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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その19 【2015/07/08~18】

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2015年7月12日(日)13時54分
アルバータ州ジャスパー ウィスラーズ山山頂
回を跨ぐ間に山頂へと着きました。
ブログで書くとあっという間ですが、ゴンドラを降りてからだいたい1時間経っているので結構時間がかかっています。中々大変なのよ。



山頂から見える山々の指示盤。



山頂から山々を眺めます。こちらは北側の景色。
ピラミッド山が目立ちます。隠れて見えないですがその麓にジャスパーの町があります。緑豊かな高原という感じです。



一方南側。
一転して荒涼とした雰囲気に。量は少ないですが氷河もあります。明日からは南進していきますのでこんなところを走っていくわけです。ひえぇ。



今度は西側を見ると今いる地点よりも高そうな山があります。
何だか行けそうな感じがしますが、整備された登山道はウィスラーズ山山頂まで。この先どうなるかはあんた次第だって感じで、救援なんて無いし帰れる保証もない。
行くにしてもちゃんとした登山装備で望むことが推奨されているのでただの案山子はその口を閉じておいたほうが良いです。



すぐ近くに氷河がありました。まあこの先も見ることになるし眺めるだけにしておきました。



さあそろそろ麓に戻ろうとして山を下っていると、岩の上に何か動くものが。
ネズミかリスにしてはでかいなぁ・・・。



レンズを望遠に替えながらジリジリと近づいていくと、アレはマーモットだと気づきました。
シラガマーモット Hoary marmotだと思いますが、キバラマーモット Yellow-bellied marmotに見えなくもないという微妙な個体です。まあシガラマーモットということにしておきます。

少し脱線するとシガラマーモットには「ウィスラー Whistler」というあだ名が付けられています。ウィスラーというのは元々「口笛を吹く人」という意味を持っています。シガラマーモットの鳴き声を聞いてみると確かに笛っぽい声を出しています。
で、このウィスラーという単語は今回の旅では結構馴染み深いですよね。
まず我々が今いる山がウィスラーズ山。これの名前の由来はシガラマーモットと言われています。
もうひとつ、2日前までいたブリティッシュコロンビア州のウィスラーの町およびウィスラー山も、そこに住んでいるシガラマーモットが由来となっています。BC州のウィスラー山なんてのは最初はロンドン山なんて付けられてたのをわざわざ改名したんですから、よっぽどマーモットがたくさんいたのかなとか考えちゃいますね。
動物の名前の付いた地名は日本にもありますが、特定の種類の動物を冠したものはあまりないんじゃないかな?今ぱっと思いついたのは鶯谷だけど。
閑話休題。



危険を察したのかのそのそと歩き出しました。







岩陰に隠れました。たぶんそこに巣穴があるのかもしれません。



そろそろゴンドラの駅なのですが・・・お、また何かいるぞ!



シマリス Chipmunkだ!シマリス、シマリスじゃないか!



小動物にしては人慣れしているのかここまで寄ることが出来ました。ここまでこれれば十分よ。



最後にはどっかへ行ってしまいました。
シマリスを見たのはこれが初めてだったのでやたら興奮しましたが、カナディアンロッキー一帯にはシマリスが多く生息していて、結果的に撮影が飽きるほど見ることになります。



ゴンドラを降ります。また貨物列車が走っていますね。
これでウィスラーズ山はおしまいです。麓と山頂で劇的に変わる景色と調度良いトレッキングの長さが良いですね。上記のように野生動物も見られるかもしれないのでおすすめです。



B&Bに一旦帰って、歩いて夕飯を食べに出撃。途中で今週の野鳥、カササギ Eurasian magpieに遭遇しました。青が美しい鳥ですね。
北半球にならあちこちにいるらしいですが日本では九州あたりにしか生息していないので今まで知らなかった鳥。逆に朝鮮半島では超身近で、韓国では国鳥になってます。

こんなところで今日はここまで。


その20へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その20 【2015/07/08~18】

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2015年7月12日(日)17時27分
アルバータ州ジャスパー トンキン・プライム・リブ・ビレッジ
夕飯を食べるべくトンキン・プライム・リブ・ビレッジ Tonquin Prime Rib Villegeに突撃。
名前通りステーキを食わしてくれる店です。やったぜ。



