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超久々のエアフェスタ浜松へ その2【2016/10/16】

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当初の予測を見誤って遅れて会場入りしたエアフェスタ浜松。まずは地上展示機を見ていきましょう。飛行展示の合間合間に見ていたのですが、時系列で載せていくとごちゃごちゃしそうなので先に地上展示を片付けてから飛行展示を掲載していこうと思います。

まずは浜松基地一の巨人、ボーイングE-767。背中に背負っているお皿は回転させることが出来、世界でも稀有な皿回し芸が可能な飛行機です。この一発芸で敵の飛行機パイロットを笑いの渦に巻き込んで操縦不能に追い込み墜落させるという、独特な戦術を取るとされています。しかし最近では皿1枚じゃ、ジョークの通じなさそうなロシア人には効果が薄くなっているようで、今後は皿の枚数を増やした機体を開発するとかしないとか。

・・・以上のことから、早期警戒管制機いわゆるEWACS機ということが分かるのでござんす。
レーダーはバカ正直にまっすぐ直線に進むという性質上、地上のレーダーサイトからでは地平線の向こうまで警戒するというのは苦手です。そこで航空機にレーダーを載せて上空から監視すればかなり遠くまで見通せるんじゃね?と思いついて造られたのが早期警戒機です。
レーダーで捉えた情報を味方に連絡するくらいしか出来ない早期警戒機と違って、早期警戒"管制"機はレーダー情報の分析・解析まで機内で行って、さらに味方の航空機の誘導や管制まで行える、空飛ぶ司令塔みたいな機体に仕上がっています。

E-767は、型式から想像できる通りボーイングの旅客機B767を原型としたAWACS機。本当はE-3セントリーが欲しかったけどその時にはもう生産終了して絶版品になっていたので、767の機体にE-3の電子装備を積んだという機体を新しく造りました。
どうもE-3が生産ラインを閉じた辺りに航空自衛隊はAWACS機の導入を決めたみたいで、なんとも間の悪いことです。新しく設計を起こすE-767よりも既に量産されているE-3の方がお値段が安いのは明らかなのですが、E-3が生産終了する前に導入できなかったものなんですかね?やはり防衛省(当時は防衛庁か)は買い物が下手くそだという印象が拭えないです、最近・・・。

ちなみにE-767は、航空自衛隊の他はアメリカ空軍はおろかどこも採用していないので、今のところ自衛隊のみが唯一装備する機体となっています。しかも配備されているのは浜松基地の4機だけ。実はレアなんですよ。



これも皿回し芸人、グラマンE-2Cホークアイ。こっちはお皿の他にプロペラも回せる上に主翼も畳めるのでE-767よりも芸達者と見えます。
元は1960年に初飛行したアメリカ海軍の早期警戒機。でもって、現在も改良型が生産されている長寿機種です。これでも空母で離着艦できる艦上機でして、なので主翼が畳めるようになっているんですね。
空自でE-2Cの運用が始まったのは1983年あたりで、上記のE-767よりもだいぶ先です。自衛隊は空母を持っていないので艦上機の仕様は必要ないんですが、設計変更すると値段が跳ね上がりそうですし。それと、翼を畳めると機体の専有面積が減るんで駐機する時便利なんでしょうね。



浜松基地のヌシと言える川崎T-4。ブルーインパルスのブルーじゃない方の飛行機だよと言えばだいたいみんな分かってくれるはず。
もう少し突っ込むと、訓練生を養成するジェット練習機です。9月に行った静浜基地のT-7練習機での初等訓練過程を終えた訓練生は、次に中等練習機であるT-4に乗り換えて浜松基地などで中等訓練に臨むのです。
頭から尻尾まで全部国産というのがウリ。中でもエンジンも国産だというのが自慢。これ、今でも十分若々しい見た目をしているなと思うんですが、初飛行から既に30年以上経過していて、けっこうもう年なんだなと驚く。後継機の話は聞かないので、まだまだ現役っぽいですね。



近所の幼稚園で塗られた増槽。自分の描いた絵が空を飛ぶというのは結構いい気分なのかもしれない。
ちなみにもう1機、ノーズアートにサメの絵ではなくウナギの絵を描いたT-4がいたんですが、やたら混んでましたしうなぎなんて浜松じゃ大して珍しくもなかろうと思ってスルーしたんですが、後で調べるとなんだか珍しいやつだったそうですね・・・。



みんな大好きマクドネル・ダグラスRF-4EファントムII。
こいつは偵察型のファントムです。なので戦闘には不向きなんですが、戦闘機と同じ高速性を活かしてちょー高速で敵地に侵入して、敵の情報を機首にあるカメラで盗撮して、敵に追いつかれる前にトンズラするという使い方をされます。
空自のRF-4Eはベトナムの空でも飛んでいそうな茶色と緑の迷彩塗装・・・つまり上空から視認された時に溶け込むような迷彩塗装なわけですが、写真偵察機ってそんなに低空を飛ぶもんだったかしら?



