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Channel: 黒鉄重工
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ビクトリアの沿岸要塞跡地を見学する その7【2016/3/16】

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3つある砲台陣地の最後のやつ、下部砲台 (Lower battery) に来ました。ちなみに最初に見たのは上部砲台 (Upper battery) です。

現在地です。

門をくぐります。入り口が塀に囲まれるように窄まっているのは、侵入対策というのは明らかですね。ここらへんは日本の城塞と設計思想が似ているのが興味深いです。やっぱり考え抜くと辿り着くところは一緒なんやね。塀も背が高いですが、塀の内側は盛土されていて今いる塀の外側よりも地面が上にあります。内側の地面の高さは、塀に空いている狭間の高さから察してみてください。これも、戦闘の際は上を取っている方(要塞を守る方)が有利に立つという基本に徹しています。

門の守衛室。


守衛室の門を挟んで向かい側の建物。見張り台でしょうな。

斜面の狭間は段々になっていて、守備兵が銃を撃ちやすいようになっています。塀の向こう側の地面の低さにも注目。

塀の先は何やら工事中でした。保守作業かな?

砲台に据え付けられている大砲を取り外しする時に使う道具の模型。Repositoryと呼ぶんだそうですが、翻訳不能でした。分からん。というか、普通に三又(三脚)ですよねこれ。


滑車とかフックとか。

これに巻き付いている縄は滑車とフック、それに引っ掛けている大砲に繋がっています。縄が巻き付いている丸太の左右端にあるハンドルで縄を巻き上げて使うんですな。

再び守衛室。

中は普通に生活というか事務仕事ができる居住性。

塀と繋がっている壁には狭間あり。なんだかんだ言って軍事施設である。

別の角度から。

ここは弾薬庫。岩をくり抜いて造った天然の要塞。書いてある通り、1896年築でしょう。入り口の右上にある小さい四角いのは換気口です。

これは装薬の貯蔵庫です。装薬は火薬を布製の袋に入れたものですから、湿気ないようにこういう箱に入れて保存していたのか。なるほどなぁ。袋に使っている布はたぶん絹だと思います。戦艦の主砲の装薬は絹でしたので、それと同じ可能性はあるでしょう、程度のものですが。装薬は、そこの鉄製の筒に詰め込んで移動させます。


弾頭の貯蔵庫。奥の行き止まりの左側に、表に通じる窓があって、そこで表へ弾頭や装薬を渡します。
親切なことにここには弾頭の種類の説明書きがありました。一番手前から、先端が白黒模様のやつは練習弾。先端が欠けた赤黒模様のやつは榴散弾。弾頭の中に球状の散弾が詰まった対人・非装甲目標用弾頭です。要は散弾ですな。第一次世界大戦の頃は多用されましたがその後第二次世界大戦までに廃れてしまった模様。ただ、クラスター爆弾やフレシェット弾のような後継は今もいますね。紅白模様のやつは徹甲弾。発射された砲弾の運動量で破壊するやつ。黄色いやつは榴弾。砲弾の中の爆薬の炸裂とその時に出る砲弾の破片で破壊するやつ。
・・・だ、そうです。謎が解けた。

弾を上の砲台へ運んでいるダニー(仮名)。こんなにこやかな顔で猫を抱えるような手付きで運べたのかは疑問。
弾薬庫の廊下はこんな感じ。
というところで今日はここまで。

その8へ→

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