カナダ航空宇宙博物館の続きです。ここで大物選手の登場!アブロ・ランカスターB.X (Avro Lancaster B.X) です。初飛行1941年。ランカスターはイギリスの代表的な重爆撃機です。機体の下面が黒いので撮影しにくいのなんのって・・・。爆弾が10t積めるということで、これはアメリカのB-17の倍近い搭載量です。ただしそれは機体の軽量化により達成されたもので、よく撃墜されていたようです。エンジンはスピットファイアと同じマーリンを4発搭載しています。なのでランカスター1機でスピットファイア4機分です。乗員は7名なのでスピットファイア7機分です。こうボコボコと撃ち落とされていい機体じゃないわけです。それにしても、ランカスターは3日前も別の博物館で見ているわけで、短期間に複数のランカスターを見ているわけです。日本人旅行者からしたら贅沢なことをしているのかもしれません。
そんな贅沢な機体を7,000機以上量産してしまうところが大英帝国の底力なわけですが。こういう戦時に大量生産された航空機は、たいてい複数の企業で生産されているんですが、ランカスターもそうでした。ランカスターはカナダのビクトリー・エアクラフト社でライセンス生産された物もあります。このB.X型がそうです。ちなみに読み方はビー・エックスじゃなくて、ビー・テン(10)です。イギリスのこのローマ数字表記はややこしいですよね。何カッコつけてるんだと。基本的にはイギリスで生産されたB.III型の仕様で造られていますが、戦時中の本国から遠く離れたカナダ製ということで、計器や電子機器はカナダかアメリカで製造されたものが使用されています。見た目にはあまりわからないけれども。
ランカスターのエンジンは本来ならイギリスで生産されたロールスロイス・マーリンXXを使います。でもB.X型は現地生産を旨としていますから、エンジンもアメリカでライセンス生産されたパッカード製マーリン224型を搭載しています。爆撃機で液冷エンジンという組み合わせもランカスターくらいなものでしょうか。知らんけど。
ランカスターはカナダ空軍にも配備されたわけですが、戦後しばらくも沿岸哨戒機や海上救難機などに転用されました。1965年まで運用されていたので物持ちがよく、それが現存機の多さに繋がっています。なにしろカナダだけで10機近く現存しているのです。4発爆撃機が10機残っているってすごくないですか。
縦に長い胴体。私はカバと呼んでいますが。この個体は1945年製で、現存機の中で最も原型の割合が高いと言われています。同年5月にヨーロッパの現地部隊に納品されましたが、その頃はもうナチスドイツが終わってしまっていたので実戦には参加しなかったようです。戦後カナダに復員して1952年に沿岸哨戒任務に従事、1964年に第二次世界大戦時の装いに復元されて博物館に収蔵されています。復元されたのはカナダ空軍第428飛行隊の物で、これの経歴とは異なる部隊です。機首に描かれた爆弾マークは出撃回数を意味しています。実戦参加していないこの機体の経歴とは異なりますね。どうもこの博物館には、機体の経歴とは関係のない塗装に復元される例が多いですね。でもそれは、復元された年代が1960年代という"時代"にも関係がありそうです。まだ戦後20年ですからね。機体の資料性について十分な議論がされていたとは考えにくい時期だと思います。
車輪です。タイヤはさすがに交換されているか。
プロペラです。同じエンジン載せたスピットファイアは初めは3枚ペラ(極初期は2枚でしたが)だったのが最終的には5枚ペラとか二重反転プロペラとかまで進化していきましたが、ランカスターは3枚ペラを貫いたようです。
爆弾倉が長いんですね~。胴体の大半を貫いています。余裕のある広さのお陰でグランドスラムのような大型爆弾も積めたのが、アメリカ製爆撃機には無い利点だったそうな。
尾部。意外と細いのよ。この時代の爆撃機の垂直尾翼が2枚あるのは、ステルス性の確保・・・じゃなくて、胴体にデカい1枚の尾翼を置くと格納庫の高さに引っかかって中にしまえないからです。あー、ボーイングのことは今は忘れておいてもらって・・・。
爆弾倉にも潜れちゃうよ。照明も当てられていて親切です。
こちらが闇討ちしてベルリンを破壊する爆弾です。
胴体上部の防御機銃座です。エコノミー症候群になりそう。
尾翼ですね。
胴体の国籍章と飛行隊コード。左側の2文字のアルファベットの組み合わせで各飛行隊を表しているそうな。どうやって暗記するんだこんなの。しかも、同じ記号で複数の飛行隊が割り当てられていることもよくあり。記号が枯渇したのか、重複していても同じ時期には存在していないからセーフなのか、知りませんけど。
イギリスの至宝、マーリンエンジンです。B.Xに搭載と同型のパッカード・マーリン224です。マーリンは素晴らしく、ランカスター、スピットファイア、マスタングと、これを積んだ機体は一流の機体へと押し上げられています。ハリケーン?デファイアント?はて何ですかそいつらは・・・?
