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BC航空博物館オープンハウスへ向かう 後編【2015/07/25】

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引き続きBC航空博物館のオープンハウスです。
黄色いニクいやつのノールダイン ノースマンです。ノースマンNorsemanというのはノルウェー人という意味でして、「この飛行機の名前はノルウェー人なんだよ」としゃべると途端にダサくなるやつです。日本語も万能ではないのだなぁ。
カナダで開発された未開地用汎用機「ブッシュプレーン」という種類の飛行機のひとつです。初飛行は1935年11月。ガニ股の脚が目を引きますが、写真のようにタイヤを履いた通常離着陸型の他に、フロートを履いた水上機型、スキー板を履いた雪上離着陸型があり、これらは簡単に換装できるという汎用性がウリ。
輸出もされており、カナダ空軍やアメリカ陸軍も採用しています。アメリカ陸軍が運用していたおかげで、ドマイナー機に分類されそうなこの機体もレベルによりプラモデル化されています。せっかくだからそのうち作ろう。

カナダの国産機かつカナダではそこそこ知られた機体らしく、何箇所かのカナダの航空博物館ではノースマンが保存されています。
この機体(CF-DRE)は、1944年にアメリカ陸軍向けUC-64Aとして造られた機体で、1956年にカナダに帰還して民間で使われていましたが墜落。
博物館はこの墜落機と、別のところから手に入れたもう1機とをニコイチして2003年に復元しました。フライアブル状態にまで持っていきましたが、飛行する時の保険料がべらぼうに高いという切実な事情により、飛行したのは一度きりです・・・。恐らく現在も飛ぼうと思えば飛べる状態で維持されているはず。



ヴィッカーズ ヴァイカウント757。第二次世界大戦後のイギリス製旅客機市場の需要調査、ブラバゾン委員会により生み出された旅客機のひとつ。
初飛行は1948年7月で生産数は約400機。ブラバゾン軍団の中では一番成功した機種でして、商業機では初めてターボプロップエンジンを搭載した機体です。
757型はトランスカナダ航空向けの機体で35機を生産。TCAを引退後はバンクーバー空港にあるBC工科大学の教材に使われていました。バンクーバー空港もビクトリア空港も海がすぐそこというのをいいことに、機体の輸送は巨大なイカダに乗せて運ぶという大胆なものでした。
状態は元々よかったようで復元は比較的順調に進んだと言います。世界でも指折りの良好な状態で残るバイカウントだと思います。



普段は格納庫の中を目一杯使って収納されているため全体がどうにも撮りにくいという機体だったのですが、オープンハウスに際して屋外へ出されたのでもう撮り放題です。これだけでも今日来た価値はありましたね。



尾翼のViscountとTCAのロゴ。なおバイカウントというのは「子爵」という意味です。男爵よりも上で侯爵よりも下。なんで公爵(デューク)でなく子爵止まりになったのかは気になる所です。



機内も公開されてたんですが、前も見たしまあいいか、となりました。



4発機というのがいいですね。



やはり美しい機体だと想います。機首の造形と膨らんだ客室部の胴体がいいですね。



見慣れぬ機体、ウェストウィンド4号 Westwind IV。
そういえば前に行った時にレストアハンガーでなんかやってたなぁというのを思い出し、復元が完了したということらしい。
カナダ空軍用に1943年に製造され、退役後はBC州の所有になります。この時、1960年代に魔改造が加えられ姿を大きく変えました(後述)。
その後民間に売却されましたが火災で破損、1990年に破損した状態でここに寄付されました。で、ようやく復元完了して今回お披露目(になるのかな?)。



で、魔改造のことなんですが、原型はこのビーチクラフト・モデル18というやつ・・・。いやぁ、何から何まで手を加えているなコレ。原型と同じ箇所を見つけるほうが難しいぞ。
パッと見ただけでも、エンジンの換装(レシプロ→ターボプロップ)、(恐らくレーダーを積むための)機首の延長、主翼翼端の形状変更、主脚の配置移動(尾輪式→前輪式)、垂直尾翼の配置変更(2枚→1枚)あたりか。ようやったわ。もう新品買えばよかったんじゃないかな・・・。

屋外展示はあとCT-33なんかがありました。



もうひとつの格納庫もいつもは閉まっているシャッターが全開になっていたので幾ばくか見やすくなっていました。
ダグラスA-26インベーダー(ただし消防機)も全体が撮影できて満足。



地元の模型クラブの作品も展示されていました。
これはCF-104の模型ですね。すげぇデカい。



水上機の模型。これもデカい。ここまで大きいとラジコン飛行機かもしれませんね。



オープンハウスももう終了時刻・・・となってくると地元参戦していたカナダ空軍のCH-124シーキングが撤退準備に入りました。
後ろで待機していたトーイングカーで引っ張っていくつもりのようです。



エプロンをドナドナされながら基地へと戻っていきました・・・。お疲れ様でした。



別の方向を見てみれば、バイキングエア所有らしき建物があり、そこにはDHC-6が並んでいました。



どこの飛行機かと思ってよく見てみるとなんとロシアのオーロラ航空の機材でした!日本にも飛来してくる会社ですぞ。
2015年にオーロラがDHC-6を導入したという記事もありますし、どうやら本当にそのようです。ということは納品前の機材ですか。
これの航続距離は1400km程なんですが、どういう経路で回航するんだろうか・・・。ベーリング海とかどうやって渡るんだ。

ついにオープンハウスも閉幕となったので、私も撤退します。
毎年7月頃に開催しているので、都合の付く人は行ってみると良いのではないでしょうか?
おしまいです。

【1/300】新明和PS-1&US-2 製作【プラッツ(F-Toys)】

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ついに私もエアブラシが導入しました!部活の先輩からお祝いでもらいました。ありがとうございます。
エアブラシは前にも使ったことがあるので感覚は掴めているのですが、最後に使ったのが随分前なので何かを作りながらカンを取り戻す必要を感じました。



そこでこれ!
昔購入してそれ以来積んであったプラッツの新明和PS-1・US-2です。
買った頃はUS-2に関心があったので買ったんですが(今は当時ほど無い・・・)、これって実はF-Toysという塗装済み完成品を出しているメーカーの製品を未塗装キットとして売り出しているヤツでして。いやだったら完成品でええやん・・・とすっかり冷めてしまい、以来積みプラの肥やしになっていましたとさ。
そこにエアブラシがやって来てこれが目に入ったものですから、これは!もう!今!作るしか!無いでしょう!人として!って感じに練習台となったのでした。



キットは青い飛行艇のUS-2とそれの古いやつPS-1の2機セットになっています。
ランナーはこんな感じで、胴体と主翼は大胆なつなぎ方をしています。輸送時の衝撃でランナーから外れそうですが、キットとして売ること考えてないからだろうなーと。



組立てはまあ普通に。
置いた時後ろにコケないように機首にはおもりを入れておきます。釣具屋で売っているような玉状のおもりです。
胴体は合わせ目消しをしましたが、他は特に何もせず。



塗装します。まずは機体に灰色を塗ってその後マスキングして次の色を塗ります。
エアブラシだとマスキングをしないといけないのが面倒ですね。
塗装はごく普通なベタ塗りです。



ぬりぬり。準備と片づけも面倒ですね。ちゃんと手入れしないとすぐに動作不良起こすし。それでもそれを差し引いても余りあるメリットがありますね。きれいに仕上がるし、なんだかんだ筆塗りよりも作業時間短いでしょうし。
ちなみに持ち手は伝統的な竹串に両面テープ。たまに両面テープの代わりに目玉クリップを使います。



部分塗装とかは筆塗りやペン塗り。



デカール。プラッツのキットはカルトグラフ製デカールが入っているのがウリだそうな。なかなか凄まじい量です。



デカールを貼る時に気をつけたいのが組立図の誤植です。
エンジンポッドの後ろに貼る銀色のデカールですが、9番と10番が逆になっています。気をつけような。
私の場合は時既にお寿司。



全部貼り終えて仕上げのつや消しトップコートを吹きます。



US-2の方は知らんうちにカジって塗装が剥がれていたので、筆でタッチアップしておきました。



最後に組立てて完成!

塗料の吹き加減とかエアブラシの手入れとか昔のカンは取り戻すことが出来ましたので、今後ガンガン使っていくことになります。

【ギャラリー】海上自衛隊 新明和PS-1・US-2【1/300】

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■使用キット:プラッツ(F-Toys) 1/300 US-2/PS-1
■仕様:PS-1/第31航空隊、US-2/第71飛行隊



PS-1 5822号機。
対潜哨戒飛行艇として開発された飛行艇です。世界最高水準の飛行艇・・・のはずなんですが、肝心の哨戒性能は機材が時代遅れだったんであんま良い機体だったとは言えないのかなと言うところで。
現在は全機退役済みで、一部が静態保存されています。そういえば山口県の陸奥記念館で見ましたねこいつ。



後ろ。PS-1は駐機状態で製作しました。というわけで脚が付いているわけなんですが、離着陸に耐えられるだけの強度はなく、地上を走るのに使えるのがせいぜいだったようです。






せっかくなので飛行状態でも。
4発機なので小さい模型ですが迫力はありますね。









US-2 9904号機。
PS-1とは似ているようで細かい部分があちこち異なっています。用途も対潜哨戒飛行艇から救難飛行艇にジョブチェンジ。
荒天下でも離着水できるというのがウリ。飛行艇や水上機というのは水のあるところならどこでも離着水出来るほど便利なモノでもなく、普通は波の無いところでやります。



”救難”飛行艇なのに視認されにくい迷彩塗装なのはどういうわけよと前から疑問だったわけなんですが。
これは、有事に敵地で遭難した友軍を救難する必要がある時、ハデハデな色だと敵の目に着きやすくなってしょうがないからなんだそうです。一理あるなと。












スタンド付きで撮影すると結構かっこよくなりますね。






以上、PS-1、US-2でした。

掃海艇「ししじま」清水港へ来港【2016/08/03】

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海上自衛隊のすがしま型掃海艇「ししじま」(MSC-691)が清水港へ寄港して艇内を公開するとのことでしたので、見に行ってきました。母港は沖縄基地で、何かの回航の途中で立ち寄ったとのことでした。
ししじまはすがしま型の11番艇で2004年進水、2006年就役。艇名の由来は鹿児島県にある獅子島から。「し」が3つも続くんですね・・・。
背景のはごろもフーズの建物が清水って感じがしていいです。



掃海艇というのは海上に敷設された機雷を見つけ出して処分する作業を専門とする船です。なので後部甲板は掃海具がいっぱいあります。
海上自衛隊の掃海能力は、機雷に親でも殺されたのかってくらい練度が高いそうですよ。



掃海具を投下するための機械なんだろうなぁ・・・と。



これもとくに説明がなかったのでよく分からず。たぶん綱で錘に繋がれたまま海中を浮かんでいる係維機雷の綱をカッターで切る時に使う浮きだと思います。
吊り下げられているパネルは船の建造工程の話です。機雷には船艇の金属に反応して爆発するものもあるので、掃海艇の船体は非金属で建造されるのが普通です。「ししじま」はベイマツなどの木材で出来ています。でもエンジンなどどうしても金属を使わざるを得ない部品の場合は、アルミ合金を素材にすることで磁性を帯びないようにしています。



機雷処分具。爆雷を下部に抱えて潜行して、遠隔操作にて探知した海底に沈んでいる沈底機雷に接近し、爆雷を落として機雷を処分する・・・というもの。



船体中央には煙突が2本並んでいてその間に通路があります。機関はディーゼルと低速航行用の電気推進の2種類があるんだそうです。



艦艇公開の密かな楽しみが船内のどこかにいる妖精さんを探すこと。救命訓練なんかで使うであろう人形なんですが、どこの船も船員によって落書き魂が込められており、それがそれぞれ異なるので見比べるのが楽しいのです。
ししじまには掃海具の下にいました。



お顔を覗いてみると・・・やなせたかしが描いたような顔をしていました。肩の階級章によれば海士長・・・下から3番目の階級ですね。だいたいアンパンマンを船に乗せても顔が湿気て力が出なさそうです。



艦橋内。まあよう分からん。



操作盤とか。自動操艦装置というのだが、やっぱり分からん。触らないでねの顔文字に時代を感じる・・・。八頭身を思い出しますね。
この下の階には掃海任務を指揮するCICがあるはずです。



艦橋の前方は甲板みたいに広い空間になっています。ここに立って見張りとかするんですかねぇ?



