2015年11月2日。
少し前に昔の鉄道の廃線跡を活用した遊歩道ギャロッピンググース・トレイルを自転車で走った記事を書きました。今回は一応それの続きになりますのでリンク先の記事を予め読んでおくと理解が深まるかと思います。。
11月に入るとこの時期恒例となる鮭の遡上が見られるようになります。去年も訪れたゴールドストリームでの遡上を見るのは確定ですが(次回書きます)、もう一箇所別の場所でも見てみたいなということで、スークを訪れることにしました。
で、せっかくなのでギャロッピンググース・トレイルの終点まで走って、そこから前回果たせなかったランフォードまでの長距離サイクリング(当社比)に再度挑戦しようと思ったのです。ネタバレするとまあ今回もダメだったんですけど。
前回同様、自宅から最寄りのバス停からBCトランジットの#61系統のバスに乗ってスークへ。
まずは観光案内所に行って鮭の遡上場所を聞き出そうと思ったのですが、なんとこの日は休みでした・・・。いきなり目論見が外れる。
とりあえず昼飯といきますか。
前回来た時に気になった店があったので入ってみました。その名もTERIYAKI HOUSE。
テリヤキというのは和食の照り焼きのことですが、照り焼きとテリヤキは似て非なるものです。スシ同様、アメリカに広まったのと同時に独自の形態に変化していきました。
そもそもは照り焼きのあの甘い味付けが現地人に受け入れられていったのだと思いますが(彼らは甘辛いソースが大好き)、次第に中身が変化していって今ではテリヤキソースを料理の上にかけるだけみたいな状態になっているんだそうな。照り焼きしてないじゃん。
で、この店は日本食を出す店ですが、現地化された日本料理でした。でも私はそもそも本国のものも含めて照り焼きが言うほど好きじゃないので、天ぷらうどんあたりを食べました。味はまあこんなもんだよねという感じで値段相応においしかったです。
どうでもいいですが、この店の看板キャラクターが山田うどんのカカシを連想させました。
腹ごしらえも済んだので、鮭を探しに行きます。
観光案内所は閉まっていて仕方ないので、手元のスマホでググってみると、ギャロッピンググース・トレイルに並行して流れるスーク川で見られるそうなので、スーク川のほとりを走るスークリバー・ロード Sooke River Rd. を走ることに。でもスーク川は川幅が広く川底も深いので鮭がいたとしても、見えねぇな・・・という感じです。
そんな中チャリを漕いでいると鮭の看板が目に入りました。
あ、これだ!
この看板はここを流れる川が鮭の生息地 Salmon habitat であることを示すものです。「ここには鮭が住んでるから、この環境を守ってちょーだいよ」ということを言っているんですが、つまりはこの川に鮭が遡上してくるわけですよ、奥さん!
ちなみに看板の上に書いてあるのは川の名前です。これはチャーターズ川 Charters Creekです。creekというのは川の意味ですが、riverよりも小さい小川を指します。creekよりも小さい川はbrookと言うようで、意外と分類が細かいのだなと。
そしてこの看板の右側、川の上流方を見てみると歩けるよういい感じに整備された川辺があるじゃないですか!これはもう突っ込むしかないでしょ!
いい雰囲気ですよ!何だか鮭もいそうな感じ。
く、熊が出るのか・・・。そりゃ鮭を食いにも来るよな。運命の出逢いを果たしたらどうしようか。
橋の下が深みになっているのですが、そこにいました!
