ロッキードP-80Aシューティングスター(1944年・185機目)
博物館の常連ことT-33練習機の原型となったアメリカの単座ジェット戦闘機です。
アメリカで初めて大量生産されたジェット戦闘機という肩書を持ちます。回りくどい枕詞が付いているのは、うっかり制式採用してしまった失敗作ベルP-59がいるからです。アメリカ空軍的にP-59は黒歴史なんです。
練習型のT-33はどこでも見られることもあって有名ですが、P-80はいまいち知られていないか、名前だけは知ってるよという感じ。朝鮮戦争時には既に旧式化していましたし。
ドイツのMe262やイギリスのミーティアに対してP-80は実戦配備されていないのですが、大戦中の1944年1月には初飛行を済ませています。この日付は烈風の初飛行の7ヶ月前、紫電改の1週間後です、ははは・・・。もし烈風が実戦配備されてれば戦局を打開できたなんて言ってるやつがいたらそいつの言うことは聞かん方がいいですぞ。
戦闘機なんですが機銃が塞がれている辺り、後年に別用途に改造されたんじゃないかと思われ。塗装も無塗装ではなく灰白色ですし。ちなみに主翼の直後の胴体にある赤い線は、胴体が分割できるところを示しています。胴体を分割して、中からジェットエンジンを抜き出すことが出来るわけです。
グロスター ミーティアMk.4(1943年・186機目)
数週間差で世界初の実用ジェット戦闘機の肩書を逃したイギリスの二番手。これは初めて見ました。ただ、機体が奥に押し込まれているので画角が非常に制限されとります。
主翼にエンジンをぶっ刺したようなエンジン配置が特徴的。あんまり良い配置ではなく、アメリカのP-59から始まる胴体内埋込式にすぐに取って代わられます。
日本やアメリカだと馴染みのないイギリス戦闘機ですが、ミーティアの配備国ではだいたいどこの国でも静態保存されているようなので、その国に行った時はよく見てみませう。
フォーランド ナットT.1(1955年・187機目)
ジェット戦闘機の大型化の流れに反して、小型軽量で安価な機体を作ろうという方針で開発されました。下手な第二次世界大戦期のレシプロ戦闘機よりも小さくて軽いのです。これも初めて見ました。
まずはイギリス空軍に売り込みますが、あまりに小型だったので武装が積めず航続距離も短く拡張性も無いとのことで採用を見送り。そこで海外に営業をかけるとインドが食いつきまして、ライセンス生産するほど造ったそうな。
なおイギリスも後に戦闘機ではなく練習機として採用しています。イギリスの曲技飛行隊レッドアローズでも使われていましたね。
これは練習型で、イギリス空軍で使われていたもの。さらに飛行可能だとか。
ダグラスD-558-2スカイロケット(1948年・188機目)
これも初めて見るやつです。なんだかチャチな見た目ですが、アメリカ海軍の実験機なんですね。海軍もこういう実験機を使っていたのは意外です。
ジェットエンジンとロケットエンジンのハイブリッドなのが特徴。さらに世界で初めてマッハ2を突破した機体です。この時はB-29にぶら下げられたまま空中発進したそうな。海軍ってB-29持ってたんですか。
なお3機造られて3機とも現存している、この時期の実験機としては墜落を起こさぬまま任務を終えています。POFのこれも本物で、残りはスミソニアンとどこか言われても分からない施設に保存されています。
PZL TS-11イスクラ(1960年・189機目)
ポーランド製のジェット練習機で、初めて知った機体です。ワルシャワ条約機構軍の標準練習機となるはずでしたが競合するL-29に敗れてもっぱらポーランド空軍のみで使われていました。
主力機の座を逃したので400機ちょっとしか造られていないんですが、POFもよく手に入れましたね。
ミコヤン・グレビッチMiG-17(20分ぶり2機目・通算190機目)
この画角だとMiG-15と見分けがつかないんですが、給気口にデカデカとMiG-17と書かれているんでそうなんでしょう。
真っ赤に塗られていますがこれは所有者の趣味でしょう。機体も綺麗なので飛行も出来るんでしょうね。
これにて全部の格納庫をやっつけました。最後に落ち葉拾いにでも向かいますか。
敷地内の空き地には運搬に使うだろうフォークリフトが。これって軍用の放出品だったりするのかしら?
右のトレーラーにはB-29の胴体が顔を覗かせてますね。いずれ復元するつもりなのかも。
復元格納庫でもう一度バラされた戦闘機を見る。やっぱり零戦だな・・・。うーむ残念である。
POFの館内を後にして、表からB-17Gを見る。表からのほうが全体を捉えやすいです。
戦略爆撃機の場合、機体もそうですがそれを動かす人員も他の航空機よりも多いので、損害を出した時に喪失するものも多いんですよね。これら戦略爆撃機がアメリカ陸軍の事実上の主力機だったわけですが、金食い虫だよね。
主翼が外されているDC-3。奥にはコニーもいました。
これにてプレーンズ・オブ・フェームの見学は終了です。
動態保存に力を入れているところでしたが静態機も結構多く、中々見ごたえのある博物館でした。
ただ展示の仕方はあまり親切ではないです。機体をぎゅうぎゅうに押し込んでいたり説明板も機体名と簡単な性能だけだったり・・・。ある程度機体のことを知っていないと面白くないのかもしれません(アメリカの航空博物館はここに限らずそういうところが多いのだけれども
毎年5月に開催されているエアショーにはいつか行ってみたいものですから、いずれ再訪するつもりではいます。
もうちょっとだけ続くんじゃ。
チノ空港から車で20分。レイルジャイアンツ鉄道博物館へ行こうと思います。初めにオチを言っておくとろくに近づけずに見られなかった場所です。
別に巨人軍ファンの鉄道博物館ではなく、パワー厨として私に知られるユニオンパシフィック鉄道の大型車両に焦点を当てた博物館です。巨大蒸気機関車ビッグボーイ#4014や全長30mの超巨大ディーゼル機関車DDA40X形などが収蔵されているのです。
ただしビッグボーイ#4014は現在ここにはおらず、なんとユニオンパシフィックが動態復元を行っている最中なのです。順調に行けば大陸横断鉄道開通150周年事業に合わせて2019年春に本線上に復活を果たす予定だとか。近年のアメリカ保存鉄道の中でも最大の注目を集めるのは間違いないでしょう。私も楽しみです。
2016年3月5日(土)16時45分
カリフォルニア州ポモナ レイルジャイアンツ鉄道博物館
車で20分とか行ってたけど迷って着くまでに1時間くらい掛かったのはここだけの話。
着いたはいいけど柵が立ってて進めないじゃん・・・。
柵越しに撮影してみる。あー、いおるいおる。
・・・どっちにしろもう閉まってるし、ここは再履修ですね。DDA40Xは見たかったゾイ・・・。
ハイ以上。
夕飯食べてシメましょうねということで最寄りのIn-N-Out Burgerへ。
アメリカ南西部に展開するローカルチェーン店です。ローカルながら超有名なハンバーガー屋だとかで。
チーズバーガーにしました。というか普通のハンバーガーとチーズバーガーしか置いてないのだ。鮮度を売りにしてる店なので小細工は無用ということか?飲み物はルートビアだ、これ以外認めん。
出来たてを出すのでそりゃもう美味い。とびきり美味いというわけではないけど普段遣いに良さそうです。
この後はホテルに戻って就寝しました。これにて2日目が終了です。
翌日も濃密な1日になりますので、みなさんもお覚悟を。
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