船首にはJM61-M 20mm機関砲。開発から100年経ってもバリバリ使われていそうな火器ことM61 20mm機関砲、いわゆる狭義のバルカン砲を基にしたものです。



海上に浮上してきた機雷をこれで撃ち抜いて爆破するというのが主な役割。あとは船の自衛にも使うんでしょうね。こんな丸腰で対峙したくないですけど。



弾も展示されていました。本物!?と思いましたが、よく見るとダミーと書かれていたので模擬弾なのでした。



以上、ししじまの見学でした。

北米project 4 ~Is the order a warbird? その4 【2016/03/04~10】

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西部航空博物館編の続きです。前回のYF-23以外の機体を見ていきます。
まずはノースロップYF-17「コブラ」。1970年代のアメリカ空軍の軽量戦闘機計画(LWF計画)においてジェネラルダイナミクスYF-16と競作となった試作戦闘機です。これもレア物ですよ!

軽量戦闘機と言えば地元アメリカでは(基本的には)1機たりとも採用されなかったけど世界中にバラ撒かれてウハウハだった戦闘機ことF-5「フリーダムファイター」を造ったノースロップでして、F-5開発後に自社開発でF-5後継機のP-530を開発。これがファイターマフィアの目に留まって、改良モデルのP-600を経てYF-17となっています。
LWF計画は元々研究目的の計画でYF-16もYF-17も実証機に過ぎなかったのですが、ジョン・ボイド率いるファイターマフィアの暗躍(?)でいつの間にか性能はいいけど値段が高すぎて数を揃えられないF-15を補完する戦闘機選定計画にのし上がっていました。

飛行選考前のシュミレーションではYF-17が有利だったのですが、航続距離の短さ、新型エンジンの実績の無さ(YF-16はF-15で実績のあるエンジンと同様のものを採用)、搭乗した現役の空軍パイロットの評価が高かったのがYF-16だった、といったことから結局はYF-16が勝者となりご存知F-16「ファイティングファルコン」として採用されることになったのです。
哀れノースロップ、またも決勝戦で負ける。



ところがアメリカ海軍がこれに目をつけてYF-17を採用します。エンジンを2発積んでいるので単発機よりも冗長性があるから、YF-16のフライバイワイヤ等の電子機器は空母などと干渉して危険だから・・・というのが選定の理由だそうですが、たぶん空軍と同じF-16を採用するのがイヤで仕方なかったんじゃないかなと思います・・・。
元々ACF計画は空軍の計画ですが、実は予算削減のために連邦議会から海軍もそれに乗っかれ(=空海軍で同じ戦闘機を採用しろよ!)とお達しが来ていたのです。それを上記のようにアレコレ理由をつけてYF-17にしたんじゃないの?っていう感じです。
だって単発機の機体はF3H、F-8、F-11、A-4、A-7とこれまでいくつも運用してきましたし、ついでにこの度採用されたF-35Cも単発機ですし(そしてこれらが単発機だったゆえの弊害は私の範囲では聞いたこと無い)、YF-17を制式化したF/A-18は結局フライバイワイヤ実装してるし他にも電子装備てんこ盛りだし・・・。よく議会を押し通せたなと。

で、めでたく敗者復活を果たしたノースロップさんチームでしたが、海軍は艦上戦闘機の設計経験のないノースロップは不適と判断し、マクドネル・ダグラスに設計を任せます。ノースロップにしてみれば美味しいところだけ持って行かれたものでして、その後マクドネル・ダグラスと一悶着起こしています。
で、マクドネル・ダグラスがYF-17を再設計して制式化したのがご存知F/A-18「ホーネット」でございます。YF-17とシルエットはそっくりですがそれよりひと回り大型化していて、まあF-16とF-2と同じくらいの別物具合と言っていいです。



ここに保存されているのは2機造られた内の1号機。2号機はアラバマ州という日本人の12割は正確な場所を答えられなさそうなところの戦艦USSアラバマ記念公園にあります。戦艦と航空機と戦車が一度に見られるというお得感ある博物館で面白そうではありますが、アラバマとか行く機会なんてあるんですかねぇ・・・。

デカデカとNAVYと書かれているので塗装は海軍による敗者復活後の姿のようですね。この時点でもうF-18と決まっていたようですが、まだF/A-18とはなっていなかったようで。



ノースロップの戦闘機と言えばこれ、主翼前縁から延びるストレーキ、LERXと言います。詳しい原理は省略しますが(手抜き)これにより離着陸性能や旋回性能の向上、高迎角時の揚力不足の引き下げが見込めます。つまりは戦闘機の機動力を上げてしまうんですね。一番最初に実装したのはノースロップF-5でしたが、これは偶然発見されたものだったというのが面白いところでござんす。
YF-17を再設計したF/A-18にはもちろんのことF-16でも採用され、さらにはソ連のSu-27、MiG-29にも装備されています。すごい発見だったわけですね。
で、なんでLERXを下から見ているのかというと、機体表面とLERXの間に広いスキマがあるからなんですね。F/A-18ではかなりちっちゃくなってしまって、これはYF-17だけの特徴になってしまいました。このスキマは境界層対策です。よく見ると空気取入口まで連なって延びているのが分かります。



ノースロップのロゴと愛称コブラのマーク。コブラというのは機体を下から見た時にLERXの部分がコブラの頭に見えるからというのが由来だそうです。たしかにな。
機体がややくたびれていますが、まあ下手に扱うことはないでしょう。それでも気になったので、後で入館料を払う際にここへ連れてきてくれたチップも兼ねて「これでレストアの足しにして」と言いながら多めに支払っておきました。
こういう活動の大変さは少しはわかっているつもりなので、親切にされると気前よくなってしまいますね。



次、ノースロップT-38「タロン」。
ノースロップの大ヒット練習機です。F-5とそっくり、というかほぼ同型です。これはN-156というノースロップの自社開発機を原型にしているからです。
練習機ですがアフターバーナーが使えて超音速飛行出来るという、一時期流行った超音速練習機です。時代は超音速戦闘機!ならば練習機にも超音速を!というのはある意味自然な流れなんですが、いざ運用してみると、あれ、別にいらなくね?となってしまい、今ではほぼ廃れてしまったジャンルです。
戦闘機型のF-5は米空軍全く興味を持たなかったのですが、こっちは大量採用となり輸出機含めて1000機以上を生産しました。アメリカでも未だ現役ですがそろそろ置き換えないとイカンということで次期練習機T-Xが選定されているはず・・・と思って調べてみたら、新型機は選定されず2029年までT-38を延命して使い続けることになったそうでイヤハヤ・・・。初飛行が1959年なので70年間も飛び続けるということですかそうですか。
これで泡食ったのはT-50でT-Xに挑んだ韓国KAIでしょうけどね。F-16をちっちゃくしたような感じで見た目はなかなか良いんですけど。



この機体はご覧の通りNASAの塗装をしています。スペースシャトルから超音速爆撃機まで色々持っています。
連絡機やスペースシャトル乗員の養成に使用されていたといいます。

ところで、ここら辺で「やけにノースロップの機体ばかりつづくな・・・」と疑問に思った人もいるかもしれません。私もそうでした。
実はこの博物館のスポンサーはノースロップ・グラマンでして、YF-23やYF-17はそのツテで寄贈してもらったものかもしれません。



最後はみんな大好きグラマンF-14A「トムキャット」。
これは有名だしこの後もたくさん出てくるんで説明は省きますが(手抜き)、ご存知アメリカ海軍の艦上戦闘機です。
普通だったら大興奮モノなんですが、YF-23とYF-17の前には脇役扱いでして・・・どうもあまり。



主翼とか。塗装はVFA-2バウンティハンターズでした。
これはノースロップの機体ではないですが、ノースロップグラマンのグラマンの方の機体なのでやはりそういうツテでもらったのかな。

もう1周して見て回りたいところでしたが、連れてきてくれたおじいちゃんがもう待ちぼうけ状態だったのでこれで引き上げました。
1箇所目から良いものを見ることが出来て大変満足しました。普通に一声かければ案内してもらえると思うのでみんなも行ってみよう。

次回は本館です。


その5へ→

【1/72】73式特大型セミトレーラー&10式戦車 製作【アオシマ&フジミ】

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毎年5月に開催される静岡ホビーショーでは自衛隊の実車が展示されるのが恒例です。中でも2014年の展示は特別で、10式戦車が展示されました。
戦車の展示となると会場への搬入も大掛かりでして、深夜に専用のトレーラーで運んでもらう必要があります。わざわざ搬入を見に行ったということもありました。→【陸上自衛隊10式戦車の搬入を見る】
その時の姿が強く印象に残っていたのでプラモデルで再現したいなぁと思いつつも、模型が立体化されていなかったので諦めていたのですが・・・。



その後2015年にアオシマから10式戦車を運んだトレーラー、1/72スケールの73式特大型セミトレーラーが発売されました。
同縮尺の10式戦車は既にフジミから発売されていたので、これで役者は揃いました。よし作るぞ。



サクサクと進めていきます。まずはセミトレーラーから。
シャーシは1/72の割には精密でおどろきました。トラックはデコトラなんか出しているんで得意な分野でしょうかね、ここ。
タイヤのパーティングライン消しが面倒でした。



キャブなどを組立てていって、トラクター部分が完成。
部品をひとつひとつ塗ってから組立てていったのですが、塗膜の厚さ分勘合が悪くなってしまったのでこれは失敗・・・。
塗装は車体はクレオスの陸上自衛隊戦車色セットのOD色、シャーシは黒、タイヤはタイヤブラックです。



トレーラーもちゃちゃっと完成。
大きさはトラクターよりも大きいのですが、構造は簡単で部品も少なかったので作業時間はトレーラーの方が短かったですね。



連結させてみる。いいですね。そして結構長くなります。
いい感じに精密で、見ていて楽しいですね。



ナンバーは当日の当該車、第301輸送隊の50-2207です。デカールには予めナンバーが書かれたプレートの他に、白地のプレートに好きな数字を貼れるようになっているので親切です。
トレーラーは62-2186でした。これは運良くキットのデフォルトのナンバーと同じ数字でした。



次はフジミの10式戦車ですね。フジミの10式は何種類か出ていますが、今回は量産車を使用します。



特に悪い部分もなくサクサクと組んでいきます。セミトレーラーの時と違って、ある程度組立ててから塗装するようにします。



搬入時の10式戦車は通常の姿とは細かい部分が少し異なっています。難しい加工ではないので、これも再現してみます。



砲塔の後ろに付けられているアンテナは、収納された上で水平に寝かされています。
キットではアンテナ部を切り取って、水平に取り付けます。



こうなりました。
あとは砲塔上面後部にある環境アンテナも寝かせてありましたのでそのようにします。
砲塔の機銃と車体後部の牽引用ワイヤーも装備していなかったので予め外しておきます。



これはホビーショー当日に実演展示中の10式です。履帯にゴムパッドが付いているのが分かるでしょうか。
市街地を走行する際にはこれを付ける決まりなんだそうです。



なんとキットにもパッドが付属していたので、これを全部付けることになります。これ片側分だけなので同じものがもう1枚あります。ひええ・・・。



全部貼った。辛かった。
途中で何枚か失くしたみたいで数が足りませんでしたが、車体に隠れる部分があるのでちょっとくらいなら失くしても問題ないです。
履帯にはウェザリングをしておきました。



試しに戦車を荷台に乗せてみました。ここまできて縮尺がちぐはぐだったらどうしようと思っていましたが、ちゃんと戦車が荷台に収まってくれたので問題なしです。
まだ作りかけですが雰囲気出ますね。完成が楽しみ。



戦車に塗装します。迷彩柄を塗る時は色の境界のボケ具合が気になりますが、実車はほとんどボケ幅がないのでこの縮尺ならボケ幅無しで大丈夫と判断して、車体に直にマスキングゾルを塗りました。結構な量を使いましたかね。



塗り終えました。かっこいいじゃん。色は先述の戦車色セットの濃緑色3414と茶色3606です。
ただどうも綺麗すぎておもちゃっぽいような。



というわけでウォッシングして全体的に汚します。エナメルの黒と茶色を半々混ぜました。
といっても実車の方は綺麗なものでして、薄く薄く施すに留めました。



終えました。それでもだいぶ落ち着いた印象になりました。



あとは搬入時の仕様に合わせていく工作をしていきます。
砲口には封印をして、砲身の下には注意の看板を吊り下げます。ヘッドライトにも養生がされていたので同じようにしました。どれも新聞紙で拵えました。簡単ですぞ。
戦車のナンバーは第1機甲教育隊95-4293です。



