カナダ軍用機歴史博物館の続きです。今回で最後です。屋外展示を一通りみたところで格納庫内に戻りますが、その時目に入るのはアブロ・ランカスターです。うう、大きい・・・。しかしあれだ、機体下面が黒いおかげで写真で撮ると黒で潰れてしまうがな。
この角度から撮るといい感じ。なにより機体からかっこよさがにじみ出てきているぞ。四角い断面の胴体はランカスター特有のかっこよさですなあ。
爆弾倉とエンジンハッチが開いています。エンジンの方は、さっきぶん回していたのでそれを終えた後の確認をしているものだと思っていましたが、後で飛行前点検だったんじゃないかと気づきました。
ノーズアートも華やかに。爆弾の数は任務の回数を示していると思われ。大戦を生き延びただけあって任務をこなした数は多そうです。それか、機体の由来と全く関係ないマーキングかも。
イギリスの至宝、マーリンエンジンです。前も書きましたが、ランカスターはマーリンを4発使うわけで、このランカスターのマーリン4発を使えばスピットファイアが4機も動態復活できるのです。厳密なこと言うと、同じマーリンでも爆撃機用と戦闘機用だとチューンの仕方が違っているそうなので、そう簡単な話でもないみたいですが。とにかく、エンジンを4発も必要とする大型爆撃機はひどく贅沢な飛行機だということです。
あちこち点検している博物館のボランティアたち。人間がいると爆撃機の大きさも際立つものです。車輪は子供の背丈よりも高そうです。
館内に戻りました。ここまで見物ばかりしていたので、休憩しながらお昼ごはんを食べます。なんと館内に食堂があるので、そこでお昼を食べられました。博物館の周りには何も無いところなので、これはありがたいです。食料的にもここは1日中楽しめる博物館です。食べたのはフレンチフライとサンドイッチとジンジャエールという栄養が偏りそうなコンボ。美味しかったけど安い食事を頼むとこうなりがち。
博物館の2階に上がって、上から収蔵機体を見てみようというものです。こうやって見るとプラモデルのジオラマみたいで楽しいです。CF-104の前には遠足できた子どもがボランティアの説明を受けているんだと思います。ここに遠足に来たら楽しいだろうなあ、いいなあ。
で、そういえばランカスターがいないなとおもったら倉庫の奥へ移動していました。いつのまに?どうやって?どうして?答えはエンジンを回して自力で空港の誘導路まで移動したでした。ランカスターはこの後誘導路をさらに進んで左側の方へ見えなくなって消えていきました。じゃあその後にすることといえば、滑走路から離陸する以外にないんじゃ・・・。ん、まじすか?あのランカスター飛ぶ気ですか?
見えなくなって少し経った後、急に左側から右奥へ進むランカスターが出てきました。エンジン音は聞こえてきませんでしたね。で、浮いてます、あいつ。
うわぁー、本当に飛んでいる...。す、すごい。第二次世界大戦の4発爆撃機が飛んでいるところを初めて目撃した。あんな遠くからでも迫力が伝わってきます。
離陸した後、旋回して博物館の真上を通過していきました。すごい!これには思わずランカスターへ手を振りました。遠足の子どもたちも喜んでいます。まさか彼らのために飛ばしたわけじゃないでしょうが。
まさかこんな日にこの博物館を尋ねることができるとは思いも寄りませんでした。最高じゃないですか!ランカスターはそのまま行ってしまいました。どこへ向かったんだろう・・・。
ランカスターの感動の余韻がまだビンビンに残っていますが、行ってしまったので地上に目を向けて収蔵機を見てみましょう。これはCF-5Aフリーダムファイター。
CF-104スターファイター。
ハーバードMk.IV。よく見たらこれはまだ見たこと無い個体でした。ハーバードの説明は省くとして、この個体は1952年にカナディアン・カー&ファウンドリーで製造された機体です。T-6テキサン(ハーバード)は第二次世界大戦期に製造されたものがほとんどですが、カナダでは戦後も生産された時期がありました。1950年代にソ連の台頭で冷戦が始まると、カナダ空軍はソ連の爆撃機の来襲を迎え撃つためのパイロットを育てる練習機を必要としたのです。そのためアメリカから中古のT-6Jを100機買ってきた他にカナディアン・カー&ファウンドリーに270機のハーバードMk.IVを発注したのです。この大量のハーバードが完全に引退したのは、1966年のことでした。
コーネルMk.IIです。これもさっき見たのとは別の個体ですな。この個体はフリート社がライセンス生産した機体で、ちょうどフリート製コーネルの1,000機目にあたる個体です。
DC-3です。またなんか動かしていました。
ミッチェルMk.IIIです。
C-47。
といったところで、カナダ軍用機歴史博物館からは撤収します。長い歴史と高い経験に裏付けされた密度の高い実機展示が魅力的な博物館でした。多くの機体が飛行可能な動態保存状態であるのも特筆すべき点です。動態保存が静態保存よりも格上であるわけではないですけど、動く機械として維持されているのを見るとやはりわくわくするものなのです。このように大規模だと定期的なエアショーをやっているはずで、またその機会を見つけて行ってみたいと思う博物館でした。また来ます。
博物館を後にしてバス停へ歩いていると、ランカスターが着陸していくところを目にしました。割りと短時間の飛行だったようです。試運転だったのかな?
