3ft鉄道の転車台。あとで見ます。
謎スイッチャー。プリマス製#589です。四角四面の機体で、鉄道模型の自由形キットにこういうのがいそうです。
北米型のディーゼル機関車は電気式が主流ですがこういう小型スイッチャーになると液体式もいます。
グリズリーフラッツ鉄道#2蒸気機関車「エマ・ネバダ」(1881年ボールドウィン製)
前回話したとおり、妻とオタク仲間に勧められて購入した機関車。車輪配置は2-6-0。
これもコテコテの装飾がされていて、西部開拓時代の機関車を思い浮かべます。グリズリーフラッツは保存鉄道というわけではないですが、保存鉄道というと原型に忠実であれ、という考えが多いですが、こういうやり方もありだよなと思います。
個人的に感動したのは先輪なんですが、車輪の裏側に波模様が打ってありますよね。
これより前に買った中古の鉄道模型の車輪に同様の模様がついていて、当時はなんの意味があるのか理解できなかったのですがこれを見てこういう模様なのか!と分かった時は雷に打たれるような感じでした。やはり実車を観察するというのは意義があります。
ちなみにこの時機関車は整備中でして、部分的に部品が分解されていました。先輪が外されていますよね。あとはカウキャッチャーも外されているんだと思います。
機関車の下には整備士が潜り込んで整備をしているんですが、わかるかな?脚が出ています。
ライトケースにはサイゼリアに飾ってそうな絵が描かれています。案外、奥さんが描いた絵なのかもしれませぬ。
エマ・ネバダは石炭焚きだったはずですが、煙突はダイヤモンド型なんですね。形骸化してるんだと思います。
キャブにも絵が描かれていておしゃれだな~と思います。
機器類は一通り揃っています。計器類は元から無かったんでしょう。
逆転機のことをアメリカ英語では「ジョンソンバー Johnson bar」と呼ぶんですね。ジョンソンの由来はなんでしょうか?発明した人かな?
炭水車。
石炭庫がバスタブ状ではないのは、元は薪焚きだったから?でもって石炭庫を囲む壁は水タンクになってるんじゃないかしら?
炭水車にも手ブレーキってあるんですねぇ。
足回りの整備を入念にやっているようでした。
静態保存機のはずですが、実はこっそり火を入れて運転しているのか・・・?少なくとも、車輪を回して線路の上を移動できるような状態は維持できているというところでしょうか。流行りの圧縮空気を使えば自走できそうですね。
後ろ側。
炭水車のライニングがいい味出しています。19世紀の機関車にはライニングが似合います。
グリズリーフラッツ鉄道#5一等客車(1881年B&S製) ※B&S; Barney and Smith Car Co.
エマ・ネバダ号に連結されていたグリズリーフラッツの客車です。元々はカーソン&コロラド鉄道#5で、N&C鉄道(正式名不明)、サザンパシフィック鉄道を経ています。
キンボールが初めに手に入れた客車で、全てはここから始まったのだ。小さいですが一端の客車であり、なるほどこれを見せられたら「機関車も欲しいねぇ」と口から零れるのも分かります。それで本当に機関車を買っちゃうのがすごいわけですが。
パシフィックコースト鉄道#704有蓋車(1906年自社製)
パシフィックコースト(1882~1941)はロサンゼルスの北西部を走っていた鉄道です。3ft狭軌路線なので他社線との直通はできないのですが、起点のポートハーフォードではサンフランシスコ~サンディエゴ間の船と連絡していて、寄港した船から乗客や貨物を内陸部へ運んでいた模様。
車両が木造である点もそうですが、手ブレーキのハンドルの位置に注目してください。ハンドルが屋根にあるのが分かります。
これすなわち、カブースに乗っている車掌が車外に出て貨車の屋根を伝い歩いて、屋根から1台ずつ貨車のブレーキを締めたり緩めたりしていたということです。まだブレーキ管などが無かった時代です。
妻面には屋根を歩く際の通路になるキャットウォークの台座も残っています。
車両はもう1列分あります。この列のは一層古そうな雰囲気を出していますが果たして・・・?
サザンパシフィック鉄道#449有蓋車(1891年製)
上の#704とは細かいところが異なる有蓋車。
サザンパシフィック鉄道#39二等座席車(1882年カーター製)
台車の無いダルマ状態で置かれている客車。かなりくたびれていますが、この車体は原型を留めた資料性のある客車と思われ。
手前側の隅の側面に孔がいくつも空いています。腐ってる?でも不自然だな?と思ったら、実はキツツキが空けた孔なのでした・・・。
カーソン&コロラド鉄道#10「エスメラルダ」ビジネス客車(1896年V&T製) ※Vurginia & Truckee
これもダルマ。鉄道会社の社長や役員専用の車両、ビジネスカーです。そういう意味では業務用車両ですよね、これ。「ヤ」ですよ。
内装は一般的なもので、応接間、食事部屋、寝室、風呂、台所がこの1台に詰まっています。小型の狭軌鉄道車なので一部屋一部屋が窮屈そうですが・・・。手前側のデッキは展望デッキになっています。
外にも何台か置かれています。
いずれもデンバー&リオグランデウェスタン鉄道(D&RGW)の貨車で、グリズリーフラッツ由来の車両ではないです。
デンバー&リオグランデウェスタン鉄道#732無蓋車(1904年ACF製)
こんなところでリオグランデ鉄道の名前が出てくるとは思わなかったですが、まあ比較的近所か。
これは側面にアオリ扉が付いているタイプ。
デンバー&リオグランデウェスタン鉄道#6768控車(製造年不明)
長物車ですが、控車として使われていた模様。
後述する貨車の長さに収まりきらない貨物を運ぶ時に連結器よりも飛び出た部分を補う目的で使われたと思います。
デンバー&リオグランデウェスタン鉄道#1155無蓋車(ACF製)
この写真の角度だとただの無蓋車に見えますが、実は妻面が取り除かれているのです。それが分かる写真を撮ってないのが痛い・・・。一応、上の#6768の写真の右端に写り込んでる#1155を見ると、妻面がないのが分かると思います。
妻面を外した理由は、鉱山で使う掘削用鋼管を輸送するためのパイプ・ゴンドラ車だったからです。鋼管は長いので無蓋車の長さに収まりきらないのです。加えて、鋼管なので横に転がって脱落しないようにアオリ扉で押さえておく必要があったのです。
D&RGWの無蓋車は、側面を外すだけで簡単に長物車に変身できる構造でしたので、これも普通の無蓋車から妻面だけ外したものと考えられます。
で、鋼管は貨車からはみ出る長さなのでこれだけだと他の車両とぶつかってしまい連結できません。そこで上記の控車を噛ませることでこれを解決するわけです。パイプゴンドラの前後に控車を連結する必要がありましたので、やや効率の悪い運用ですかね。
3ft鉄道はここまでです。
20世紀中頃には途絶えてしまった方式ですので、保存車は19世紀末~20世紀初頭製造と全体的に古いものばかりでした。特に19世紀の車両が一箇所にまとまった台数残っているというのは驚くべきことでしょう。日本だったら明治時代ですぜ。
ひとえにキンボールが蒐集してきたおかげだなと。当然これらを継承した博物館も。
今日はここまで。
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