2015年6月26日(金)11時37分
ワシントン州シアトル BNSF鉄道バルマーヤード
引き続きBNSF鉄道の機関区兼操車場のバルマーヤードを覗いていきます。
手前には雑多な貨車を連結した貨物列車、奥には機関区、とても良い眺めです。貨物列車を趣味にするとしたらアメリカが世界最強の環境でしょうね。
GE Dash9-44CW形BNSF4809号機+GE ES44C4形BNSF6859号機。重連のユニットを組成する時は大抵の場合互いに背中合わせに連結してユニットの両端に運転台を確保し、どちらの進行方向にも対応できるようにしています。日本の2車体連結機関車(EH500形、EH200形)みたいなものですかね。
これを基本に、貨車の量によって3~6重連あたりまでに増結、あるいは列車の中間か後ろに補機を付けて対応しています。中補機というのが独特ですよね。
実質片運転台のアメリカンディーゼル機関車ですが、ローカル線での軽量貨物列車の運転などでもない限り、原則として重連から貨物列車を牽引します。であるならユニット組成時に両運転台になるように連結すれば片運転台でもあんま問題ないんじゃない?って感じなんだと思います。
BNSF4782+BNSF4567+BNSF6677(Dash9-44CW+Dash9-44CW+ES44C4)。
まあ何事にも例外はつきものなんで、こういう組成も・・・。機関車3両のユニットですがどれも同じ向きに連結されています。
向きが揃っていてカッコいいんでこっちの方が好きなんですけどね。
機関車の群れ。本当にいい眺めだ。
ちなみに北米のディーゼル機関車は伝統的に電気式ディーゼル機関車です。ディーゼルエンジンで発電機を回し、それで得た電気でモーターを動かす方式です。なので自力で電気を得ることの出来る電気機関車とも言えます。
日本のディーゼル機関車は液体式が主力。エンジンの出力を液体変速機を介して車輪に伝える方式です。
EMD GP38-2形BNSF2269(ex-BN2269)号機。これもバーリントン・ノーザン塗装のまま。
GP38-2形BNSF2340号機。GP38形は4軸機関車の決定版なのか知りませんが、割とよく見かけるイメージですね。ちなみに本線用ロードスイッチャーは6軸機です。
これの塗装はアメリカン湘南色ことヘリテージ1。この色はバーリントン・ノーザンの前身のひとつグレートノーザン鉄道のものを継承したんじゃないかなぁと思います。
Dash9-44CW形BNSF4163号機。
これはヘリテージ2塗装。
ES44C4形BNSF8333号機。
これはヘリテージ3塗装。これが現行塗装なんでヘリテージ(遺産)もクソもないんですが、たぶんここでは伝統って訳したほうがいいのかもしれないです。伝統的塗装3号みたいな感じか?伝統的塗装2号ことヘリテージ2からロゴを現在使用しているものに変えただけっぽいですね。
BNSF8333の後ろ側。
屋根から出っ張ってるのはラジエーターです。これが車体幅いっぱいにはみ出てるのが最近の機関車の特徴です。これ絶対運転室から後ろ見えないと思うんだよな。
BN塗装のGP38-2形BNSF2334号機。ボンネットにロゴでなく警戒ストライプが描かれた機体。
で、BNSF2334の後ろにいるコレ。な、なんじゃこりゃ!?客車じゃん・・・。
鉄道会社が独自に旅客車を保存してたまにイベントで走らせてるなんていうのは話には聞いてましたが、なんとまあ。
電源車ですかねぇこれは。ロードナンバーは不明ですが固有愛称は"Stampede Pass"だそうな。
BNSF67 "Trinchera Pass"。
座席車にしては窓の間隔が一定じゃないし、寝台車なのかしら?
うわぁなんだこいつキモい・・・。
最後尾のBNSF32 "William B. Strong"。客車愛称はATSFの元社長から来ています。
オブザベーションカー、いわゆる展望車です。後ろに向かって段々高さの下がってる小窓とかシャッターが閉じた展望窓とか、なかなかゲテモノくさい外観をしておられます。シャッターはちょっとアレでしょう・・・。
編成全体。イベント列車か、役員用列車オフィサートレインの客車だと思いますけど詳しいことは不明。意外とそういう情報は転がってない・・・。
なんにしても、こういう旧型客車を残しているとはアメリカの鉄道も底が知れませんな。
EMD SD39-2形BNSF1655号機。GP38形かと思ったら6軸のSD系でした。しかもSD39形は50機しか製造されなかったそうなんで、これはまたレアなものを。
うわぁ、奥にも展望車が、しかもドーム付きじゃん。客車何両持ってんだろうな、BNSF・・・。
DTTX27705。
現代のアメリカの鉄道の主役とも言える2段積みコンテナ車ダブルスタックトレイン。米帝パワーの象徴とも言えます。
アメリカ国内で完結する輸送はもちろんですが、太平洋や大西洋航路からやってきた国際貨物船のコンテナをアメリカ各地へ輸送したり、さらには太平洋~大西洋航路を連絡する動脈としても利用されています。スエズ運河は何かと情勢に左右されやすいしパナマ運河は貨物船の大きさに制限があるし運河の輸送量は飽和状態だしで安定した大量輸送には少し不利で、そこに目を付けたのがアメリカの大陸横断鉄道だったのでした、というわけです。実際パナマ運河経由よりも鉄道経由のほうが速いらしい。
CRLE11955。
一方で有蓋車を始めとした雑多な貨車も現役なのがアメリカの鉄道の魅力的なところですな。
大容積のハイキューブ有蓋車 Hicube boxcarが現在の主力です。車体のアスペクト比は何やら日本のワム80000とだいたい同じに見えますが、寸法は段違いです。
この貨車だとたぶん車体長は50ft級なので、車体の長さ約15mX幅約3mX高さ約4m。容積は6339立方フィート≒180立方メートル。
ワム80000の車体が長さ約9.6mX幅約2.9mX高さ約2.6m、容積が52.8立方メートルなんで、まあ当然ですが圧倒的ですね。
操車場もそろそろ終わりですね。行きのバスに乗る時渡ってきたマグノリア橋が見えてきました。
最初は昨日レンタカーでやってくるつもりでしたけど、結局操車場の端から端まで歩いてしまいましたので結果的に今日歩きで来て正解でした。
歩きならここから最寄りのバス停まで行けばいいですけど車だとまた同じ道戻らなきゃいけませんからね。これがダルい。
橋をくぐるとクルーズ客船が停泊していました。あらこんなものが。
ダウンタウンからはちと離れてるんですが、そこはまあ送迎バスとかあるんでしょう。
最後に、経路はこんな感じに操車場西側の道路を歩いて南下してきました。
私の土地勘が正しければこのまま南下していけばマグノリア橋に突き当たり、路線バスの走る道路にたどり着けるはずでして、結果はドンピシャでした。無事にElliott Ave W & W Galer Stバス停に着けたのでした。
この後19系統のバスに乗ってダウンタウンへ戻ったのでした。
最終回へ→