数匹しかいませんが、確かにいます。まだ交尾や産卵という感じではないです。
鮭にも種類があるんですが、ちょっと判別できませぬ。ここら辺にはシロサケ(Chum salmomあるいはDog salmon; 我々がよく食べる一般的な鮭)、ギンザケ(Coho salmon; 日本ではもっぱら養殖用の鮭)、マスノスケ(Chinook salmon; いわゆるキングサーモン)が遡上してくるのだそうな。
それと、意外と察しが良くて、近くで足音を立てただけでも泳いで逃げ出します。まあここまで来てこの後人生の大一番が控えている中で取って喰われたらたまらないので、警戒もするよな。
別の溜まりにて。ぼっちの鮭。相手はいない。
橋の上から。デキてる鮭。水の透明度が素晴らしいです。こんな川は久々か。鮭もよく見えます。真上から撮っていますが、足音立てないようにかなり用心して近づきました。
なおこの川はチャーターズ川なので、上流へ歩いていけばギャロッピンググーストレイルのチャーターズトレッスル橋とぶつかるはずです。行けそうな感じはしましたが行きませんでしたけども。
チャリと記念撮影。撮りながらめっちゃいい絵だとか思っていました。
ちなみにこの日の少し前から自転車に泥除けが追加装備されました。初期状態の自転車では走るのに最低限必要な状態でして、必要に応じてヘルメット、前照灯、泥除けなどを買い足していく必要があります。好きなようにカスタマイズできるのが楽しいですが、まとめてセットにしその分割安にして欲しいよなぁ、とも。
夏の間は雨が滅多に降らないので泥除け無しでも大丈夫でしたが、10月後半に入ってから雨が降るようになったのでいよいよ泥除けを装備。あと半年ちょっとしか乗らないので最初はホームセンターにも売っているような安物にしたのですが、ホイールと合わなかったので役に立ちませんで背中が泥だらけに・・・。
なので後日、自転車屋に行って写真のようなホイールをすっぽりと覆い隠すちゃんとした泥除けに付け替えました。前後輪合わせて$40くらいした・・・。
ガッチリと装着するので着脱が面倒というか手持ちの工具では無理でした。なので以降チャリを手放すまでこのままでした。すなわちこれが私のチャリの最終形態。
場所はここらへんです。
目標のひとつである鮭の遡上は無事見れて満足したので、トレイルの最深部到達に専念することにします。
スークリバー・ロードを北へ進んでいくと途中の第2駐車場からギャロッピンググーストレイルへ合流できるので、まずはそこを目指します。
トレイルは平坦な道だったのでスークリバー・ロードもそうかと思いきや意外と坂道が多く、自転車をこぐのがしんどい。トレイルの方はやはり鉄道用に平坦な路盤をわざわざ建設しているのですね。
途中にはこんな広くてその上深い水たまりもありまして・・・。自転車にはキッツい深さだな。
左脇の森から迂回できそうだったので、そこを通ってどうにか突破。
第2駐車場へ到着。
そこの一角に石造りの煙突のような構造物が建っていて、気味が悪かったです。これはどうもここでリゾート開発をやろうとして失敗した夢破れて山河ありという感じの遺構です。
駐車場からギャロッピンググーストレイルに移って北上すること3km。ついに並行するスークリバー・ロードも終点になっていなくなってしまい、そこから先の道はトレイルだけに。
するとトレイルは川岸を走るようになりますので、スーク川の様子が見えるようになります。
前日くらいに雨が降っていたのですごい水量の水ですね、これ。河口から10kmほどしか離れていないですが、既に上流のような景色に変わっています。こんなところでも鮭は遡上していくのだろうか?
