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Channel: 黒鉄重工
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北米project 4 ~Is the order a warbird? その29【2016/03/04~10】

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前回までのあらすじ。
とにかく色々な飛行機を見たい!と思い立って航空機保存の聖地アメリカ合衆国へ飛んだ六丸三君。
初日の昨日はロサンゼルスの近くでYF-23と戦艦アイオワを堪能し、今日の午前中はヤンクス航空博物館で怒涛の数の飛行機相手に辛くも勝利した。
そして本日2箇所目の対決場所、日本でも音に聞こえたプレーンズ・オブ・フェームを攻略する。


2016年3月5日(土)12時20分
カリフォルニア州チノ プレーンズ・オブ・フェーム
ヤンクス航空博物館を立ち去って、次に向かうはプレーンズ・オブ・フェーム航空博物館(以下POF) Planes of Fame Air Museum です。
並み居る航空博物館の中でも、ここは日本でも航空ファンやミリオタからの認知度が高い博物館であります。
それはここに飛行可能な零戦が収蔵されているからです。動態保存されている零戦は複数ありますが、特に原型のエンジンを搭載し飛行しているのはここの機体だけなのが特筆されます。
ただし、だからと言って原型をよく留めているわけでは無いのは注意するところです。むしろ飛行するためにあちこち弄られています。これは他のどの動態保存機にも言えることなのですが、ひとまず割愛。

ヤンクスとは同じチノ空港内の敷地内にあり、さらにお隣さんなので、ヤンクスから車で5分とかからない立地にあります。
この後行われる今日のイベントのため駐車場は既に満杯で博物館の前に路駐する車が多数。みんな駐めてんなら大丈夫やろ、と私の車もそこら辺に路駐しました。
ところで中央に写っている青い車、あれスゴいな。年代物のマッスルカーじゃん。



博物館の玄関。なんかあっさり。
中は券売所とお土産店があります。募金も受け付けているよ。
さっさと入館を済まして、館内の展示機を無視して屋外に出ます。



誘導路には黒山が出来ていました。ありゃ、もう始めかけてる・・・。

POFでは月に一度、ご自慢の収蔵機を飛ばすミニエアショーを行っているのですが、3月の飛行展示がちょうど今日なのでした。というかこの日に合わせた。12時開始だったので、それに間に合うためにヤンクスは午前中でケリをつける必要があったのです。
今月はP-47サンダーボルト戦闘機が飛ぶのです。レシプロの単座戦闘機が飛ぶのを見るのは初めてなんじゃないかしら?
既にイベントは始まっていましたが、まだエンジン始動をしているところでした。ギリ間に合ったですかね。



エンジン始動しました!始動時には濃い排気が出ますね。翼の動作確認も行われます。
いきなり高回転で動かすのではなく、最初はゆっくり回して次第に回転数を上げていくんですな。
それにしても人が乗っているとP-47の大きさの対比が分かりやすくていいです。やっぱりP-47マッチョだなと。なんでこんなに太くなったのよと。



滑走路へ向けてタキシングしていきました。

現存するP-47の134%くらいはD型なんですが、これはG型という珍しい種類です。現存は全部で2機しかいないとされます。
P-47Gは別に何か仕様が違うってことはなく、単に生産工場が違うってだけです。P-47は開発元であるリパブリック社がせっせと生産していたんですが、供給が追っつかないと考えたアメリカ陸軍はカーチス・ライト社でも造らせるようにしました。カーチス・ライトで生産された機体がG型となったわけです。生産数は354機。供給が逼迫していたと言う割には少ないですねぇ。リパブリックの生産体制が割とすぐに改善されたのかしら?

G型は本家リパブリックがC型とD型を生産していた時期にまたがって生産されていたもんですから、初期のG型はC型相当、それより後はD型相当の機体になっています。ややこしいなコイツ・・・。
P-47はサブタイプのアルファベットの後ろに数字も付けて細かく分類する機体で有名です(他の機種もそうなのですが、P-47に比べると些細な仕様変更なので取り上げらることは殆ど無い)
C型相当はG-1CU型、D型相当はG-5CU型、G-10CU型、G-15CU型です。末尾のCUというのはカーチス製(Curtiss)という意味です。だったらわざわざサブタイプを起こすことなかったんじゃ。めんどくせえなコイツ・・・。

この個体はP-47G-15CUなのでD-10型に相当する機体です。D型の中では初期型なので天蓋は真後ろが見えないレイザーバック型です。



「俺も混ぜろよ~!」とばかりに呼んでもないのにその場にいたカーチスP-40Nウォーホーク。
この個体はカナダ空軍向けに納品されたキティホークIV(イギリス系なので型番は無い)でして、カナダにとっては要らん迷惑でしか無い、日本がアメリカに向けてお空に飛ばした風船爆弾を撃墜した機体なのだとか。
それに塗られた縁もゆかりもない塗装は第325戦闘飛行群 325th Fighter Group のもの。尾翼の黒と黄の市松模様が目印のようですね。
あれも滑走路へ向かっていきました。飛ぶ気なんだ。



P-47Gが離陸してこちらにやってきました。上空をフライパス。



またフライパス。
こんなのがこっちめがけてロケット弾と爆弾を落しに来るんだからドイツ人も大変でしたね。



もういっちょ。
・・・あー、こんなもんか。もうちょい派手な機動を待っていたのでちょっと期待はずれでした。
とはいえP-47が飛行した事自体には感激しましたので、全体的には満足です。やっぱすげぇよアメリカ(語彙力



着陸して戻ってきました。やっぱり動いている飛行機はいいね。



後ろ姿。



程なくしてP-40Nも帰投。コレの飛んでいるところはよく分かりませんでした。何だったんだ。



やっぱりシャークマウスが世界一似合う戦闘機ですね。

これで飛行イベントは終わり。
そんなところで今日はここまで。


その30へ→

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