前菜にグリークサラダ。カナダではどこにでもあると言っていいくらい割りとありふれた種類のサラダです。でもうまい。



デデドン!
もちろん屋号にもなってるプライムリブステーキを食べます。脂の少ない肉ですが非常に柔らかかったです。AAAクラスのアルバータ牛だから美味くないわけないんだよなぁ。
付け合せについてくるベークドポテトも美味しいです。オーブンで焼いたイモにサワークリームとかネギとかベーコンとか乗せて食べます。
実に美味しかった。また来ます。



食べ終えたら散歩がてらジャスパーの町を歩きます。既に何度も言いましたが、夏は21時くらいまで明るいので夕食後も散歩が余裕でできるのです。
歩いていると町角にカナディアンナショナルのフォードF-250ピックアップトラックが停まっていました。そいで、鉄道が好きな方ならただのピックアップでないことはすぐ分かると思います。



自動車に線路走行用の車輪の付いた保線用の車両、軌陸車というやつです。そういや昨日もいましたね。
これは面白いものが見られました。



バスもよく停まっているんで見ていきます。
チャーターバスライン・オブ・BCのPrevost H3-45 (3rd generation)。ビクトリアでもよく見かける会社のバスです。



カナダコーチラインズのPrevost LeMirage XL II。アルバータの貸切バス会社です。名前だけ見ると全国規模なのかなとか思っちゃいますけどね。
ちなみにこのバスの乗客は(この時は車内は空だったけど)JTBグランドツアーでした。つまり日本人軍団。
JTBグランドツアーといえば良さげのツアー旅行ですよ。8日間でデラックスホテルを3つハシゴするとか書いてあったんでフェアモントなんかに泊まるんですかね?



キャンピングカー。こっちではモーターホームと言います。個人所有車も多いんでしょうけど、これはいわばレンタカーです。
モーターホームに乗って大陸横断とか楽しそうですけどね、お金掛かりそうでアレですね。聞いたところによると燃費が超悪いとのこと。このモーターホームってバンのシャーシとキャブにモーターホームのボディをくっつけた車で、バンにこんな大きい装備付けたらそりゃ確かに燃費悪くなるよなって感じです。
なお、このモーターホームも結構大きく見えますがこれはまだまだ序の口で、大型車になると観光バスのボディを流用してモーターホームにしています。内装も豪華で、ここまで来ると金持ちの道楽って感じます。



こっちは小型のモーターホーム。これもレンタルですね。
このくらいの小ささなら燃費の悪さも比較的マシなのかも知れません。でも狭そうだ。



TRAXXのPrevost H3-45 (2nd generation)。TRAXXもビクトリアによく来ますけど、紫のバスは初めて見ました。



ゴールデンアローのMCI J4500。2013年から採用された新モデル車です。ライトケースが違うので旧モデルとの見分けは簡単です。



ユニバーサルコーチラインのH3-45 (1st generation)。これもビクトリアでお馴染みのバス。



TRAXXのH3-45 (3rd generation)。こっちはよく見るタイプの塗装。



貨車も見ていきます。
The CIT Group/Capital Financeの2ベイ・カバードホッパー車CBFX305276。中身は何でしょうね、分かりません。



Louisville and Wadley Railwayのハイキューブ有蓋車LW50027。
何ともピンと来ない会社ですが今も存続しているらしい。ホントかよ?(合併した側は合併された側の報告記号を継承して使用できるので、報告記号があってもその会社は既に消滅しているという場合がある)
有蓋車は塗装できる面積が広いのか、地色がカラフルだったり文字やロゴが大きく描かれたりして見ていて楽しいんです。おかげで落書きの標的にもされやすいんですけどね・・・。

意外と散歩が長引くのでここで一旦切ります。


その21へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その21 【2015/07/08~18】

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2015年7月12日(日)19時52分
アルバータ州ジャスパー ジャスパー駅前
ジャスパー駅までやって来ました。昨日より空気が澄んでいて、奥の山脈もよく見えますね。ただ被写体になりそうな列車はおらず・・・。



VIA鉄道のEMD F40PH-3形VIA6451号機。あれ、こいつ昨日も見たな?
でもジャスパー~プリンスルパート線は今朝出発したはずで客車もないですから、牽引機は別の機関車が担当したってことですかね?



