ピマ航空宇宙博物館編も終盤に差し掛かりました。
ようやく終りが見えてきましたよん。
ボーイング787-8(2009年・437機目)
さっきからチラチラと写り込んでいたANAの文字が目についていた人もいたかもしれませんが、正体はこれ、ボーイングの新鋭旅客機787-8の試作2号機(ZA002/N787EX)です。
787の試作機は全部で5~6機くらい造られたんですがそのうち2号機は全日空の塗装なのが特徴です。これは全日空が787のローンチカスタマーだったからで、それに対するボーイングからの計らいですね。
ANA塗装ですが所有はボーイングでして、ボーイングで試験に使われた後、2015年にピマに寄贈されました。なので当時はまだ寄贈されたてのホヤホヤ。機体もまだピカピカなのですよ。なお博物館までは自力で飛行してやってきました。
まあ、まさかアリゾナの砂漠で全日空塗装の旅客機を見ることになるとは思わなかったよ。
ちなみに私が訪れた後には、みんな大好きダグラスDC-10の初号機とボーイング777の初号機が自力飛行でピマに寄贈されに来ています。大型旅客機の一大博物館としても頭角を現しています。DC-10は見に行きたいですね...。
ロールスロイスのトレントエンジン。博物館の展示機にしては珍しくエンジンが外されないまま展示されています。
2018年はこれのせいで全日空の787は大変な目に遇いました。
日航と比べても全日空は機材面で貧乏くじを引いてばかりです。かわいそう。
ロッキードC-121コンステレーション(2日ぶり2機目・438機目)
遠くにあるけど面倒だから望遠で撮影を済ませた。
ロッキードの代表作L-049コンステレーションの軍用輸送型です。
アイゼンハワー元大統領の専用機として使われていたコニーで、それは2機ありました。そのうちの片方「コロンバイン号」が保存されています。
シコルスキーVH-34Cチョクトー(1日ぶり2機目・439機目)
S-55を大きくしたようなカバみたいなヘリコプターです。
これはVナンバーが付いているのでVIP輸送用のヘリコプターです。特に大統領を載せていたということで、つまりアメリカ大統領搭乗機であるアーミーワンなのです。空軍の機体に大統領が乗るとエアフォースワンになりますが、それの陸軍版です。
ただしヘリコプター輸送は現在は海兵隊の管理になっているので、今はアーミーワンが使われることはないです。ちなみに海兵隊だとマーリンワンですね。
ダグラスC-9BスカイトレインII(1965年・440機目)
みんな大好きDC-9-30の軍用版です。B型は海軍と海兵隊が使っていた人員輸送機です。C-9の数字の9は、DC-9とわざと合わせたんじゃないかなぁという気もしますが果たして・・・?
DC-9は小型旅客機で、胴体後部にエンジン2発を付けている姿が特徴。バカ売れしすぎてしまったためダグラスを黒字倒産させてしまう引き金になってます。
マクドネルと合併してマクドネル・ダグラスになった後は改良型をMD-80と改名して製造していました。で、マクドネル・ダグラスも後にボーイングに吸収されてしまったのですが、MD-80は今度は717に改名して少しの間生産が続いていました。今はもう生産してませぬ。
ダグラスVC-118Aリフトマスター(1947年・441機目)
DC-6旅客機の軍用版です。DC-6はDC-4の発展型で、エンジン換装、胴体延長や予圧客室装備なんかの改良を施した機体です。日航でも使っておりました。
C-118は貨客両用の輸送機でしたが、この個体はVナンバーのVIP輸送機、大統領を乗せるためのいわゆるエアフォースワンというやつです。大統領専用機としては最後のプロペラ機で、これの後継機はボーイング707ベースのVC-137になりました。
ボーイング737-300(1967年・442機目)
そこら中の空港で見ることのできる小型ジェット旅客機のベストセラーです。半世紀以上に渡って生産されているので初期型と現行型とでパッと見の見た目以外は別物と言えるくらい設計が変わっています。初期型、クラシック、ネクストジェネレーション(NG)、MAXの四世代ですな。いま大変なことになっているのがMAXです。
ここに保存されている300型はクラシックと呼ばれる第2世代です。垂直尾翼の付根の前方への延長、高バイパス比ターボファンエンジン、風防上の天窓が識別点。300型を基準にして、胴体延長型の400型、短胴型の500型がありにけり。数字の多さが胴体の長さではないのでややこしい。
この個体は見ての通り中国南方航空で使用されていた機材です。漢字の書体をもうちょいどうにかできなかったのかと思います。
これももちろん自力飛来組。
ボーイングVC-137Bストラトライナー(1957年・443機目)
ボーイング707旅客機を原型にしたVIP輸送用の人員輸送機です。707でこの塗装だとエアフォースワンが有名ですが、大統領専用機はC型なので、このB型はあくまで要人を乗せる任務に留まっています。
ホーカー・シドレーTAV-8Aハリアー(2日ぶり2機目・444機目)
イギリスが開発した垂直離着陸のできる戦闘機です。これはその複座練習機です。
独特な飛行特性を持つ機体ですので、複座練習機は欠かせないのです。もともと小型の戦闘機ですので、複座にするとかなり窮屈に感じますが。
アメリカでも海兵隊が採用していました。初めは空軍や海軍も興味津々だったんですが、性能がちょっと中途半端だったんですかね・・・?
