本館の1階を全て見終えたので、次は扇形車庫の館・・・つまり旧梅小路蒸気機関車館の区画へ移ります。本館2階の連絡通路から移動できます。途中では扇形車庫を上から眺めることが出来ます。何度見ても壮観です。
新しく建てた蒸気機関車の検修庫には、官営幌内鉄道の義経号が入っていました。蒸気機関車ではこれを一番に見たかったのですが、ガラス越しとは残念です。また来よう。
遊覧鉄道のスチーム号も運転しています。今日の機関車は8620形8630号機でした。大正期の機関車ですが、蒸気機関車時代の末期まで残ったり九州で動態保存機が走っていたりで、えらく物持ちが良いなという印象です。見た目のバランスも美しいので好きな機関車です。Nゲージにあまり恵まれていないのが玉に瑕。
休憩室になっている50系客車オハフ50形68号。たぶん休憩室に丁度よいからと特に深い理由もなく選ばれて連れてこられたと思うんですけど、今や基調な50系となっています。塗り直されてつやつやになっていますね。
蒸気機関車がずらずらと並び圧巻であります。
C51形239号機。アメリカのアルコ社から輸入した8900形の改良型というかそれを国産化したもの。こう見えてバリバリの大正期の機関車。8900形は車輪配置4-6-2、いわゆるパシフィック形で、広い火室を動輪の後ろにある従輪で支持するという構造。鉄道院は元々4-6-0テンホイーラー形を発注していたのだけれども、これが想定外に良好だった、ということでしょうかね。以降の幹線用蒸気機関車は軒並みパシフィックですし。
8900形からC51形への改良点として動輪直径を1,600mmから1,750mmに拡大したことです。この直径は以降の幹線用制式蒸気機関車の標準となりC62形まで続くのです。日本形蒸気機関車の基礎を築いたという意味では意義深い機関車なのです。
唐突ですがDE10形1118号機。梅小路の入換機でしょうね。
御存知C62形2号機。これは動態保存機で、スチーム号で動くことがあります。今書いたように動輪直径はC51と同じなので、足回りの規模に大きい違いは無いのです(従輪が4輪化してるけど)。なのでこれの巨大さとか威圧感はボイラーの太さと長さからなのだろうと。
C53形45号機。正面の見た目がなんか独特なやつ。鉄道省製制式蒸気機関車で唯一の3シリンダー機ですね。増加する輸送量や重量級の鋼製客車の前にC51形では出力不足ということで、3シリンダーを採用して出力増強を図ったものです。いきなり3シリンダー機を自力で作るのも無理な話なので、研究目的でアルコからC52形を6機輸入してそれを模倣して国産化したものです。ちなみにC52形はアメロコの臭いを全身から放っていて好きなのですが、残念ながら1機残らず解体されています。研究用だから特に残す意義も無かったんやろなぁ。南無。
3シリンダーのうち2つは普通の蒸気機関車と同じで左右についていますが、3つ目はと言うとその間、中央にあります。C52から色々いじくった設計が色々とダメだったようで、いい話は聞きません。大人しくC52をコピーしておけば・・・?ちなみに設計は東京大学を出たばっかりの島秀雄だったそうな。・・・戦闘機の話なので直接は関係ないんですけど、三菱の堀越二郎も川崎の土井武夫も東大出のエリートでした。一方でP-51の設計者エドガー・シュムード、スピットファイアの設計者レジナルド・ジョセフ・ミッチェルは独学でした。ハインケルだったかカプローニだったか、設計に必要なのはセンスだ、と言っていたような。だからなんだという話でしか無いですが、何だか考えさせられるなぁ、というのを思い出しただけです。
C59形164号機。島秀雄のC53がアレだったので、2シリンダーでなおかつC53よりも強力な牽引力を持つ蒸気機関車として1941年に開発された機体。C51から歩んできた鉄道省制式パシフィック機の最終形です。性能や整備性は良好だった模様。東海道・山陽筋の優等列車用なのですが、戦後になるとその路線は電化されて蒸気機関車は九州へ追い出されることに。なので九州での活躍が目立つ機関車です。いくつかは軸重を減らして地方路線へ走れるよう改造したC60というのがいますが、梅小路にはいません。仙台に1機だけ現存しています。まだ見に行ったことはない。1960年代からのいわゆるSLブームが来る頃にはほとんど姿を消していたので、保存機にもあまり恵まれていない運が低いやつです。
れんこんの輪切りみたいなボックス動輪が後期のパシフィックの特徴です。
D52形468号機。D51を上回る日本最強の牽引力を持つ1943年登場の貨物用蒸気機関車です。戦時中の粗悪な製造で欠陥機扱いされることもありますが、素地は良かったので粗悪な部分を直せばまともに戻ったようで。御殿場線での活躍が有名で、現存機の大半は御殿場線沿線かその周辺に集中しています。山北駅に保存されている70号機は圧縮空気による自走が可能な動態保存機です。見に行きました。
貨物機なので動輪は4軸。2-8-2ミカドですな。