というところで今日はここまで。
その17へ→
この角度から撮るといい感じ。なにより機体からかっこよさがにじみ出てきているぞ。四角い断面の胴体はランカスター特有のかっこよさですなあ。
爆弾倉とエンジンハッチが開いています。エンジンの方は、さっきぶん回していたのでそれを終えた後の確認をしているものだと思っていましたが、後で飛行前点検だったんじゃないかと気づきました。
ノーズアートも華やかに。爆弾の数は任務の回数を示していると思われ。大戦を生き延びただけあって任務をこなした数は多そうです。それか、機体の由来と全く関係ないマーキングかも。
イギリスの至宝、マーリンエンジンです。前も書きましたが、ランカスターはマーリンを4発使うわけで、このランカスターのマーリン4発を使えばスピットファイアが4機も動態復活できるのです。厳密なこと言うと、同じマーリンでも爆撃機用と戦闘機用だとチューンの仕方が違っているそうなので、そう簡単な話でもないみたいですが。とにかく、エンジンを4発も必要とする大型爆撃機はひどく贅沢な飛行機だということです。
あちこち点検している博物館のボランティアたち。人間がいると爆撃機の大きさも際立つものです。車輪は子供の背丈よりも高そうです。
館内に戻りました。ここまで見物ばかりしていたので、休憩しながらお昼ごはんを食べます。なんと館内に食堂があるので、そこでお昼を食べられました。博物館の周りには何も無いところなので、これはありがたいです。食料的にもここは1日中楽しめる博物館です。食べたのはフレンチフライとサンドイッチとジンジャエールという栄養が偏りそうなコンボ。美味しかったけど安い食事を頼むとこうなりがち。
博物館の2階に上がって、上から収蔵機体を見てみようというものです。こうやって見るとプラモデルのジオラマみたいで楽しいです。CF-104の前には遠足できた子どもがボランティアの説明を受けているんだと思います。ここに遠足に来たら楽しいだろうなあ、いいなあ。
で、そういえばランカスターがいないなとおもったら倉庫の奥へ移動していました。いつのまに?どうやって?どうして?答えはエンジンを回して自力で空港の誘導路まで移動したでした。ランカスターはこの後誘導路をさらに進んで左側の方へ見えなくなって消えていきました。じゃあその後にすることといえば、滑走路から離陸する以外にないんじゃ・・・。ん、まじすか?あのランカスター飛ぶ気ですか?
見えなくなって少し経った後、急に左側から右奥へ進むランカスターが出てきました。エンジン音は聞こえてきませんでしたね。で、浮いてます、あいつ。
うわぁー、本当に飛んでいる...。す、すごい。第二次世界大戦の4発爆撃機が飛んでいるところを初めて目撃した。あんな遠くからでも迫力が伝わってきます。
離陸した後、旋回して博物館の真上を通過していきました。すごい!これには思わずランカスターへ手を振りました。遠足の子どもたちも喜んでいます。まさか彼らのために飛ばしたわけじゃないでしょうが。
まさかこんな日にこの博物館を尋ねることができるとは思いも寄りませんでした。最高じゃないですか!ランカスターはそのまま行ってしまいました。どこへ向かったんだろう・・・。
ランカスターの感動の余韻がまだビンビンに残っていますが、行ってしまったので地上に目を向けて収蔵機を見てみましょう。これはCF-5Aフリーダムファイター。
CF-104スターファイター。
ハーバードMk.IV。よく見たらこれはまだ見たこと無い個体でした。ハーバードの説明は省くとして、この個体は1952年にカナディアン・カー&ファウンドリーで製造された機体です。T-6テキサン(ハーバード)は第二次世界大戦期に製造されたものがほとんどですが、カナダでは戦後も生産された時期がありました。1950年代にソ連の台頭で冷戦が始まると、カナダ空軍はソ連の爆撃機の来襲を迎え撃つためのパイロットを育てる練習機を必要としたのです。そのためアメリカから中古のT-6Jを100機買ってきた他にカナディアン・カー&ファウンドリーに270機のハーバードMk.IVを発注したのです。この大量のハーバードが完全に引退したのは、1966年のことでした。
コーネルMk.IIです。これもさっき見たのとは別の個体ですな。この個体はフリート社がライセンス生産した機体で、ちょうどフリート製コーネルの1,000機目にあたる個体です。
DC-3です。またなんか動かしていました。
ミッチェルMk.IIIです。
C-47。
といったところで、カナダ軍用機歴史博物館からは撤収します。長い歴史と高い経験に裏付けされた密度の高い実機展示が魅力的な博物館でした。多くの機体が飛行可能な動態保存状態であるのも特筆すべき点です。動態保存が静態保存よりも格上であるわけではないですけど、動く機械として維持されているのを見るとやはりわくわくするものなのです。このように大規模だと定期的なエアショーをやっているはずで、またその機会を見つけて行ってみたいと思う博物館でした。また来ます。
博物館を後にしてバス停へ歩いていると、ランカスターが着陸していくところを目にしました。割りと短時間の飛行だったようです。試運転だったのかな?
というところで今日はここまで。
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