自分でもびっくりするくらい進行が遅いですが、今回から少しは早くなるはず。
車掌車 Caboose
謎の車掌車。車番は不明で、資料には書かれていないしネット検索でもこれといったものはなし。完全に謎。
塗装からしてカナダ国鉄CNR所属の車掌車だったのではないかと見ています。
ただまあ・・・これは本当に車掌車だったのか?と疑うに足る装備が幾つか・・・。
>パンタグラフ!!<
なんでこんなものをつけてるん。
カナダの鉄道はほぼ全て非電化です。ウィキペさんによれば総延長50,000km弱の内電化路線は130kmほど。ただし、たぶんこの電化区間は地下鉄かライトレールなどの特殊な鉄道がほとんどを占めていると思います。貨物列車が往来するような一般的な鉄道は全て非電化・・・のはずです。
なのにどうして?
さらにこれ。謎の窓。北米の車掌車はもともと屋根の一部が一段高くなっているのですが、そこにさらに増築して窓を設けています。
謎の窓と言ったって、見て一発で架線検測用の窓だって分かったわけですが。
つまりあれだ、車掌車から改造された架線検測車だったのかなこれは。たぶんですが。
ただまあ、どこで使われていたのかは本当に謎。案外、カナダ国鉄から払い下げられたものが地下鉄やライトレールで使われていたのかもしれませんね。
貨車コーナー。有蓋車Box carですね。これはBCOL933016。
BCOLはBritish Columbia On Lineの略で、BC Railを表します。BC Railは2004年に廃止になっています。
さすがにすべての車両の手入れには手を回せないのか、荒廃が進んでいます。
有蓋車CN484692
1944年製。1999年のテレビ映画"The AtmicTrain"に出演した貨車。
車番不明。
倉庫として使われていました。
BCOL993039
これも倉庫になっていました。
CN406346
1914年製の小麦粉輸送車。これだけ木造の有蓋車ですね。
PGE4182
上記のような木造小麦粉輸送車の置換え用に1958年に製造。木造貨車よりも容量が大きく耐久力が高くメンテナンスが少なく済んだ。
保存食品の他にもLCL貨物用の貨車としても用いられ、漁船から新品のソファまで運んだという。
BCOL993043
有蓋車はこんなかんじにずらっと置かれていました。
道の反対側には元が何だったのかわからないような資材がそこら中に捨てられて置られていました。
パシフィックグレートイースタン鉄道 623号客車(研修車)
Pacific Great Eastern Railway No.623 Coach (Rules instruction car)
1950年代に導入された座席車。車体側面にビード処理が施されているのが特徴である。1960年代にバッド社のステンレス客車が導入されると研修車に改造された。
改造に際し、車内には研修用のコンパートメントとギャレー、研修室が用意された。
車内は入らずに素通りしたんでなしです。
BC鉄道 BC-21号気動車
BC Rail BC-21 Rail Diesel Car(RDC)
経歴等は不明。
個人的にこの博物館で一番見てみたかった車両です。これを見つけた時は思わず嬉しくなりましたね。
RDCとは、要は日本でいうところの気動車(ディーゼルカー)そのものといってよい車両です。
モータリゼーションの普及で旅客輸送量が減少していたアメリカ・カナダの鉄道各社の輸送効率向上のためにステンレスカーでお馴染みの米・バッド社が1949年に開発しました。
両運転台を備え1両から運転でき、総括制御もできるので多客時には適宜増結も可能、ステンレスカーなので塗装や補修の費用を浮かせられるなどの利点があります。
その利点が買われ、北米各地で運用されましたが現在はほとんどが引退しています。
台車。この形状はイコライザー式って言うんでしたっけ?