というところで今日はここまで。
その7へ→
新しく建てた蒸気機関車の検修庫には、官営幌内鉄道の義経号が入っていました。蒸気機関車ではこれを一番に見たかったのですが、ガラス越しとは残念です。また来よう。
遊覧鉄道のスチーム号も運転しています。今日の機関車は8620形8630号機でした。大正期の機関車ですが、蒸気機関車時代の末期まで残ったり九州で動態保存機が走っていたりで、えらく物持ちが良いなという印象です。見た目のバランスも美しいので好きな機関車です。Nゲージにあまり恵まれていないのが玉に瑕。
休憩室になっている50系客車オハフ50形68号。たぶん休憩室に丁度よいからと特に深い理由もなく選ばれて連れてこられたと思うんですけど、今や基調な50系となっています。塗り直されてつやつやになっていますね。
蒸気機関車がずらずらと並び圧巻であります。
C51形239号機。アメリカのアルコ社から輸入した8900形の改良型というかそれを国産化したもの。こう見えてバリバリの大正期の機関車。8900形は車輪配置4-6-2、いわゆるパシフィック形で、広い火室を動輪の後ろにある従輪で支持するという構造。鉄道院は元々4-6-0テンホイーラー形を発注していたのだけれども、これが想定外に良好だった、ということでしょうかね。以降の幹線用蒸気機関車は軒並みパシフィックですし。
8900形からC51形への改良点として動輪直径を1,600mmから1,750mmに拡大したことです。この直径は以降の幹線用制式蒸気機関車の標準となりC62形まで続くのです。日本形蒸気機関車の基礎を築いたという意味では意義深い機関車なのです。
唐突ですがDE10形1118号機。梅小路の入換機でしょうね。
御存知C62形2号機。これは動態保存機で、スチーム号で動くことがあります。今書いたように動輪直径はC51と同じなので、足回りの規模に大きい違いは無いのです(従輪が4輪化してるけど)。なのでこれの巨大さとか威圧感はボイラーの太さと長さからなのだろうと。
C53形45号機。正面の見た目がなんか独特なやつ。鉄道省製制式蒸気機関車で唯一の3シリンダー機ですね。増加する輸送量や重量級の鋼製客車の前にC51形では出力不足ということで、3シリンダーを採用して出力増強を図ったものです。いきなり3シリンダー機を自力で作るのも無理な話なので、研究目的でアルコからC52形を6機輸入してそれを模倣して国産化したものです。ちなみにC52形はアメロコの臭いを全身から放っていて好きなのですが、残念ながら1機残らず解体されています。研究用だから特に残す意義も無かったんやろなぁ。南無。
3シリンダーのうち2つは普通の蒸気機関車と同じで左右についていますが、3つ目はと言うとその間、中央にあります。C52から色々いじくった設計が色々とダメだったようで、いい話は聞きません。大人しくC52をコピーしておけば・・・?ちなみに設計は東京大学を出たばっかりの島秀雄だったそうな。・・・戦闘機の話なので直接は関係ないんですけど、三菱の堀越二郎も川崎の土井武夫も東大出のエリートでした。一方でP-51の設計者エドガー・シュムード、スピットファイアの設計者レジナルド・ジョセフ・ミッチェルは独学でした。ハインケルだったかカプローニだったか、設計に必要なのはセンスだ、と言っていたような。だからなんだという話でしか無いですが、何だか考えさせられるなぁ、というのを思い出しただけです。
C59形164号機。島秀雄のC53がアレだったので、2シリンダーでなおかつC53よりも強力な牽引力を持つ蒸気機関車として1941年に開発された機体。C51から歩んできた鉄道省制式パシフィック機の最終形です。性能や整備性は良好だった模様。東海道・山陽筋の優等列車用なのですが、戦後になるとその路線は電化されて蒸気機関車は九州へ追い出されることに。なので九州での活躍が目立つ機関車です。いくつかは軸重を減らして地方路線へ走れるよう改造したC60というのがいますが、梅小路にはいません。仙台に1機だけ現存しています。まだ見に行ったことはない。1960年代からのいわゆるSLブームが来る頃にはほとんど姿を消していたので、保存機にもあまり恵まれていない運が低いやつです。
れんこんの輪切りみたいなボックス動輪が後期のパシフィックの特徴です。
D52形468号機。D51を上回る日本最強の牽引力を持つ1943年登場の貨物用蒸気機関車です。戦時中の粗悪な製造で欠陥機扱いされることもありますが、素地は良かったので粗悪な部分を直せばまともに戻ったようで。御殿場線での活躍が有名で、現存機の大半は御殿場線沿線かその周辺に集中しています。山北駅に保存されている70号機は圧縮空気による自走が可能な動態保存機です。見に行きました。
貨物機なので動輪は4軸。2-8-2ミカドですな。
というところで今日はここまで。
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