機首に装備された偵察カメラ。前方、下方、左右に1個ずつあります。空自のRF-4には元から偵察型なのと戦闘型から改造されたものの2種類がいると静浜基地航空祭の時に説明したんですが(みんなもう忘れていると思うけど)、機首にカメラがある方は前者になります。
世はまさにデジタル時代という中で未だにフィルムカメラを使っているとか。なので撮影した写真を瞬時に友軍に転送するなんてことは出来ず、撮影したフィルムを基地へ持ち帰ってそこで現像する手間がかかります。
なお偵察機での撮影は何も戦争に使うに限った話ではなく、災害発生時の初動で情報収集する際にもこれを使うんだそうです。熊本地震ではその実績があるとかで。なるほどその手があったかと思いましたね。



双発ローターのヘリコプター、ボーイング・バートルCH-47Jチヌーク。
静浜で見たばかりなので写真だけ載せて次へ(手抜き



初めて見ました、ガルフストリームU-4。ビジネスジェットだよね、これ。
案の定ガルフストリーム社のビジネスジェット機、ガルフストリームIVそのものでした。だからU-"4"なのか。
指揮連絡、小型軽量貨物空輸、訓練支援、要人輸送などを行う何でも屋なんだそうです。所属は入間基地の第402飛行隊。



ビーチクラフトT-400
輸送機などのパイロットを養成するための練習機です。元はビーチクラフトの400型です。なのでT-400・・・。めちゃくちゃ安直な命名ですけどいいのかなそれで。



ゴジラと戦争でもする気か!?という風貌をしているベルAH-1Sコブラ。対戦車ヘリなので陸上自衛隊の機体でゴンス。
世界初の対戦車ヘリなんですが、実は本命で開発していた対戦車ヘリが失敗した時の保険として開発されていたもの。本命ことAH-56シャイアンは開発の途上で色々機能を盛り込みすぎて機体が肥大化、生存性にも難アリってことで開発中止に追い込まれちゃいました。そんな時にベル社が自社開発していたAH-1の原型機が正式採用されたのでした。
本命が失敗して保険が踊り咲くというケース、米軍機ちと多くないか?という気もします。

AH-1は当時生産していた汎用ヘリコプターのUH-1ヒューイを原型にして開発したものです。まあ、全然似ていないんですが、尾部にはUH-1の面影が残っています。
前面投影面積を減らすために導体の断面を幅99cmまでめちゃくちゃ細くしたのが特徴です。乗った時めすんげー狭そう。この形状が以降の攻撃ヘリにも受け継がれており、初っ端にして洗練された形状をしていたわけです。
固定武装に機首のガトリング砲がありますが、ゴジラには毛ほどもない威力しかありません。他には胴体側面に取り付けられた翼にミサイルやロケット弾を装備できたりしますが、これもゴジラには歯がたちませんでした。



AH-1の原型になったベルUH-1ヒューイ。イロコイとも呼ばれるらしい。
ベトナム戦争でこいつがバッタバッタ撃ち落とされ目も当てられない状況だったことから攻撃ヘリが開発されるようになったのです。
見比べてもらうと尾部以外は別ものというのがお分かりいただけるかと。



静浜のヌシ、富士T-7。
空自パイロットが等しく最初に操縦する機体、初等練習機です。これは静浜航空祭で散々書いたのでスルー(手抜き



消防車軍団です。
これはR-2型。指揮車なので消防装備はありませぬ。



A-MB-3型破壊機救難消防車。物騒な名前ですが、空港用化学消防車です。これは日産ディーゼル製。自衛隊の消防車では一番大きいとか。



A-MB-1型。古い方の破壊機救難消防車です。50年選手じゃないのかしら。そんなに高頻度で置き換えるものでもなさそうですから長生きしてるんでしょうね。

今日はここまで。


その3へ→

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