実車はこんな感じです。



トレーラーに載せれば10式戦車の完成です。なかなかいい感じに仕上がったと思います。



トレーラーを降りているシーンも再現できます。
路面ジオラマも作ろうと思ったけど、まあいいやということにしました。たぶんこの先も作らない・・・。

あの時見た光景を再現するというプラモデル作る人なら1回はやってみたいと思うものを作れて満足です。
AFVものは滅多に作らないので楽しみながら作ることができました。正直敬遠していたんですが、たまに作るのもいいかもしれません。

完成品写真はいつも通りギャラリーで。

【ギャラリー】陸上自衛隊 73式特大型セミトレーラー&10式戦車【1/72】

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■使用キット:アオシマ 1/72 73式特大型セミトレーラー、フジミ 1/72 10式戦車量産車
■仕様:第53回静岡ホビーショー展示搬入時(2014年5月17日)



静岡ホビーショーで10式戦車を展示するために前日深夜に搬入されたのを見に行ったのですが、それがなかなか印象に残っていたのでそれを再現するために製作。












アオシマの73式特大型セミトレーラー。
素組みで製作しました。やったとしてもナンバープレートを当該車と同じ数字に変えた程度です。



トラクター。
軍用トレーラーっぽくない顔立ちですが、三菱ふそうのトラックを流用しているんですね。ベース車より車高が高かったりライトの位置が異なったり、相違点はありますが。
キャブ屋根の回転灯が目を引きます。なにせ全長が長いので普通に公道を走ることが出来ません。走行は先導車を付けた上で夜間のみに限られます。回転灯はその時使用します。



シャーシ。
なかなか精密。



後ろ。
ナンバーは第301輸送隊50-2207です。



トレーラー。
鉄道車両製造でおなじみの東急車輌製です。あそこ、特装車とか立体駐車場とかも造ってたんです。73式開発にあたってはトラクターと同様民生品を流用したそうな。



フジミの10式戦車。
こちらも素組みですが、当該車および搬入時の仕様になるよう工作しています。
機銃・ワイヤーの撤去、アンテナの折り畳み、砲口の封印、注意書き、ヘッドライトの養生あたりです。






ベタ塗りのままではいくらなんでも綺麗すぎたんで、薄いウォッシングを全体にかけました。落ち着いたと思います。



砲塔後部のバスケットが組みづらかった以外は簡単に作れました。






ホビーショー当日の実演展示では砲塔回転や車体傾斜をしていました。



搬入シーンということでランプを装着してみます。
暗闇の中で響き渡る戦車のエンジンを間近で聞いた時は興奮しました。



だいたいこんな感じでした。



以上、陸上自衛隊 73式特大型セミトレーラー&10式戦車でした。

第4回水上機大撮影大会【2015/08/03】

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2015年8月3日。
いつものように西風が吹く晴れた日にビクトリアで水上機を撮影していました。



ハーバー・エアのDHC-3T (C-FRNO)。旧塗装機です。






カナダガンが低空を飛んでいきました。



DHC-3T (C-FODH)と水上タクシーが一緒に入りました。



ウェストコースト・エアのDHC-6-100 (C-FGQH)も来ました。



やっぱいいですね~。



着水!



撮影地点を変えようと移動していたら桟橋にカワウソがいました。



魚を食べているようでした。
オッター(カワウソ)とオッター(DHC-3)を一緒に写真に入れてみよう・・・と思いましたがどうも分かりにくいのでやめにしました。



撮影地点を変えてC-FGQHの離水を撮影。



加速時は機体を揺らしながら滑走しますが速度が乗ると流れるように水面を切ります。



数百mで離水。さすがのSTOL性。



ケンモア・エアのDHC-3T (N31258)。



出港するビクトリアクリッパー号。



ハーバー・エアのDHC-3T (C-FRNO)とケンモア・エアのDHC-2 (N17598)。
同時出発でしたがハーバー・エアが先行します。



DHC-2「ビーバー」。ケンモア・エアによれば徹底的な延命工事が施されているようですが、初飛行1948年のコレが未だに飛んでいるのがすごいですね。
ケンモアにはターボプロップ化された「タービンビーバー」もいますが、数の上ではレシプロエンジンの「ビーバー」の方が全然主力です。この先もまだまだ見られると思います。



N17598も飛んでいきました。

これで今日はおしまいです。

北米project 4 ~Is the order a warbird? その5【2016/03/04~10】

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2016年3月4日(土)14時26分
カリフォルニア州トーランス 西部航空博物館
YF-23などが並ぶ別館から本館へと戻ってきました。"次の討ち入り先"もあるのでそんなにゆっくりとは見ていられません。15時までには出発したいので見学時間は約30分・・・。今回はやたら見学の制限時間に囚われたんですが、初っ端からこれですか。



ボーイングF4B戦闘機(レプリカ)。
初飛行は1928年6月25日。同社のF2B,F3Bの更新用に自社開発した機体です。前任機よりも小型軽量で機動性も良好だったとのこと。艦上戦闘機として運用されていたんで、空母に搭載されていたんでしょうね。
アメリカ海軍はこれを派生型全部ひっくるめて200機ほどを発注しました。この頃の軍は数年ごとに戦闘機をちまちま購入していたんで、こんなもんなんですかね。
後にアメリカ陸軍もP-12として採用しこちらは約360機生産されました。陸軍向けのほうが多いんだな。



実はまだ製作途中なのかは分かりませんが、主翼の羽布は張られないままでした。
工芸品だねぇこりゃぁ、という感じの主翼でした。



ノースロップF-5A「フリーダムファイター」。
別館で見たT-38タロン練習機を戦闘機にした感じのノースロップの代表的機体です。価格が安くて取扱も簡単な小型戦闘機で、経済力の弱い中小国を中心に2000機ほどがバラ撒かれました。開発国であるアメリカでは基本的に採用されておらず、ボンビーな西側陣営の国向けの輸出用戦闘機でした。ここらへんはアメリカではバカ売れしたけど海外では全然売れなかったT-38と対称的でした。
とはいえ超音速飛行も出来たり稼働率が高かったり、安かろう悪かろうという戦闘機ではなかったのが強いところ。
日本ではF-5は採用されなかったので影が薄気味ですが、F-4運用国よりもよっぽど多い国で運用されていました。



超音速戦闘機にはあるまじき、機首に機関銃をデデンと配置した作り。まあこの機体機関銃自体は外されているんですが・・・。この機関銃の銃口が有るか無いかがF-5とT-38を見分ける点のひとつです。
機首のほとんどはこの機関銃で占められていて、レーダーを搭載する空間はほとんどありません。というかF-5は端からレーダーを持っていない戦闘機なのでそうなります。とにかく安価に造るんだという設計思想が垣間見えますね。ただし改良型であるF-5E/FタイガーIIには機首を延長した上でレーダーを実装しています。



コックピット。といってもここら辺はよく分からないんですけどね。
座面の後ろには、緊急脱出時に必要であろう射出レールっぽい部品が見えて、なるほどこれに沿って飛ばされるんだなぁと。



計器盤。どの計器がどの数値を表しているのか・・・というのが分かると面白いんでしょうけどね。無学なもので。



胴体後部と主翼。描かれている国籍マークはノルウェーのものです。ノルウェーは約100機のF-5を運用していました。
主翼は後のYF-17と似たところがあり、YF-17のルーツはF-5なのだなぁというのを感じます。
胴体は主翼の付け根部分がくびれているのが特徴。これはエリアルールという遷音速域での抗力を抑える工夫です。機体を輪切りにした時の断面積変化が緩やかだと空気抵抗が増大しにくく音速突破が容易になるというヤツです。
飛行機の場合、断面積がドカンと増えるのは主翼部分でして、この部分の胴体をくびれさせることで断面積変化の差し引きを少なくしてやろうという魂胆なのです。F-5の場合、主翼端の増槽までエリアルールを適用するという念の入りようです。
現用機でも胴体がくびれていたり、主翼、水平尾翼、垂直尾翼をそれぞれ跨ぎながらずらして配置することで断面積変化を緩やかにしています。
これ以上詳しい話は大変なので無しで。エリアルールに関してはコンベアのYF-102が一番有名なのでそこら辺の話を読んでもらえれば。



そしてF-5の真骨頂が主翼前縁の付け根から飛び出ている前回も出てきたLERXでございます。T-38には付いていないモノでして、これも両者の識別点のひとつ。
何かの部品か配線を主翼に収めきれなくてしょうがなく付け足したもので、狙ってつけたわけではないです。なので当時の設計陣もその効果を知らず。これによりノースロップの予測よりも機動性が良くて失速速度も思ってたより低くなかったという事態になり驚かせたそうな。
これがその後の戦闘機の高機動性の要因の一つになっていくのです。



ノースアメリカンF-86F「セイバー」。朝鮮戦争といえばコレ。自衛隊でも運用していたので知っている人も多いでしょう。
実はこの個体(S/N 55-3937)は航空自衛隊で最後まで運用されていた機体でなんだぜ、とサラッと書かれていました。い、意外な所にいるもんだなぁ。自衛隊のF-86はアメリカからの供与機もあったので退役後に返還されたんでしょう。
ただし塗装はバリバリのメリケン空軍でして。朝鮮戦争中に参戦したジャック・スーツケース・シンプソン中尉の乗機だった「スーツケースの田舎者号 Suitcase's apple-knocker」を再現したものです。
この人の名前からF-86の名前までわけわからんセンスなんですが、スーツケースというのはとある漫画のキャラクター「ハリー・スーツケース・シンプソン」から付けられたあだ名、田舎者というのはシンプソン(本人の方)の幼少期のあだ名なのが由来なんだとか。
ちなみにapple-knockerというのは直訳で「りんご摘みする人」という意味です。どうしたら田舎者って意味になるんだ?ただ、お上品な言葉ではないようなので使う時は中尉・・・もとい注意。

個体と全く無関係の塗装で保存されているというのはよくあることなので、ここは注意しておかないといけません。
もうひとつ付け加えておくと、このセイバーは国立アメリカ海軍航空博物館からの借りて展示している機体です。別の博物館から借りて展示というのもこっちではよくあります。といってもなんで海軍の博物館が持ってるんだか。



F-86の口の中を覗いてみます。コックピットをかわすように吸気口が少し下を通りながら配置されています。
エンジンが収まる所はガランドウですね。



斜め後ろから。主翼を従来の胴体に対して垂直ではなく斜め後ろに角度をつけて配置した後退翼が特徴です。



尾部。もぬけの殻のエンジン部を隠すために赤いフタをしてあるというのはよくよく見かける展示法です。
一応この赤いフタは現役の軍の戦闘機でも使われるようなもので、なるべくそれっぽい隠し方になるよう博物館側も頑張っているのです。



その後ろにはエンジンがドカンと置いてあって「なんだあるじゃん!」と驚いたんですが、これF-86のエンジンじゃない・・・。
これはプラット&ホイットニーTF-30です。世界初のアフターバーナー付ターボファンエンジンです。純粋な世界初はイギリスのエンジンだったはず。
御存知F-14やマクナマラのアレことF-111に搭載されたエンジンですな。
ただしF-14で大迎え角で高出力を出そうとすると空気の取り込みが悪くなりコンプレッサーストールを起こすという欠陥がありました。
こうなるとエンジンが停まってしまい墜落したり、2基あるエンジンの内片方だけ停まってしまうと機体が水平にぐるぐる回って操縦不能に陥ってやっぱり墜落してしまいました。トップガンでもそんな場面があったと思います。
ちなみにF-111はそんな芸当できなかったので(戦闘機なのに・・・)問題にならなかったそうよ。



アクメ航空機S-1「シエラ」。1953年11月23日初飛行。
ノースロップの技術者が設計した推進プロペラ機の実験機です。推進プロペラというのはアレです、震電みたいなやつです。
垂直尾翼は尾部下面に、水平尾翼は斜めに取り付けられていて、これを合わせるとちょうどY字になります。エンジンは胴体内コックピットの後ろに収められていて、胴体の左右にはジェット機のような空気取入口があります。
境界層制御の実験などをやっていたとのこと。



