2015年7月9日(水)21時4分
ブリティッシュコロンビア州ウィスラー ウィスラー駅
夕食後、少し間を置いてウィスラー駅に来ました。ロータリーにある踏切が鉄道駅感を醸し出していますが、正直あまり鉄道感は感じないです。というのもここには定期列車来ないんです。
ウィスラー駅は1912年に太平洋大東部鉄道ことパシフィックグレートイースタン鉄道(BC鉄道の前身)により開業しました。晩年にはBC鉄道がノースバンクーバー~プリンスジョージを15時間かけて(朝出発しても終点に着くの夜中だぞ・・・)結ぶ「カリブー・プロスペクター(カリブー・デイライナー)」というRDCによる旅客列車を走らせていましたが、2002年に廃止。BC鉄道も2004年にカナディアンナショナル鉄道に吸収されます。
旅客列車廃止後に一度廃駅になったらしく、2007年に再開業しています。再開業の理由は、ここへ来た目的である観光鉄道のロッキーマウンテニア鉄道がウィスラーに乗り入れてきたからでしょう。ロッキーマウンテニア鉄道については後述。
ホームに入ります。これは駅名標・・・なのか?えらく適当な刺し方してる。
ホーム。これが駅かよ!って感じですが駅だそうです。奥の建物は待合室ではなく職員用の倉庫です。
末期の「カリブー・プロスペクター」がここに停車していた写真があったので再開業時に駅を移設したとかはなさそうです。
ちなみにCariboo Prospectorとは「カリブーの探鉱者」という意味で、カリブーとはカリブー山脈のこと。トナカイのカリブー Caribouとは綴りが異なるので注意。ここはかつて金脈があったのでゴールドラッシュに湧いてたんだそうな。
カナダにもPC枕木があったんだ!(*^◯^*)
今まで木の枕木しか見てなかったんでPC枕木の存在を疑っていたんですが、あったんですね。ひと安心。
22時になると列車がやってきました。ロッキーマウンテニア鉄道です!
うひゃぁ、これはかっこいい!
上記の通りロッキーマウンテニア鉄道は観光鉄道で、バンクーバーとカナディアンロッキーを結ぶ観光列車とそれに付帯する旅行ツアーを運営しています。
観光列車にも色々ありますがこれは金額が結構するお高い列車で、時間もお金も余裕のある人達をターゲットにした列車ですね。ワシには無理じゃ。観光列車というよりJR九州の「ななつ星」みたいなクルーズ列車の部類ですね。
運行時期は観光シーズンである夏のみで、列車の運転日もまちまちなので見たり乗ったりする際は時刻表をよく確かめような!
今到着した列車は「レインフォレスト・トゥ・ゴールドラッシュ Rainforest to Gold Rush」という名前がクソ長い列車で、アルバータ州ジャスパーからプリンスジョージを経由してウィスラーまでを2日間かけて結んでいます。2日間かけて走りますが寝台列車ではなく、夜間は沿線のホテルに宿泊して過ごします。これは他の経路の列車でも同様です。
ちなみに唯一貧乏人でも乗れそうな列車「シー・トゥ・スカイ・クライム Sea to Sky Climb」がノースバンクーバー~ウィスラーで運行されていました。これは同区間を半日で結ぶのでその気になれば列車往復で日帰りもできました。ウィスラーでは何もすることが出来ないでしょうけど。ただ「シー~」2015年で廃止されてしまいました。同区間は「レインフォレスト~」が運転区間を延長する形で継承しています。今「レインフォレスト~」をバンクーバー~ウィスラーだけ乗れるのかは知りませんので各自お調べください。
機関車はEMD GP40-2LW形RMRX8015号機と何かもう1機の重連でした。保有車両は基本的にお古です。
客車。客車は平屋と2階建ての2種類がありますが、平屋客車は全て1950年代に製造された古いものです。ただし内装は徹底的に更新されているので乗る分には不快に感じることはないんだと思います。
これはたぶん乗務員用車両だと思います。
平屋のドームカー。こちらは営業用の「シルバーリーフ」です。さっきの業務用車と元になった客車は同じですが、側窓の大型化と天井の展望窓設置化改造がされています。中身も改装されてるはずですがよく見えず。
シルバーがあるということはゴールドもあるんですな。列車の後ろ寄りに連結されているこの2階建て車が「ゴールドリーフ」です。当然シルバーよりも格上です。
車両はコロラド車輌製ウルトラドーム客車で、これだけはロッキーマウンテニアが新造しました。ウルトラドームという名前は、1950年代に登場したミルウォーキー鉄道のスーパードーム客車を超える客車として設計されたからなんだと思います。
乗客は展望の良い2階席に座って過ごします。窓はドーム状に天井まで伸びているので眺めは抜群でしょうな。1階席はよく知りませんがラウンジか食堂か何かだと思います。
スーパードームが定員0名のいわゆるロビーカーだった(と思うんだけど間違ってたらゴメンちょ)のに対してウルトラドームは座席車です。ここら辺の運用の仕方はサンタフェ鉄道のエルキャピタン客車の方が近いですかね。
ウィスラーが終点なので乗客がぞろぞろ降りてきます。最後尾の開放デッキが出口なんですな。このデッキは展望車の展望デッキも兼ねているのかもしれません。
出口にはちゃんと係員がいて段差にはステップを設けて地面には絨毯を敷いて横には旗も立てるという準備ぶり。カネがかかっているんやなぁ。
なお列車のケツはホーム端に停まったのでこれが限界。ちなみに先頭は短いホームのはるか向こうに停まってるのでこれもまた無理。客乗せる気ないだろと思うくらいホームが短い・・・。
ところが、そういえば跨線橋があったよねというのを思い出してそこから後ろを撮影。こうなっております。デカいな~ウルトラドーム。
この後列車は隣町のスコーミッシュまで回送されていくのですが、さすがにそこまで付き合う気はないのでこれで撤収。これでこの日の行動は全て終了で、B&Bに帰りました。翌日へつづく。
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