ホーカー・シドレー AV-8Cハリアー(10秒ぶり3機目・445機目)
これもハリアー。C型はA型の改良型です。B型が抜けていますが、これは見た目は似ているけど新しく再設計された別機体のハリアーIIに割り当てられています。しかし、B型の開発が思うように進まなかったので、B型完成までのツナギとしてC型が開発されたという少し複雑な経緯が有りにけり。
ミコヤン・グレビッチ MiG-23MLD(1日ぶり2機目・446機目)
ミグ戦闘機の可変翼のやつ。前作のMiG-21よりも潰しが効かないので輸出面ではイマイチだったため、ちょっとマイナーな機体に。
MLD型というのは、ML型の改良型。ML型というのは、M型を軽量化して機動性を高めた機種です。ML型はMiG-23の中でも後期型に属するので、MLD型は後期型の後期型という位置づけになります。
フラップの枚数とか垂直尾翼の長さとか、外観上の違いも見られるのですが、そこまで確認している暇はありませんでした。
マクドネルF-3Bデーモン(1951年・447機目)
マクドネルの開発したアメリカ海軍向けの艦上戦闘機です。F-4ファントムIIの前作であり、全体的にはF-4のやせっぽっちという印象を受けます。でもF-4よりもかっこいいと思うぞ。
1962年の命名規則統一前はF3Hという型番でした。愛称のデーモン(Demon)は日本では表記揺れが激しく、日本語読みのデーモン、英語読みのディーマン、意味不明のデモンなど多岐にわたります。デモンは、デーモンだと通りが悪いからムリヤリ読み方を変えたんだと思います。DHC-6ツインオッターの時も、オッターが落ちたを連想させるという意味不明な論理でもってツインオターに捻じ曲げられましたし。たまにそういうことするやついるんだよなぁ。
アメリカ海軍でしか採用されなかったし15年足らずで退役してしまったので日本ではマイナーな機体なんですが、ニッチなファンは確実にいるぞ、という機体です。やっぱりF-4よりもかっこいいし。
パナビア トーネードIDS(1974年・448機目)
イギリス、西ドイツ、イタリアで共同開発したヨーロッパの戦闘機。私にとっては名前はしっているけどそれ以上のことは正直・・・ですね。でも見た目は中々かっこいいですね。
ちっこい機体なんですが、当時流行りだった可変翼を採用してます。IDSは西ドイツ空軍が使っていた攻撃型です。
ダグラスF-6Aスカイレイ(1951年・449機目)
旧名F4D。アメリカ海軍用の艦上戦闘機で、珍しい無尾翼デルタ機です。主翼は面積が広く、そこから空のエイことスカイレイの名前が付きました。
就役期間は10年ほどだったので知名度は低いんですが、タミヤのプラモデルをちらちら見かけることがあるので、形と名前だけは知ってるよという感じ。
ノースアメリカンFJ-4Bフューリー(2日ぶり2機目・450機目)
F-86のパチもんみたいな戦闘機ですが、アメリカ海軍向けF-86ことFJ-3を改良したものです。ただ改良と言っても胴体から主翼まで全部再設計されているので実質まっさらな新型機です。なのに3型から4型へのサブタイプの変更だけでお茶を濁しています。
一番分かりやすい識別点は天蓋がバブル型からレイザーバック型に変わったところでしょうかね。F-86の利点だった後方視界の良さを殺すことになったわけですが、それでよかったのかしら?