というところで今日はここまで。ランカスターだけで1回終わっちゃった。
その45へ→
タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.111 イギリス空軍 アブロ ランカスター B Mk.III スペシャル ダムバスタ...組み立て、塗装が必要なプラモデル。別途、工具、塗料等が必要。
タミヤ(TAMIYA) グッドスマイルカンパニー(GOOD SMILE COMPANY) マクロスF ランカ リー Anniversary Stage Ver. 1/7ス...(C) 2007 BIGWEST/MACROSS F PROJECT・MBS
グッドスマイルカンパニー New Era 59Fifty 帽子 MLB マイアミ フロリダ マーリンズ ベーシック ブラック フィットキャップ 115911...
New Era
そんな贅沢な機体を7,000機以上量産してしまうところが大英帝国の底力なわけですが。こういう戦時に大量生産された航空機は、たいてい複数の企業で生産されているんですが、ランカスターもそうでした。ランカスターはカナダのビクトリー・エアクラフト社でライセンス生産された物もあります。このB.X型がそうです。ちなみに読み方はビー・エックスじゃなくて、ビー・テン(10)です。イギリスのこのローマ数字表記はややこしいですよね。何カッコつけてるんだと。基本的にはイギリスで生産されたB.III型の仕様で造られていますが、戦時中の本国から遠く離れたカナダ製ということで、計器や電子機器はカナダかアメリカで製造されたものが使用されています。見た目にはあまりわからないけれども。
ランカスターのエンジンは本来ならイギリスで生産されたロールスロイス・マーリンXXを使います。でもB.X型は現地生産を旨としていますから、エンジンもアメリカでライセンス生産されたパッカード製マーリン224型を搭載しています。爆撃機で液冷エンジンという組み合わせもランカスターくらいなものでしょうか。知らんけど。
ランカスターはカナダ空軍にも配備されたわけですが、戦後しばらくも沿岸哨戒機や海上救難機などに転用されました。1965年まで運用されていたので物持ちがよく、それが現存機の多さに繋がっています。なにしろカナダだけで10機近く現存しているのです。4発爆撃機が10機残っているってすごくないですか。
縦に長い胴体。私はカバと呼んでいますが。この個体は1945年製で、現存機の中で最も原型の割合が高いと言われています。同年5月にヨーロッパの現地部隊に納品されましたが、その頃はもうナチスドイツが終わってしまっていたので実戦には参加しなかったようです。戦後カナダに復員して1952年に沿岸哨戒任務に従事、1964年に第二次世界大戦時の装いに復元されて博物館に収蔵されています。復元されたのはカナダ空軍第428飛行隊の物で、これの経歴とは異なる部隊です。機首に描かれた爆弾マークは出撃回数を意味しています。実戦参加していないこの機体の経歴とは異なりますね。どうもこの博物館には、機体の経歴とは関係のない塗装に復元される例が多いですね。でもそれは、復元された年代が1960年代という"時代"にも関係がありそうです。まだ戦後20年ですからね。機体の資料性について十分な議論がされていたとは考えにくい時期だと思います。
車輪です。タイヤはさすがに交換されているか。
プロペラです。同じエンジン載せたスピットファイアは初めは3枚ペラ(極初期は2枚でしたが)だったのが最終的には5枚ペラとか二重反転プロペラとかまで進化していきましたが、ランカスターは3枚ペラを貫いたようです。
爆弾倉が長いんですね~。胴体の大半を貫いています。余裕のある広さのお陰でグランドスラムのような大型爆弾も積めたのが、アメリカ製爆撃機には無い利点だったそうな。
尾部。意外と細いのよ。この時代の爆撃機の垂直尾翼が2枚あるのは、ステルス性の確保・・・じゃなくて、胴体にデカい1枚の尾翼を置くと格納庫の高さに引っかかって中にしまえないからです。あー、ボーイングのことは今は忘れておいてもらって・・・。
爆弾倉にも潜れちゃうよ。照明も当てられていて親切です。
こちらが闇討ちしてベルリンを破壊する爆弾です。
胴体上部の防御機銃座です。エコノミー症候群になりそう。
尾翼ですね。
胴体の国籍章と飛行隊コード。左側の2文字のアルファベットの組み合わせで各飛行隊を表しているそうな。どうやって暗記するんだこんなの。しかも、同じ記号で複数の飛行隊が割り当てられていることもよくあり。記号が枯渇したのか、重複していても同じ時期には存在していないからセーフなのか、知りませんけど。
イギリスの至宝、マーリンエンジンです。B.Xに搭載と同型のパッカード・マーリン224です。マーリンは素晴らしく、ランカスター、スピットファイア、マスタングと、これを積んだ機体は一流の機体へと押し上げられています。ハリケーン?デファイアント?はて何ですかそいつらは・・・?
というところで今日はここまで。ランカスターだけで1回終わっちゃった。
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タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.111 イギリス空軍 アブロ ランカスター B Mk.III スペシャル ダムバスタ...組み立て、塗装が必要なプラモデル。別途、工具、塗料等が必要。
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