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北米project 4 ~Is the order a warbird? その56【2016/03/04~10】

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どんどん見ていきましょう。
次は、さっきから他の写真にチラチラ写り込んでいるアイツことボーイングB-29Aスーパーフォートレス(1942年・207機目)
ついに黒鉄重工の前にも姿を表しました、御存知B-29戦略爆撃機です。日本人にとっては因縁の相手でしょう。なので説明も多くはいらないでしょう(手抜き)

こいつらが日本中を火の海にしていったんで感じ悪いと思うのも分からなくもないですが、その責任はその道具を使わせた人間に向けないと埒が明かないと思います。だいたいカーチス・ルメイのせいだと思うんですけどね。

航続距離9,600kmに9,100kmの爆弾搭載量とか、完全予圧の機内とか、技術的には画期的な機体なんですよ。私も機体自体は好きな方でして。特に球状の前頭部は類を見ない形状をしていて、未だにSFの宇宙船みたいな未来を行っている形状だなと思います。

余談ですが、この機体はA型のサブタイプが付いていますが、R-3350エンジンの改良型を搭載したマイナーチェンジ型。そしてA型より前にサブタイプ無し、つまり無印のB-29がいます。なのでB-29と書かれてる時は機種全体としてのB-29なのかサブタイプの分類まで含めたB-29なのかを見極める必要が出てくる場合があります。そんなこと滅多に無いだろうけどさ。



やっぱりでけぇな。
この博物館、360度好きな角度から眺め放題なので素敵です。機体全体を横から撮るのだって自由自在。



未来的な素敵前頭部。といっても爆撃手が座り込む先端は意外と他の爆撃機と変わらん形状かな。操縦手が座り込む部分の窓が機体形状に沿って配置されているのがやはり特徴的。
ところでこれってもしかしてノルデン式照準器が載っかっている?いくら機内とはいえこんな屋外に置いてあったら盗まれそうなものですし、ダミーなのかも知れませんが。
ノルデン式照準器はだいぶ前に説明したんで詳細は割愛しますが、簡単に言うと爆撃の照準器であると同時に目標にした地点まで機体を自動操縦して自動で爆弾を投下してしまうビックリドッキリメカです。照準よりも自動操縦・自動投下の方がキモの装置なのだ。



R-3350エンジンが4発も搭載してある。4発機はやはり贅沢品。
初期のB-29の弱点がエンジンで、まだ開発されてすぐのR-3350は故障が頻発し稼働率が低かったと言われとります。
B-29は全体的にかなり野心的な設計だったので、機体の実用化にあちこちの技術の成熟が追いついていなかったのです。本当なら対ドイツ戦にも投入するはずが、実用化が遅れているうちにどうやらドイツはもう時間の問題だ、ということで日本を集中的にけちょんけちょんにすることにしたのです。
技術が成熟するのを待ってる時間はないので、故障する部品は消耗品と割り切って、故障したらすぐに交換して乗り切っていました。これがいわゆる米帝プレイというやつだ。



故障の悩みのタネの一つだった排気タービン(ターボチャージャー)。B-17やB-24も排気タービン持ちですがこれらがエンジン1発につき排気タービン1基だったのに対してB-29はなんと1発あたり2基搭載しています。倍ですよ倍、奥さん。どんだけ高高度でエンジンぶん回すねん。

空気の薄くなる高高度ではエンジンを燃焼させる酸素の量も少なくなってしまうので性能低下に繋がります。そこで過給器を用いて空気の圧力を高めて多くの酸素を取り込むことで高高度性能を高めるのです。
純粋に性能向上に繋がるので、第二次世界大戦期の戦闘機や爆撃機はどれも過給器を装備していました。過給器には機械式過給器(スーパーチャージャー)と排気タービン(ターボチャージャー)の2種類があります。B-29が装備しているのは後者。
なるほど排気タービン2基がB-29の高高度性能の秘密だったのか。そうかそうか。

前にも書いたような気がしますが、スーパーチャージャーがエンジンの出力を少し拝借してタービンを回すのに対して、ターボチャージャーは本来捨てるだけのエンジンの排気ガスを利用してタービンを回すのでエネルギーロスが無くスーパーチャージャーより効率的なのが特徴です。
一方で、高熱の排ガスへの耐久性や回転数調整に高度な技術が必要なため、アメリカ以外では実用化できませんでした。