北米の鉄道の線路は旅客が乗るにはあまり良くない状態のようなので、今でも現役のイコライザー式台車を履いた客車が割りとごろごろしているそうです。
車内はリクライニングシートで快適な旅行を提供。
運転台は乗降デッキと同じスペースに設置。つまり独立した運転台はないです。
乗降扉のところにちょうど運転席が来るんですね。乗り降りの時どうするんだろう・・・。後ろからしか無いよね。
エンジンとか。同時期に製造されていた通常のステンレス客車にエンジンと運転台を載っけたかのようなスタイルが良いですね。ちなみに屋根に乗っているのは冷房装置ではなくてラジエーターです。
なおRDCはいくつか形式があって、このBC-21はRDC-1という客室だけで構成されたタイプ。日本でいうところの「キハ」。
連結部。幌はなし。そもそも乗客が通り抜けできていたのかが怪しいです。
BC鉄道 BC-33号気動車
BC Rail BC-33 RDC
やはり経歴は不明。
BC-21と連結しているRDC-3。これは客室と荷物室と郵便室を備えた車両。いわゆる「キハユニ」。
BC鉄道の車番ですが、塗装はPGEのものになっています。
荷物室と郵便室の扉。どっちがどっちかは知りませんが、たぶん扉の幅の広い左側が荷物室。
RDCの形式は他にも「キハニ」に相当する客室+荷物室のRDC-2、「キユニ」に相当する荷物室+郵便室のRDC-4、運転台のない中間車RDC-9があります。
正面から。
RDCは日本のキハ10系気動車に影響を与えたと言われています。単行運転が可能な点、総括制御、そして何よりこの前面デザインです。
貫通路構造に貫通扉左右の小さな窓と上のヘッドライト。パーツの配置がとてもそっくりです。明言はされていませんが、キハ10系が設計思想はもちろんデザインを含めてRDCに影響を受けたのは本当なんじゃないかなと思っています。
北米ではRDCで気動車の系譜は途切れてしまいましたが、日本ではRDCの思想を反映させたキハ10系から続く気動車の系譜が脈々と続いているのを見ると、RDCを一度見ておきたくなったわけです。
今回ここでRDCを見ることが出来たのは本当に良かったですねぇ。
つづきます。
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車掌車 Caboose
謎の車掌車。車番は不明で、資料には書かれていないしネット検索でもこれといったものはなし。完全に謎。
塗装からしてカナダ国鉄CNR所属の車掌車だったのではないかと見ています。
ただまあ・・・これは本当に車掌車だったのか?と疑うに足る装備が幾つか・・・。
>パンタグラフ!!<
なんでこんなものをつけてるん。
カナダの鉄道はほぼ全て非電化です。ウィキペさんによれば総延長50,000km弱の内電化路線は130kmほど。ただし、たぶんこの電化区間は地下鉄かライトレールなどの特殊な鉄道がほとんどを占めていると思います。貨物列車が往来するような一般的な鉄道は全て非電化・・・のはずです。
なのにどうして?