もはや人気はなく、聞こえるのは川の流れる轟音だけ。先に進んでも何も無いので、ちょっと不安になります・・・。
ちなみに対岸に道路があるのが分かるでしょうか。ガードレールが見えますよね。あれはボーンヤード・メイン・ロードという道なのですが、入り口は封鎖されているので一般車両は立ち入れない道路っぽいです。
終点までもう一息かな?・・・というところで突如として開けた空間が出てきました。
何度も書いているとおりこのトレイルは元来は鉄道だったので見た瞬間察しはつきましたが、ここには鉄道の駅か貨物ヤードがかつてあったのでしょう。
またまたネットの海を漁ってみましたが、ここにはキャメロン製材所という工場があったようで、その工場の鉄道ヤードだった線が濃厚かと。
さらにこの写真の方向から見て左前方にはリーチタウン Leech Town という林業や鉱業の労働者たちが住む町がありました。今はここでの林業鉱業は廃れてしまったので、現在のリーチタウンは完全なゴーストタウンです。今でも当時の遺構が残っていて、町へはここから分岐する獣道を行けば到達可能とみられる記述の地図があります。
ちょっとした休憩所。カプール Kapoor という地区だそうです。
トレイルの要所要所にこういった休憩所が設けられていますので、特に鉄道施設を意識したものではないでしょう。
しゃがんだおっさん状のパイプは、飾りではなくて自転車とチェーンキーを繋ぐためのもの。
脱線しますが、カナダの自転車には、後輪にあるリング状の鍵を付けません。代わりに鎖状の鍵を使います。その鍵をただフレームと車輪だけを繋いで施錠するのではなく、付近にある電柱、看板の柱といった"地面から生えているもの"も通して施錠します。
恐らく、そうしないと盗難にあってしまうからなのだと思います。自転車まあまあ高いですからね。
とはいえ周りにある柱だけだと数が足りないし周りに迷惑ですので、こういう自転車の鍵を掛けるための衝立のようなものがあちこちに生えているわけです。ダウンタウンなんかだと歩道に十数メートル置きに設置されていたりします。カナダは自動車の路駐し放題ですが、自転車もそうなのです。
場所はここ。
ヤードから先へ進みます。
ヤードを出てすぐにオールドウルフ川 Old Wolf Creekを渡ります。ここの橋も昔は鉄道橋を転用していましたが、今は新しく架け替えています。
そしてビクトリアから55km。ついに終点が視界に入ってきました!
うーむ、本当に唐突に門が現れるだけで、独特の終点だという雰囲気がない。
ここ。
あるのは赤い門だけ。ですがその先にもまだまだ道は続いています。
この先に進むと旧カプール製材所、旧カプール駅などの跡地があると思われ、そこを抜けるとスーク湖が見えてくるはずです。ですが進めません。
看板がありますね。
「入んじゃねぇぞ?ちゃんと監視してっからな!」ということを言っていますが、その理由も書かれているのが興味深いです。
グレーター・ビクトリア(ビクトリア都市圏)の飲用水の供給源だから・・・ということだそうです。
当時は、雨水を森林の土で保水するいわゆる緑のダムだから・・・と思っていましたが、今調べているのを見るとそれよりも大事なのだなと。
この辺りは、ビクトリア都市圏の飲用水は安定供給のために19世紀から尽力を続けています。その供給源がこのスーク周辺の森林と湖なのです。ざっと調べただけでも奥が深くてさすがに脱線が過ぎるのでそこら辺は割愛します。
で、この辺には1970年代に建設されたカプールトンネルという全長8.8kmの地下水道管が通っています。スーク湖からランフォードの上水処理場まで、山の地下を貫くように水道管が通っています。水道管だけじゃなくて整備時に人が通るためのトンネルも一緒にあるそうで。
さらに脱線しますが、ここの上水処理場の処理方式が「日本ガルチ式 the Japan Gulch Disinfection Facility (JGDF)」というものでした。なんでこんなところで日本が登場するんだ・・・?紫外線と塩素で消毒するそうですが、でもググっても日本語の資料は出てこず、謎なところです。
そのような上水道関係の施設がこの先にあるので、立入禁止なんでしょうね。
チャリと記念撮影。
辺りを見回しましたが、特にこれだというものも無かったので引き返します。
