ヤンクス航空博物館編、今回はドローンとか訓練用ミサイルとかそんな話。軽く見ていきましょう。
まずはラジオプレーン社OQ-2A。カリフォルニア州ヴァン・ナイズの工場で造られた1941年製の標的用ドローンで、15,000機が生産されたアメリカで初めて大量生産されたドローンだとか。
標的用なのですが、これは地上からの対空砲で飛行機を撃ち落とす訓練に使われたとか。
特筆すべきはプロペラが二重反転式になっていること。2対のプロペラを互いに逆方向に回すことでトルクの反作用を打ち消してまっすぐ飛ぶようにしているのです。
ドローンのエンジン。ちっちゃくてもちゃんとしたエンジンなのだ。
当たりどころが悪ければ破壊されてしまうんでしょうけど、回収できたら使えるところは再利用とかしたんでしょうかね?
グローブ航空機社KD6G-2ファイアフライ(1951年)
形式番号的にアメリカ海軍で使われていたドローンですね。水上対空と空対空での訓練で使用。
海軍の偉い人はあれが飾りだと分かっていたのでしょう、脚が付いていないのですが、運用する時はカタパルトからドローンを射出して飛ばしていました。
ライアン航空機社BQM-34Aファイアビー(1958年)
1950年代にしてドローンにもジェット化の波が。最高速度はマッハ0.9まで出て、7Gでの旋回もできるのだそうで、実際速い。
兵器開発とその評価試験に使われたとか。これにも脚が付いていないですが、地上からロケットの補助で発射された他、C-130輸送機を改造したドローンの射出母機、DC-130から空中発射する運用もされました。
ジェット噴流の排気口。
ビーチクラフトMQM-61カーディナル(1959年)
カーディナル(cardinal)というのはローマカトリック教の聖職位のひとつ枢機卿(すうきけい)の意味です。結構位が高いのだそうだが、命名の意図は正直分からん。
兵器の評価、訓練などなんでもできる万能機でした。
尾部にある黄色い筒は射出時に使うジェット推進機じゃないかなと。ちなみに脚のないドローンの着陸は、尾部についている落下傘を開いてふんわりと降りてくるというものでした。
ベルAH-1Fコブラ
前回のUH-1をもとに開発した世界初の攻撃ヘリ。兄弟機とは思えないほど似ていないんですけど。
AH-1のサブタイプはUH-1からの続番ということになっているのでG型から始まります。なのでF型は順序的におかしいな?と思ったのですが、S型の近代化改修型なんですってね。なんで遡ったんだ?
他、詳しいことは割愛(手抜き
ビーチクラフトAQM-37Aジェイホーク(1961年)
もう事実上のミサイルですねぇ。これは大陸間弾道ミサイルの弾頭部の迎撃用に開発されたんだそうです。
F-4やA-4といった飛行機から発射されたんだそうで、やっぱりミサイルじゃないか・・・。
爆弾、ミサイル、ロケットノズル・・・。
こっちにも爆弾がたくさん。飛行機を飾る時の小物として使うんでしょうか?
ヘイズインターナショナルTDU-25/B(1967年)
赤外線誘導ミサイルの射撃訓練に使われるやつです。当時の赤外線誘導ミサイルといえばAIM-4ファルコンなんでしょうけど、特に形状が似ているというわけでもないですね。
航空宇宙防衛軍団(ADC)と空軍州兵(ANG)のF-102、F-106、カナダ空軍のF-101といった迎撃戦闘機で特に使われていたのだそうな。
ビーチクラフトBQM-126A(1984年)
これは巡航ミサイルを模した標的でしょうね。H型の尾翼が特徴。
アメリカ海軍で使われていたやつで、艦隊を狙う巡航ミサイル迎撃のためのものなのでそうです。
以上、訓練用標的機の変遷でした。今日はここまで。
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