さらにこれ。謎の窓。北米の車掌車はもともと屋根の一部が一段高くなっているのですが、そこにさらに増築して窓を設けています。
謎の窓と言ったって、見て一発で架線検測用の窓だって分かったわけですが。
つまりあれだ、車掌車から改造された架線検測車だったのかなこれは。たぶんですが。
ただまあ、どこで使われていたのかは本当に謎。案外、カナダ国鉄から払い下げられたものが地下鉄やライトレールで使われていたのかもしれませんね。
貨車コーナー。有蓋車Box carですね。これはBCOL933016。
BCOLはBritish Columbia On Lineの略で、BC Railを表します。BC Railは2004年に廃止になっています。
さすがにすべての車両の手入れには手を回せないのか、荒廃が進んでいます。
有蓋車CN484692
1944年製。1999年のテレビ映画"The AtmicTrain"に出演した貨車。
車番不明。
倉庫として使われていました。
BCOL993039
これも倉庫になっていました。
CN406346
1914年製の小麦粉輸送車。これだけ木造の有蓋車ですね。
PGE4182
上記のような木造小麦粉輸送車の置換え用に1958年に製造。木造貨車よりも容量が大きく耐久力が高くメンテナンスが少なく済んだ。
保存食品の他にもLCL貨物用の貨車としても用いられ、漁船から新品のソファまで運んだという。
BCOL993043
有蓋車はこんなかんじにずらっと置かれていました。
道の反対側には元が何だったのかわからないような資材がそこら中に捨てられて置られていました。
パシフィックグレートイースタン鉄道 623号客車(研修車)
Pacific Great Eastern Railway No.623 Coach (Rules instruction car)
1950年代に導入された座席車。車体側面にビード処理が施されているのが特徴である。1960年代にバッド社のステンレス客車が導入されると研修車に改造された。
改造に際し、車内には研修用のコンパートメントとギャレー、研修室が用意された。
車内は入らずに素通りしたんでなしです。
BC鉄道 BC-21号気動車
BC Rail BC-21 Rail Diesel Car(RDC)
経歴等は不明。
個人的にこの博物館で一番見てみたかった車両です。これを見つけた時は思わず嬉しくなりましたね。
RDCとは、要は日本でいうところの気動車(ディーゼルカー)そのものといってよい車両です。
モータリゼーションの普及で旅客輸送量が減少していたアメリカ・カナダの鉄道各社の輸送効率向上のためにステンレスカーでお馴染みの米・バッド社が1949年に開発しました。
両運転台を備え1両から運転でき、総括制御もできるので多客時には適宜増結も可能、ステンレスカーなので塗装や補修の費用を浮かせられるなどの利点があります。
その利点が買われ、北米各地で運用されましたが現在はほとんどが引退しています。
台車。この形状はイコライザー式って言うんでしたっけ?
北米の鉄道の線路は旅客が乗るにはあまり良くない状態のようなので、今でも現役のイコライザー式台車を履いた客車が割りとごろごろしているそうです。
車内はリクライニングシートで快適な旅行を提供。
運転台は乗降デッキと同じスペースに設置。つまり独立した運転台はないです。
乗降扉のところにちょうど運転席が来るんですね。乗り降りの時どうするんだろう・・・。後ろからしか無いよね。
エンジンとか。同時期に製造されていた通常のステンレス客車にエンジンと運転台を載っけたかのようなスタイルが良いですね。ちなみに屋根に乗っているのは冷房装置ではなくてラジエーターです。
なおRDCはいくつか形式があって、このBC-21はRDC-1という客室だけで構成されたタイプ。日本でいうところの「キハ」。
連結部。幌はなし。そもそも乗客が通り抜けできていたのかが怪しいです。
BC鉄道 BC-33号気動車
BC Rail BC-33 RDC
やはり経歴は不明。
BC-21と連結しているRDC-3。これは客室と荷物室と郵便室を備えた車両。いわゆる「キハユニ」。
BC鉄道の車番ですが、塗装はPGEのものになっています。
荷物室と郵便室の扉。どっちがどっちかは知りませんが、たぶん扉の幅の広い左側が荷物室。
RDCの形式は他にも「キハニ」に相当する客室+荷物室のRDC-2、「キユニ」に相当する荷物室+郵便室のRDC-4、運転台のない中間車RDC-9があります。
正面から。
RDCは日本のキハ10系気動車に影響を与えたと言われています。単行運転が可能な点、総括制御、そして何よりこの前面デザインです。
貫通路構造に貫通扉左右の小さな窓と上のヘッドライト。パーツの配置がとてもそっくりです。明言はされていませんが、キハ10系が設計思想はもちろんデザインを含めてRDCに影響を受けたのは本当なんじゃないかなと思っています。
北米ではRDCで気動車の系譜は途切れてしまいましたが、日本ではRDCの思想を反映させたキハ10系から続く気動車の系譜が脈々と続いているのを見ると、RDCを一度見ておきたくなったわけです。
今回ここでRDCを見ることが出来たのは本当に良かったですねぇ。
つづきます。
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