有蓋車WC22203とCN415347。
左がハイキューブ有蓋車、右が普通の有蓋車でござんす。高さの差は意外とそうでもないという感じですが、それでもハイキューブの威圧感は強いですね。



タンク車UNVX70716。所有者不明。
小さいタンク車ですね。ガソリンタンク車はもっとバカみたいにデカいので、これの中身はガソリンではなく水酸化ナトリウムとデカデカと書いてありました。普通に危険物だ。
小さくても日本のタキ1000よりもたくさん積めるんですけどね・・・。具体的には91トン積めます。ヤバイよね。容積は分からんかった。ていうか水酸化ナトリウムってそんなに比重重かったのか(科学の授業でやったような気がしないでもないが全然覚えていないマン
アメリカのタンク車も近年は台車同士の間に桁が通っていないフレームレス構造が主流なんですが、日本のタンク車のように魚腹型の異胴径タンクは見かけないです。そんな回りくどく縦に伸ばさなくても、単純に横に伸ばせば済む話ですからねこっちは。
ただし、タンクは真っ直ぐな筒ではなく下へ向かってわずかに反っています。タンクに傾斜をつけて中身を効率よく排出するためなんでしょう。



有蓋車CN598004。
一口に有蓋車と言っても形態差は無数にあるように見えるんで、これを全部追い切るというのは一人じゃ無理だよなぁと思います。



引きで。
うーん、貨物列車の先頭がいれば良さげなんだけどなぁ。これはこれでミスマッチ感出てそうですけども。



CN2152。機関車はロクに見れませんでした。



ジャスパー駅の駅舎。町の規模にしては大きいなという感じです。昔はもっと賑わってたんでしょうね。
VIA鉄道のほか、各レンタカー屋や高速バスのグレイハウンドなんかも入っています。



横から。奥行きはないです。
なんでか知りませんけど、バンクーバーみたいなよほど大きい駅でもない限り駅舎に掲げられる駅名標は正面ではなく横に掛けられています。



駅名標。バンクーバーとモントリオールからの距離も併記されています。
バンクーバーから535kmというのは、新幹線で東京から新神戸の手前くらい。カナディアン号の全行程は東京~博多2往復以上なのに、まだそんな程度しか走ってないのかと拍子抜け。
(2016/7/15追記)よく考えてみたらこれkmじゃなくてmileじゃんという間抜けなミスに気が付きました。535mileは約861kmなので、新幹線で東京から新岩国の少し手前くらいの距離です。あら、まあまあ行くんですね。(追記終わり)

マニトバとサスカチュワンが長いんだろうな。実際の距離も体感距離も。あそこ穀倉地帯だもの。クッソ暇だよきっと。



既に何回か登場している乗客の預け荷物を運ぶカート。車輪から察するにだいぶ古いものをずっと使っているんだと思います。
そういえば日本の荷物車にはマニ44形という登場したはいいけど荷物輸送の制度自体が廃止されて速攻で消えたパレット積み荷物車がいましたが、合理化帝国アメリカにはこの手の荷物車はいないんですよね。
ひとつひとつ手作業で積み降ろしするよりパレットにまとめたほうが楽だと思うんだけど。ただ昔はともかく現代はわざわざパレット積み荷物車を造るほどって感じでもないでしょうしアレですね。時期が悪かったのかな。

今日もここで切ります。


その22へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その22 【2015/07/08~18】

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2015年7月12日(日)20時9分
アルバータ州ジャスパー ジャスパー駅
日本の鉄道駅には駅前に引退した蒸気機関車が駅や町のシンボルとして保存されているというところがちらほらありますが、カナダやアメリカでも同様です。
ジャスパー駅にはカナディアンナショナル鉄道の蒸気機関車1機が保存されています。
写真はそれのテンダーに描かれた当時のCNのロゴ(正方形を斜めに貼ったロゴが当時流行ってたらしい)なんですが、ロゴの部分はリベットが沈頭鋲になってるんですね。細かいところに気を配っています。



カナディアンナショナルU-1-a形CN6015号機。これがジャスパーに保存されている蒸気機関車です。

1923年製造のU-1-a形(CN6000~CN6015)と1924年製造のU-1-b形(CN6016~CN6036)の2種類がありますが、ほとんど同一仕様のようです。37機全てがカナディアンロコモーティブ社で製造されました。1923年というとD50形と同世代になります。

軸配置はマウンテン(4-8-2 or 2D1)テンダー機で、動輪直径は1854mm(73")、全長は27,540mm(91' 4.25")、重量は261.720tということで日本最大の蒸気機関車C62形の動輪直径1750mm、全長21,475mm、重量88.83tを軽く超える長さです。いやまあ日本のSLと比べんなやC62可哀想やろとは思いますけどね。一応ボイラー圧力ではU-1-a形の210lbf/in2より高い227.573lbf/in2(16.0kg/cm2)で勝っています。

