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北米project 5 ~How do you like Canada? その46【2016/6/15~22】

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メッサーシュミットBf109F-4 (Messerschmitt Bf 109F-4 ) です。試作機の初飛行は1935年。ドイツ機を複数見れるなんて、ここはいいところですね。アメリカやカナダと違ってドイツは敗戦国なので、現存機はどうしても少なくなりがちなんですよね。でも私はドイツ機には疎いのであまり書けることはないです~。これもスピットファイアに劣らず派生型の数が多いですし。

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スピットファイアも大概小さめの機体ですが、Bf109はそれ以上に小型の印象があります。小型軽量は正義で、それを活かした戦法を駆使する戦闘機なのだろうなと。

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Bf109名物、プロペラスピナーから放たれるモーターカノンはこのF型からやっと搭載されるようになりました。なので、見切れていますが銃口が見えますね。

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Bf109も脚の間隔が狭いのです。まあ空力や軽量化にはこれの方が有利なんですよね。
この個体は1942年製。ソ連との戦いで撃墜されて不時着。それ以降の記録はよくわからんようで、次の記録ではソ連の博物館で修復されていたそうな。テキトーな修復だったらしく、どうやら資料性についてはあまり期待しないほうが良さそう。その後イギリスの復元団体が買い取って、マシになるよう修復しています。当館が2つ持っていたMe163のうちひとつとこのBf109を交換する形で手に入れ、今に至るそうな。

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ただでさえ小さい機体なのにコックピットはめちゃ狭そう!デカいドイツ人があの中に収まるとは思えないっす。それに、枕の高さと風防の天地寸法からして、前方視界なんてほとんどないんじゃない?どうやって空戦していたの?


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後ろから。実際、ゼロ戦と比較しても小さいです。

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Bf109のエンジンですね。ユモエンジンなのかダイムラーのエンジンなのか、よくわからず。

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たぶんモーターカノンの機関砲ですかね。これもいろいろな種類を使っていたそうで、特定するのは私にはできないっす。

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続いて、ハインケルHe162A-1フォルクスイェーガー (Heinkel He 162A-1 Volksjäger) です。1944年初飛行。人呼んでドイツの断末魔5号くらい。国民自動車(フォルクスワーゲン)ならぬ国民戦闘機として、安く大量に造れて、操縦は簡単で、それでいて米英の戦闘機よりも強くて、というお前はかぐや姫か!という無茶をドイツ空軍は出してきたのです。それでハインケル社が出してきた回答がジェット戦闘機というのがドイツらしいと言うかなんというか。開発着手から90日で初飛行に漕ぎ着けるというロボットアニメのような日程で開発を進め、実戦投入も間に合ったそうな。でも撃墜記録はないみたいっす。

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安くてたくさん造れることが命題の一つだったので、機体規模は同世代のレシプロ戦闘機と比べても小さいです。本当に小さい、Bf109も大概小さいですがHe162はそれよりも小さそう。これだけ小さいと航続距離も短いんですが、ドイツを焼きに来る連合軍の爆撃機を迎撃する局地戦闘機として使うつもりだったので無問題でした。もはやイギリスに攻め込む気は無かったのです。あと機体はだいたい木製で、経験の浅い工員でも製作できるような設計になっていたそうな。その割にジェットエンジンを背負っているのは、連合軍の爆撃機が飛んでいる高高度飛行対策でしょうね。ドイツのレシプロ戦闘機ではハイオクガソリンの入手難から高高度飛行ができないんですが、ジェットエンジンならそれでなくても高高度まで飛べてしまうので、まさにジェットは念願のエンジンだったわけです。

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変形H字尾翼とでもいうべきか、変わった形状です。ていうか垂直尾翼の舵面は2つに分かれているのか。妙に手のこんだことをしてますね。上反角がついているのは、尻もち対策でしょうかね。なお、水平尾翼の付け根部分の胴体の下に突起が出ているのがわかると思います。あれは尻もち防止用のそり的な部品です。・・・開発期間の驚異的短さに比例して、泥縄的というかその場しのぎ的な設計が見え隠れしているような気がする機体でもあります。この尻もち対策なんてどうも後付けの対策っぽく見えるじゃないですか。

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機首の赤い矢印の付け根で部品の分割線が入っていますね。分割線よりも機首側は木製部品で、そこから後ろが金属製だそうな。He162は20mm機関砲と30mm機関砲を搭載したものに大別されるようですが、これはA-1型なので30mm機関砲搭載型、ということになります。機体が小さい割に強力な武装なわけです。でも、機関砲射撃時の反動を受け止められていたいのかな?
ところでこの個体はやけに塗装がくたびれています。博物館に飾るにはちょっと汚らしいんですが、もしかすると当時の塗装が留められているのであえて下手な修復をしないでこのままにしている可能性もあります。機体の修復歴はよく分からなかったので、可能性程度にとどめておきます。
この個体は1945年2月か3月にハインケルのノルド工場で生産された機体です。実戦投入の有無は分かりませんが、同年5月8日に連合軍に機体が鹵獲されます。その後イギリスが戦利品としてかっぱらっていき、ロンドンのハイド公園で飾られたそうな。飛行試験はしなかったのかな?1946年9月にカナダ空軍に移管されて、カナダで保管されていました。で、1967年の博物館の所有となり今に至ります。

