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九州project 2 ~Phantom in Kyushu. その16【2018/9/19~23】

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2018年9月21日(金) 12時20分
熊本県人吉市 JR人吉駅偶然出会った「ななつ星in九州」の出発を撮影するために人吉駅の外に出ます。駅前にあるのは、機械仕掛けの時計です。前に来た時は雪が降っていたような・・・。

先頭のディーゼル機関車DF200形7000号機が停まっていました。列車が長いのでホームからは見えませんでした。JR貨物の貨物用ディーゼル機関車をななつ星用に特注した機関車です。主に装飾がななつ星専用です。機番も列車名に合わせて7000号機としています。日本の鉄道において、一番頭の番号の下一桁は1から始まることがほとんどなんですが、これは珍しく0から始まりますね。このDF200が見られただけでも少なくとも良しとしましょう。


駅の駐車場に停まっていたのは、ななつ星専用の観光バスです。駅からの二次交通手段として各地に先回りして乗客を待ち受けるのです。車両はいすゞ・ガーラ+西工92MCです。ボディは92MCですが、マスクが02MCに改造されていると言われています。また外観は列車と合わせてあります。内装も列車と合わせているようですが普通の4列座席のようで、ななつ星に乗るような方たちからすれば狭いのかも。それか、1人2席使用なのかもしれませんが。ナンバープレートの番号が7なのは、ちょっとしたこだわりですね。

線路沿いを八代方面へ歩いていくと100mちょっとで「人吉鉄道ミュージアムMOZOCA」というところにたどり着きます。主に家族連れ用の遊戯施設のような場所です。建物の屋上はテラスになっているのを見つけ、ここから俯瞰で撮影できるかもと登ってみた次第。するとやはり眺めが良く、ここを撮影地としました。人吉駅名物の石造りの車庫もよく見えます。8620形58654号機も折り返し運転へ向けてしばし休憩を取っていました。余談ですが2024(令和6)年に廃車になった58654号機は、どうやらこの車庫に保存されるみたいですね。

12時45分ごろ、「ななつ星in九州」が人吉駅を出発しました。客車列車らしいゆっくりとした引き出しで構内を少しずつ加速していきます。機関車と客車で統一された塗装なのは、アメリカのかつての大陸横断鉄道のような雰囲気も感じられて、良いものです。屋根の高さやRが揃っているのも見どころです。どうにか限られた時間と場所の中にしてはまともな写真を撮ることができて、やれやれというところです。列車が行き去ったら、踵を返して人吉駅へ再入場します。途中下車可能な長距離切符なのでこういう小技もできるわけです。

第28走者:JR肥薩線普通「いさぶろう」3号吉松行(キハ40系)人吉13:22→吉松14:48駅の中に入ると、もう次に乗る列車が私を待ち構えていました。肥薩線おもしろ列車2号の「いさぶろう」です。右側の漆色の気動車がそれです。人吉~吉松を一日2往復走ります。吉松行が「いさぶろう」、人吉行が「しんぺい」と上り下りで列車名が変わる珍しい列車です。どうでもいいですが人吉も吉松もどちらも吉が入っているので、一瞬混同しがちになりませんか?左側はさっき八代駅で見た特急「かわせみやませみ」です。八代駅ですれ違ってから追いついてきたんですね。肥薩線の中でも特に矢岳越えと呼ばれるような山間部を走る区間で、スイッチバックやループ線といった重厚な線路設備が目白押しです。もちろん景色もよいです。本数の少ない同区間の普通列車も兼ねているためか、この手の観光列車には珍しい普通列車で、自由席車も連結されています。

このフォグランプを追加したキハ40系は見た目のバランスが良く、好きです。原型の芋っぽさを打ち消し垢抜けた印象を与える秀逸な改造ですね。矢岳越え区間は実は一度乗ったことがあります。でもその時は夜間でした。明かりひとつ無い山間部、特殊な線路設備も絶景も何も見えないまま吉松駅まで運ばれるだけでした。なのでこの「いさぶろう」に乗ることは念願だったのですね。

車内は割とキハ40系の原型を留めていると思います。もちろん座席や照明や化粧板などは交換されていますが。座席は生来の4人がけボックスシートに毛が生えたようなやつ。普通列車ならこんなもんでしょう。なおこの列車、1往復は車庫への送り込みと返却を兼ねて人吉~熊本も走るんですが、その区間は特急列車扱いです。正直、これで特急料金を取るのかという内容です。同区間には特急「かわせみやませみ」も走っていますが、これは特急では一般的なリクライニング付き回転座席です。同じ区間、同じ料金、同じ車種なのに接客設備に格差があるんですから、遜色特急と言われても仕方ないでしょう。閑話休題。

食堂に入って昼ご飯を食べる時間が今日はないので、人吉駅のホームで立売していた駅弁を買いました。その名も「鮎ずし」です。ここらへんでは鮎の弁当が多いですね。この鮎ずしは人吉駅で1950年代から販売されているベテラン駅弁です。

酢飯の上に酢締めされた鮎の開きが丸ごと乗っている、ビジュアル抜群の弁当です。鮎は程よく引き締まった固さで、骨も取り除かれているので食べやすいです。これは食べてみてよかった駅弁でした。また食べたいな。

人吉駅を出発して20分、距離にして10km、ここまでずっと山を登ってきて、最初の停車駅が近づいてきました。スイッチバック駅なので隣から線路が迫ってきます。写真は、奥の線路は吉松方面への本線、手前の線路は駅へ延びています。

大畑駅に着きました。「おこば」と読みますが、書くのは簡単でも読み方が特殊で初見では読めないパターンです。


駅舎は開業当初からの建物だそうな。おびただしい数の名刺が貼られていますが、名刺を貼っていくと出世するらしいです。出所不明、本当かいなそれ。

名刺のない方がいいですね。必ず列車が停車しなければならないスイッチバック駅ということで、駅舎はそれなりにあります。ここが鹿児島本線だった時代はもっと多くの設備や建屋があったんだと想像が膨らみます。

駅前にレストランがありました。なんでまたこんなところに。列車での利用を想定しているのかな?でも時刻表を読んでみるとちょっと難しそうだ。

大畑駅を発車して、来た道を後退します。一度本線から分岐する折り返し線に入ります。この線路は人吉方面の本線です。線路の枕木が半分だけPC枕木になっていますね。たぶんここを七つ星が走るようになったので線路を強化したんだと思います。

折り返し線で停車して再度進行方向を変更、吉松方面の本線へ転進します。その際に大畑駅の構内がよく見えました。

慰霊碑のようなものが見えました。肥薩線建設時の殉職者のためのものかもしれません。

大畑駅を出発するとすぐに肥薩線名物のループ線に入ります。ここでまた一気に標高を稼いでいくのです。
というところで今日はここまで。

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