YF-23の模型。風洞実験にでも使ったのかしら。
その左にあるF-35のパチもんみたいなやつはなんなんでしょうね・・・。



ゲゲッ!これはアメリカ海軍の飛行船(!!)USSシェナンドーさんじゃないですか!!
1923年に進水ならぬ進空しました。いくら船は海軍の領分だからって飛行船っておまえ・・・となりますが、当時の海軍は大真面目にこれを敵艦隊の偵察に用いる腹でした(米海軍の艦船接頭辞である"USS"がちゃんと付いている辺りマジだったんでしょう)。今だったら笑い話ですが、当時はまだ航空母艦が使い物になるか分からない時代だったし、多少はね。
遮蔽物のない海上では空から艦隊を偵察することの威力は大きいです。自艦隊の着弾観測任務だって出来るはずで、そうなるともし運が良ければ当たっちゃうかもしれない程度の確率で行われる艦砲射撃において着弾観測できれば自艦隊の攻撃力は飛躍的に上がるはずです。
ちなみにその後建造された飛行船USSアクロン(洗剤かな?)は偵察用の航空機を5機搭載できる前代未聞の空飛ぶ空母なのでした。米海軍の飛行船はとにかく野心的な構想なのでした。
ただし飛行船というのは悪天候が死ぬほど苦手で、USSシェナンドーは初飛行から2年後の1925年9月25日にオハイオ州で悪天候により沈没ならぬ墜落してしまいました。文字通りの航空母艦ことUSSアクロンも突風で墜落しています。
結局航空機の性能向上と空母がどうも使えるらしいぞ?というようになったんで飛行船は廃れていきましたとさ・・・。南無。

今日はここまで。


その6へ→

北米project 4 ~Is the order a warbird? その6【2016/03/04~10】

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引き続き西部航空博物館の本館を見ていきます。
ビードBD-5。1/1航空機キットことホームビルド機のひとつです。家のガレージで作れるやつですね。
隣りにいるF-86と比べると分かるようにとても小さな機体に仕上がっています。デブは乗れないよね。
「お、かっこいいな」と思わせるデザインでして、キット価格は$2,600ほど(エンジン付き)。低価格な部類らしく、5100機分の発注がありました。5000機というと大ヒットと言える販売数でして。
製作時間は3500時間(!)と言われていて、仮に週2日ある休日に8時間/日かけて造ったとして437日間かかります。1年間の土日はだいたい104日あるので毎週末せっせと造っても4年以上。そもそもそんなうまくいくわけないんで、10年は掛かりそうですね、これ。絶対完成する前に飽きるやつだ。ディア○スティーニだ。
しかもその後会社が破産してしまって全ての部品が揃わぬまま・・・というキットが多数発生してしまい、多くはそのまま放棄されてしまったらしいです。哀れ。
最終的には50機とも数百機とも言われる数が完成を迎えました。もちろん飛行機として設計されたので飛行することも出来ます。こんなものでも型式証明取れるってすごいな。

この個体はジェームズ・ボンド主演映画「007オクトパシー」に出てきた超小型ジェット機「アクロスター」と同じ塗装を再現しています(例によって塗装とこの個体との関連はない)。このアクロスターというのがBD-5なわけです。
BD-5はプロペラ機なのですが(尾部にプロペラがある推進式)、実は007に出てきたようなジェットエンジン搭載型のBD-5Jがマジでいました。ジェットエンジンはプロペラシャフトのあるところに据えられました。世界最小クラスのジェット機です。ただし最高速度は480km/hでゼロ戦よりも遅いんですけどね。

ちなみに、日本ではクソマイナーな飛行機なのに映画に出演したからなのか、どういうわけかプラモデルがかつてエルエス模型から発売されていました。同社は倒産して現在はマイクロエースがプラモデルの金型を持っているので、今でも再生産しているのかもしれません。



ノースロップAQM-38A標的機。
1959年から1970年代にかけてアメリカ陸軍で運用されていた訓練用無人ドローンです。超音速が出せるらしいです。



後ろから。翼が付いていて、巡航ミサイルみたいなもんですね。



ノースロップKD2R5「シェルダック」標的機。
これも無人ドローンで、AQM-38よりも古い1947年初飛行。エンジンもレシプロエンジンです。



ノースロップJB-1「バット」。
ノースロップと言えば全翼機です。全翼機というのは胴体や尾翼が無く主翼だけで機体が構成されている航空機のことです。ノースロップB-2爆撃機が有名です。
ノースロップの創始者、ジャック・ノースロップは全翼機が大好きで、1929年にはX216という実験機を飛ばしています。そもそもノースロップ社が全翼機造ったるぜという目的で設立されたようなもんやし。
全翼機は空気抵抗の低減や軽量化が出来る(なにせ胴体や尾翼がないのだ)一方で、操縦が難しいという欠点があります。この欠点の克服が難しかったようで、機体制御をコンピューターがやってくれるフライバイワイヤが実用化されるまではどうしようもなかったと思います。
ノースロップの悲願は先述のB-2で達成されるわけですが(この時ジャック・ノースロップはとっくの昔に引退していて病の床だったものの、軍の特別許可を受けて当時軍事機密だったB-2の模型を見せてもらったという逸話はB-2開発史ではよく出る話)、それまでの間に色々試してたんだぜ!・・・という機体のひとつがこのJB-1。

第二次世界大戦中、ドイツのV-1飛行爆弾を見たアメリカ陸軍は1943年に「ノースロップ~、僕もドイツみたいな飛行爆弾が欲しい~!」とせがみ、飛行特性を調べるための有人グライダーJB-1と、ジェットエンジン搭載の無人飛行爆弾JB-1Aが1944年に造られました。
グライダーのJB-1は無事開発完了しましたが、本番のJB-1Aは発射試験中、射出直後に墜落してしまいます。こりゃエンジンが悪いよね、と判断されてJB-1は開発中止が言い渡されてしまいます。
その間にせっせと開発していたもうひとつの飛行爆弾JB-2は順調に進み、こっちが採用されることになりました。といってもこれ、V-1をアメリカがコピーした兵器なんですけどね・・・。

ここのJB-1は現存する唯一の機体です。スミソニアンのN-1M、プレーンズ・オブ・フェームのN-9MBと共に、現存するノースロップ全翼機3兄弟の一角です。
これにはキャノピーが付いているのでグライダー型ですね。全翼機と謳っていますが垂直尾翼はあるし胴体もあるしで、完全な全翼機とはいい難いところ。
胴体に関しては、なにせエンジンと爆弾を積まなければいけないのでどうしようもないです。全翼機の意外な欠点はコレで、機体を主翼だけにして薄っぺらくしたはいいけど、エンジンと爆弾と人間はどこに載せるの?となってしまいます・・・。爆撃機くらいの大きさだったら大丈夫なのかもしれないけど。



射出座席。ふーんって感じで。



こ、これはノノノ、ノルデン式爆撃照準器 Nordan bombsight!!
アメリカ陸軍航空隊が使用していた爆撃機が水平爆撃する時に精密爆撃出来るよう爆撃手が使う照準器です。元々は海軍が洋上の艦船を爆撃する時に使うためのものとして開発されました。
ただの狙いをつけるだけの照準器という代物ではなく、これのキモは一度照準をつけるとこの爆撃照準器が爆撃地点まで機体を自動操縦、爆弾投下地点に到達したら自動で爆弾を落としていくということ。ここまでされるともう爆撃管制システムと言って差し支えないです。70年前にそのような演算装置と自動操縦装置が!?と驚きますよ。
ノルデン(以下略)は照準部 sighting head と安定装置 stabilization platformの2つで構成されています。 ここに置いてあるのはあいにく上側の照準部だけなのですが・・・。ここでいう安定装置とは照準部の水平を保つ装置という意味もありますが、それだけではなく機体も安定させちゃうぜという想像するよりもデカい意味なのです。

この標準部にはコンピューター、接眼鏡、諸元を入力するためのいくつかのダイヤルなんかがあります。コンピューターといっても我々の想像するようなものではなく、歯車やカムなどで演算を行う機械式アナログコンピューターです。
左側の球体状の物に付いている覗き窓はジャイロ装置で、これで機体の水平とか進行方向とかを読み取ります。真ん中のタイヤみたいな覗き窓は、地上の景色と対気速度、風速、風向き、高度などが計算できる目盛りが付いています。それを読み取ってダイヤルを回してコンピューターに入力していきます。
すると後はコンピューターが爆弾の弾道を計算して、爆撃照準器と爆撃機の自動操縦がリンクされて爆撃射程距離と目標上空での爆弾投下まで、機体を爆撃照準器が自動操縦してしまうのです。すごいよね。
コンピューターの計算には機体と地上の爆撃地点の間の現在の角度である「瞬間照射角 Instantaneous sighting angle」と機体と空中で爆弾を投下する地点の角度である「希望投下角 Desired dropping angle」の2つを使うんだそうな。
自動操縦によって爆撃機は適切な進路を取っていくことで、瞬間照射角と希望投下角の相違は減っていき最終的にはゼロになります。この瞬間、コンピューターが自動で爆弾を投下するようです。

すごい装置なんですよ、これ 。



よく分かる解説!(手抜き



この博物館は空港の格納庫を1棟使って運営しているというのは前前前回くらいに書きましたが、その向かいにも何かあるので覗いてみると、ありゃ、こいつはハリアーじゃないですか。中でもこれはホーカー・シドレー「ハリアー」T.4という型式です。初期型であるGR.1型を改良したGR.3型の練習機型というやつです。
ハリアーT.4はイギリス空軍が運用していた機体なんですが、塗装はイギリス海軍のもの。最初はまた縁もゆかりもない塗装だと思ったんですが、経歴(S/N XZ145 or 212026)を洗ってみるとイギリス海軍に貸与されていた時期があり、その時の塗装なのかもしれない・・・という感じです。
自国の兵器が好きすぎて死にそうなイギリス人ミリオタは機体の経歴を詳細に記録していると評判なわけですが、本当なのかもしれないですね。詳細な経歴がこうも簡単に出てくるとは。



ブリストルのペガサスエンジン。まあブリストルは合併されて今はロールスロイスなわけですが。
こんなにガバチョとターボファンエンジンの羽根がよく見える戦闘機もそういないと思います。



ハリアーと言えば、世界初の実用垂直離着陸機(SVTOL機)です。つまりは滑走路で滑走しながら離陸する通常の飛行機と違いその場で垂直に離陸できる飛行機です。
それのキモとなるのがペガサスエンジンです。今見たとおり空気吸入口は普通のジェットエンジンと同じですが、噴出口は大きく異なり4つ(左右2つずつ)に分かれているのが特徴です。
先端には可動式のノズルが付いていて、垂直離着陸時にはノズルを垂直(下向き)に、水平飛行時にはノズルを水平(後ろ向き)に動かすことでジェット噴流を偏向させて飛行するわけです。ただしノズルを下向きから後ろ向きに動かす時に主翼に十分な揚力が無いと(=揚力を持つだけの速度に無いと)たちまち墜落してしまうんですけどね。SVTOL機がなかなか上手くいかないのはここを克服するのが難しいからです。
ハリアーも実は実際の運用では垂直離陸は殆ど行われていなかったと言われています。垂直離陸だと主翼の揚力が使えませんから、エンジン出力のみで機体を持ち上げる必要があります。
ペガサスエンジンの最大出力だと、機体を持ち上げるのがせいぜいだったと言われていますから、武装した状態だと機体重量がエンジン出力を超えてしまい垂直離陸が出来ないそうな。なので、離陸時は滑走してエンジン出力の他に揚力にも機体重量を分担してもらおうというわけです。それでも普通の固定翼機と比べると短距離で離陸できるらしい。
あとは、垂直離陸時はなにせ最大出力近くまで出す必要があるんで燃料をバカ食いするとか。
SVTOL機があまり開発されないのは技術的な困難というよりも運用面でメリットがそんなに無いからという印象です。



トーランス空港の滑走路の方を覗いてみます。定期の旅客便や貨物便は飛来せず、自家用機やチャーター機なんかが発着しています。敷地内には格納庫がたくさんありまして、あの中は全部自家用機なんだろうなーと。
ここから見える範囲にも自家用機がたくさん駐機されています。



中にはこんな機体も。プロペラ練習機と言えばこいつ、ノースアメリカンT-6「テキサン」です。
元々は昔の軍用機なんですが、払い下げられたかなんかで民間に渡って自家用機として余生を過ごしていました。アメリカ軍の塗装をしていますが、民間のNナンバーのレジが登録されています。
博物館のおっちゃん曰く博物館のものではなくて個人所有らしい。日本だとクラシックカーを持つような感覚で昔の飛行機を飛ばしているからこの国はすごいですね。