さて、ここからが本番でして、終点からランフォードまで数十kmを走破します。前回は途中でパンクしてしまいましたが、もちろん修理済み。大丈夫だ、問題ない。
やっぱり今回もダメだったよ。
スークまで出る途中のトレイルでパンクしました・・・(泣)
前回のパンクの時はバス停の近くでやったので撤退が楽でしたが、今回はかなり離れた地点でのパンクなので泣けます。
なので、パンクしたまま自転車を漕いでバス停まで出ました。こう連続してパンクが起きるともうたまらんので、今度はチューブを替えることにしたので、この際いくら傷んでも問題ないのです、はい。
ちなみにパンクは和製英語なのでこっちでは通じません。パンクした状態のことをこっちではflat tireと言います。
で、2回連続のパンクは堪えたので、以降トレイルを走破するという野望が再び燃え上がることはありませんでしたとさ・・・。
これでおしまいです。お疲れ様でした。
少し前に昔の鉄道の廃線跡を活用した遊歩道ギャロッピンググース・トレイルを自転車で走った記事を書きました。今回は一応それの続きになりますのでリンク先の記事を予め読んでおくと理解が深まるかと思います。。
11月に入るとこの時期恒例となる鮭の遡上が見られるようになります。去年も訪れたゴールドストリームでの遡上を見るのは確定ですが(次回書きます)、もう一箇所別の場所でも見てみたいなということで、スークを訪れることにしました。
で、せっかくなのでギャロッピンググース・トレイルの終点まで走って、そこから前回果たせなかったランフォードまでの長距離サイクリング(当社比)に再度挑戦しようと思ったのです。ネタバレするとまあ今回もダメだったんですけど。
前回同様、自宅から最寄りのバス停からBCトランジットの#61系統のバスに乗ってスークへ。
まずは観光案内所に行って鮭の遡上場所を聞き出そうと思ったのですが、なんとこの日は休みでした・・・。いきなり目論見が外れる。
とりあえず昼飯といきますか。
前回来た時に気になった店があったので入ってみました。その名もTERIYAKI HOUSE。
テリヤキというのは和食の照り焼きのことですが、照り焼きとテリヤキは似て非なるものです。スシ同様、アメリカに広まったのと同時に独自の形態に変化していきました。
そもそもは照り焼きのあの甘い味付けが現地人に受け入れられていったのだと思いますが(彼らは甘辛いソースが大好き)、次第に中身が変化していって今ではテリヤキソースを料理の上にかけるだけみたいな状態になっているんだそうな。照り焼きしてないじゃん。
で、この店は日本食を出す店ですが、現地化された日本料理でした。でも私はそもそも本国のものも含めて照り焼きが言うほど好きじゃないので、天ぷらうどんあたりを食べました。味はまあこんなもんだよねという感じで値段相応においしかったです。
どうでもいいですが、この店の看板キャラクターが山田うどんのカカシを連想させました。
腹ごしらえも済んだので、鮭を探しに行きます。
観光案内所は閉まっていて仕方ないので、手元のスマホでググってみると、ギャロッピンググース・トレイルに並行して流れるスーク川で見られるそうなので、スーク川のほとりを走るスークリバー・ロード Sooke River Rd. を走ることに。でもスーク川は川幅が広く川底も深いので鮭がいたとしても、見えねぇな・・・という感じです。
そんな中チャリを漕いでいると鮭の看板が目に入りました。
あ、これだ!
この看板はここを流れる川が鮭の生息地 Salmon habitat であることを示すものです。「ここには鮭が住んでるから、この環境を守ってちょーだいよ」ということを言っているんですが、つまりはこの川に鮭が遡上してくるわけですよ、奥さん!
ちなみに看板の上に書いてあるのは川の名前です。これはチャーターズ川 Charters Creekです。creekというのは川の意味ですが、riverよりも小さい小川を指します。creekよりも小さい川はbrookと言うようで、意外と分類が細かいのだなと。
そしてこの看板の右側、川の上流方を見てみると歩けるよういい感じに整備された川辺があるじゃないですか!これはもう突っ込むしかないでしょ!
いい雰囲気ですよ!何だか鮭もいそうな感じ。
く、熊が出るのか・・・。そりゃ鮭を食いにも来るよな。運命の出逢いを果たしたらどうしようか。
橋の下が深みになっているのですが、そこにいました!