運用や配置先は正確には分からなかったです。ただ、カナディアンロッキー周辺の路線に配置されていた旅客機と思われます。
U-1-a形は動輪が4軸あるいわゆるD級なので貨物機なのかなと思ってしまいますが、恐らく旅客機だったと思われます。動輪直径が1854mmなのは貨物機としては大型で、恐らく3軸C級では山岳路線の勾配区間での粘着力が足りなかったためD級にして、それを確保していたんだと思います。蒸気暖房の引き通しもあったことですし。
カナダの山岳路線といえばカナディアンロッキーなので、U-1-a形はカナディアンロッキー周辺の区間に集中投入されたと推測されます。CN6015がジャスパーに保存されているのも現役時代に縁があったからと見るべきでしょう。平坦線でも長編成客車列車を牽引してたらしいですが、今回そこら辺は聞き流します。
ちなみに山越での貨物列車は5軸のE級が牽引していたとかなんとか。

CN6015は1923年8月竣工にして、廃車は1960年です。ちなみに廃形式は1962年になっています。その後1972年7月27日にジャスパーに静態保存展示されて現在に至ります。
屋外・屋根なし保存および冬は降雪という決して良くはない条件ながら、外観は光沢があり、大きな欠損部品も無さそうで、状態はこの上なく良好といえます。
この条件でこの状態というのは日本でも中々お目にかかれないのではないかと思います。



前頭部。
煙室扉の角が角型で前照灯が煙室扉中心にあるアメリカらしいスタイルです。ボイラーの前に突き出た給水温め器も力強い印象を与えます。
ナンバープレートがV字型の点灯式のアレでなく、プレート一枚というのもこれの古さを物語っているように見えます。



連結器周り。
小振りながらカウキャッチャーも装備されています。足場も兼ねているのが実用的で良いです。



横から。
シリンダーについて詳しいことは言えませんのでアレですが。
機関車の前に立っている人たちと較べてもらえば大きさが想像しやすいかなと思います。デカいんですよ。
柵の高さが低いのも見る側にとっては高得点です。柵は必要でしょうけど、このくらいの高さあれば注意喚起としては十分だと思います。というか機関車によじ登ろうとか部品を盗もうとかそういう考えの人が少ないのかなって思います。モラルが高いんでしょうね。



アメリカ型蒸気機関車には欠かせない鐘。ボイラー上部左側にオフセットされています。



動輪。
この時代らしいスポーク車輪です。

ちなみに形式名のU-1-a形ですが、ちゃんと意味があります。
最初の文字"U"はCN社内での軸配置の呼称です。AからXまであって、"U"ならマウンテン(4-8-2)およびノーザン(4-8-4)、"K"ならハドソン(4-6-4)および動輪直径70”(1778mm)以上のパシフィック(4-6-2)といった風になります。
次の文字"1"は、その系列の機関車の何番目の形式なのかを表しています。"U-1"ならU系機関車の1番目の形式という感じです。ちなみにU系機関車はU-1形からU-4形まで製造されました。
最後の文字"a"は機関車の形式のサブタイプです。"U-1-a"ならU-1形のa型という風になります。日本で言う500番台とか1000番台とかそんな感じです。U-1形のサブタイプはf型のU-1-f形まで造られています。f型までくるとa型とは煙室扉の流線型化やテンダータンクの円筒化など、外観は全く異なったものになっています。

とこんな風に、形式名である程度機関車の仕様が分かるようになっています。今は蒸気機関車が走ってないから覚えても役に立たない知識ですけどね。
なんですが、この社内での形式付番は実は現在のディーゼル機関車にも行われています。前回見たCN2152号機ならばEF-640f形という社内形式が付いています。付番法則は蒸気機関車とは全く異なっていますが、それを説明するのはさすがにそれは脱線し過ぎなので今回は省略。
ただ、カナダの鉄道ファンがこの社内形式を使っているところを今のところ見たことがないので、弊ブログでも引き続きメーカーの形式名とロードナンバーのみでいきます。あしからず。3種類も番号書くのダルいし。



テンダー。
テンダーには10000imp gal (45,460L)の水と15.4tの石炭を搭載できます。ただし燃料は後年石油5000imp gal(22,700L)を搭載できるように改造された模様です。



最後に遠くからロッキーの山々をまじえ撮影。
どの部分を見ても綺麗な状態の機体で、地元からとても愛されているのだなというのを感じました。
U-1-a/b形の現存機はこのCN6015ただ1機のみなので、これからも末永く大切にされることを祈ります。



機関車を見終えた後はジャスパーブリューイングに入ります。クラフトビール醸造所です。パブもやっていて自分のところのビールを一緒に振舞っています。パブ併設の醸造所というのはこっちでは普通ですね。



地ビール3種を味わいます。何がどうだったかはもうあまり覚えてないです。左の黄色いビールは甘めだったかな?