ゼネラルダイナミクスF-111Eアートバーグ(1日ぶり2機目・451機目)
アメリカの空の将来をに一手に引き受けるべく空軍と海軍のどっちでも使えるように開発された戦闘機。でもダメでした。
戦闘爆撃機としては優秀だけど、お前もともと普通の戦闘機として生まれたんだよな?と突っ込みたくもなるやつ。どんな戦闘機だったのかは昨日見たときに書いたし、まあいいでしょ(手抜き)
F-111は戦闘機としてはダメだったんで、爆撃機とか電子戦機とかに転職してどうにか存在意義を保っていたんですが、ここに保存されているのは純粋な戦闘機型です。
というところで今日はここまで。
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ようやく終りが見えてきましたよん。
ボーイング787-8(2009年・437機目)
さっきからチラチラと写り込んでいたANAの文字が目についていた人もいたかもしれませんが、正体はこれ、ボーイングの新鋭旅客機787-8の試作2号機(ZA002/N787EX)です。
787の試作機は全部で5~6機くらい造られたんですがそのうち2号機は全日空の塗装なのが特徴です。これは全日空が787のローンチカスタマーだったからで、それに対するボーイングからの計らいですね。
ANA塗装ですが所有はボーイングでして、ボーイングで試験に使われた後、2015年にピマに寄贈されました。なので当時はまだ寄贈されたてのホヤホヤ。機体もまだピカピカなのですよ。なお博物館までは自力で飛行してやってきました。
まあ、まさかアリゾナの砂漠で全日空塗装の旅客機を見ることになるとは思わなかったよ。
ちなみに私が訪れた後には、みんな大好きダグラスDC-10の初号機とボーイング777の初号機が自力飛行でピマに寄贈されに来ています。大型旅客機の一大博物館としても頭角を現しています。DC-10は見に行きたいですね...。
ロールスロイスのトレントエンジン。博物館の展示機にしては珍しくエンジンが外されないまま展示されています。
2018年はこれのせいで全日空の787は大変な目に遇いました。
日航と比べても全日空は機材面で貧乏くじを引いてばかりです。かわいそう。
ロッキードC-121コンステレーション(2日ぶり2機目・438機目)
遠くにあるけど面倒だから望遠で撮影を済ませた。
ロッキードの代表作L-049コンステレーションの軍用輸送型です。
アイゼンハワー元大統領の専用機として使われていたコニーで、それは2機ありました。そのうちの片方「コロンバイン号」が保存されています。
シコルスキーVH-34Cチョクトー(1日ぶり2機目・439機目)
S-55を大きくしたようなカバみたいなヘリコプターです。
これはVナンバーが付いているのでVIP輸送用のヘリコプターです。特に大統領を載せていたということで、つまりアメリカ大統領搭乗機であるアーミーワンなのです。空軍の機体に大統領が乗るとエアフォースワンになりますが、それの陸軍版です。
ただしヘリコプター輸送は現在は海兵隊の管理になっているので、今はアーミーワンが使われることはないです。ちなみに海兵隊だとマーリンワンですね。
ダグラスC-9BスカイトレインII(1965年・440機目)
みんな大好きDC-9-30の軍用版です。B型は海軍と海兵隊が使っていた人員輸送機です。C-9の数字の9は、DC-9とわざと合わせたんじゃないかなぁという気もしますが果たして・・・?
DC-9は小型旅客機で、胴体後部にエンジン2発を付けている姿が特徴。バカ売れしすぎてしまったためダグラスを黒字倒産させてしまう引き金になってます。
マクドネルと合併してマクドネル・ダグラスになった後は改良型をMD-80と改名して製造していました。で、マクドネル・ダグラスも後にボーイングに吸収されてしまったのですが、MD-80は今度は717に改名して少しの間生産が続いていました。今はもう生産してませぬ。
ダグラスVC-118Aリフトマスター(1947年・441機目)
DC-6旅客機の軍用版です。DC-6はDC-4の発展型で、エンジン換装、胴体延長や予圧客室装備なんかの改良を施した機体です。日航でも使っておりました。
C-118は貨客両用の輸送機でしたが、この個体はVナンバーのVIP輸送機、大統領を乗せるためのいわゆるエアフォースワンというやつです。大統領専用機としては最後のプロペラ機で、これの後継機はボーイング707ベースのVC-137になりました。
ボーイング737-300(1967年・442機目)
そこら中の空港で見ることのできる小型ジェット旅客機のベストセラーです。半世紀以上に渡って生産されているので初期型と現行型とでパッと見の見た目以外は別物と言えるくらい設計が変わっています。初期型、クラシック、ネクストジェネレーション(NG)、MAXの四世代ですな。いま大変なことになっているのがMAXです。
ここに保存されている300型はクラシックと呼ばれる第2世代です。垂直尾翼の付根の前方への延長、高バイパス比ターボファンエンジン、風防上の天窓が識別点。300型を基準にして、胴体延長型の400型、短胴型の500型がありにけり。数字の多さが胴体の長さではないのでややこしい。
この個体は見ての通り中国南方航空で使用されていた機材です。漢字の書体をもうちょいどうにかできなかったのかと思います。
これももちろん自力飛来組。
ボーイングVC-137Bストラトライナー(1957年・443機目)
ボーイング707旅客機を原型にしたVIP輸送用の人員輸送機です。707でこの塗装だとエアフォースワンが有名ですが、大統領専用機はC型なので、このB型はあくまで要人を乗せる任務に留まっています。
ホーカー・シドレーTAV-8Aハリアー(2日ぶり2機目・444機目)
イギリスが開発した垂直離着陸のできる戦闘機です。これはその複座練習機です。
独特な飛行特性を持つ機体ですので、複座練習機は欠かせないのです。もともと小型の戦闘機ですので、複座にするとかなり窮屈に感じますが。
アメリカでも海兵隊が採用していました。初めは空軍や海軍も興味津々だったんですが、性能がちょっと中途半端だったんですかね・・・?
