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北米project 4 ~Is the order a warbird? その27【2016/03/04~10】

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レストアハンガー見学後は再びスターファイターハンガーに戻って、まだ見ていない残り半分の収蔵機を見ていきます。
ところで写真を見返していて気がつきまして、この写真はFMを被写体として写しているんですが、その左手前に写っているエンジン、これP-39かP-63のアリソンエンジンだったんじゃないですかねぇ・・・?ていうかエンジンの右にあるやつはP-39の減速機とドライブシャフトですから、やはりP-39/63の部品でしょう。
それと、中央下の見切れているやつは37mm砲だったんじゃないか疑惑が・・・。
うーん、なんでちゃんと撮ってなかったんだ当時の俺。



星戦士の格納庫の今まで見た半分は第二次世界大戦期の機体でしたが、残り半分はその後のジェット機で占められています。
これはA-10サンダーボルトIIのモックアップか何かですかね?名前が書かれているから分かりましたが、形状だけ見ても意外と分からないかな。



やけに占有スペースを広く取って展示されているノースロップF-5EタイガーII(1972年)2機目。
隠れた傑作機F-5A/Bフリーダムファイターの改良型です。F-5A/Bは東側陣営に対抗するために西側のアメリカのお友達にバラ撒かれた戦闘機で、途上国でも運用できる簡便さとタフさが売りの機体です。なにせ超音速戦闘機が200万ドルで買えるんですよ奥さん。
ところが時間の経過とともに東側はMiG-21戦闘機を装備し始めます。在来のMiG-17,MiG-19よりも能力が高い上にこれにはレーダーが搭載されていたので、F-5A/Bでは見劣りしてきました。そこで西側でもこれに対抗しようとなってF-5E/Fが開発されましたとさ。

まずは簡素ながらも空対空レーダーを搭載。それとエンジンも強化して、主翼も大型化。機動性と整備性の良さはそのままに性能向上を果たしたので、F-5A/B運用国がそれの後継機として運用したことが多かったとか。

この改良で型式のサブタイプが新しく付与された他、愛称もフリーダムファイターからタイガーIIに変わりました。なんでまた自由の戦士から虎二世と全く関連のない名前に変えたのか分からないですが・・・。スコシタイガー作戦が由来だったりするのかしら?
それと、タイガーIIということは初代タイガーがいるはずですでして、でもそんなのいたかな?と思ってましたが、その答えは意外とすぐ近くにいたのでした(次回)。

運用国は色々ありますが、この機体は台湾で使われていた機体。2010年に台湾から寄贈されたそうで、本物の台湾育ち。台湾では中正号と呼ばれていたそうな。これは蒋介石初代総統の名前「中正」から取られたものです。経国号も総統の名前が由来でしたね。

今も書きましたが、他の機体が格納庫の壁沿いにぎゅうぎゅうに展示されているのに対して、F-5Eは通路の中央に360度から見渡せるようにゆとり持って置かれていて、やけに扱いが良いのです。どうも2015年に台湾の馬英九総統(当時)がここを訪問したんだそうで、その影響だろうなと。
でもヤンクスの格納庫の機体配置は頻繁に変わるようなので、今はどうなっているのか分かりませぬが。



機首。注意書きが漢字なので妙な親近感を覚えます。
改良後も仮にも超音速戦闘機のくせに機首にバカ正直にドカンと装備された機関砲2門は健在でして、ここら辺は芋っぽさが抜けない感じであります。機関砲の衝撃でレーダーが故障とかはしなかったのかなと要らぬ心配をしてしまいます。



ここで台湾の国籍マークを見るとは思わず。
F-5の特徴と言える主翼付け根前縁のLERXはE/F型でも引き継がれています。それどころか、LERXの効果に味をしめてこれを大型化して性能向上を狙っています。



こっちがA/B型のLERX。形状が変わっていて、横幅が広がっているのが分かるかと。



後ろ。
ただの筒みたいな排気口がやはり芋っぽくて好き。



エンジン。たぶんF-5EのJ85-GE-21じゃないかな?少なくともペガサスエンジンではない。



F-5と向い合せで置かれているホーカー・シドレーAV-8A(Gr3)ハリアー(1969年)
垂直離着陸のできるイギリス生まれの戦闘機です。これもイギリス空軍の機体だったものです。
ハリアーについては前に書いたような気がするので、改めて書くこともないかなということで割愛(手抜き)



機首。おめーさては最初はレーダー積むつもり無かっただろ、という後付感溢れるレーダードーム。レーダー無しの純正(?)の機首はなんだか架空メカっぽくて好きです。
イギリスではGR.3型のサブタイプを持つこの機体。GR.1型ではレーダーがなかったのをやっぱり必要なのでは?と思い直して追加搭載したもの、だそうで。



