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ナッチャンWorldを見に行く その3【2018/5/27】

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京浜急行バスに乗って久里浜港へ行きます。

久里浜港に着きました。久里浜港といえば東京湾フェリーです。東京近郊で手軽に味わえる船旅です。船はいなくて桟橋だけでしたが。またこれにも乗ってみたいですね。

いた!あのバースに接岸されている船が「ナッチャンWorld」です!かつては津軽海峡のある青函航路で高速フェリーとして生まれました。鳴り物入りで登場したものの収益性が悪く数年で運行休止となりその後復活すること無く青函航路からは居なくなりました。今は自衛隊の特設輸送艦として有事に備えています。その半生は波乱万丈と言えましょう。船だけに。

このナッチャンWorldは自動車を輸送するフェリー船ですが、高速性を重視したため船体は搭載量では不利な双胴形です。三胴船にも見えますけど、中央の胴体は水面についていそうでついてないのだ。両舷から突き出ている尖った船首がかっこいいし、船というか宇宙船みたいな印象もあります。実は大気圏内飛行くらいはできるんじゃないか?

斜め前から。いや、速そうですな。速力は36ノット出せるんだそうな。駆逐艦かな?

船首のL字が横になって2つ並んだものは、造船したインキャット社の社章と思われ。同社はオーストラリアの造船会社で、こういう双胴高速船が得意分野だとかで。社章の左に小さく書かれている"065"は、インキャットが付けている船体製造番号です。社章の右側にはナッチャンWorldの文字。ナッチャンというのは船体塗装を手掛けた小学生のあだ名です。Worldはよく知りませぬ。さっきも書きましたが本船は有事には自衛隊に徴用されて輸送艦となるんですが、そうなると旧海軍時代を通じても珍しい、人名を由来とした船名の軍艦ということになります。なおナッチャンWorldには、姉のナッチャンReraもいて一緒に青函航路で働いていました(過去形)

船体側面には、ナッチャンが描いたという絵がバカでかく描かれています。正直、社運を賭けたフェリーのスタイリングがこれか・・・って感じします。

曰く、世界中から集った仲間がパレードしているのだそうな。自衛隊が使用する艦船としては最も派手でしょう、これ。これの使用想定は災害派遣だと思いますが、よもや戦争には使うまいて・・・。

世界中どころか時空を超えて仲間が集結しとりますな。

船体後部です。今回の公開ではここから伸びているランプウェイから乗船できます。

なぜか平のセミトレーラーが。

在日アメリカ海軍が友情出演。アメリカ海軍の消防車です。ピアス社製のポンプ車(#E1-2)です。消防車に限ってはアメ車には珍しくキャブオーバー形の車両になっています。だからなのか、トラックやバンの設計が流用されることの多いアメリカの商用車において、消防車は専用のボディがおごられることがほとんどです。

では乗船しましょう。このフェリーにしてはおかしなランプは、自衛隊が徴用後に追加で設置したものです。ナッチャンWorldでは車輌積み下ろしには専用の岸壁に接岸しなければなりませんでした。これに対応した岸壁は青函航路にしかありませんから、日本中に展開する必要がある自衛隊で使うには汎用性がなかったのです。そこでこの追加のランプウェイを設置して汎用性を高めたのです。

車両甲板は2層になってます。ここは1層目。けっこう近代的と言うかきれいめな空間になってます。普通乗用車のみだと353台、あるいはトラック33台と普通乗用車193台載せられるのだそうな。ちょっとトラックの積載量が少ない気がするが。見に行ったときは気づかなかったんですが、車両甲板の出入り口って1箇所しか見当たらないんです。どうやって出し入れしてたんじゃろ・・・。

車両甲板には何台かの自動車が展示されていました。日産のe-NV200です。商用バンのNV200を電気自動車にしたものですな。これは乗用車モデルで、タクシーとして使うんだそうな。商用バンをタクシーに使うのか・・・。ニューヨークではこれのイエローキャブが街中に溢れてるんだそうな。悪夢か。

最初に目に入ってくるのが日産のバンでしたが、メインは陸上自衛隊の車両です。本船の徴用主ですしね。

ホイールローダーだッ!!災害現場で瓦礫や土砂を撤去する際に使うんだそうな。

車両甲板の船首側。船体形状を優先したためかデッドスペースみたいになってます。ていうかここは露天になるのか。風雨が入り込んでまずいんじゃないか。

陸上自衛隊の装備も展示されています。73式小型トラックまたの名を1/2tトラックです。

73式中型トラックまたの名を1 1/2tトラック。この旧キャブはオタクから人気があります。

中型トラックではおなじみの追加装備、1t水槽車です。災害派遣で使われることもありますが元々は駐屯地外の部隊活動で用いられるものです。

第2層車両甲板へのランプはどうやら1箇所だけっぽいです。

第2層の甲板は天井が低いので乗用車しか積めなさそうです。これがトラックの積載能力の低さか。フェリーのお得意様はトラックを使うような運送業者なのでやはり収益性が低かったのでは。ただそれ以外の要因もありますが。

追加ランプウェイが上から見えます。

というところで今日はここまで。次回は客室を見ていきましょう。

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