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Channel: 黒鉄重工
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北米project ~Advance to U.S. その4 【2014/12/19~24】

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スコーミッシュライオンズクラブ客車 Squamish Lions Club Car
1922年ハーランアンドホリングスワース製Harlon and Holling sworth。当初はレディング鉄道Reading Railroadの1332号だった。
1976年にははアメリカ独立200周年祭の時に走行したアメリカンフリーダムトレインAmerican Freedom Trainを構成するAFT204号としてアメリカ48州を巡業した。
1978年にBC州に買い取られ、ディスカバリー号Discoveryに改名、ミュージアムトレインとして運行。1984年からはロイヤルハドソン2860号機牽引の観光列車やBC鉄道BC Railのチャーター列車に使用された。
現在はWCRHPの扇形車庫の横に留置され、スコーミッシュライオンズクラブの会議室として、他にも鉄道ファン向けや他団体の会議、結婚式向けに貸し出しもしている。

扇形車庫の外に出たら脇に置かれていた客車。博物館の保存車リストには載っていなかったので出処が不明でしたが、試しにググってみたら簡単にヒットしました。ネット超便利。
ライオンズクラブってのは日本にもある社会奉仕団体ですね。他団体所有のためか柵が張られていて近づくことは出来ませんでした。ただ、外観はともかく内装はここに落ち着くまでの間に何度も改造されているようなので当初の面影は殆ど無いと思います。



パシフィックグレートイースタン鉄道 兵員輸送車722号 Pacific Great Eastern No.722 Troop Sleeper/Bunk Car
1944年プルマン社製。第二次世界大戦中、アメリカ軍兵を輸送するため寝台車を用いていたがこれが不足してきたため、これを緩和するために製造された標準的な兵員輸送用の寝台客車である。
戦争終結後には余剰車になることを見越して、後に荷物車に改造できるようあらかじめ設計されている。それを特徴づけるものとして「アライドフルクッション高速台車Allied full cushion high speed truck」を履いている。事実、戦後に1949台が余剰になった。
この722号は、アメリカ軍所有の兵員輸送車7723号車として第二次世界大戦の後半にアラスカ鉄道で走っていたものとされている。戦後の詳しい経緯は不明だがPGEに渡り、当初の設計通り荷物車に改造され使い続けられたようである。

兵員輸送車という日本では聞かない種類の客車です。兵員輸送車から荷物車へ改造ということですが、なるほど確かに窓が埋められたような跡がそこら中に・・・。ドアも荷物車に適した幅広の物が中央に配置されていますね。普通の寝台車だったら車端に幅狭のものを配置しますものね。これを寝台車と言われても初めは信じられないと思います。今は荷物車ですが。



で、これがアライドフルクッション台車。
どのような性能の台車なのかはよく分からないのですが、文脈から察するに寝台車としてよりも荷物車としての性能にパラメータを振った台車ではないのかなということと、戦時の粗雑・簡易な設計・製造の台車ではないかなということ。台車を観察してもここがこうだからこうなんだとか分かりません、はい。
これについてもググってみましたが、酷い乗り心地だとか脱線が頻発したとかそのせいで直通運用禁止になったとか、とても褒められた性能ではなかったようです。乗せていた米兵も下士官ばかりだったんでしょうねえ。士官は通常の寝台車で移動して。
というか乗り入れ禁止になったんなら台車換えるでしょ普通・・・なんでオリジナルのままなの。運用限定してた?



カナダ国鉄 2183号寝台車「ベルアイランド」 Canadian National Railways No.2183 Sleeper "Bell Island"
1924年製。落成当初は2号客車「オシャワOshawa」という愛称で、寝台12台、コンパートメント1室を備えていた。1939年には氷を使った冷房機器が追加で設置された。
1980年に54691号に改番され、廃車後にWCRHPに引き取られた。

資料にはベルアイランドと書かれていますが、実車は末期の54691号の状態で展示されています。



寝台車なので台車は3軸。



車内に入ります。ラウンジが広がっています。



コンパートメント専用の個室おトイレ。



コンパートメントの上側。ベッドが格納されています。



コンパートメントの下側。座席。これもベッドになるのかな。



開放寝台は通路を挟んで両側に寝台を配置したプルマン方式。昼間は寝台を格納してボックスシートにもなります。583系と同じ構造です。



座席仕様。うむ、583系だ。なお寝台は2段。



寝台を広げるとこうなります。



上段はこう。寝ているマネキンにびっくりさせられる。
583系にはあった明かり窓はこれには無いっぽいです。



ロッカーもあるけど鍵はかけられない模様。



割と広々とした共同の洗面所とトイレ。



パシフィックグレートイースタン鉄道 6002号雪かき車 Pacific Great Eastern Railway No.6002 Snowplow
1947年製。PGEが導入したラッセル式雪かき車。PGEは1990年台に雪かき車を全て売却したが、程なくしてBC州北部で再び使用するために買い戻したという。

日本でもおなじみのラッセル車。構造は日本のとほとんど一緒ですね。昔は蒸気機関車重連でラッセル車の高さほどまで積もった行きを除けていたとか。



車内。ん・・・キ100形の雰囲気が。
大きく違うのは空気タンクの配置。キ100はタンクを枕木方向に寝かせておいたのでタンクを跨ぐ必要がありましたが、6002号はレール方向に配置しているので通りやすいです。
棚も置かれていて、道具なんかを置いていたんでしょうね。



運転台からの眺め。



運転席。


その5へ→

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