ここら辺からはカナダ軍ではない個人所有のような機体が現れ始めました。なので機体も古いものが・・・。
これはノースアメリカンT-28Bトロージャン。同じノースアメリカンの傑作練習機T-6テキサンを置き換える目的で開発されました。アメリカ空/海軍他で使用されていた練習機です。航空自衛隊でも実験目的で1機だけ購入していました。
なおトロージャン Trojan というのはトロイア人の意味。テキサス人の次がトロイア人というのは急激な変化ですが、たぶんこれは名前の頭文字を練習機 Trainer の頭文字のTと合わせたかったんだと思います。
エンジンがライトR-1820という戦闘機にも使われるようなものだったので無駄に高出力。なので武装して暴徒鎮圧用の軽攻撃機(COIN機)にも使った国があるだとかで。実際これ、ぱっと見戦闘機みたいな姿しているし。
これは個人所有の機体で、C-GTLWというレジ番も取得しています。この後のエアショーで飛行展示も行います。高出力機だと曲芸飛行にも適しているということですかね。
ちなみに塗装はアメリカ海軍のものです。
セスナL-19バードドッグ
1949年12月初飛行のアメリカ軍用の連絡機/着弾観測機。セスナの民間機モデル170を軍用に改設計したモデル305Aが原型。後方視界確保のために胴体後部の設計変更、座席の直上にある主翼の一部を透明な部材に替えて視界を提供するといった変更がされています。
アメリカ三軍で使われていたので、アメリカだけでも陸軍がL-17、空軍がO-1、海兵隊がOEと名前が3つもあります。型式統一後はO-1に落ち着いたそうですが。
全部で3,431機が生産されて朝鮮戦争やベトナム戦争では実戦投入もされました。ただ、ベトナム戦争で450機以上の損失を出してしまったので(恐ろしい数だ・・・)その補充のために後継機が入ってくるとだんだん影が薄くなっていって(?)1974年までに退役しました。
カナダ陸軍でも1954年に29機のL-19を購入してやはり連絡機/着弾観測機に使いました。1973年までにCH-136(OH-58カイオワ)に置き換えられる形で退役しましたが、機体はその後カナダ空軍士官候補学校で使われたんだそうです。
このArmy 713(レジ:C-FHDJ)はカスケード・ウォーバーズ所有で、復元に10年以上かかったとのこと。ちなみにL-19はまだ300機以上が飛行可能な形で存在しているらしいですよ?
デ・ハビランド・カナダDHC-8-100ダッシュ8 (C-GSUR)
きっと3倍の速さが出る真っ赤なDHC-8。これは国家航空監視計画 National Aerial Surveillance Program で運用される機体で、所有も政府の運輸省になっています。
カナダ管轄下の水域・海域を通行する船舶からの汚染を上空から監視することを目的にしています。なんでも公害物質を検知できる機器が積んであるとかで。機体のエンブレムも汚染物質を垂れ流す船を監視している絵です。
航空機は西海岸のバンクーバーと東海岸のモンクトンにDHC-8が1機ずつ、五大湖監視のためにオタワにもDHC-7が1機配置されています。
ビーチクラフト モデル200キングエア (C-GCAO)
説明もなくぽんと置かれていただけの謎の水産海洋省の機体。用途はよくわからないですが、職員輸送用辺りですかね?
これもたぶん3倍速いノースアメリカンT-6テキサン (CF-WLO) レッドナイト号。
注目すべきはノーズアートで、「レッドナイト」が描かれています。これは昔存在したカナダ空軍の曲技飛行部隊の名前です。ただ使用機体はT-33のはずで、T-6は使っていなかったはず。
なのでまあ、レッドナイトが好きなんだけどT-33を飛ばすのは難しいから身の丈にあったT-6を真っ赤に塗ったぜ、といったところでしょうか?
またT-6 (N4802E) ガンスリンガー号。レジから見るにアメリカからの参戦か。
塗装は完全に趣味の域で資料性はもう無いでしょう、たぶん。
ちなみに一部では軽攻撃機型のAT-6と記述しているところもあり。
全く知らない飛行機ですが、これはノースアメリカンL-17ナビン (CF-EZI)。
1946年初飛行の飛行機で、元は民間機として開発したもの。それがアメリカ軍でも採用されて、恐らく連絡機に使ったんだと思います。
塗装ですがどうもこんな塗装はなかったようで、これも所有者の趣味なのかな?と思ったほうが良さそうです。
ところで他の航空機もそうですが、個人所有機なのにこんな米軍の国籍マークやU.S. Air Forceなんて文字書いても怒られないんですかね・・・。白か黒かだと黒でしょうから、一応こっそりやってるんだと思います。
なんか奥にデカいのがいるなぁと今までずっと視界に入っていたのですがこれはボーイングCC-177グローブマスターIII (177705)。地球の覇者とは大層なお名前だこと。
2007~2015年にかけて導入されたアメリカ空軍のC-17と同様の大型輸送機。大陸横断や海外展開などの長距離輸送で使われます。これ1機でヘリコプター3機、戦車1両、空挺兵102名を運べますぞ。
現在はボーイングの製品ですが元々はマクドネル・ダグラスのもの。どことな~くですが同社の旅客機DCシリーズの面影を感じます。
後ろを振り返ってみる。
これだけ種類が多いと楽しいもんですね。しかも好き放題近づける。持ち時間ほとんど全部使っちゃいましたけど。
前を向き直してさらに向こうを見てみると、CF-18とCT-114が待機していました。
CF-18はバトル・オブ・ブリテン75周年特別塗装機で、スピットファイアと同じ迷彩塗装が再現されています。CT-114は空軍の曲技飛行部隊スノーバーズの所属です。
どちらもこの後の展示飛行で登場します。
ちょうどウェストジェットのB737が飛来してきました。CF-18と重なったので一緒に撮影。面白い光景です。
もう地上展示機は無いと思っていたら、まだノースアメリカンB-25Dミッチェルがいました。第二次世界大戦期のアメリカ陸軍の有名な中型爆撃機。D型というのは前期型の型式。B型からエンジンの換装と爆弾搭載量を増やしたもの。これ以上の説明は割愛(手抜き
100機以上といわれるB-25の現存機のほとんどがJ型という中でD型というのは比較的珍しい型式でして、ほぼ同型のC型と合わせても10機あまりしか残存していません。C/D型合わせて約3,900機も生産されていながらこの残存率というのはやはり、戦争で消耗されたのだなと。やはり大戦前期の機体は現在に至るまで保存される例は中々少ないものです。
所有はシアトルの北にあるペインフィールドを拠点にするヒストリックフライト財団で、これの他にも色々と飛行可能機を所有している模様。これも飛ぶんだそうよ。マジかよ。
最初地上展示機を見る時間は1時間あったのにもう飛行展示開始5分前まで差し迫ってしまったので席へと向かいます。
実はまだ個人所有機が何機か地上展示されていたんですが、時間切れになってしまい泣く泣く諦めることに・・・。
もう忘れてしまったと思いますが、私はより近くで飛行展示を観覧できるボックスシート席を課金して確保していたので、そこに陣取ります。
もうめぼしい座席は埋まっているかと思いきや(席は自由席)後ろ側はがら空きで、前側もちらほら空席がありましたので一安心。やはり来場者数が多くはないのです。
ちなみに無課金だと座席はないのですが、みんなピクニックシートとかキャンプで使う椅子なんかを持参していて、手慣れているもんだと思いました。
席に座って一呼吸しているとCP-140が任務上がりなのか飛来してきました。
では次回から飛行展示が始まります。
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