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ポートアルバーニの汽車に乗りに... その4 【2014/12/14】

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全ての寄り道を終え、目的地であるポートアルバーニ駅Port Alberniへと向かいます。
クアリカムビーチからは4号線を進んでいけばじきに着きます。森の中や湖畔を走る風光明媚な道路です。時々のポートアルバーニ支線の線路も見えましたね。写真は一枚もないですけど。



着きました。駅の脇の駐車場に車を停めてとりあえず駅を眺めます。ていうか運転している時もそうだったけど霧がすごいなあ。遠くが見えない。



駅はこの地域共通の赤い駅舎が建っています。貨物用ホームがあるのがポイント高い。



なんて思っていたら後ろから鐘とドラフトの音が聞こえたので振り返ってみたら、何か来ました。
おう、まだ出発まで1時間くらいあるけどもう回送してくるのか。



推進運転で回送してきました。編成は機関車1機と客車5両。市街地だけど柵なんてないから撮り放題ですね。
ていうか、すげえ動いてる本物だ感がすごくて圧倒されています。これがカナダの動態保存機!気分が高揚しまくりですね。



停車。というわけで本日のメインであるアルバーニ・パシフィック鉄道Alberni Pacific Railwayの蒸気機関車列車です。
オフシーズン中は運行日がかなり限られるのですが、クリスマス前ということでクリスマス列車としての運行です。
寒いから蒸気がよく立ちますね。



アルバーニパシフィック鉄道7号機関車 Alberni Pacific Railway #7
1929年ボールドウィン製のミカド型タンク機(2-8-2T)。最初の所有者はキャンベルリバー材木社Campbell River Timber co.でアルバーニパシフィック鉄道には後年渡ることになる。
1953年にアルバーニパシフィック鉄道が営業をやめるとマクミリアン&ブローデルMcMillian Blodelに引き取られるが、1954年に橋梁から川に落下し機関士と制動手が殉職する事故に巻き込まれる。幸いにも修理され、1969年まで本線の牽引機として、1971年まで入換機として使われた。
1975年にBC州政府が購入し、1991年にポートアルバーニ市へと譲渡。1995年にアルバーニパシフィック鉄道在籍時への復元が行われ、現在に至るまでポートアルバーニの観光列車の牽引機として活躍している。

と言った感じの7号機関車です。クアリカムビーチで見た4号機関車と同型機なんだと思います。
特徴的なのはサドルタンクですね。サドルタンクはボイラーを囲うように取付けられている水タンクの形態を表します。他にはきかんしゃトーマスのパーシーがサドルタンク機ですね。クアリカムの4号機関車はタンク機では最も一般的なサイドタンク方式です。
ボイラーの周りを囲っているので図体の割に太って大きく見えます。



"Edward H. Sharpe"
我々の乗ることになる客車ですが、明らかに客車じゃない何かから改造された感がします。まあ、車掌車でしょうな。



"Mark F. Mosher"
車掌車改造の客車5両の内3両は窓を取り払ったトロッコ仕様。カナダの自然を満喫できます。ただ冬は寒いぞ。

編成は[#7]+[Edward H. Sharpe]+[W. (Bill) McNichol]+[K.D. (Doug) Wilson]+[Mark F. Mosher]+[Richard H. Grandy]です。
窓付きの客車がトロッコ車を挟む感じですね。



後ろから。編成端の客車にはブレーキ装置などが付いていて、緩急車としての役割も持っているようです。



現役ではないでしょうが、給水塔も付いています。バンクーバー島の駅の中では一番ポイントの高い駅だと思います。
ちなみにこのポートアルバーニ駅がポートアルバーニ支線の終点です。この先も線路が続いていますがすぐに行き止まりになります。昔はそこからさらに専用線か引き込み線が分岐していたんだと思います。



いい眺めです。



ポートアルバーニ駅の駅舎。入口が小さいよね。
クアリカムビーチで見たのと同系統の感じがしますが、これはカナダ太平洋鉄道の標準的デザインのものだったようです。同じような駅舎が全国にあるとかないとか。
というか、バンクーバー島の鉄道は最初E&N鉄道が開通させましたが、ポートアルバーニ支線が開通した1911年にはカナダ太平洋鉄道に売却されていたようです。なのでこの路線は最初からカナダ太平洋鉄道の路線ですな。
鉄道開通の効果は大きく、それまで物流の主流だった蒸気船を置き換えていったそうです。それも1950年代にはモータリゼーションで衰退していきました。
旅客列車は1957年に廃止され、貨物列車も1988年に廃止になりました。その後1990年にポートアルバーニ市が買い取り、開業当時の姿に復元。



駅舎の待合室。奥にあるのが切符売り場ですね。電信技手部屋とかもあったようで。上の階には駅長とその家族の宿舎がありましたが現在は無いらしい。



昔は駅務室だったんでしょうけど、今は集会場になっているようです。



時刻表。6往復分しか書けない・・・少ない。1日6往復とか田舎かよ。



キャブの中に入れてもらいました。
ふおおってなりますね。生きてる蒸気機関車だ。



レバーとかハンドルとか。よくわからないけど。
貨車30両程度を牽引できます。



ブレーキハンドルかな。
ちなみにこれも重油を燃料にして動きます。確かに油の臭がするんですね。石炭の匂いはしない。
というか火室の投入口が小さいですね。とてもシャベルで石炭を放り込める大きさじゃない。やっぱ産油国は違うなあ。



製造銘板。ボールドウィン・フィラデルフィア工場の60942番目の機体ということですな。6万機って・・・・・・本当か?
上の四角い銘板は過熱器の製造銘板。カナダのスーパーヒーター株式会社製。訳すと文字通り過熱器株式会社。



客車に乗り込みます。車内はクロスシートが並んでいます。ビニール張りだから冬場は冷たい。
カナダの車掌車は、運用が長時間に渡ることからベッドや台所が付いている場合が多いそうですが、これは全部取られている模様。まあ仕方ないね。



トロッコ車。寒いけど写真撮るにはこっちのほうがいいんでここに陣取りました。


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