数匹しかいませんが、確かにいます。まだ交尾や産卵という感じではないです。
鮭にも種類があるんですが、ちょっと判別できませぬ。ここら辺にはシロサケ(Chum salmomあるいはDog salmon; 我々がよく食べる一般的な鮭)、ギンザケ(Coho salmon; 日本ではもっぱら養殖用の鮭)、マスノスケ(Chinook salmon; いわゆるキングサーモン)が遡上してくるのだそうな。
それと、意外と察しが良くて、近くで足音を立てただけでも泳いで逃げ出します。まあここまで来てこの後人生の大一番が控えている中で取って喰われたらたまらないので、警戒もするよな。
別の溜まりにて。ぼっちの鮭。相手はいない。
橋の上から。デキてる鮭。水の透明度が素晴らしいです。こんな川は久々か。鮭もよく見えます。真上から撮っていますが、足音立てないようにかなり用心して近づきました。
なおこの川はチャーターズ川なので、上流へ歩いていけばギャロッピンググーストレイルのチャーターズトレッスル橋とぶつかるはずです。行けそうな感じはしましたが行きませんでしたけども。
チャリと記念撮影。撮りながらめっちゃいい絵だとか思っていました。
ちなみにこの日の少し前から自転車に泥除けが追加装備されました。初期状態の自転車では走るのに最低限必要な状態でして、必要に応じてヘルメット、前照灯、泥除けなどを買い足していく必要があります。好きなようにカスタマイズできるのが楽しいですが、まとめてセットにしその分割安にして欲しいよなぁ、とも。
夏の間は雨が滅多に降らないので泥除け無しでも大丈夫でしたが、10月後半に入ってから雨が降るようになったのでいよいよ泥除けを装備。あと半年ちょっとしか乗らないので最初はホームセンターにも売っているような安物にしたのですが、ホイールと合わなかったので役に立ちませんで背中が泥だらけに・・・。
なので後日、自転車屋に行って写真のようなホイールをすっぽりと覆い隠すちゃんとした泥除けに付け替えました。前後輪合わせて$40くらいした・・・。
ガッチリと装着するので着脱が面倒というか手持ちの工具では無理でした。なので以降チャリを手放すまでこのままでした。すなわちこれが私のチャリの最終形態。
場所はここらへんです。
目標のひとつである鮭の遡上は無事見れて満足したので、トレイルの最深部到達に専念することにします。
スークリバー・ロードを北へ進んでいくと途中の第2駐車場からギャロッピンググーストレイルへ合流できるので、まずはそこを目指します。
トレイルは平坦な道だったのでスークリバー・ロードもそうかと思いきや意外と坂道が多く、自転車をこぐのがしんどい。トレイルの方はやはり鉄道用に平坦な路盤をわざわざ建設しているのですね。
途中にはこんな広くてその上深い水たまりもありまして・・・。自転車にはキッツい深さだな。
左脇の森から迂回できそうだったので、そこを通ってどうにか突破。
第2駐車場へ到着。
そこの一角に石造りの煙突のような構造物が建っていて、気味が悪かったです。これはどうもここでリゾート開発をやろうとして失敗した夢破れて山河ありという感じの遺構です。
駐車場からギャロッピンググーストレイルに移って北上すること3km。ついに並行するスークリバー・ロードも終点になっていなくなってしまい、そこから先の道はトレイルだけに。
するとトレイルは川岸を走るようになりますので、スーク川の様子が見えるようになります。
前日くらいに雨が降っていたのですごい水量の水ですね、これ。河口から10kmほどしか離れていないですが、既に上流のような景色に変わっています。こんなところでも鮭は遡上していくのだろうか?