ホーカー・シドレー AV-8Cハリアー(10秒ぶり3機目・445機目)
これもハリアー。C型はA型の改良型です。B型が抜けていますが、これは見た目は似ているけど新しく再設計された別機体のハリアーIIに割り当てられています。しかし、B型の開発が思うように進まなかったので、B型完成までのツナギとしてC型が開発されたという少し複雑な経緯が有りにけり。
ミコヤン・グレビッチ MiG-23MLD(1日ぶり2機目・446機目)
ミグ戦闘機の可変翼のやつ。前作のMiG-21よりも潰しが効かないので輸出面ではイマイチだったため、ちょっとマイナーな機体に。
MLD型というのは、ML型の改良型。ML型というのは、M型を軽量化して機動性を高めた機種です。ML型はMiG-23の中でも後期型に属するので、MLD型は後期型の後期型という位置づけになります。
フラップの枚数とか垂直尾翼の長さとか、外観上の違いも見られるのですが、そこまで確認している暇はありませんでした。
マクドネルF-3Bデーモン(1951年・447機目)
マクドネルの開発したアメリカ海軍向けの艦上戦闘機です。F-4ファントムIIの前作であり、全体的にはF-4のやせっぽっちという印象を受けます。でもF-4よりもかっこいいと思うぞ。
1962年の命名規則統一前はF3Hという型番でした。愛称のデーモン(Demon)は日本では表記揺れが激しく、日本語読みのデーモン、英語読みのディーマン、意味不明のデモンなど多岐にわたります。デモンは、デーモンだと通りが悪いからムリヤリ読み方を変えたんだと思います。DHC-6ツインオッターの時も、オッターが落ちたを連想させるという意味不明な論理でもってツインオターに捻じ曲げられましたし。たまにそういうことするやついるんだよなぁ。
アメリカ海軍でしか採用されなかったし15年足らずで退役してしまったので日本ではマイナーな機体なんですが、ニッチなファンは確実にいるぞ、という機体です。やっぱりF-4よりもかっこいいし。
パナビア トーネードIDS(1974年・448機目)
イギリス、西ドイツ、イタリアで共同開発したヨーロッパの戦闘機。私にとっては名前はしっているけどそれ以上のことは正直・・・ですね。でも見た目は中々かっこいいですね。
ちっこい機体なんですが、当時流行りだった可変翼を採用してます。IDSは西ドイツ空軍が使っていた攻撃型です。
ダグラスF-6Aスカイレイ(1951年・449機目)
旧名F4D。アメリカ海軍用の艦上戦闘機で、珍しい無尾翼デルタ機です。主翼は面積が広く、そこから空のエイことスカイレイの名前が付きました。
就役期間は10年ほどだったので知名度は低いんですが、タミヤのプラモデルをちらちら見かけることがあるので、形と名前だけは知ってるよという感じ。
ノースアメリカンFJ-4Bフューリー(2日ぶり2機目・450機目)
F-86のパチもんみたいな戦闘機ですが、アメリカ海軍向けF-86ことFJ-3を改良したものです。ただ改良と言っても胴体から主翼まで全部再設計されているので実質まっさらな新型機です。なのに3型から4型へのサブタイプの変更だけでお茶を濁しています。
一番分かりやすい識別点は天蓋がバブル型からレイザーバック型に変わったところでしょうかね。F-86の利点だった後方視界の良さを殺すことになったわけですが、それでよかったのかしら?
ゼネラルダイナミクスF-111Eアートバーグ(1日ぶり2機目・451機目)
アメリカの空の将来をに一手に引き受けるべく空軍と海軍のどっちでも使えるように開発された戦闘機。でもダメでした。
戦闘爆撃機としては優秀だけど、お前もともと普通の戦闘機として生まれたんだよな?と突っ込みたくもなるやつ。どんな戦闘機だったのかは昨日見たときに書いたし、まあいいでしょ(手抜き)
F-111は戦闘機としてはダメだったんで、爆撃機とか電子戦機とかに転職してどうにか存在意義を保っていたんですが、ここに保存されているのは純粋な戦闘機型です。
というところで今日はここまで。
その83へ→