店内からビールタンクが見えます。



飲み終えて店を出ます。
だいぶ日暮れが近づいてきましたが、それでもまだ山頂に日光が届いています。



21時半頃になってようやく暗くなってきました。
軽く町を歩いていました。山間部の観光村といった雰囲気でした。ジャスパーの町はいつからか建物を新しく建てることが禁止されているらしいので、町をこれ以上大きくしようがないそうです。なので観光客の収容人数が少ないとか。
町では特に目立った収穫はなく、暗くなる前にB&Bに帰りました。
これでこの日は終了です。翌日からはいよいよカナディアンロッキーのあんあところやこんなところに足を運びますよ!


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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その23 【2015/07/08~18】

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2015年7月13日(月)8時47分
アルバータ州ジャスパー ジャスパー国立公園
6日目です。朝の8時頃にはジャスパーのB&Bを出発して、ジャスパーからハイウェイ93号線を南下していきます。



前にも登場したカナディアンロッキー大図解マップを再び出します。
昨日までいたジャスパーは地図の北にある町で、今日はそこからジャスパーとバンフの間にあるレイクルイーズという町まで南下します。
間と言ってもほとんどバンフ寄りにある町で、この日でカナディアンロッキーのほとんどを縦断してしまう格好になります。キロ程は約230kmで、まっすぐ走ると約3時間かかる計算になります。
この間には6箇所観光地をマークしてありますが、今日周るのはそのうちの4つです。さすがに6箇所はキツいんよ。



さっきの写真をまた出しますが、ええ、どうも道を間違えたらしい。
まあ当然のルートとして北にある観光地から順番に見ていくので、そうなると最初は「エンジェルグレイシャー」が来るんですが、ここへ行くにはハイウェイ93号線の脇道であるハイウェイ93A号線を通る必要があります。一応ハイウェイって名前ですが、そうとはとても思えない普通の片側1車線の山道です。
ジャスパーから93号線を南下すると程なくしてアサバスカ川を渡るS字カーブがあるんですが、その手前に93A号線への分岐があります。ハイウェイの支線となるとランプウェイみたいなの想像するじゃないですか。ところがこれ普通の三叉路でしてね。
分岐の手前には料金所があって、そこを突破してさあ走るぞ!とスピードを上げた頃に分岐が出てくるんですね。で、カナダの標識って日本の青看みたいな分岐標識が無くて、予告なく交差点上にベベンと現れるもんで、まあ、見逃しちまったわけですね。



そんなことつゆ知らず快調な滑り出しを決めたと思っていた一行は、しばらくするといつまで経っても見えてこない93A号線への分岐に、とっくに通りすぎてしまったことを悟ります。
その途中で駐車スペースがあったので、体勢立て直しの作戦会議のためここに一旦車を停めます。



立ち寄った所はアサバスカ峠見晴台 Athabasca Pass Lookoutだったと思います。



あれがアサバスカ峠(標高1748m)。杭の指している方向にあるのがその山ということでとてもわかり易いです。
アサバスカ峠はかつて毛皮交易のルートになっていたんだそうな。



エディスキャベル山 Mt. Edith Cavell(標高3368m)。山頂はちょっと見えんな。
最初に行くはずだったエンジェルグレイシャーがある山でございます。ハイキングも出来るんだそうな。

で、見晴台で地図なんかを見た結果、93A号線との合流地点は93A号線の起点と終点だけで途中には無いことが分かりました。
既に南側の合流点に近い位置まで南下していたため、引き返すよりもこのままさらに南下し南側の三叉路から93A号線に入ることにしました。


そいで、見学順を少し変更して、エンジェルグレイシャーの後に見るつもりだったアサバスカ滝 Athabasca Fallsを最初に見ることにしました。
観光客も訪れるようで、アローステージラインズのMCI J4500が停まっていました。



ここです。93A号線に入ってすぐです。



アサバスカ滝は名前通りアサバスカ川にある滝です。
川の水は白く濁っていて、昔行ったスイスのツェルマットを思い出させます。
こう濁るのってやはり氷河のある地方特有のものなんだそうです。つまりは氷河に含まれてる色々なものがが溶けて流れてる川なので濁ってるとのこと。



