土浦駅から常磐線の下り列車に乗ります。普通電車なのでE531系。
石岡駅で降ります。
東口の自由通路を歩いていると、空き地が広がっていました。ああ、ここがかつての・・・としみじみしました。
石岡駅からは鹿島鉄道という地方私鉄が2007年まで石岡駅~鉾田駅を走っていました。非電化路線の典型的ローカル線だったようで、旅客収入が年々減少する中で航空自衛隊百里基地への燃料輸送のための貨物列車が廃止になったことがトドメとなって廃線になってしまいました。
起点の石岡駅には車両基地があって、その跡地がこの空き地なのです。線路、駅、車庫が建っていたのですが更地にされていて面影すらありません。
こっちは反対側の土浦方面を見た時。土地の境界に立てられた柵を見るにあそこらへんが鹿島鉄道と常磐線の接続線だったのかなぁとか思います。知らんけど。
こちら側には道路が舗装されています。鹿島鉄道の廃線跡の一部(旧石岡駅~旧四箇村駅)はバス専用道に転用されたBRTの「かしてつバス」になっています。なんでもこの区間の代替バスは慢性的な渋滞に悩まされて定時運行がとても出来ない状況だったといいます。
駅舎は2016年に橋上化したばかりでキレイでコンパクトに纏まっています。鹿島鉄道の線路のあった場所もガンガン再開発されてますんで、やはり面影はありません。ただし、鹿島鉄道とかしてつバスの歴史という立て看板が立っていて、今後これだけが名残ということになりそうです。
ふと常磐線ホームの方を見てみるとEF81形98号機が停まっていました。北斗星色の機体は久々に見た気がします・・・というかまだいたんですね。
かしてつバスが乗り場にやってきました。名前は鹿島鉄道を感じられますが、運行は関東鉄道のグループ会社である関鉄グリーンバスが担当しています。まあ鹿島鉄道も晩年は関鉄グループだったんですけども。
車両はいすゞエルガミオ(G048)。銀色のかしてつバスの専用塗装がされた特別仕様です。車内は普通ですけどね。大きく「か」と書かれているのが目立ちますが、ちょっと崩し過ぎな感もあり、私は最初なんの文字か分かりませんでした。「分」かな?なんで?とか思ってました。
というわけでこれに乗ります。BRTに乗るのは初めてですね。
乗客はほとんどおらず車内はガラガラなので難なく一番前の座席を確保できました。まだ時間が夕方前で人の少なめの時間帯とは言え、心配になる乗車率ですね。平日はまた違ったりするんでしょうか?
駅前のバスターミナルは一般の乗用車も乗り入れられますが、出発してすぐにBRT専用道に入ります。乗用車の誤進入を防ぐために専用道の出入り口には棒が伸びています。
そして出入り口の横に石岡一高下停留所が。停留所は鉄道時代よりも格段に増えました。
専用道をひた走ります。バス1本が走れる程度の道幅に緩やかな曲線など、鉄道をつよく感じられる道路です。
石岡南台駅停留所。旧石岡南台駅があったところで、見ての通り鉄道時代の遺構が色濃く残っている場所です。
プラットホームと跨線橋がそのまま残っています。ただしバスを乗り降りするのは地面からです。
途中、道幅の広いところで対抗のバスとすれ違い。
関鉄グリーンバスのエルガミオ(G069)です。普通の関鉄バス塗装のバスも走っています。
四箇村駅停留所を出ると専用道区間は終了。ここから先は一般道を走ります。
道路は左に曲がりますが、正面の方向を見ると鉄道の廃線跡がまだくっきりと残っています。
このバスの終点、小川駅停留所に着きました。ここは旧常陸小川駅だった場所です。
常陸小川駅はちょっとした駅だったんですが、すっかり更地にされて今はバスターミナルになっています。といってもかしてつバスの途中駅という扱いの停留所で、後は茨城空港や水戸駅へ向かうバスが分岐するくらいの場所です。
駐車場はありますが、別にパークアンドライドというわけではなさそう。勿体無いような。
ここまで乗ってきたエルガミオは石岡駅へ折り返して行きました。石岡駅~小川駅は本数が多いのです。
初めてのBRTだったわけで、乗る分には楽しい交通機関でしたが、かしてつバスは乗客が少ないのががが。そもそも収入少なくて鉄道を維持できないのでそれよりも維持費の安い交通機関をという弱気の交通機関なので、もとから人数は多くないんでしょうけども。もうちょい活気があると思ってたのです。
小川駅から少し散歩します。駅前の道路である県道355号線を南東へ歩いていきます。
途中園部川を渡りますが、そこには鹿島鉄道の橋梁がまだ残っていました。
小美玉市のマンホール蓋。市の花コスモス、市の木ケヤキ、市の鳥シラサギをすべてまとめた欲張りな一枚です。
園部川を渡ったら脇道に入ります。
ズンズンと進んでいくと・・・いましたね!
というところで今日はここまで。
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