中央部。
ペガサスエンジンの可変推力ノズルが見えますね。ノズルはこれが片側に2つずつあるだけです。なので、ジェット機のくせに尾部にエンジンノズルがないという変わった機体になっています。

また、胴体側面にエンジンノズルを持ってきて胴体横に降着装置を配置できなくなっているため、胴体中心線上に降着装置を前後に配置するタンデム式という戦闘機としては変わった配置をしています。
ただしこれだけだと安定性が悪くコケてしまうことが考えられるので、主翼から補助輪を展開できるようになっています。
色々と見どころのあるやつなんです。



時代は遡って、黎明期のジェット戦闘機であるところのリパブリックF-84Eサンダージェット(1946年)
リパブリック製の戦闘機なのでP-47サンダーボルトから名前を引き継いでサンダージェット。同社のサンダーシリーズの2代目でございます。
特に目立ったこともないので影が薄めのやつです。初飛行が1946年なのでF-86セイバーよりも先発しているのですが、それ故に主翼は後退翼ではなく普通の直線翼でして、朝鮮戦争の頃には時代遅れになってしまい対地攻撃に使われていた模様・・・。でもサンダーボルト譲りで中々頑丈だったらしい。
F-84はやたら派生型が多いのが特徴で、直線翼型、後退翼型、偵察型、核爆撃型などなど・・・。後々出てくるのでお楽しみに。

E型は直線翼を持つ初期型でして、B型から続く改良型。レーダー照準器や燃料容量拡大なんかがされたそうな。



天蓋は涙滴型ですが、なんだこの窓枠の多さは・・・零戦かいな。先代のP-47ではそんなことなかったのに、ここは退化してしまったのでは。



あーもう辛抱たまらーん!とでも言われながら磨かれたんじゃないかっていうノースアメリカンF-86セイバー。
ではなくて、実はカナダでライセンス生産されたカナディアCL-13BセイバーMk.6です。昨日のF-86から数えて2回目の登場です。
Mk.6はカナディアンセイバーの最終型で、主翼が6-3翼(主翼前縁を付け根で6inch、翼端で3inch幅を伸ばしたもの)で、廃止された前縁スラットを復活させています。廃止になった前縁スラットですが、やっぱり付けたほうが運動性がいいってことだそうです。

米空軍の塗装をしていますが真っ赤なウソで、1951年に製造されてからカナダ空軍に配置、その後1957~1979年まで南アフリカ空軍で使われていました。退役後はフライトシステムズという飛行試験を行う会社で追随機として活躍したそうです。同社は複数のカナディアセイバーを使っていたそうで。
追随機に転職するに当たり改造を受けて機銃は撤去されたそうですから、火器面ではこの機体の原型度は微妙だ、ということになります。内部まで復元したのか分かりませぬが。



その隣りに置かれているノースアメリカンF-100Cスーパーセイバー(1953年)これもめちゃくちゃ磨かれてるなぁ・・・よほど好きなのか暇なのかのどっちかですね。
傑作戦闘機F-86セイバーの後継機として開発された戦闘機で、だから超刀。ちょっと安直じゃないかなぁ・・・。
それでも世界初の超音速戦闘機です。アメリカ空軍狂気の戦闘機軍団「センチュリーシリーズ」の第1弾でもあります。でもそれだけで、あとはあまりパッとしないんだなこれが。
制空戦闘機として開発されたはずなんですが、当時の米空軍は戦略空軍に牛耳られていたので制空戦闘機という機種は存在せず、戦闘爆撃機か迎撃機しか許さないという有様でした。なので制空戦闘機のF-100は戦闘爆撃機としてその存在意義を見出しました。それでもベトナム戦争では目立った活躍はなく、MiG-21はおろか自分より旧式のMiG-17やMiG-19にもやられる始末。
P-51やF-86といった傑作機を生み出したノースアメリカンも最早ここまでで衰退していき、最後に断末魔と言えるF-107(いずれ出てくることになる)を開発して消えてしまいました。ショッギョムッジョ。



この時期の米軍機はミサイル万能論がはびこって機銃が装備されていないんだよ、という話を聞きますが、まあデタラメでして、このように20mm機関砲を4門も装備しています。でも、ここに装備していたのは知らなかったので、あれまこんなところに・・・という。



制動板が展開されています。これもこんなところに。
C型は主翼にハードポイントを追加して、増槽や爆弾を取り付けられるようになっています。本格的な戦闘爆撃機はD型からなのですが、C型でも使えるには使えたようです。それと、空中給油もできました。



超刀と刀。こういう並べ方は好きですよ。



奥にはエンジンもありました。F-100のJ57じゃないかな・・・?

こんなところで今日はここまで。


その28へ→

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