滝までは遊歩道を歩いて行きます。完全に観光地化されています。



こんな感じ。川の流量は多めですよ。



だばぁ。
撮り方が下手クソですね。



シャッタースピードを遅めに。ただどうしても白飛びしちゃうんで、まあ微妙に。こういう時にいいレンズがモノを言うんだろうな。



下流側。



滝の下側はかなり侵食が進行しています。



水流がもみくちゃにされているところ。



今回はここまで。


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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その24 【2015/07/08~18】

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2015年7月13日(月)9時47分
アルバータ州ジャスパー アサバスカ滝
アサバスカ滝の後編です。



滝の上流側から下流側へ向かって見ていく感じです。ちなみに滝の前には橋が架かっています。結構近くまで寄れるところもあるので、あまり寄り過ぎると濡れます。



虹が架かりましたよ!そんだけ水が跳んでるってことでい。



引いて撮ってみる。結構落差あるでしょ?落差24mあるんだとか。






なんだか妙にメルヘンチックな岩の間に造られた階段を降りていきます。
これは水流ではなく氷河で削られた岩なんでしょうけど、風化が進んだのか人が触りまくったのか随分と角が丸くなっておいでです。



滝を下ると川は右に曲がります。その川の左岸にある畔です。穏やかなものです。
川はここからジャスパーへ向けて流れていくので、滝からジャスパーまでカヌーで下っていく人たちもいるんだそうです。距離にして数十kmなのでカヌーにはちょうどいい距離でしょうね。



濁ってる川の水を見ると氷河の水は綺麗だの美味しいだのというのはちょっと怪しい感じに聞こえます。
もちろん飲用できるよう濾過してるんでしょうけど、それでも硬度が高そうで腹壊しそうなんだよな。



下流から滝を見上げるとこうなっています。中々立体的なのが分かります。
2本架かっている橋の内手前は道路橋、奥は園内の人道橋です。



氷河に削り取られた地層。
氷河はとてもゆっくりですが少しずつ動いていて、その時氷河がへばりついている岩を一緒に削っていくのです。氷河は山肌と重力に従って滑り落ちていくので、斜めに削れているというのが分かると思います。



行ける所は全て行ったので、階段を登って駐車場に戻ります。
ジャスパーを出発して最初の観光地だったこともあって感想は初めは上々でしたが、全て終わった後に考えてみると滝そのものとそれの侵食によって出来た地形が見せる景色の濃さは、数日後見ることになるタカカウ滝やマーブル渓谷と比べると一段落ちるといった感じでした。
タカカウ滝とマーブル渓谷はアクセスが比較的悪いですが、もしこの2箇所に寄れるならこれらを優先して行ったほうが感動できると思います。



帰りもバス停を通りがかったら、別のバスが停まっていたので撮影。
プレーリーコーチトレイルウェイズ Prairie Coach TrailwaysのMCI J4500でした。

次回は最初に行くつもりだったエンジェルグレイシャーに向かいます。


その25へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その25 【2015/07/08~18】

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2015年7月13日(月)11時18分
アルバータ州ジャスパー国立公園 エンジェル氷河
アサバスカ滝を後にした我々は、93A号線を北上してそこから横道に入って山道を登りエンジェルグレイシャーに到着したのでした。
ここまでの山道は普段のカナダとは思えないほど幅狭でカーブが急でアップダウンが多い道路でした。日本の山道に似た感覚でした。カナダにもこんな道があるんだ(*^○^*)



ここにあります。といっても地図上ではなんだか表示されてないっぽいんでアレですが。
どんな道だったのかはストリートビューを見てもらうことにします。



氷河は駐車場を降りてすぐそこというわけではなく、そこからだいたい1km弱の登山道を歩きます。
道の脇には背の低い松の木がたくさん生えていました。森林限界なんでしょうけど何だか若い木に見えたような気もしました。でもたぶん気のせいです。



小川も流れています。当然この先にある氷河から溶け出した水です。流量が少ないのでアサバスカ川と違って澄んでいて綺麗です。



急に景色が変わって瓦礫の山になりましたよ。坂道ばっか続くので辛いです。



でかくて黒い松ぼっくり。まだこんな低い木なのに松ぼっくりを作るんですねぇ。



そして最奥部にやってくるとそれはありました!これが天使氷河ことエンジェルグレイシャーです。
イデス・キャベル山 Mt. Edith Cavell(標高3363m)の山肌にへばりつくようにある氷河で、名前通り天使が羽を広げたかのような形が特徴。
なんですが、それはこれが最初に発見された19世紀の時の話で、21世紀の現在では氷河の後退が進んでいるため天使も弱々しい印象になってしまいました。特に下に向かって伸びている部分は20年前の写真と比べてもだいぶ短くなってきているように感じます。