他にも整備を受けてるセスナ機とかがいました。

はい、これで西部航空博物館編はおしまいです。
初っ端から濃いメンツを拝むことが出来ました。小さい博物館なので見学にそれほど時間を取られることは無いと思います。肩慣らしにはばっちりでした。

それでは次の博物館へと向かいます・・・。


その7へ→

バンクーバーの近郊列車に乗る その1【2015/08/11】

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2015年8月11日。
バンクーバーの公共交通機関には路線バスやスカイトレインというLRTなんかがあります。それとは別にもうひとつ、ウェストコースト・エクスプレスという通勤用の列車があります。
通勤列車なので平日の通勤時間帯にしか運行されません。さらに列車の運行も朝は郊外からダウンタウンへ向かう列車だけで反対方向への列車は無し、夕方はその逆だけとバンクーバーを拠点や始点にするとどうにも不便な列車です。ホームライナーみたいなものでして、観光客はまず乗らないし乗る用もない。
しかし、うっかり北米の鉄道にドハマリしてしまった私はこれに乗らないわけにはいかずその機会を狙っていたのですが、中々行く決心がつかないまま夏になってしまいこのままだと秋になって明るい時間が減ってしまうので、その前に片付けようとようやく腰を上げて乗りに行くことにしました・・・今日はそういうお話です。

バンクーバーへはいつも通りフェリーを使って海路で。スワーツ港7時発のツワッセン港行きに乗ります。昼前にはバンクーバーに着いちゃうので夕方の列車に乗るには早いんですが、列車乗るためだけに行くのはもったいないのでその時間まで他のところを回ります。



フェリー内の食堂で朝飯を食べている時、そういえばフェリーの車両甲板って降りたこと無いなぁと思ったので、食後に行ってみたらカナダ陸軍のトラックが運ばれていました。フェリー使うんだ・・・。
アニマルガードがなんともアメリカンですが、あんな高さでぶつかる動物とかいるんかな?



バンクーバー側のツワッセン港に着いたらトランスリンクのバス620系統に乗り換え。車両はいつものNFI XDE60。



終点のブリッジポート駅でスカイトレイン・カナダ線に乗り換え。一駅先のマリーンドライブ駅で降りて電車の撮影を行います。



カナダ線の100形(仮称)。ヒュンダイロテム製の電車です。発射時の走行音はE233系にそっくりと俺の中で知られています。



後追いだと足回りまで撮影できます。高架線の脇に衝立がないけど、大丈夫なんかなこれ。



バンクーバーのダウンタウンまではスカイトレインが早くて便利なのですが、バスでもダウンタウンへ向かえます。
せっかくなので今回はバスでのんびり行きます。ダウンタウンへはいくつかの系統があって、私は3系統に乗りました。
乗車車両はNFI E60LFR。空中の架線から電気供給を受けてモーターでバスを駆動させる「トロリーバス」です。マリーンドライブ駅がトロリーバス区間の南端っぽいです。距離はダウンタウンから10km弱ほどですかね。
出発後はメイン・ストリートという通りをひたすら北上していきます。ず~~~っと住宅街が続いて途中で飽きてきてしまいました・・・。時間も思っていたよりかかったし、電車のほうが良かったと少し後悔。



ダウンタウンに着いたのは10時半頃。ウェストコーストエクスプレスの出発まではだいぶ時間があります。なので暇つぶしにまずは水上機の飛行場を見に行くことにしました。
その途中にバスがいたのでこれも撮影。インターナショナル・ステージラインズのMCI J4500。



バンクーバー・トロリー社のトロリーバス。ただしこちらは昔の路面電車風のボディを装荷したレトロ調バス。動力源もディーゼルエンジンです。
トロリーバスというと各地の観光都市でよく走っていることも手伝って現地でもこちらを指す場合が間々あって、本物のトロリーバスとの言葉の使い分けも無いです。なので「トロリーバスに乗ったよ」という話を聞いても、乗ったのは実はこのレトロバスの方だったという事もあり。



グレイハウンドのMCI 102-DL3。グレイハウンドは都市間高速バスなんですが、このバスは観光バスのアルバイト運用に就いているような感じでした。



やっとこさ飛行場に着きました。
桟橋に水上機が10機ほど駐機されています。これだけの水上機を一堂に見られるのはかなりそそる光景です。眺めも抜群!



ハーバーエアのDHC-2 (C-GMKP)。
バンクーバー港水上空港 Vancouver Harbour Water Airport (CXH)は、ビクトリアでの水上機撮影でおなじみハーバーエアを始め数社が就航する水上機のハブ空港です。バンクーバー島とその周辺の諸島を結ぶ便が多いです。
年間の発着回数は5万回。1日あたり約135回。日本の下手な空港よりもよっぽど多い回数です。ただし旅客数で勝負されると・・・(水上機は1機あたりの定員が僅かなのだ)。



これもハーバーエアのDHC-2 (C-FAXI)ですが、こっちは旧塗装。
ハーバーエアのDHC-2は幹線であるバンクーバー~ビクトリア線では小型機故にまず見かけない機種ですが、他の路線では主力です。



桟橋を眺めていると、右手から水上機が着水体勢に入ってくるのが見えました。



着水。ビクトリアと違って海面が広いですから着水は比較的楽そうです。



機材はシーエア Seair SeaplanesのCessna 208 "Caravan" (C-FLAC)。キャリアと機体ともに初見です。
シーエアは1980年創設の水上機を使用した地域航空会社でバンクーバー水上空港やバンクーバー国際空港を拠点にしている会社。定期便の他にチャーター便や遊覧飛行もしますよ。
セスナ208は1982年初飛行のブッシュプレーン。機体規模はおなじみデ・ハビランド・カナダDHC-3「オッター」と同じです。生産数は2000機以上と大ヒットと言えるでしょう。シーエアではセスナ208が保有機材の主力です。

こんなところで今日はここまで。次回も水上機。


その2へ→

第69回清水みなと祭りの展示艦船を見学 前編【2016/08/07】

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2016年8月7日。
毎年恒例、清水みなと祭りで自衛隊が護衛艦や車両を展示したり練習機を飛ばしたりするので行ってみることにしました。ずいぶん昔からやっている恒例行事だそうです。
電車で行ったんでなんとなく静岡駅で211系を撮ったのですが、そういえば尾灯がLEDに交換されたのを思い出しました。確かに赤の色味が変わった気がします。



自衛隊装備の展示は清水港の日の出埠頭で行われていました。
まずは午前中で展示を終えてしまう護衛艦から見学することに。この日展示されていたのはあさぎり型護衛艦「やまぎり」(DD-152)でした。あさぎり型を見たのは初めてのことです。



といってもあさぎり型は前級のはつゆき型の改良型で見た目はそれほど変わらないので(艦体がひと回り大きくなっているそうな)、目新しさはあまり感じなかったです。



対艦ミサイル発射筒は4発載るはずですけど3発しかないんですねぇ。



おしり。



乗艦します。甲板だけ見て回れます。
まずは前部甲板に出ておなじみアスロックランチャーを見ます。ところでこれに収まっているミサイルはどうやって再装填しているんでしょうね?パッと見甲板にクレーンは見当たらなかったですけど。



艦橋とかマストとか。
艦橋は結構高さが低いように見えます。



御存知76mm単装速射砲。



見学中に駿河湾フェリーの「富士号」が通過していきました。こんなに小さい船だったの。
海の県道こと県道223号線にもなっています。だから何だって感じなのであまり浸透していませんけれども・・・。



掃海艇「ししじま」でも探した妖精さんこと救命訓練用人形探しですが、いました。わざわざ表へ引っ張り出してきたようですが、簡単には見つけられない所に立たされています。



たぶん、さいとう・たかをが描いたと思う顔をしていました。狙撃が得意そう。



必ず目にする魚雷発射管。



シースパロー艦対空ミサイルをを収めるMk.29ランチャー。



表側。1つだけ蓋が開いていて中を見られました。こういうのはうれしいです。



中はこうなっておるんじゃ。レールに固定されているんですねぇ。



艦載機はお留守。格納庫も見学は無しでした。

やまぎりはこんな感じでした。次回は他の装備品を見ていきます。


中編へ→

バンクーバーの近郊列車に乗る その2【2015/08/11】

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前回に続き、バンクーバーの水上飛行場を観察します。
桟橋に4機連なって係留されているDHC-2ですが、すごくいい眺めですねこれ。いい・・・。



バンクーバー港水上空港は多くの路線が集中する空港なので、割りと引っ切り無しに水上機が飛来します。飽きませんね。



着水。DHC-2ですが見たことのない塗装です。



シーエアのCessna 208と離合。



機材はソルトスプリング航空のもの(C-FZZJ)でした。
ビクトリアとバンクーバーの間に広がるガルフ諸島最大の島であるソルトスプリング島とバンクーバーなどを結ぶ航空会社です。ビクトリアには飛来しないので初見です。



ハーバーエアのDHC-2 (C-FOCY) 旧塗装。



離水へ向けタキシングするDHC-2 (C-FWAC) 新塗装。
航空機にあるまじき四角四面とした胴体が変わっています。与圧されない低空用の機体だということです。
水上機には必須のゲタ(フロート)も胴体に対して前に張り出していますが、重量バランス的には重いエンジンと釣り合いを保つためにこれで正解なんですねぇ。



DHC-2のいる光景。くどいけど、良すぎでしょ。
ちなみに奥に浮かんでいるシェブロンのガスステーションは、船舶用のガソリンスタンドです。個人所有のクルーザーなどを相手に商売しています。



DHC-2が離水。



と思ったらDHC-2が到着。
最近はレシプロエンジンの音を聴く機会も減っていますから、そういう意味でも貴重です。
ちなみに、1機だけターボプロップ化されたDHC-2Tがいるんですが、1機だけということもあってお目にかかれませんでした。



ビクトリアでもおなじみDHC-3T(今日見たの初めてだな・・・)ですが、C-GHAGが整備を受けていました。エンジンカウルが外されていますね。



機首のアップ。エンジンはP&WカナダのPT6エンジン。傑作ターボプロップエンジンで、数多くのターボプロップ航空機に採用されています。
そのエンジンの大きさは意外なほど小さかったです。ターボプロップ化された機材を見るとたいてい機首が延長されているのでレシプロエンジンより大型化していると思ったのですが、あんな大きさで済むんですね。機首の殆どは配管で占められています。
ターボプロップはジェットエンジンの親戚のようなもので、まず空気取入口から吸入した空気を圧縮タービンファンで圧縮して高圧にしていきます。その高圧の空気を燃焼室で燃料を噴射してやると爆発的な燃焼が起きます。その燃焼で発生した噴流を丸々後ろに噴出させてその反作用で前進するのが戦闘機なんかに搭載されているジェットエンジンです。ただし圧縮タービンを回すために燃焼室の後ろに排気タービンを設けて噴流の推力を少し拝借して圧縮タービンを回す動力にしています。
で、ターボプロップはというと、上記のようなジェットエンジンだと低速域だと効率悪いよね、だからジェット噴流のエネルギーをプロペラに変えたらよくね?というふうに、排気タービン軸の先にプロペラを付けて回したもの、みたいなやつです。ジェット噴流の推力はプロペラに取られてしまってほとんど残っていないです。
レシプロエンジンと較べてみると、写真のように小型でその上高出力となっています。ただしレシプロエンジンよりも燃費が悪いのが欠点です。なので高出力化の必要が薄いセスナのような軽飛行機では燃費の面から今もレシプロエンジンが主流です。



DHC-3T (C-FHAA)。
ちなみに離着水は海岸から少し遠目の位置で東西(左右)方向に行われます。ビクトリアと比べるとその動きは単調でして、撮影するならビクトリアに軍配が上がります。
まあ運用する側からすれば着水直前に機体を急旋回させながら着水するなんてできればやりたくないでしょうしね。
なおビクトリアと比べると雲泥の差ほどあるバンクーバーの海上の面積ですが、離着水する場所(滑走路)はきちんと決められています。湾内は船の出入りも多いですから、好き勝手離着水していいもんでもないのです。



