトラックが運用していたものと基本的に同一の機種です。アムトラックではP42形に置き換えられて退役しましたが、VIAでは大規模延命工事を施工して現役を続けています。延命工事時にルネサンス塗装へ塗り替えられて若返りました。アイドリング音も素敵なんですよー。
客車は2両連結されています。これは8100形8117号です。この列車は「コリドー」の運用に就くと思いますが、だとしたらこの客車が連結されているのはちょっと変則的ですね。8100形は通常「カナディアン」を始めとした長距離列車に充当されるからです。「コリドー」用の2等車とは座席数もちょっと少ないのです。何らかの理由で代走に入ったかもしれませんし、なんてことはなくこういうことは日常的なのかもしれないです。なお8100形は元々カナディアンパシフィック鉄道が「カナディアン」用に新造した座席車です。製造年はなんと1955年です!この当時ですらすでに還暦を超えているのです。当然延命工事をしているわけですが、それを差し引いても驚異的な長寿命です。バッド・ステンレス客車の耐久試験でもやっているんでしょうか。
これは4000形4005号です。これは1等車です。2等車は4100形と呼ばれとります。また、VIAではまとめてHEP-2形と呼んでいます。この客車群はカナディアンナショナル鉄道から引き継いだ普通鋼製客車を淘汰するためにアムトラックから中古で購入したものです。といってもアムトラックもこれらの客車は発足時に各地の鉄道会社から引き継いだ中古の寄せ集めです。なのでVIAが購入した時は中古の中古ということです。なお製造年は8100形よりも古い物が大半で、この4005号はなんと1949年製!
客車のおしり。貫通路は柵が立てられているだけ。これで本線走行するんでしょうか?だったらちょっと信じられないことですが。20世紀じゃないんだから。
ちなみに!VIAのステンレス客車については拙作の同人誌がありますので、より知りたい方は下記リンクからご購入を(宣伝)
ホームを移動する時に駅のロビーへ迷い込んだようです。なんちゅー天井の高さのある広間だ。照明の少なかった時代の建築物ゆえの空間でしょうけど、空間の使い方が贅沢と言いますか。というか、トロントの一等地と言って良い立地に建っている建築物なのにあまり商業化の匂いがしないんですよね。駅ナカの概念はカナダにも無さそうです。
GOトレインを待っていたら、VIAの列車が推進運転で入線してきました。最前部にはオレンジベストを着た係員が前方監視しています。もうホームで停車するので、無線機片手に機関車の運転士と通話しているのでしょう。車庫からここまで推進運転でやってきたんでしょうね。ヨーロッパみたいな入換機は使わないみたいです。列車はF40PH-2DとLRC4両。これも「コリドー」で使われる列車だと思います。
この通り機関車は片運転台なので後方の視認性は皆無なのです。
機関車はEMD F40PH-2D形6449号機です。かっこいいですなあ。
なお、ホームの端からはCNタワーという通信/展望塔が見えます。1976年建築、高さは553mあります。2007年までは世界一高い構造物でした。CNというのはこれを建てたカナディアンナショナル鉄道の頭文字からです。やってることは東京スカイツリーを建てた東武鉄道みたいなものかと。ただしCNタワーは現在国有化されています。登ることも考えましたけど、トロントの土地勘が無いことと昨日のスカイロンタワーの景色で満足したので、今回は見送りました。なので旅行記で登場するのはこれが最初で最後です。
ちなみにここで立っていたのはCNタワーを見るためじゃなくて「カナディアン」の到着時刻がそろそろだったからです。西の方角を向いて待っていました。バンクーバーから来るからです。そしてなんと遅れも無く本当にほぼ定刻で到着してきたのです。すごい!・・・ただし、入線してきたのは東側から。つまり反対側です。西から来ると思いこんでいたので、走行経路の下調べもしないで待っていたのです。見当が外れたので載せられるような写真はありません。とほほ。
気を取り直して「コリドー」の観察です。5両編成の好ましく端正な列車です。すばらしい。
側面の機体番号の下には小さくGPA-30Hの文字があります。これはVIAの社内形式です。それぞれG(EMD製)P(旅客型)A(運転台付)30(3,000馬力)、H(更新機)の意味です。ただしギークの間でこの型番で呼ばれていることはあまり無いようですが・・・。ディーゼル機関車といっても、エンジンは発電用で車輪を動かすのはモーターの電気式ディーゼル機関車なので、台車はどちらかというと電車っぽい雰囲気だと思います。
