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Channel: 黒鉄重工
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ビクトリアの航空博物館を見学する 中編 【2015/01/17】

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BC航空博物館の続きです。



Vickers "Viscount"
ビッカースの開発した1948年7月に初飛行した世界初のターボプロップエンジン旅客機。第二次世界大戦終結の頃、戦後の民間航空機の需要調査とそれを受けての機体開発のため、ブラバゾン委員会を組織した。機体は数種類開発されたが、その中で最も成功したのがこのバイカウントだった。
トランスカナダ航空(エアカナダの前身)も1955年に導入と運用を始めた。トランスカナダ航空の機体は1600馬力Dart510エンジンを使用した757型だった。
博物館の機体は、1957年に導入され、1974年に退役した。退役後はブリティッシュコロンビア工科大学の教材として使われていた。博物館への移送中に損傷してしまったが、バイカウントの元パイロットたちの手により無事修復された。

博物館で一番大きな機体、バイカウントです。デカいのでなかなかフレームに収まりませんな。
博物館にとってもとても大事な機体のようで、カナダにはこれ以外にも数機のバイカウントが保存されているようですがスタッフはここの機体が一番状態が良いと誇らしげに語っていました。実際、今にも飛びそう。



機内を見学できます。ハッチは円形ですね。



コックピット。いつものことながら、よくこんなたくさんの計器やスロットルを使いこなせるものです。



キャビン。定員は53名。コミューター機程度の人数ですね。ですが胴体はリージョナルジェット程度の幅があり、座席も割りとゆったりしているように見えます。



窓は現用機と比較するとかなり大きく、座席一列に窓ひとつという配置。



ギャレー。ぱっと見あまり変わらない印象。



表に出て全部入るアングルを探します。見つかりましたね。



Noorduyn "Norseman"
カナダのボブ・ノールダインにより開発されたブッシュプレーンの傑作機。ノースマンの試作機は1935年11月に初飛行し、第二次大戦終結までに903機が製造された。
博物館の機体は、1944年製でアメリカ陸軍UC-64Aとして導入された。1956年に退役しカナダに戻ってきたが、後にブロンソンクリークの採掘所に墜落した。
墜落した機体は博物館がスクラップ同然の価格で購入し、他の機体から手に入れた胴体なども使って2003年に修復を完了した。

ブッシュプレーンとは未開地用の飛行機。滑走路のない未開地でも運用できるように車輪の代わりにフロートやスキーを装備できます。
カナダの航空機史において重要な機体だそうで、博物館のロゴにもなっています。



Lockheed T-33 "Silver Star"
解説は省略、はい。バンクーバーでも見たしね。
当機はアルバータ州ストーニープレインの牧場主から購入したもの。これはカナディアのライセンス生産ではなくてロッキード製のようで。



Bell Model 47D
30年間で6200機以上を生産した初期のヘリコプターのベストセラー。原型機のモデル47はむき出しのコックピット、覆われたテールブーム、車輪の付いた着陸装置があるが、改良型の47Dはバブルキャノピー、骨組みのテールブーム、ソリ状の着陸装置に変更された。
博物館の機体は1948年BC州で最初に飛行した商業用ヘリコプターだ。

乗りたくない機体シリーズのひとつ。初期型はキャノピーがないっていうんだからすごいわな。



North American "Harvard"
ノールアメリカンの傑作練習機T-6、「ハーバード」はそれのイギリス連邦での呼称である。
博物館の機体はガラクタだったものを再組み立てしたもの。Mk.IIをベースにMk.IVとAT-6テキサンの部品を使っている。

有名な練習機ですね。



最後に工房に案内してもらいました。色々と修復していました。うーむ、羨ましいな色々と。

こんな感じで見て回りました。
規模は小さいですが、バイカウントのような大きい機体もありますし何より風船爆弾は日本人にとって見ものだと思います。
ビクトリア空港のそばにありますので、飛行機で行く場合はアクセスしやすいと思います。


後編へ→

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