C-FHAJと離合。
キリがないので、いい加減離脱します。大満足でした。


その3へ→

第69回清水みなと祭りの展示艦船を見学 中編【2016/08/07】

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海上自衛隊の護衛艦「やまぎり」を下船した次は陸上自衛隊の装備を見ていきます。
最初は1/2tトラック。三菱パジェロがベースになっているのでなんとなくそっくり。



後ろ。屋根は幌になっていて、取っ払えるようになっています。
荷台は荷物とか人間とか色々運べるようになっとるんですな。



軍用車ですがパジェロの流用なので、エアコンやAM/FMラジオが付いているのが特徴だそうで。



軽装甲機動車。
器用貧乏って感じの車ですがじゃんじゃか造られたようで、意外と重宝がられているのかも。
ちなみに上で見切れている女の子は装甲車の屋根に乗って記念撮影していました。子供の特権やね。



高機動車。ハンヴィーじゃないよ。
装甲はないけど、移動力と積載能力に富んでいて使いやすいとのこと。



中にも入れますがまあ子供ばかりだったので・・・。
荷台の定員は10名です。



ペトリオットミサイル。一時期はパトリオットと言われていましたが、最近は「ペ」派が優勢か。
陸上自衛隊・・・と思わせて航空自衛隊の装備でした。今まで緑色をしたタイヤの付いた車両はみんな陸自の装備と思ってました。塗装をよく見ると陸自のオリーブドラブ色よりも明るい緑色ですね。
PAC-3ミサイルを積んだトレーラーとそのトラクター、それと待機車を展示していました。トラクターはふそうのスーパーグレートのようです。



PAC-3地対空ミサイル。1つの発射筒に4発のミサイルを格納できるので、ここでは8発分、最大で16発分装備できます。
ミサイルを載せたトレーラーは確か東急車輌が造っていたはず。
日本では北朝鮮の弾道ミサイル対策で配備されていますね。弾道ミサイル迎撃は海上自衛隊のイージス艦からの艦対空ミサイルとこのペトリオットミサイルの2段構えで、ペトリオットはイージス艦が撃ち漏らした時のための最後の手段です。
ただ、大気圏外から隕石並みの速度(音速の十数倍以上)で自由落下してくるミサイルを迎撃するなんてまあムチャで、よく当てられるなぁと思います。ちなみにイージス艦の艦対空ミサイルは自由落下前に撃墜するつもりの運用なのでまだ当てやすいはずです。



待機車。
現場に展開した高射隊の隊員が休憩したり寝たりする時に使う車両です。



寝れると言ってもそこは軍隊なので寝心地はお察し。ベッドは24床まで展開できます。



これもふそうっぽいトラックですな。
これで地上展示はおしまいです。



次は再び船の展示へ。
やまぎりの他にも今回は東海大学海洋学部の実習船「望星丸」が展示されていました。1993年にここの近所にある三保造船所で竣工。海洋実習などに使用されています。



前から。遠洋航海もするでしょうから、それなりの大きさ。ちなみにこの望星丸は3代目。



艦橋をすっ飛ばして航海室。海洋実習の他に航海実習も行われていて、航海士の学生も乗船するんだそうです。



講義室かな?学生が実験の体験をさせていました。もうオープンキャンパスじゃんね。



ディーゼルエンジン。船のエンジンを見たのってもしかしたらこれが初めてかもしれない・・・。
博物館船って意外と機関部を見せてくれないんですよね。これだけでも収穫がありました。



水圧の実験では超ド定番のカップヌードルの容器を水圧で縮こませる実験。こんなに小さくなる。
そんなことより同じ味のカップ麺を21個も食べるほうがよっぽどアレだと思うんですけど。



他にも展示していましたがほーんへぇーって感じで(手抜き



後部甲板では今のカップ麺容器を水圧で圧縮する実験をしていました。この容器で人工的に高い水圧を生み出すのです。

望星丸もこれでおしまい。今日はここまで。


後編へ→

バンクーバーの近郊列車に乗る その3【2015/08/11】

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水上機を見た後はラーメン屋に入ってラーメンを食べてきました。無性に日本のラーメンが食べたくなったのだ。
その後は鉄道模型屋に行くためにスカイトレインのスタジアム・チャイナタウン駅まで歩いていたんですが、途中でこんな建物がありました。
ビーティストリート・ドリルホール Beatty Street Drill Hall というカナダ軍の建物です。ドリルホールというのは訓練所という意味ですな。
1901年築のバンクーバー最古の訓練所とのこと。街路樹が生い茂っていて全体が把握しづらかったですが、立派な建物でした。一応現役の軍事施設なのかな?



で、建物の前には戦車が2台保存されていました!
M4シャーマン?いやちょっと違うな・・・パチもん?と思って車体に貼ってある銘板を見たらラムMk II巡航戦車でした。
アメリカのM3リー中戦車を基にカナダが開発した戦車です。元になったM3は主砲が車体に固定されているので射角に制限があったことと車体がリベット止めなので強度に難ありなどの問題があり、カナダ軍ひいては戦車生産を委託しているイギリス軍からM3では性能に不満があったというのが背景にありました。
なので、ラムでは主砲を旋回砲塔に配置して車体も鋳造品を新たに造りました。よって、M3の面影はほとんど残っていません。どちらかというとM4に近くなっています。転輪を見るとアメリカ系の戦車なのかな?とも思いますが。
製造はモントリオール・ロコモーティブ・ワークス(MLW)、鉄道車両メーカーですね。ところが今まで戦車開発なんてしたことない連中でしたので、エンジン、トランスミッション、車体、砲塔など主要部品はアメリカから調達するという有様でした。
開発は1941年6月に完了して同年11月から量産が始まりました・・・が、翌年からM4シャーマンがレンドリースでドカドカとヨーロッパに送り込まれるようになると、連合国の兵装はアメリカのもので共通化させたほうがいいんじゃね?という考えが広まった結果ラムはいらない子になってしまい、連合国の戦車としては少なめの約1900台で生産中止。実戦配備はされず、訓練のみに使われました。だからこの訓練所に保存されているのかもしれませんね。
なお、ラムの生産中止以降はM4A1シャーマンのマイナーチェンジ版グリズリー巡航戦車を製造したんですが、兵装共通化の波に抗えずこちらもたった188台で生産中止。哀れ。
ただし、MLWはラムおよびグリズリーのシャーシを流用したセクストン自走砲を製造するようになり、こちらは大成功と言える評価を得ています。よかったな。



後ろ。機銃は撤去されてハッチも溶接されて閉じられていますが、状態は良好です。ラムMk IIは6ポンド砲搭載型で、ちなみにMk Iは2ポンド砲搭載型。Mk IはMk IIまでの繋ぎだったので50台しか生産されませんでした。Mk Iは現存車いないんじゃないかな?
この鋳造車体はM4A1のものに近い形状をしています。が、派生型の常として細かい所が所々異なっています。分かりやすいのは操縦手の覗き窓のある部分の車体が一段低くなっている点ですかね。
実戦にも出て無くて派生型も期待できない戦車なので立体化に恵まれておらず・・・。今後展開されるガルパン最終章にもし出てきてもプラモデルがないという状況です(カナダがモチーフと思しきメイプル高校なる学園艦がいる)。この際だからどっかから立体化されないかな~?



もう1台の保存戦車がこちら、M4A3E8シャーマン・イージーエイト。
ここを拠点にしていた第28カナダ機甲連隊指揮官D.G.ワージントン中佐が第二次世界大戦中に乗車していた「ボス号」の塗装を再現した車両だと思います。解説によればフランス ファレーズ市の140高地での戦闘で損害を受けたとのことなのでその時の乗機ではないでしょう、たぶん。
イージーエイトについてはおなじみなので端折ります(手抜き



後ろ側も。



戦車ではないですが、カナダ海軍が使っていた64ポンド砲もありました。
艦載砲ではなくて、バンクーバー島のエスクイモルト海軍基地を防御するための陸上砲でした。こんな大砲じゃ射程なんてたかが知れてるようなもんですが、大丈夫だったんですかね?
1878年に敵の艦隊がやって来た時に慌てて配備した、と書かれていましたが、これってビクトリア周辺にかつて点在していた砲台陣地のことですか。今も数カ所の跡地が残っているんですが、その時使われていた大砲と確かに似ています。なるほど・・・と一人納得していますが、陣地の跡地に行った時の記事もいずれ書くんで待っていてください。みんなすぐに忘れるだろうけど。
その後大砲はバンクーバー初の民間軍事部隊第5ブリティッシュコロンビア砲兵旅団に渡ったそうな。



思わぬ収穫を得た後は、スタジアム・チャイナタウン駅へ無事に到着。
この駅はただの途中駅ながら3番線があって(スタジアムで試合開催時の多客対応?)、たまたま保線車両が留置されていました。ディーゼルのスイッチャーでした。



スカイトレインに乗ってレンフルー駅へ向かいます。
ここから歩いて鉄道模型屋の「セントラルホビーズ」へ行って物色。飛行機のプラモデルと貨車のNゲージを買いましたとさ。



再びダウンタウンへ。時刻はまだ14時半で、列車の発車まではまだ時間があります。
そこでバンクーバーの観光地のひとつ、グランビルアイランドで時間を潰すことにしました。そこまで走るバスが来るまでバス撮影です。
トランスリンク(コーストマウンテンバス)のNFI E40LFRの14系統。トロリーバスです。架線に対して左側を走っていて、路面電車と比較して多少の障害物なら避けられるのが強みですよね。いやもうだったら普通のバスでいいじゃん・・・とも思いますが。



トランスリンク(ウェストバンクーバー市営交通;通称ブルーバス)のNova LFS 257系統。
前にも説明しましたがトランスリンクのバスはコーストマウンテンとウェストバンクーバーによる共同運営です。
バスの車体にも違いがあり、ウェストバンクーバー交通の方はフロントにブルーバスの文字があり(自転車ラックが邪魔で見えにくいが)、フロントの屋根にはウェストバンクーバー市章が張り出されています。



サードウェーブのIC Bus CE。スクールバスです。



TMC MC-9 Special。キャピラノ吊り橋の無料シャトルに使われていました。あんだけ高い入園料取るんだから無料で妥当だろうと貧乏人丸出しなことを思いました。



ウェストバンクーバー市営交通 NFI D40LFの257系統。
ブルーバスの旧塗装、BCトランジットの旧塗装の色を替えただけとも見えます。

今日はここまで。


その4へ→

第69回清水みなと祭りの展示艦船を見学 後編【2016/08/07】

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望星丸見学を終えたら再度自衛隊の展示を見ます。といっても地上展示ではなく航空自衛隊の飛行展示を見ます。
陸海空と3軍の装備を一度に見られるというのも中々良いものです。



最初に飛来してきたのは静浜基地の富士T-7練習機。プロペラの初等練習機です。
2機で編隊を組んで会場上空をフライパス。



もう一度フライパスするために旋回。
ちっちゃくしか撮れない・・・。カメラの望遠が足りない(210mm*1.5倍)のもありますけど、あんまり低く飛んではくれないんですね。カナダだとそんなに不満にはならなかったんですが。



少し時間を置いてから2回目のフライパス。3回目も同じような飛行をしてそしてそのまま帰投してしまいましたとさ。展示時間は15分取ってあったのに5分ちょっとで終わっちゃったぞ。その5分間だって半分はフライパスするための待ち時間だったし・・・。
うーんまあ、えぇ~、そうねぇ・・・。水平飛行でのフライパス3回だけかぁ・・・。ロールとかしてもよかったんじゃぁ・・・。
ちょっと期待していたものと違いましたが、第2弾があるのでそれに期待しましょう。



来ました。護衛艦も一緒に入れてみたんですがセンスが壊滅的なのでダメっすね。



飛行展示第2弾は浜松基地の川崎T-4練習機。こっちはジェットの中等練習機です。
編隊も4機と倍増。まずはダイヤモンドでフライパス。



旋回して再度フライパスの準備。



2回目もダイヤモンド編隊でフライパス。1回目と異なりおみ足を見せていますが、肉眼でわかるんかこれ?
で、これでおしまい。
おぉ~、そうかそうか。なるほどなぁ。別にブルーインパルスのような展示飛行するためのパイロットでもないですし色々制約とかあったのかもしれないですが、もうちょい動きのある展示が見たかったです。少し芸が無いぞ?
今年はちょっと航空祭に足を運んでみようかなぁと思いました。