数が多いのでそれなりに故障が多かったらしく、ここでも米帝プレイで故障のたびに排気タービンまるごと交換してたそうな・・・。
こんなんアメリカにしか運用できない機体だよな。日本に渡してもしばらくしないうちに満足に動かせないまま降伏しそう。
そういうわけなので、B-17ではエンジンポッド下面に付いていた排気タービンは左右に1基ずつ取り付けられているのでした。



後ろ。細い尾部とクソデカ垂直尾翼というボーイング機の特徴がこれにもよく出ています。
ケツから出ているのは対空機銃ですね。その上には機銃座の窓があります。ここって予圧されてたんかな?



爆弾倉の中も見れっぞ!
前方に球状の予圧隔壁があるのがよく分かります。
隔壁の上部から伸びている太い管は、乗員が機体の前後を行き来するための通路です。B-17なんかでは爆弾倉の中に設けられた足場の上を歩いていましたが、B-29の爆弾倉は予圧されておりませぬので、管状の通路を這いつくばりながら通ります。デブでヒゲ生えてたら通れないと思うぞ。



爆弾はこんな風に取り付けます。



次行きます。P-38が収められている格納庫です。ここにもP-38専用の格納庫があるのね。やっぱり人気なんかなぁ。



ロッキードP-38Lライトニング(1日ぶり3機目・208機目)
格納庫にドカンと置かれているP-38L。実はガラス繊維で造られたレプリカなのですが、本物ソックリなのでびっくりです。



双胴のエンジンポッドの内部模型。アリソンエンジンは本物っぽいです。



こっちも本物っぽい排気タービン。排気タービンを搭載した高級戦闘機なのがP-38なのです。
P-38のエンジンは、P-39やP-40にも搭載されているアリソンV-1710です。P-39とP-40が低性能なのでアレなエンジンと思われてるフシがありますが、基本的な性能は悪くなかったと思っています。
V-1710の場合、過給器にあまり恵まれなかったので高高度性能が弱かったという点はあるでしょう。現にV-1710にちゃんとした過給器を搭載したP-38の性能は日本にとっても恐ろしいものになっていました。



正面から。あ、増槽って胴体とエンジンポッドの間に付けるんだ。



謎ジェット機(209機目)
東側の機体っぽいですけど、練習機かな?



ノースアメリカンB-25Jミッチェル(1日ぶり3機目・210機目)
いつもの中型爆撃機。なぜかB-25だけ他の展示機から離れた敷地のすみっこにポツンと孤立して置かれていました。看板代わりにするには目立たないと思うんだけどな・・・?



ボーイングB-17Gフライングフォートレス(1日ぶり2機目・211機目)
おなじみアメリカ陸軍航空軍の主力兵器。やはりカーキ色の方がしっくりくるかなぁと。
これもB-25と他の展示機との中間くらいの位置にぽつんと置かれております。でもハブられてる感のあるB-25と違ってB-17は機体の周りに歩道が円形に配置されているので、なんだか特別感が出ています。やはり人気なんですよ。



エンジンポッドの下面に付いている排気タービン。



原子爆弾「リトルボーイ」の1/2縮尺模型。広島に落としたやつなので広島型原爆と呼ばれることもありますね。
ウラン型原爆という比較的単純な構造の原爆なので、大きさは原寸大でも小さめです。それであんな被害を出すんだからすっげえよなとしか。
1/2模型だしあんまり深入りするのはよしときましょう。



謎自動車。スタッフカーという将校が移動する時に使う乗用車です。民間の乗用車を流用することが通例で、将校が乗ることもあり高級車が選ばれることもあります。元は鮮やかな塗装にクロム部品を多用した派手な車だったりするんですけど、軍用車なので全部つや消しのカーキ色に塗りたくられております。
これはたぶん1939年式のプリムスなんだと思います。プリムスだと別に高級ブランドというわけじゃないですねぇ。
ヘッドライトのレンズを塗りつぶしているのはなんででしょうかね?

というとこで今日はここまで。


その57へ→

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