ちなみにイデス・キャベルというのは第一次世界大戦時のイギリスの看護婦の名前です。ドイツ軍占領下のベルギーでドイツに捕らえられた連合軍の捕虜を解放したとのこと。解放というかこれは捕虜の脱走を手助けしたというわけで、大変危険な行為だったのです。案の定、その後ドイツ軍に捕まり1915年銃殺刑にされてしまったといいます。
その行為に敬意を評して翌年の1916年に山の名前にされました。まだ戦争の真っ只中の中での命名であり、ちょっと対応が早くない?って思ったんですが、当時の英国は彼女の死を戦争のプロパガンダに使っていたようです。となると山の名前にしたのもそれの一環だったんかな?とも考えてしまいます。うーん、きな臭いぞ。



エンジェルグレイシャーの下からは天使のお漏らし溶け出した氷河が流れ出しています。
今この瞬間も氷河が後退しているのですな。



なお昔は氷河の目の前まで近づくことが出来ました。
2012年8月にエンジェル氷河の左側にあるゴースト氷河が崩落しました。ゴースト氷河の約半分、重さにして数トンの氷河が地面に落下しました。
これにより付近一帯はしばらく立入禁止になっていたんだそうな。


Avalanche/Ice Fall off the Ghost Glacier on Mount Edith Cavell August 9, 2012

ちょうどいいことに崩落時の動画が撮影されていたそうなんで載せときます。あららららと言う感じだ。
崩落後は下にある池に津波を起こし、あふれた水がちょっとした洪水も起こしました。その時の写真はFacebookのここ
結構すごいことになってましたね。



氷河の下にある池にも近づくことは出来ません。見ての通り氷河が溶けてできた池で、氷河と接しています。
氷河の断面は水色になっているんですねぇ。ソーダアイスみたいな色をしています。



駐車場に戻ります。
カナディアンロッキー内で氷河に間近まで迫れるのは、こことこの後行くアサバスカ氷河くらいなものなので、比較的珍しい観光地だと思います。
ただこっちは眺めるだけなのに対してアサバスカ氷河は上を歩けるので、色々と敵わない部分はありますが。実際アサバスカ氷河はカナディアンロッキー随一の名所ですしね。



景色の境界というか分かれ目というのは中々くる物がありますな。



今日のシマリスニキ(21時間振り2匹目)。指が長いんだなぁと。

次の場所へと移動します。今日はここまで。


その26へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その26 【2015/07/08~18】

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2015年7月13日(月)12時56分
アルバータ州ジャスパー国立公園 ハイウェイ93号線某所
エンジェルグレイシャーを見た後は、再び南下を初めて93号線に出ます。そこからはひたすらハイウェイを走ります。次に向かうアサバスカ大氷原はバンフまで向かう行程のだいたい1/4の地点です。
ドライブは順調で、景色がよく車通りも少ないので快適です。そんな中で、複数の自動車が路肩を徐行しながら走っていました。この先で何かが起きていると思い、他の車に倣って我々も減速します。
減速して周りがよく見渡せるようになったところで周囲を観察してみると、あー何かいますねぇw



うわぁ、山羊の群れが道路を闊歩してるぞ!!サファリパークじゃあないんだから・・・。
カナディアンロッキーでは野生動物がひょっと現れることがあるというのは話には聞いていましたが、いやはや本当に遭遇するとは。
これは全力ですぞ。



車を降りて山羊に近づきます。いつの間に道路の反対側へと移動していました。都合のいいことに進行方向へ向かって動いていたので追いかけるのは楽でした。
山羊の白い体毛はこの白土の中ではかなり馴染んで目立たないです。これも迷彩ですなぁ。



この山羊はシロイワヤギ Mountain Goatです。主にカナダ西部の山岳地帯に生息するヤギです。
ヤギという名前ですがカモシカの方に近い動物です。夏場は3000~5000m級の高山に生息するため出会える確率は低いとのこと。ということはとてもラッキーとなるわけです。



この毛並みが荒くて前脚のあたりが少しはだけたヤギが群れのボスのようです。雌雄ともに角が生えるので性別がどちらかはちょっと分からないです。
仔山羊も従えていて、こっちは白が綺麗なかわいいヤギです。