最後の航空自衛隊にはガッカリしましたが見たいものは全て見たのでこれで撤退します。
帰りがけに2001テトラ号という名前のセンスが空振りしている起重機船を見かけました。収穫の終えたテトラポッドを海岸へ出荷しに行くところですかね。
かっこいいですね、起重機船。



帆船のオーシャンプリンセス号。エスパルスドリームフェリーが所有している貸切用のクルーズ船です。こんなのも持っていたのか。



テルファークレーン。貨物船から鉄道の貨車へと木材を積み替えるためのクレーンで、従来よりも圧倒的に効率的な積替えが出来るようになりました。
登録有形文化財なんですが、ひと目でどういう建造物なのか把握できないので貨車を置いて積み替えを再現するとか、そういう工夫があってもいいと思うんですけどね。見た目がクレーンっぽくないので鉄骨のオブジェか何かに見えなくもないんです。



昼飯はドリームプラザ内のどんぶり屋で穴子丼。満足。



帰りは電車でなくてバスにしました。途中、北街道を経由するので途中下車して近くの模型屋に久々に寄って買い物してから帰りました。

この日はこんなところです。おしまい。

バンクーバーの近郊列車に乗る その4【2015/08/11】

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グランビルアイランドへ向かうバスが到着したのでバス撮影は終わり。バンクーバーの目抜き通り、グランビル通りから50系統のバスに乗ります。
グランビルアイランドは生鮮食品の市場やレストラン、土産物屋などがある買い物が楽しい観光地ですね。バンクーバーでは超有名な観光地なので観光客だらけです。
元々は造船地区だったんですが、すっかり造船が衰退したのを再開発して観光地化したやつです。ギャスタウンと同じパターンだな。
まあグランビルアイランドに関してはググればいくらでも出てくるんでそっちを調べてみてください(丸投げ


最寄りのバス停から歩いてすぐの所に入り口があります。99号線の橋の下に入口があるので暗ぼったいです。中は全然そんなことないのですが。



昔の漁港みたいにひしめき合うボート。みんな金持ちだなぁ。



地面には線路が敷かれていました。敷地内には市場や工場があるのでかつて貨物を鉄道輸送していてもなんら不思議ではないので、その時の名残なのでしょう。
車は空いている所に駐めていいみたいな感じでしたが(駐禁の場所もあるが)、早めに行かないとあっという間に埋まってしまいますね。



やはり鉄道車両を利用した店がありました。カブースを改装してできたペット用品店ですね。店内に見るべきところはないだろうと外観を見るだけにしました。



建物の中に延びる線路。中を調べても特に何も見つかりませんでした。
線路はこんな感じであまり収穫はなく。



生コン工場っぽい建物。コンクリートタワーがアートになっていました。



グランビルアイランド一番の名所、パブリックマーケットに来ました。



売っている品物も陳列の仕方も値札の書き方も日本とは異なるので見ていて楽しいですね。海外の市場はやはり面白いです。



鮮魚売り場。売り場の半分は鮭でした。さすがですね。でもこんな時期から鮭が揚がるんですね。



さていい感じに列車の次官になってきたし帰りは船で戻ろうと思ったんですが、思ったよりもこれは時間がかかりそうだ・・・。



列に並んでここまで来たんですが、行きたい方向と逆の船だったのと次の船がいつ来るか分からなかったので、踵を返してここへ来る時に使ったバス停へ走って戻る。ところでこの船、どっちかっていうと筏だなぁ。
どうにか乗降中のバスを捕まえることに成功して、時間までにダウンタウンへ戻ることが出来ました。考え無しで動くとたいてい上手く運ばないんですよね、私の場合。



バスを降りたらすぐ乗り換え!
今まで何度もウォーターフロント駅を歩いたことはありますが、運行時間外だったため唯一開かずの扉で入ることのできなかった空間、西海岸急行ことウェストコーストエクスプレス West Coast Express; WCEのホームへと降り立ちます。
ホームは1面2線。長さは十分ありますが、先頭ははみ出ていますのでこの駅で列車の編成を撮影するのは不可能です(ホーム端から入線する列車を撮影することは出来るかもしれないが確証なし)。それ以前に、改札員と自動改札機が入口を固めているので乗客以外がホームに入るのは難しいかと思います。
なお運賃は路線バスやスカイトレインとは別体系で、WCE独自の運賃を支払います。乗り継ぎ運賃制度も確か無かったはずです。WCEの運賃も並行するバスよりも割高です。(おそらくほぼ確実に)着席できて、乗車時間もバスより短いのでその快適料でしょうか。あとはまあ単純に運行経費が高いでしょうしね。



駅名標と客車。客車はボンバルディア製の2階建てバイレベル客車。
WCE客車の塗装は上越新幹線のE4系みたいで親しみが湧きやすいです。



台車は約半分がカバーに覆われています。この客車は横から見ると八角形に見えるので美観の意味でのカバーですかね。
台車は東急のパイオニアIII台車のような即梁の外側に車輪が、車輪の外側にディスクブレーキが付いているタイプ。弱々しく見えて不安ですが、割りと高速走行するんで大丈夫なんでしょうね。



すぐ発車時刻だったのであまり観察できないまま列車に乗車。別に次の便に乗ってもいいんですけど、帰りの時間も考えるとあまり猶予時間もないのです。
まずは1階に陣取りましたがすぐに2階へ移動しました。さすがデカい客車だけあって天井高さがたっぷりありまして、東海道線のグリーン車みたいに頭を下げながら歩くという必要は全くありませんでした。
客室の構造としては、プラットホームと同じ高さにある1階、その上にある2階、1階と2回を結ぶ階段の間にある中2階の3つに分けられます。東海道線のそれのように中2階にも座席があって隣の客車への貫通路もそこにあります。
座席は写真の通り2+2列のボックスシート。215系に近い座席形状・座席配置ですよね、これ。座り心地はまあそれなり。一部の座席には電源プラグもあるのでスマホいじり放題。トイレのある車両もあります。
車掌室はどうやら無いらしく、車掌は編成の真ん中あたりのドア近くに立って各種放送やドア扱いを行います。

列車は15:50にウォーターフロント駅を発車するとあまり速度を出さずに東へと走ります。線路が海沿いなので景色がよく、途中では機関区や工場の専用線の横も通るので車窓は飽きないと思います。
ちなみに車内の写真はこれ1枚だけです。さすがに人のいる車内であまりカメラを向けるのもはばかられたのです。何言われるかわかんないですし・・・。
乗車時間30分ちょっとでポート・コキットラム駅 Port Coquitlam stn.に着くのでそこで下車します。バンクーバーダウンタウンへの帰りのバスを考えた場合ここより先に行くと帰還が困難になる恐れがあったのと、駅の目の前が貨物ヤードなので何か起こるだろうと考えたのが理由ですね。

今日はここまで。


その5へ→

バンクーバーの近郊列車に乗る その5【2015/08/11】

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ウェストコーストエクスプレス(WCE)のウォーターフロント駅を15時50分に出発して、下車駅のポート・コキットラム駅に着いたのは16時24分。
距離は目測でおよそ27kmであり(正確なキロ程は調べても出てこなかった)、東京駅から東海道線に乗ると東神奈川駅か横浜駅くらいの距離です。列車通勤するには十分な距離だと思います。ちなみに終点のミッションシティ駅まで行くと約67kmあり、これは東海道線だと大磯駅まで行きます。こんなに遠いと自動車通勤だときついですかね。
プラットホームは1面だけ。朝夕にそれぞれ片道しか運行しないのでこれで十分間に合うんですね。見た目は綺麗でして、客車の塗装に合わせた街灯がおしゃれです。



乗客の降車が済んだら車掌が扉を締めて発車。次第に速度を上げながら巨大な客車はホームを去っていきました。
列車はミッションシティ側(郊外側)にディーゼル機関車、ウォーターフロント側(都心側)に制御客車を連結しています。
このバイレベルコーチの制御客車の顔は始めて見た時はずいぶんとお粗末なデザインだなと思ったのですが、他の制御客車を知るに連れてこれはこれで頑張ったほうなんだなと思うようになりました。今でもひどいと思うのはアムトラックやメトラの制御客車ですね。
WCEの制御客車の塗装は、前照灯やナンバープレートがある部分の黒い塗り分けが京王6000系のおでこに似ていて、窓や貫通扉の配置も相まって6000系に見えるような気がします。



列車の編成は機関車+客車9両の堂々とした長編成。八角形の車体がこれだけ連なっていると楽しいですね。
こんなに長いとビシっと写真を決めたいところなんですが、この駅からだと後追いしか出来ませんでした。まあ、バンクーバーの近場だとろくな撮影地が無いらしくネットにもそのような写真は見当たりませんでしたので、全体が収まっただけでも上々です。



直線でも撮影します。立地上側面逆光になるのも仕方なし・・・。



前回も書いたとおり、この駅の目の前はカナディアンパシフィック鉄道(CP)の広大な貨物ヤードが広がっています。
地上の目線から見ても全体が把握できないのですが、ヤード線は30線以上(幅350m以上)、長さは線路によって2~3kmまであるのでその広さは凄まじいものがあります。
たぶんこれだけで日本最大の操車場だった武蔵野操車場に匹敵するのではないかなと。これと同等かそれ以上のものがカナダには無数にあるんでしょうねぇ。



スー・ライン鉄道(SOO)の3ベイ・ホッパー車SOO75432。積み荷は穀物と思われ。
SOOはアメリカの五大湖西側あたりにある鉄道ですが、CPの子会社になっていて実質的にはCPのアメリカ内での路線です。CPは他にも何社かのアメリカの鉄道会社を買収しています。CNもそうですがアメリカ進出に積極的なんですよね。アメリカとしてはカナダ資本の鉄道に路線網を奪われて大丈夫なのかしらとも思いますが。


動きのない写真なんでアレですが、ホッパー車の貨物列車は入換をしているのかジリジリと右から左へ向けて動いていました。



こっちの貨物列車特有の組成が編成の中間に機関車を挟み込む中間補機です。あんまり長いと前と後ろだけでは足りないんでしょうかね。ちなみに機関車は遠隔操作されているので中に誰もいませんよ、とのこと。



4ベイ・グレインホッパー車CP603297。
麦の穂とカナダ政府の文字が特徴の穀物用ホッパー車です。種類が幾つかあって、特にCanadaの文字が大きく書かれた種類は好きでして、模型でも持っているほどです。
このグレインホッパーは、1970年代にカナダ政府が鉄道による穀物輸送のために20年に渡り13,500両を製造しました。所有権は政府にあるようですが、車番からして車籍はCNとCPの両者になっているようです(政府の私有貨車という体にも出来そうなものだが)。
古いものは車齢40年以上なので2007年以降廃車が進んでいるようで、まともに運用できるのは2027年まで、完全に廃車されるのは2036年までという試算だそうな。ちなみに2017年時点で約8400両が現役です。



SOO124097。比較的おとなしめの落書きですね。なんか書いてありますが弊ブログでは取り上げないでおきます。



ホッパー車の列車が抜けていきました。まあその後すぐに戻ってくるんですが。



暴力的な輸送力を提供するダブルスタックカー。基本的に40ft海上コンテナを運びますが、それより短かったり長かったりするコンテナも運びます。
写真のコンテナはヒュンダイのものですね。結構見かけます。トヨタのコンテナとかは見ないですかね。



駅を探検します。
駅の外に出て駅舎を見てみます。無人駅でして、改札口はありません。まあ簡単な構造ですかね。



駅舎の中には券売機があります。これで切符を買って乗ります。普通の使い切り切符の他に定期券もあったはず。この時は準備工事だけでしたが、執筆時時点ではICEBERGカード「コンパス」も供用されていて、タッチするだけで列車に乗れるはずです。



改めてホームを見ます。ヤードの途中に建ててあるので曲がりくねっています。



駅にはバスターミナルとパークアンドライド駐車場があります。列車からバスに乗り換えるという人もそこそこいるので、ちゃんと機能している模様。列車とバスでうまく乗り継ぎできる時刻表というのもポイントですね。
日本と比べて発達が後発になった交通機関ゆえに各交通機関との連携は考えられたものになっていると思います。
バスはコミュニティバス系統に就くIC Bus AC Series (S460)。日本だと日野ポンチョくらいの大きさ。



