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ぶらり帝都散歩 その7【2018/9/1~2】

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所沢航空発祥記念館の続きです。ここに前回訪れたのは5年以上も前のことだと思いますが、その間に新しく加わった展示物もありました。それが、中島キ27九七式戦闘機の原寸大模型です。九七戦は日本陸軍で運用されていた軽戦闘機です。2015(平成27)年制作のテレビドラマ「妻と飛んだ特攻兵」で使用された大道具です。2016(平成28)年に当館で展示が始まりました。日本陸軍は1935(昭和10)年に中島、三菱、川崎の3社に陸軍初となる全金製単葉低翼の戦闘機の競争試作を指示しました。中島はこれより前の九五式戦闘機で前作キ11を開発していましたが、これは保守的な設計だったため競合の川崎の前に敗れてしまいました。その反動か今回のキ27では技術的特徴を多く持った機体に仕上がっています。軽量化のために主翼を左右一体にしてさらに胴体前部とも一体構造にしたことは最たるものとされています。これは以降の中島製戦闘機に踏襲されただけでなく三菱にも波及して、日本製戦闘機の標準的な構造となっていったのです。そうして1937(昭和12)年に晴れて制式採用されたのです。

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格闘戦に秀でた戦闘機であり、特に旋回性能はぴかいちだったと言われています。パイロットからの評価も高かったようです。出来が良すぎたゆえに戦闘機の戦術が格闘戦から一撃離脱戦法へ変化していったのに対応が遅れたとも言われとりますが。

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主翼は前縁が直線になっているのが特徴です。これは翼端失速を防ぐためです。一応、前進翼の一種だそうです。この構造は一式戦闘機以降の中島製戦闘機にも踏襲されることになります。

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大道具なので資料的価値は無いですが、雰囲気は伝わってきますね。汚れ方や塗装ハゲなんかはプラモデルを作るときの参考になりますし(それっぽく映える見せ方をするという点ではプラモデルも大道具も同じでしょう)。

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名戦闘機でありましょうがいまいち知名度と人気のない機体です。模型でもこういうのがあるとありがたいですなあ。

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ここからはまたエンジンシリーズです。これは三菱の火星エンジン。空冷14気筒の1500馬力級です。一式陸上攻撃機などに使われた大型機用のエンジンです。これは厚木基地の土中に埋まっていたのを掘り起こしたんだそうな。

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ロールスロイスRB.41ニーンです。遠心式ターボジェットです。ジェットエンジンとしては極初期型のやつです。イギリスではホーカー・シーホークやデ・ハビランド・バンパイアなんかに、アメリカではJ42という名前でライセンス生産されてグラマンF9Fに搭載されていました。ちなみにソ連でも同型のVK-1が生産されていましたが、これはニーンのデッドコピー版です。当時イギリスでは労働党が政権でした。名前の通りこれは共産主義寄りの政党なのですが、それがニーンを「軍事転用しない」という約束でソ連に売却したのです。ソ連がそんな条件守るわけがないので、ソッコーでコピーされてMiG-15に搭載されたのです。


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ロールスロイスRB.53ダートMk.543-10です。これは遠心式ターボプロップエンジンです。なのでこれはプロペラ機用のエンジンなわけです。世界初の実用ターボプロップエンジンにして、多数の機体に搭載された高い実績を持つエンジンなのです。改めて見ると、ターボプロップだけど遠心式なのか、これ。さすがイギリスだな。

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さてさらに今日は特別展示がされていました。前々回くらいにエアロバティック飛行士の室屋義秀氏がこの日講演することに触れました。それは当時行われていた企画展に関連するものでした。そしてその企画展の展示のひとつが、室屋氏が搭乗する「エクストラEA-300S (JA11DB)」の実機なのです。

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軽スポーツ機を間近で見る機会もあまりないので興味深い展示です。ちなみにエクストラというのは社名ですが、これはドイツのエクストラさんという人の苗字から取られたものです。

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曲技飛行用として設計されているので、ストイックな機体外観だと思います。

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脚は固定式です。軽量化を求めるなら収納式よりも軽くできるのです。構造も楽ですしね。それにしても華奢な脚だなと思います。スパッツは履いていない機体も見かけるので、オプションなんでしょうかね。

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機体表面はつるつるです。曰く、外板は炭素繊維だそうです。「義」の字を象った尾翼がかっこいいです。

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後ろから。水平尾翼の右側にだけ小さいタブが付いていますが、これは反トルク対策でしょうね。

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風防は一体型でスマートですなあ。視界が良さそうです。

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ここからは通常展示に戻って、天井からぶら下がっている飛行機を見ます。これはパイパーL-21スーパーカブです。軽飛行機のベストセラーです。軍用機としても練習機や連絡機として各国で用いられた時代もありました。これは陸上自衛隊で使用された個体です。

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ベルHU-1B (UH-1B) ヒューイです。アメリカ軍がベトナム戦争でよく使っていたヘリコプターと同じ機種です。陸上自衛隊が現在でも改良型を使っていますねー。

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ビーチクラフトT-34メンターです。これも初等練習機です。自衛隊に納品された機体はすべてアメリカ製だと思っていましたが、ほとんどは富士重工でライセンス生産されたものだったとは知らなんだ。これの後継機富士T-3がT-34のそっくりさんなのにも納得と言いますか。

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ヒューズOH-6Jです。UH-1が中型ヘリコプターの傑作なら、小型ヘリの傑作はこれです。これは川崎の社有機でしょうかね。

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スチンソンL-5です。第二次世界大戦時代に米軍で使われた連絡機です。日本でも自衛隊の前身、保安隊時代に使用された練習機兼連絡機です。カブといいL-5といいこういう地味めな連絡機が日本でも残っているの、意外です。

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というところで今日はここまで。
最終回へ→


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