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主翼は泥縄設計が色々されていると言われています。翼端が折れているのもそんな感じがします。他では見ない設計ですよ。直進安定性か揚力増加かが目的のような気がしますけど、よー分からんです。
背中に背負っているのが、BMWの004型ジェットエンジンです。Me262のエンジンとはまた別の種類です。エンジン補機類を詰め込んだために前方上部がやや膨らんでいているのが猫背的に見えて有機的というか、他の機体にはない印象を与えます。エンジンを外付けにしたのが超短納期設計のミソとも言えそうです。でも機体の重心部にエンジンを乗っけるのは外付けという点を除けば先見性がありましたね。
プロペラが無くなったおかげで超短足になった主脚にも注目です。脚なんて飛行中は死重も同じですから、短いに越したことはないんですね。まあ短すぎて今度は尻もちつくようになっちゃったんでしょうけど、たぶん。

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次はホーカー・タイフーンMk IB (Hawker Typhoon Mk IB) です。1940年初飛行。ホーカー・ハリケーンの後継機として開発された戦闘機でしたが、ダメ性能だったので戦闘爆撃機に転職してどうにか命脈を保ちました。ただイギリスはタイフーンをそんなに気に入っていなかったようで、戦後に全部解体処分してしまっています。スピットファイアとの扱いの差を見るに、本当は黒歴史と思っていたんじゃない?ただし、1944年に性能試験のためにアメリカに渡っていた1機が戦後スミソニアン協会から、イギリスが持っていたハリケーンと交換という形で帰還しています。なのでタイフーンってイギリスに1機しかいないわけですよ。
・・・・・・あれ、じゃあ目の前のこれ何だ?
当時は気にもしなかったけど、これじゃ辻褄が合わないですね。レプリカだったってオチ?撮影した写真から機体番号を探すと、「MN235」でした。これ、イギリス空軍博物館(RAF博物館)にある唯一の現存個体と同じです。なにイギリスくん、やっぱり黒歴史はいらないと考え直して、カナダに売っちゃったの?戦後当時はともかく、自国の兵器はとにかく褒め倒す今のイギリス人がそんなことするとも考えにくく、もうちょい調べてみることに。するとどうも、2014年6月のDデイ70周年を記念してRAF博物館から当館へ一時的に貸与されたんだそうな。なんと、2014年5月にカナダ空軍のC-17輸送機に詰め込まれて空輸したんですと!ある程度解体して運んだんだろうけど、あれに載せられるんだ。それで今日は2016年6月なので、その後も数年間継続して展示を続けていたということですね。あれま、これはラッキーなことだったんですね。2024年時点では、もうイギリスに帰っていてカナダにはいないそうです。
下記、ソースです。

Hawker Typhoon to Go on Display in Canada

The RAF Museum

Vintage Aviation News

 

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ロケット弾と機関砲です。戦闘爆撃機なので、これで地上のドイツ軍をけちょんけちょんにしてやります。

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もうちょい下から。タイフーンはカナダ空軍でも使用されていて、第440飛行隊はオタワが本拠地でしたから、タイフーンがここへ来たのはそういうつながりもありそうです。

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タイフーンと言えばそう、顎ですね。顎にはエンジンを冷却するためのラジエーターなんかが入っています。戦闘爆撃機というのは低空を飛んで対地攻撃するわけですが、地上側もただやられるわけにはいかないので対空砲火などで応戦するわけですね。それで、一番当たりやすいような位置にこの顎が付いているんですね。ラジエーターなんて銃弾1発当たっただけでラジエーターが液漏れすることもあるそうなんで、そうなるとたちまちエンジン本体も駄目になって飛べなくなります。タイフーン最大の弱点じゃないでしょうか。

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正面から。顎のお陰で前面投影面積が広くなっちゃってるのが分かるかと。迫力が出て見た目には好きな顎ですが、乗るかと聞かれれば願い下げですね。

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最後にランカスターをば。これで第二次世界大戦コーナーはおしまいですね。歴史的経緯からイギリス系の機体が多い展示でした。同じ北米大陸でもアメリカ産の博物館とは大きく様相が異なるわけです。つまり北米大陸にありながらイギリス機を多く見ることができるのがカナダの博物館の魅力と言えるわけです。イギリスが手癖でドイツからかっぱらってきた戦利品もいくつか流れてきているのも抑えておきたい所。
というところで今日はここまで。

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