NFI D60LF (P8101)。青塗装の面積が多いB-Line塗装です。B-Lineは急行バス系統に付けられる名前で、主にそれに使われるためのバスですな。
これは確か#160系統だったはず。
WCEの列車は郊外行きの列車しか走りませんから(千と千尋に出てくる列車みたいだ)、翌朝にならないと列車でバンクーバーに戻ることは出来ません。なので帰りはバスに乗ります。
私が乗ったのが#160系統で、バンクーバーのダウンタウンまで直通するバスです。バンクーバーまで1本のバスで帰れるのはポート・コキットラム駅が最遠だったはず。
ただし執筆時現在は途中のコートニー・ループで終点となってしまい、バンクーバーへ直通しなくなっています。バンクーバーへ向かうにはそこから別の系統に乗り換える必要があります。また現在はポート・コキットラム駅からほど近くにあるコキットラム・セントラル駅からスカイトレイン・エバーグリーン線が乗り入れているので、それに乗り換えてダウンタウンへ向かったほうが確実のはずです(訪問時はエバーグリーン線はまだ未開業だった)。



ひと通り駅を見たのでホームに戻ると・・・あ、なんか来た!
というところで今日はここまで。


最終回へ→

夏を満喫、うどんといで湯 ぶらり四国の旅 その1【2016/08/10~12】

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カナダから国外追放されてはや2ヶ月(当時)、8月に国内遠征をしてきました。
お盆あたりにどこか旅行行きたいよねというのは前々から考えていて、それをいぶきクンに相談したところ、2人で一緒に行こうという話になりました。
行き先はズバリ四国!
なんでも四国初心者といういぶき君、本場のうどんを一度食べてみたかったとのこと。そこで四国の達人(自称)である私があれこれ案内するという旅行になるのでした。私としても3年ぶり(一瞬だけ2年前に行ったけど)の四国ですので楽しみでありました。



2016年8月10日 1時35分
静岡県静岡市 JR静岡駅
夏の日の深夜、我々はJR静岡駅の東海道線ホームにいた。「ムーンライトながら」に乗るためなのだ。
今時「ながら」かよと思いましたが、曰く本命の寝台特急「サンライズ瀬戸」の切符が取れなかったので仕方ないのだとか。お盆だからね、仕方ないね。



第1走者:JR東海道本線 快速「ムーンライトながら」大垣行き(185系) 静岡1:50→名古屋5:19
定刻通りに列車が到着。「ながら」の現在の車両は185系。車両がこれになってから乗るのは実は初めてです。最後に乗った時はまだ183系でしたから、もうずいぶんと乗っていなかったんですね。
停車時間は短いので手早く撮影したらササッと乗車して席に着きます。






こうして四国への旅が始まったのだが、実は今回の旅・・・真っ赤なウソである。
今回いぶき君は騙されています。



2016年8月10日 2時57分
静岡県浜松市 JR浜松駅
次の停車駅、浜松。ここでは30分間ほどの長停車をします。静岡駅では列車が停車するのとは反対のホームには立ち入れませんが、浜松駅ではそれが出来るので列車の全体を撮影。これで185系の「ながら」に関してはもう心残りはないです。

そして撮影して元のホームに戻った後、同じ列車に乗っていたZBSのZeBonクンと合流して会談。たまたま居合わせたのではなく、事前の打ち合わせで既に決まっていたこと。そうです、私達いぶき君を騙すためのグルなのです。

そもそも今回のいぶき君拉致計画は8ヶ月前の2015年12月まで遡り、そこで既にZBSと「帰国したらいぶき君拉致したいよね」という話が始まっています。その時は単なる井戸端会議程度だったのですが、そこに2016年3月にいぶきくんも「帰国したら黒鉄くん拉致りたいよね」とZBSに提案してきます。
ダブルブッキングとなったZBSですが、今回は私の側に付くことで決着。以降、私とZBSでいぶき君拉致計画(本命)を、ZBSといぶき君で私を拉致するための山陰旅行(大ウソ)、私といぶきくんで互いの拉致計画を隠匿するための四国旅行(大ウソ)をそれぞれ構築していきます。この時わたしとZBSは全ての動きを把握していましたが、いぶきくんだけ騙されていたので私とZBSのやりとりを知りませんでした。
そして計画は着実に進行し、ついに今日という当日を迎えたのです。



窓の外で我々が話しているとはつゆ知らず、騙されているとも知らずに爆睡するいぶきくんの図。

ちなみに山陰拉致計画(大ウソ)は、四国でいるはずのないZBS(この日彼は仕事という設定)と鉢合わせして私をハイエースし、山陰へ拉致するというものでした。なので3人は同じ列車に乗っていたのです。ただしZBSだけは別の号車に乗っていました。2人は名古屋で降りますがZBSは終点大垣まで乗って時間差を作るという算段です。



2016年8月10日 5時24分
愛知県名古屋市 JR名古屋駅
早朝の名古屋駅へと着きました。ここでZBSとは一旦別れます。



名古屋駅からは新幹線に乗り換えるのですが、1時間近く待つので駅の外に出てバスでも撮ってました。写真はJR東海バスのエアロキング。



第2走者:JR東海道新幹線 「のぞみ」95号博多行き(N700系) 名古屋6:20→岡山7:56
「のぞみ」でワープして一気に岡山へ。一方ZBSは米原から「ひかり」で追いかけます。



2016年8月10日 8時04分
岡山県岡山市 JR岡山駅
岡山駅で在来線に乗り換え。初めて見る岡山駅の列車にいぶきくん興奮。演技なのかはたまた本心なのか。
381系もあとどのくらい走るんでしょうかね。



第3走者:JR瀬戸大橋線 快速「マリンライナー」11号高松行(223/5000系) 岡山8:24→高松9:18
四国へはおなじみ「マリンライナー」でまずは高松へ。



初めて渡る瀬戸大橋にいぶきくん大興奮。
一方何度渡ってみてもものすごい橋を架けたなぁと小学生並みの感想しか出ない小生。



うどん駅に着きました。



高松駅では新鋭の8600系を見ることが出来ました。蒸気機関車をイメージしたそうですが個人的にはヨーロッパを走っていそうな電車です。具体的にはロンドン地下鉄。



第4走者:高松琴平電鉄長尾線(1000形) 高松築港9:48→瓦町9:53
四国に来て最初にすることはうどん本陣山田家のざるぶっかけうどんを食べに行くこと。いぶきくんがどうしても食べたいと言うので。
そこでZBSといぶき君が私を拉致して私は見事騙されていた!という算段です。騙されているのはいぶき君ですが。
というわけなのでことでんに乗り換えます。



第5走者:高松琴平電鉄志度線(600形) 瓦町10:06→八栗10:25
瓦町駅で志度線に乗り換え。なんでこれだけ他の路線から離れてるんや。
刻々とその瞬間は迫っています。



八栗駅につきました。
ここから山田家まで延々と坂道を歩いていきます。天気は見事に晴れているので辺りは炎天下。とてもつらい。ここまでしてうどん食わなくてもいいだろとか思います。



そして山田家に到着!
ここでついに舞台は動き出す!!


その2へ→

北米project 4 ~Is the order a warbird? その7【2016/03/04~10】

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2016年3月4日(土)15時32分
カリフォルニア州ロサンゼルス 戦艦USSアイオワ博物館

はいいきなりドーン!!
西部航空博物館を見た次は、そこから近いところにあるアメリカ海軍の戦艦「USSアイオワ」を見ていきます!
車だと20分かからず移動できる感じでした。バスだとどうなるか知りませんが、一応博物館の目の前にバス停があるので(本数もそこそこある)行けないこともないです。アメリカのバスに自信ニキはチャレンジしてみよう!

何?写真が細長いだって?そりゃ普通の広角だと船体が収まりきらなかったからパノラマモードで撮影したからなんだぜ・・・。
そんな真横から撮るからそうなるんだろマヌケ?そりゃこっちだって斜め前からバシィッ!とアイオワのスマートで美しい姿を決めたいのだぜ。でもさぁ・・・。



意外!それはフェンス!
艦首よりも前に回り込めないのだ。回り込めないのだ・・・(大な事二言



ほら、これだもの。何か建設工事をしているようだったので一時的なものなのかもしれません。
とはいえこれにはガッカリ・・・。再履修です。



これが精一杯ですよ。



気を取り直して入館料を払って艦内に入ります。閉館時刻は17時なので見学時間はすでに90分もありません。忙しいですね全く。
入館料はほぼ$20といい値段をします。ただし予めインターネットで券を購入すると$2引きされますのでうだうだ言わずにネットで買っておこう。
まあ維持費がすごそうだし妥当な値段設定だと思います。言うなれば城をひとつ維持管理するようなもんです。その代わり財布の紐がキツくなったのでさっきの博物館のように寄付の類はしませんでした・・・。

で、ざっと遠目から艦を観察してみたのですが、「デカいな!!」とはあまり思いませんでした。いや、大きいと言えば大きいのですが、空母やコンテナ船のようなデカい鉄の塊がドン!ではないのです。
特に背が低いです。艦橋なんてあんなに低いです。これは艦橋とレーダー塔を分けて配置していたからですね。両者を1つにまとめて天守閣のようになっている「大和」とは対称的なのです。
戦後の改修でレーダー塔は高さが少し抑えられて、第1煙突の上に新しくレーダーマストが建てられているんで形はだいぶ違っていますが。
長くなりそうなので一旦この話題は切り上げることにします。



Mk.12 30口径5inch連装砲。こういうのを見ると条件反射的に艦これの連装砲ちゃんが浮かんでくるので、本当にアレはすごい刷り込みをしていきましたよね。
駆逐艦だと主砲ですが、戦艦にもなると副砲扱いになります。USSアイオワには片舷3基、計6基12門装備しています。アイオワ級に装備されていたMk.12はその中でもMk.28 mod.2という型式。まあよくは知らん。
対空砲だとか10km圏内に接近してきた小型艦などを撃ち落とすために使われていました。遮蔽物のない海上では10kmなんて接近戦もいいところです。



乗船後はまず前部甲板に誘導されます。するとどうですか、堂々とした主砲がお出迎え。わかりやすい暴力的な兵器です。この主砲こそが戦艦の存在意義なのです。
アイオワ級の主砲は50口径16inch(40.6cm)砲(Mk.7)で、アイオワ級のひとつ前のノースカロライナ級のMk.6砲の改良型。これを1基3連装として3基計9門搭載しています。写真は第2砲塔ですね。



それの前方にある第1砲塔の脇には3種類の弾が置かれていました。
これは副砲の5inch連装砲とその薬莢ですかね。



中小2種の弾体と薬莢。小さい方は70口径20mm対空砲、大きい方は56口径40mm対空砲の弾でしょう。
両対空砲は1983年の近代化改修時に撤去されてしまったので、現在はありません。搭載時は20mmが49門、40mmが80門(連装40基)というこれまた暴力的な数がありました。



主砲についている測距儀?
測距儀にしてはちっちゃいような。


主砲の装甲。
正面と側面の装甲との間に繋ぎ目があるのが分かると思います。装甲板がとんでもなく分厚いのが分かるかと。432mmあるんですって。この砲塔1つ(弾薬込み)で同時期の駆逐艦1隻と同じ重さ(約2000t)があるというんですから、そりゃ戦艦は重いわ。
でも上面装甲は184mmしかないようで。砲弾や爆弾は上から降ってくるんだから水平防御を厚くしたほうがいいような気がしますがそこら辺はよく知りませぬ。
砲身の付け根にあるのは防水カバーです。色が茶色っぽいですが元からこうなのか経年で汚れてしまったのかはよく分からず。
ついでに、いま見た砲弾の大きさも砲塔と比較して感じてみてください。



艦首方向を見る。
甲板は艦首へ向けて結構きつい傾斜角がついています。



艦首を見る。
博物館船ではよくあることなんですが、艦首の先っちょまでは入れてくれないです。なので主砲2基と艦橋を真正面からドンと入れるには近すぎてダメでした。せめて錨の鎖の手前まで入れてくれるとだいぶ撮りやすくなると思うんですが。
真正面からの画は宇宙戦艦ヤマトなんかで何度も観たこともあってやっぱりかっこいいんですけどね。



USSアイオワの対岸を見る。
係留されている桟橋側からは艦の全体像が撮れなかったのでじゃあ対岸からならと思って見てみたのですが、見事なガントリークレーンのコンテナ積み下ろし施設でした・・・。こりゃだめだ。



タグボートみたいな格好をしていますがこれは消防船ですね。ワーナー・L・ローレンス丸 Warner L. Lawrence です。背中を前にして巡回していました。

今回はここまで。


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