もはや人気はなく、聞こえるのは川の流れる轟音だけ。先に進んでも何も無いので、ちょっと不安になります・・・。
ちなみに対岸に道路があるのが分かるでしょうか。ガードレールが見えますよね。あれはボーンヤード・メイン・ロードという道なのですが、入り口は封鎖されているので一般車両は立ち入れない道路っぽいです。
終点までもう一息かな?・・・というところで突如として開けた空間が出てきました。
何度も書いているとおりこのトレイルは元来は鉄道だったので見た瞬間察しはつきましたが、ここには鉄道の駅か貨物ヤードがかつてあったのでしょう。
またまたネットの海を漁ってみましたが、ここにはキャメロン製材所という工場があったようで、その工場の鉄道ヤードだった線が濃厚かと。
さらにこの写真の方向から見て左前方にはリーチタウン Leech Town という林業や鉱業の労働者たちが住む町がありました。今はここでの林業鉱業は廃れてしまったので、現在のリーチタウンは完全なゴーストタウンです。今でも当時の遺構が残っていて、町へはここから分岐する獣道を行けば到達可能とみられる記述の地図があります。
ちょっとした休憩所。カプール Kapoor という地区だそうです。
トレイルの要所要所にこういった休憩所が設けられていますので、特に鉄道施設を意識したものではないでしょう。
しゃがんだおっさん状のパイプは、飾りではなくて自転車とチェーンキーを繋ぐためのもの。
脱線しますが、カナダの自転車には、後輪にあるリング状の鍵を付けません。代わりに鎖状の鍵を使います。その鍵をただフレームと車輪だけを繋いで施錠するのではなく、付近にある電柱、看板の柱といった"地面から生えているもの"も通して施錠します。
恐らく、そうしないと盗難にあってしまうからなのだと思います。自転車まあまあ高いですからね。
とはいえ周りにある柱だけだと数が足りないし周りに迷惑ですので、こういう自転車の鍵を掛けるための衝立のようなものがあちこちに生えているわけです。ダウンタウンなんかだと歩道に十数メートル置きに設置されていたりします。カナダは自動車の路駐し放題ですが、自転車もそうなのです。
場所はここ。
ヤードから先へ進みます。
ヤードを出てすぐにオールドウルフ川 Old Wolf Creekを渡ります。ここの橋も昔は鉄道橋を転用していましたが、今は新しく架け替えています。
そしてビクトリアから55km。ついに終点が視界に入ってきました!
うーむ、本当に唐突に門が現れるだけで、独特の終点だという雰囲気がない。
ここ。
あるのは赤い門だけ。ですがその先にもまだまだ道は続いています。
この先に進むと旧カプール製材所、旧カプール駅などの跡地があると思われ、そこを抜けるとスーク湖が見えてくるはずです。ですが進めません。
看板がありますね。
「入んじゃねぇぞ?ちゃんと監視してっからな!」ということを言っていますが、その理由も書かれているのが興味深いです。
グレーター・ビクトリア(ビクトリア都市圏)の飲用水の供給源だから・・・ということだそうです。
当時は、雨水を森林の土で保水するいわゆる緑のダムだから・・・と思っていましたが、今調べているのを見るとそれよりも大事なのだなと。
この辺りは、ビクトリア都市圏の飲用水は安定供給のために19世紀から尽力を続けています。その供給源がこのスーク周辺の森林と湖なのです。ざっと調べただけでも奥が深くてさすがに脱線が過ぎるのでそこら辺は割愛します。
で、この辺には1970年代に建設されたカプールトンネルという全長8.8kmの地下水道管が通っています。スーク湖からランフォードの上水処理場まで、山の地下を貫くように水道管が通っています。水道管だけじゃなくて整備時に人が通るためのトンネルも一緒にあるそうで。
さらに脱線しますが、ここの上水処理場の処理方式が「日本ガルチ式 the Japan Gulch Disinfection Facility (JGDF)」というものでした。なんでこんなところで日本が登場するんだ・・・?紫外線と塩素で消毒するそうですが、でもググっても日本語の資料は出てこず、謎なところです。
そのような上水道関係の施設がこの先にあるので、立入禁止なんでしょうね。
チャリと記念撮影。
辺りを見回しましたが、特にこれだというものも無かったので引き返します。
さて、ここからが本番でして、終点からランフォードまで数十kmを走破します。前回は途中でパンクしてしまいましたが、もちろん修理済み。大丈夫だ、問題ない。
やっぱり今回もダメだったよ。
スークまで出る途中のトレイルでパンクしました・・・(泣)
前回のパンクの時はバス停の近くでやったので撤退が楽でしたが、今回はかなり離れた地点でのパンクなので泣けます。
なので、パンクしたまま自転車を漕いでバス停まで出ました。こう連続してパンクが起きるともうたまらんので、今度はチューブを替えることにしたので、この際いくら傷んでも問題ないのです、はい。
ちなみにパンクは和製英語なのでこっちでは通じません。パンクした状態のことをこっちではflat tireと言います。
で、2回連続のパンクは堪えたので、以降トレイルを走破するという野望が再び燃え上がることはありませんでしたとさ・・・。
これでおしまいです。お疲れ様でした。