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Channel: 黒鉄重工
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ビクトリアの専用線跡の遺構を探る 中編【2016/02/01】

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バンクーバー島の南端、サーニッチ半島を走っていた3社の鉄道路線、そのうちのひとつカナディアンノーザンパシフィック鉄道(CNoP)の廃線跡約10kmの探索の続きです。
CNoPの廃線跡はロックサイド・トレイルという遊歩道に転用されているので、走りやすいです。再開発されている分遺構は撤去されていると思われますが、それでもそこかしこに面影を感じることが出来ます。



中編ではゴージ・ロード・イーストを潜ってから商業施設アップタウンの横を過ぎた辺りまでのこの区間を紹介します。立体交差の連続で、アンダーパスの形状や遊歩道の曲線具合に鉄道の遺構を感じることのできる区間です。



ゴージ・ロード・イーストを潜ってから広がる景色。
ここから数百m間は掘割区間になっていて、路盤の周りは高台の住宅地になっています。また、右手には線路に並走するように小川が流れています。



シシリア渓谷広場 Cecelia Ravine Playground に出ました。
少し開けたところにある公園で、広場、鉄棒、家庭菜園、BMXの練習場などがあります。憩いの場として使われていますね。
当時の映像では特に鉄道施設ではなかったようです。



地図ではここになります。



トレイルから高台に上がれる脇道が左右にあります。この脇道は鉄道時代からあったいわゆる勝手踏切だったのかもしれません。
上から見るとこうです。



高台に上がってみるとスクールバスがいたので撮影。ちょうどここにサードウェーブ社のスクールバスの車庫があるのです。中には入れないので路駐してあるやつだけ撮影。
車両はジラルディン・ミニバス社のA型スクールバスMB-IIです。シャーシはシボレー3500(初代)です。



シシリア渓谷広場を抜けるとすぐにバーンサイド・ロード・イースト Burnside Rd. E の下を潜ります。この絶妙な曲線と橋の形状が鉄道くさいんですね。
実はこの道路はブリティッシュコロンビア電鉄(BCER)の路線でした(併用軌道だったと思われる)。路面電車区間でしたので比較的後年まで鉄道が残っていた区間となります。なのでCNoPとBCERが長期間立体交差していたという形でした。今はBCトランジットの路線バスが走っています。



左カーブを描きながらトルミー・レーン Tormie Ln.と交差します。
こういう交差の仕方は道路同士ではあまり行われず、片方は昔鉄道で交差部分は踏切だった、というのは見る人が見れば分かります。今回の場合は今立っている道路(遊歩道)のほうが鉄道なわけです。



さらにダップリン・ロード Dupplin Rd. と交差します。ここにもガーデンシティ交通のスクールバス車庫があります。
右側の丸目の古いスクールバスが気になる・・・。



ちょうど下校時間に合わせた出庫の様子を捉えられました。車両はICバスのC型スクールバスCEシリーズです。



アーダージャー・ロード Ardersier Rd.と交差します。
ここから約200m、道路が少しだけ右にズレているんですが、当時の映像では直線だったので遊歩道化の際にずらされたんだと思います。



ボルスキン・ロード Boleskine Rd. の下をくぐります。
何度も見ているように、ただの遊歩道のアンダーパスにしては造りが立派で上を交差する道路との高さも高いのが鉄道車両が通行していたことを示唆しています。これ単体では鉄道遺構と断言するのは難しいですが、他の要素と結び合わせることでつながっていくのです。



この先はトランスカナダハイウェイを渡ります。ここは鉄道時代は踏切で交差していましたが、遊歩道化に際し遊歩道側に陸橋が建てられ立体交差しています。その際にあたりの地形は均されたようで、踏切のような遺構は見当たりませんでした。



右手には「アップタウン」があります。ウォルマートを始め、電機屋、衣服店、飲食店、図書館などが軒を連ねるビクトリアの大型商業施設です。
イオンモールみたいに巨大な箱に店舗を全て収めてしまうのではなく、中規模の建物を何棟か建てています。建物同士の間には道路や歩道、駐車場もあって、さながら小さな町のようになっています。グーグルストリートビューで探検してみるとよろしいかと。土地の使い方がゆったりしていて北米らしいというか。



このあたりどす。



陸橋を渡ると分岐点が出てきます。ここから右に曲がるとロックサイド・トレイル(シドニー方面)、左に曲がるとギャロッピンググース・トレイル(スーク方面)です。今回は右に曲がります。
分岐点がデルタ線になっているのが少し鉄道っぽいですね。ただしこんなに小さな三角形ではないので、新しく造成されたものでしょう。そもそもデルタ線になっているのは自転車での走行を念頭に置かれたものだと思います。



じゃあ実際のデルタ線はどうだったのだろうかと、ちょっと推測してみましょう。おおむね地図上で示した赤線のような配線ではないかと思われます。
スーク-シドニー(黄-青)は鉄道時代の線形をそのまま踏襲していると見ていいでしょう。
残りの2線、ビクトリア-シドニー(緑-青)、ビクトリア-スーク(緑-黄)は地形が変わって線形が失われているのですが、ここで三角形の内側にあるRecyclistas Bike Shopという自転車屋が手がかりとなります。
地図を拡大してもらうと分かりますが、これの敷地の外縁は曲線を描いているのがわかります。さっきの道路の交差でも似たようなことを書きましたが、こういう中途半端な曲線を描いた土地ってのは普通見られないものです。特に左側の駐車場の左端なんて三角形の角になっていて、こんな土地の使い方しません。これの場合鉄道の線路がすぐ隣を走っていたということを示唆しています。
この敷地の曲線に沿って線路があったと仮定してデルタ線をつなげると上記地図のようになるわけですね。




線の書かれてない地図も見てみましょう。妙な敷地の形をしているのが分かるかと。



デルタ線を右に曲がってキャリー・ロード Carey Rd. を潜ります。
線路のあったところだけ橋桁に切り欠きがあるところに注目して下さい。結構背が高かったのだな、と。



再び掘割を進みます。上を通る水道管(?)が目を引きますね。



奥にも水道管の柱が立っていますが、こちらの管は既にありませんでした。



州道17号線を潜ります。この17号線の立体交差は後年に整備されたのか、他の立体交差よりも造りが簡単に見えます。



ダーウィン・アベニュー Darwin Ave. と交差。
この先にスワン湖があるのでそこへ行く人のための公共駐車場があります。あとは駐輪場と簡単な自転車整備道具のある公共の点検場があります。



ここらへん。

今日はここまで。


後編へ→

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