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北米project 4 ~Is the order a warbird? その35【2016/03/04~10】

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屋外展示場へ来ました。アメリカのジェット機を中心に展示されています。
比較的どうでもいい機体たちが置かれている場でもあり、動態保存されている大戦機と比べると扱いは雑です。全体的に塗装はボロボロ、部品は欠損あり、という状態ですね。まあピンからキリまで美しい状態で展示するのは難しい・・・という事情はあるでしょう。
それでもよく見ると中には一見の価値ありというやつもいますので、それだけでも綺麗にしてくんないかな?とは思いけり。



グラマンF7F-3Nタイガーキャット(1943年・125機目)
アメリカ海軍の双発戦闘機です。海軍機で主翼が折り畳まれていることから察せる通り、空母で運用するための艦上戦闘機です。
双発戦闘機は「エンジンが倍になれば性能も倍になるね!」みたいな触れ込みで戦間期に世界中で開発されたんですが「実際使ってみるとイマイチだったね・・・」となって大戦に入ると戦闘機としては速攻で廃れちゃったやつです(ただしP-38は除く)
海軍もなんで今更こんなもの・・・と思うわけです。ただしF7Fは戦闘機ですが、雷撃/爆撃も可能な多用途機として開発されたそうな。

さて、無事制式採用されて次はアメリカの大工業力でジャカジャカ1万機くらい量産するぞい!となるんですが、グラマン君は量産能力が低くF6Fヘルキャットの生産だけで手一杯、並行して生産していたF4FワイルドキャットやTBFアベンジャーの量産はゼネラルモーターズに投げていた・・・というのは前に何度か書きました。書いてたんですよ、忘れてると思うけど。
でまあ海軍も「F7F作るヒマがあったらF6F、F4F、TBFを先に寄越してちょ」と言ってきたのでF7Fの生産は後回しにされて、やっとこさ生産されたやつも海兵隊に押し付けられちゃったりしたので・・・うーん、ツキがないね。

結局250機造ったあたりで終戦になってしまい、残りの発注は取り消されてしまいましたとさ。250機ってこの時代の米軍機じゃ誤差みたいな数字ですね。日本軍機じゃないんだからさ・・・。

もともとの弾数が少ないので、現存機も細々としたものになっています。見かけたらラッキーと思って良いでしょう。
しかし、退役した機体の一部は大きな機体を買われて森林火災の消防機に転用されて後年まで活躍したそうな。今も稼働機がまとまった数いて、静態機より動態機の方が多いという珍しい関係になっています。消防機として長い間現役だったのが効いたんでしょう。



この3N型は夜間戦闘機型です。夜間戦闘機っていうのは、機首にレーダーを積んで視界の効かない夜間でも任務が遂行できるようにした戦闘機です。日本だったら月光あたりが有名ですね。
双発戦闘機は機体が大柄であることやエンジンも2発で出力に余裕があったことからレーダーを搭載しやすいので、制空戦闘機としては使えない双発戦闘機は夜間戦闘機にジョブチェンジしていった、というのはよくある話でした。

機首にレーダーを追加装備したので、機首の形状が変わっているのが特徴でござんす。ハチに刺されたみたい。
本来の機首はきれいな円錐状なのですが、これは先端が膨らんでいるのがわかりますね。



ロッキードC-60ロードスター(1939年・126機目)
全く知らなかった機体で、解説板も無かったのでなんだこいつ?という機体でした。ロッキードの旅客機モデル18(L-18)が原型だそうな。
サブタイプがないですが、サブタイプなしの無印の型式もあるのでこれで合っているんでしょう。でもこれイギリス空軍の塗装してるんですけどね・・・。
ちなみにロードスターの綴りはLodestarで、道標となる星、転じて北極星等の意味があります。マツダの自動車(Roadster; 道の人)や、ましてや道の星(Road star)ではないので気をつけよう。



ロッキードL-18ロードスター(3分ぶり2機目・127機目)
C-60の原型機というか民間型というか。
上のやつと違って機首が延長されているのですね。先端が黒いし、レーダーでも載せてるのかな?



ノースアメリカンT-2Aバックアイ(1958年・128機目)
アメリカ海軍のジェット練習機です。アメリカ軍航空機の命名規則統一前の旧名はT2J-1。海軍機ですので空母でも運用できます。
これも知らなかったやつです。機体の腹にエンジンを配置しているのでなんだかずんぐりむっくりという印象です。
主翼の設計はFJ-1のものを流用しているとのことですがこれの主翼はP-51の流用なので、つまりT-2の主翼はP-51の流用だとも言えるわけです。P-51の主翼は長い間通用する設計だったのだな、と。



LTV A-7コルセアII(1965年・129機目)
アメリカ海軍の艦上攻撃機です。
状態悪いし、明日以降も見ることになるので今日のところは書くことないです(手抜き



エンジンが外されていて、その上口には蓋がされてないので、中が丸見えです。
吸気管は操縦席を避けるように一旦下に曲がりながらエンジンへ向かっているのが分かるかと。



ヴォートF-8クルセイダー(1955年・130機目)
アメリカ海軍の艦上戦闘機です。上のA-7と形が似ているのは、同じ会社の開発で(ヴォートは後に吸収合併されてLTVに)、F-8を基にして開発されたからでし。
これも今日のところは書くのはこれだけ(手抜き



F-8は主翼がジャッキで持ち上がるというビックリドッキリ装置を持っています。
空母の離着艦時は低速で飛ぶので機体の機首を上向きにして迎角を取ることで低速時でも揚力を確保するんですが、主翼だけ迎角を取るようにすれば機体はより水平に近い角度で飛べるから安全になるよね、という試みでした。実際使い勝手は良かったらしいです。
ただし、主翼の強度を強くしにくいので主翼に武器や増槽をたくさん積めなかったり整備が手間だったりするんで、後に続く機体は現れませんでした。



ビーチTC-45J(1937年・131機目)
ビーチクラフトのモデル18という民間機が原型の機体。モデル18は8000機以上造られた大ヒット機なので、博物館の常連のひとつですかね。
TC-45Jは大型機の航法士を訓練するためのアメリカ海軍の練習機です。あくまで航法士専用の練習機なので操縦士の訓練は考えられていません。
アメリカには爆撃手専用の練習機があるというのは聞いたことがありますが、航法士の訓練機もあったんですか。贅沢なことするね。



ダグラスA-4Fスカイホーク(40分ぶり2機目・132機目)
アメリカ海軍の攻撃機。
前期型ゆえ背中のコブがないすっきりした形状です。こっちのほうが好みです。




胴体だけ置かれている謎機体。知らんのも当然で、イスパノHA-200サエタ(1955年・133機目)というスペインの練習機なのでした。
ヨーロッパ機はよく分からないですね。

今日はここまで。


その36へ→

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