2016年3月4日(金)
カリフォルニア州ロサンゼルス 戦艦USSアイオワ博物館
艦内に入ります。艦内はあまりよく知らないのでサラッと行きますよ。
やけに広い空間が・・・ということは食堂ですね。さすが戦艦、広い。
厨房もあります。ここは食器洗い場です。
食洗機もあって自動化が進んでいます。何せ乗員が2000人とか3000人とかの世界ですから、こうでもしないと。
こっちは厨房。
軍艦の厨房は艦内でも安全とされる艦橋周辺の直下に配置されると聞いたことがありますが、USSアイオワもそんな感じの位置にありました。
USSアイオワの軌跡。
USSアイオワは連合国の首脳会談テヘラン会談へ赴くルーズベルト大統領を乗せて大西洋を渡ったのも有名ですが、やはり太平洋戦線の動きが気になるもの。
USSアイオワが太平洋に展開したのは1944年1月からで、もうアメリカが戦争を主導していた時期。結構あちこちでドンパチやっていますが、ほとんど全て上陸部隊への支援攻撃だったかと。ちなみに1944年12月に整備のため一度本土に帰還していて、よく4月から戦列復帰しています。
それと、日本の降伏した日が9月2日となっていて、日本で一般に浸透している8月15日と異なります。要はどこを終戦日とするかという解釈の違いなのですが。
日本の8月15日は、日本が8月14日にポツダム宣言を受諾したことを玉音放送を通じて国民に公表した日です。一方アメリカの9月2日は東京湾のUSSミズーリの艦上で降伏文書に調印した日です。こうしてみるとなんだか8月15日というのは歴史の節目的にはどうも・・・という気がしなくもないですが。
食堂を出て艦内を進みます。通路は駆逐艦よりは広いんだろうなと。
こんなものがありましたのでついでに説明。
これは「ブルズ・アイズ Bull's eyes」といういわば艦内の現在地が分かる住所みたいなもの。牛の目ン玉・・・という意味ですが、よく分からん。要点、急所という意味もあるそうですが。現在地が分かる要点という意味か?
私も完全には理解していないのでアレですが、例えばこれだと・・・。
1-77-1-L
最初の「1」は階層を表しています。木甲板のある主甲板を1として下へ向かって2,3...という風に数えていきます。これだと主甲板と同じ階層ですね。ちなみに甲板から上の階層だと頭に「0」を付けて01,02...という風に数えます。
次の「77」は艦内の区画番号。艦首から艦尾に向かって番号を振るんだそうですが、どういう振り方をしているのかは知らないです。数は151までは確認できました。さすが戦艦と言うべきか、やたら多いなと。これを覚えるのが一番大変そう。
次の「1」は右舷側か左舷側にあるかという意味らしいです。0~3までの数字を確認できましたが、よく分からず。
最後の「L」はどういう場所なのかを表しています。Lだと居住区(Living)という意味でし。あとは「C」がありましたが、これは艦橋で見かけたので戦闘区画(Combat)ですかね?
FR77-78
これは住所のより正確な番号。番地に相当するもんですかね。この文字の表す所は全く分からず。
S-5
これは大戦期に使っていた昔の旧住所。住所変更後もシステム上必要だったんですかね。
とまあこんな感じです。なんだか日本的な住所の付け方でした(区画で住所を付番する日本と違いアメリカは道路沿いに番地を振る)
法則を覚えれば使いやすいんでしょうね。
今後もちらほら出てくるんで、だいたいここなんだなと位置感覚を掴んでいただけたらなと。
副指揮官用の個室。執務室、ベッド、シャワー付きのバスがありまする。広いなおい。リビングがある時点ですでにびっくりですが、艦長クラスになるともっと広いのか・・・とこの後もっとびっくりするわけです。
副指揮官だとたぶん佐官クラスでしょう。このくらいの階級になると1人用個室が割り当てられるそうな。ただ他の佐官クラス~大尉までは2人部屋、大尉~少尉の下級士官でも3人部屋だったそうな。
これ誰の部屋だったかな・・・(忘れた
上級士官用の2人部屋でしょうね。
右に見切れているのが2段ベッドで、上段ベッドはすぐ上に配管が通っていて天地の余裕がなく座ることが出来ない悲惨な状態でした。
通路。
右側にあるやつは何かの隔壁ですかね。煙突かしらね?
これもなんでしたかねぇ・・・。貴賓室のような気も。
高官用寝室。執務室は別にあるんだろうなこれ。
おトイレ。
なぜか真ん中のトイレだけ仕切りが内開き。
トイレの隣りにあるシャワー室。
まあ水回りはまとめて置いたほうがいいんですけど、隣で人がクソしている横でシャワー浴びたくないわな・・・。
シャワーは温水が出るのかとか、そもそも真水使っていたのかとか、ローテーションはどうなっていたのかとか、知らんどす。
艦内の説明書きは漏れなく記録しているはずなので、それがないということは説明もなかったんでしょう。
これも上級士官用のお部屋。
通路の一角に見覚えのある筒が。主砲のところで見た装薬袋を入れる筒(Canister)ですね。
4層下までブチ抜いているハッチが。砲塔内にある弾薬庫へ装薬を降ろすためのハッチがここにあったんですね
筒には装薬袋3つ(110lb*3)が入ります。弾薬庫は全部で20室あり、そこに合計3,000発収納できたということですから、一体何往復したんやらと。
装薬筒の移動に使うチェーンブロック。チェーンブロックを移動させるレールが延びているので、主甲板から下ろしてきた装薬筒は一度ここでクレーンを付け替えるということですね。
ちなみに装薬袋の袋の素材には絹が使われていました。高級品かよ・・・。消耗品にこれですから、お金掛かるわねぇ。
なお1980年代以降はさすがに維持できなくなったのか、化学繊維のレーヨンに変更されています。
分かりませんが、絹もレーヨンも吸湿性が特徴ですからそれが装薬袋に適していたんですかね。
また高官室ですか。なんだか多くないかね。
とまあ、今日はここまで。次回はまた表に出ます。
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