F40PHの原型機と更新工事を受けた-2D型の大きな違いは車体後端にあります。更新工事でHEP用補助エンジンを追加搭載したので、それの覆いを後端に追加したのです。原型機では後端はデッキになっています。HEP (Head-End Power) とは、いわば客車用のサービス電源です。走行用エンジンから電力を拝借する方式と別のHEP専用補助エンジンを用意する方式が主です。これにより従来の車軸発電機が不要となり、照明や冷暖房などで電気に不自由することが減りました。日本だとこういうサービス用電源は客車に搭載することが主でしたが、北米では機関車に載っけているというわけです。これは、ディーゼル機関車に蒸気暖房装置を搭載していた流れを汲んでいるのかと考えられますね。
LRC客車1等車の3473号。LRCは1980年に登場した、機関車と客車のセットで運転される旅客列車です。軽量・低重心で高速性を追求した車両です。客車にはなんと制御振り子装置が搭載されていたのです。そういうわけでこの客車、他と比較して屋根が低いのです。車体断面も六角形。なんとなく381系みたいです。この列車長くは続かず20年くらいで運転をやめました。機関車は廃車になりましたが客車は振り子装置を停止させて今も運用に入っています。骨董品のステンレス客車よりは新しいですしね。これの話はまた追々そのうちいつかしようと思います。
2等車3331号(新塗装)。
2等車3334号(旧塗装)。
ユニオン駅ホームの撮影はこのくらいにして、場所を移そうと思います。
というところで今日はここまで。
その33へ→
26m Budd Large-Window Coach - Ready to Run -- Via Rail Canada (silver, blue, yellow)walthersによって設計された職人のメインライン。
Walthers Mainline VIA Rail Canada vs the Public: VIA Rail denied Canadians the right to buy the CANRAILPASS. A look...
Langan, PaulPaul Langan スカイツリー
待子 あかね白昼社
MPI MP40PH-3C形 620号機(旧塗装)とバイレベル客車です。
おしりの制御客車は332号です。
あっちからはMPI MP40PH-3C形622号機(新塗装)が。新塗装機も一応撮影できました。
ホームに停まっているVIA鉄道の列車に戻ります。GOトレインのホームへは出入りが自由で改札すら無いのですが、VIAは改札があります。日本のように入場券も無さそうなので、ホームへ立ち入るには乗るしかないのです。ただし反対側のGOトレインのホームから撮影ができるのでほぼ問題ないと思います。
やはりかっこいいな、うふふ。機関車はEMD F40PH-2D形6446号機です。客車はバッド製ステンレス客車です。骨董品コンビなのです。
F40PH-2D形はVIAが1989年から新造導入したディーゼル機関車です。これもアムトラックが運用していたものと基本的に同一の機種です。アムトラックではP42形に置き換えられて退役しましたが、VIAでは大規模延命工事を施工して現役を続けています。延命工事時にルネサンス塗装へ塗り替えられて若返りました。アイドリング音も素敵なんですよー。
客車は2両連結されています。これは8100形8117号です。この列車は「コリドー」の運用に就くと思いますが、だとしたらこの客車が連結されているのはちょっと変則的ですね。8100形は通常「カナディアン」を始めとした長距離列車に充当されるからです。「コリドー」用の2等車とは座席数もちょっと少ないのです。何らかの理由で代走に入ったかもしれませんし、なんてことはなくこういうことは日常的なのかもしれないです。なお8100形は元々カナディアンパシフィック鉄道が「カナディアン」用に新造した座席車です。製造年はなんと1955年です!この当時ですらすでに還暦を超えているのです。当然延命工事をしているわけですが、それを差し引いても驚異的な長寿命です。バッド・ステンレス客車の耐久試験でもやっているんでしょうか。
これは4000形4005号です。これは1等車です。2等車は4100形と呼ばれとります。また、VIAではまとめてHEP-2形と呼んでいます。この客車群はカナディアンナショナル鉄道から引き継いだ普通鋼製客車を淘汰するためにアムトラックから中古で購入したものです。といってもアムトラックもこれらの客車は発足時に各地の鉄道会社から引き継いだ中古の寄せ集めです。なのでVIAが購入した時は中古の中古ということです。なお製造年は8100形よりも古い物が大半で、この4005号はなんと1949年製!
客車のおしり。貫通路は柵が立てられているだけ。これで本線走行するんでしょうか?だったらちょっと信じられないことですが。20世紀じゃないんだから。
ちなみに!VIAのステンレス客車については拙作の同人誌がありますので、より知りたい方は下記リンクからご購入を(宣伝)
VIA鉄道のステンレス客車 - 黒鉄重工 - BOOTH
カナダの国営旅客鉄道「VIA鉄道」で活躍している1950年代製の初期のステンレス製車両に焦点を当てました。 製造から60年以上経過しながら未だに第一線で活躍する化石のよう...
ホームを移動する時に駅のロビーへ迷い込んだようです。なんちゅー天井の高さのある広間だ。照明の少なかった時代の建築物ゆえの空間でしょうけど、空間の使い方が贅沢と言いますか。というか、トロントの一等地と言って良い立地に建っている建築物なのにあまり商業化の匂いがしないんですよね。駅ナカの概念はカナダにも無さそうです。
GOトレインを待っていたら、VIAの列車が推進運転で入線してきました。最前部にはオレンジベストを着た係員が前方監視しています。もうホームで停車するので、無線機片手に機関車の運転士と通話しているのでしょう。車庫からここまで推進運転でやってきたんでしょうね。ヨーロッパみたいな入換機は使わないみたいです。列車はF40PH-2DとLRC4両。これも「コリドー」で使われる列車だと思います。
この通り機関車は片運転台なので後方の視認性は皆無なのです。
機関車はEMD F40PH-2D形6449号機です。かっこいいですなあ。
なお、ホームの端からはCNタワーという通信/展望塔が見えます。1976年建築、高さは553mあります。2007年までは世界一高い構造物でした。CNというのはこれを建てたカナディアンナショナル鉄道の頭文字からです。やってることは東京スカイツリーを建てた東武鉄道みたいなものかと。ただしCNタワーは現在国有化されています。登ることも考えましたけど、トロントの土地勘が無いことと昨日のスカイロンタワーの景色で満足したので、今回は見送りました。なので旅行記で登場するのはこれが最初で最後です。
ちなみにここで立っていたのはCNタワーを見るためじゃなくて「カナディアン」の到着時刻がそろそろだったからです。西の方角を向いて待っていました。バンクーバーから来るからです。そしてなんと遅れも無く本当にほぼ定刻で到着してきたのです。すごい!・・・ただし、入線してきたのは東側から。つまり反対側です。西から来ると思いこんでいたので、走行経路の下調べもしないで待っていたのです。見当が外れたので載せられるような写真はありません。とほほ。
気を取り直して「コリドー」の観察です。5両編成の好ましく端正な列車です。すばらしい。
側面の機体番号の下には小さくGPA-30Hの文字があります。これはVIAの社内形式です。それぞれG(EMD製)P(旅客型)A(運転台付)30(3,000馬力)、H(更新機)の意味です。ただしギークの間でこの型番で呼ばれていることはあまり無いようですが・・・。ディーゼル機関車といっても、エンジンは発電用で車輪を動かすのはモーターの電気式ディーゼル機関車なので、台車はどちらかというと電車っぽい雰囲気だと思います。
F40PHの原型機と更新工事を受けた-2D型の大きな違いは車体後端にあります。更新工事でHEP用補助エンジンを追加搭載したので、それの覆いを後端に追加したのです。原型機では後端はデッキになっています。HEP (Head-End Power) とは、いわば客車用のサービス電源です。走行用エンジンから電力を拝借する方式と別のHEP専用補助エンジンを用意する方式が主です。これにより従来の車軸発電機が不要となり、照明や冷暖房などで電気に不自由することが減りました。日本だとこういうサービス用電源は客車に搭載することが主でしたが、北米では機関車に載っけているというわけです。これは、ディーゼル機関車に蒸気暖房装置を搭載していた流れを汲んでいるのかと考えられますね。
LRC客車1等車の3473号。LRCは1980年に登場した、機関車と客車のセットで運転される旅客列車です。軽量・低重心で高速性を追求した車両です。客車にはなんと制御振り子装置が搭載されていたのです。そういうわけでこの客車、他と比較して屋根が低いのです。車体断面も六角形。なんとなく381系みたいです。この列車長くは続かず20年くらいで運転をやめました。機関車は廃車になりましたが客車は振り子装置を停止させて今も運用に入っています。骨董品のステンレス客車よりは新しいですしね。これの話はまた追々そのうちいつかしようと思います。
2等車3331号(新塗装)。
2等車3334号(旧塗装)。
ユニオン駅ホームの撮影はこのくらいにして、場所を移そうと思います。
というところで今日はここまで。
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26m Budd Large-Window Coach - Ready to Run -- Via Rail Canada (silver, blue, yellow)walthersによって設計された職人のメインライン。
Walthers Mainline VIA Rail Canada vs the Public: VIA Rail denied Canadians the right to buy the CANRAILPASS. A look...
Langan, PaulPaul Langan スカイツリー
待子 あかね白昼社