駆け抜けるシロイワヤギ。



ヤギ注意の標識。標識を見ることを強いられそうな集中線がありますが、これは新しく立てられた道路標識に一時的に付けられるものです。
集中線を付けることでドライバーの注意を引くことを強いるのが目的といったところですかね。



段々道路から離れてしまっていますが邪魔にならない程度にできるだけ追いかけていきます。
それと、撮影は路肩から出ずに安全なところで行ったのであしからず。この写真だと山に登って撮っているように見えてしまうけどね・・・。



何やらお食事中のご様子。土を舐めていますが、これは塩舐めです。土中に含まれるミネラルを摂取するための行動です。



斜面の下側から撮っているのでどうしてもヤギがケツを向けた写真になってしまうのはどうもなぁ。



たまにこちらに顔を向けてくれるのでその時はすかさずシャッターを切ります。



というわけで山羊との遭遇でした。
道路上で野生動物と偶然出くわしたというのはこの時だけでしたので、貴重な出来事となりました。
ドライブを再開します。



運転手を交代したんで景色を撮ることが出来るようになりました。
しばらくすると川と並走します。地図を見ても特に名前があるわけでないそうです。名無し川。
恐らく川に侵食されて均されたのか、この辺りは川に沿ってまっ平らな地形が続きました。



とはいえ普通に山はそびえています。



こういういかにもな道も。異国だなぁ・・・。



あそこにも氷河があったんやなぁという感じの削れ方をしている山。



再び川沿いの低地帯に。
水辺だし何か動物いないかなと外を注視してたんですがそんなことはなかった。



そして氷河が目立つようになりました。



すごい量の氷河です。手前の景色とはえらい違いだ。



そしてこれがカナディアンロッキーの目玉、アサバスカ氷河だ!
次回からここに突撃します。


その27へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その27 【2015/07/08~18】

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2015年7月13日(月)14時19分
アルバータ州ジャスパー国立公園 アイスフィールド・ディスカバリーセンター
アイスフィールド・ディスカバリーセンターという所に着きました。ここがアサバスカ氷河へ向かう拠点となります。
アサバスカ氷河のコロンビア大氷原はカナディアンロッキーで一番の観光地で、ここに行かない観光ツアーはたぶん無いと思います。それくらいド定番なので辺りは人で溢れています。

まずは、館内に入って氷河ツアーのチケットを購入します。氷河ツアーとスカイウォーク入場券が一緒になったチケットがあるのでそれを買っておきましょう。
予約無しでも購入できましたが、1時間以上は待たされました。予約できるならしたほうがいいと思いますが、予定の急変も考えられるんで(今回すでに想定よりも推している)、そこをどうするかはその人次第ですかね。
館内にはレストランもあるんでそこで摂ることも出来ます。ただし我々はチケット購入列に並んでいる間にサンドウィッチで済ませてしまいましたとさ。



待っている間にバスでも見ています。
まずは入口に置かれている昔の雪上車。昔はこれで氷原ツアーをやっていたんでしょうかね?
雪上車といえば鉄道や航空宇宙分野でも耳にするボンバルディアなんですが、これも案の定ボンバルディア製の車両でした。



観光バスも多く出入りしています。
これはブリュースターのMCI J4500ですね。確かコロンビア大氷原はブリュースターが運営している観光地だったかな?



ブリュースター・コネクトのPrevost H3-45 (2nd generation)。
バンフ行きの路線バスです。レイクルイーズより北は1往復しか走らない割には見かけますね。



NFI D40LF。どっかからの中古車なんだろうな。ちなみにこれ非冷房車なのです。まあ夏場でも涼しいから要らないですけどね。
これはグレイシャー・スカイウォークという最近出来たアトラクションまでのシャトルバスです。スカイウォークへはまた後で行きます。



ステンレスバスことMCI 102-C3。こっちはディスカバリーセンターからコロンビア大氷原までを結ぶシャトルバスです。



集合時刻になったので館内にある集合場所に集まって、氷河についてのパネル展示が貼ってあるトンネルをくぐりながらバスのりばへ。
102-C3に乗ります。



ちょっとしか乗らないから特別気にはならなかったですけど、やっぱり古いバスですね。



氷原に行く途中で一度乗り換えがあります。ここで乗り換えるのがお待ちかねの雪上車です。装甲車みたいなゴツさがあります。



そして着きました、コロンビア大氷原!!・・・なんですが、どーも記憶が薄いというかなんというか。
滞在時間が短かったのと氷原の上は雨が降っていたので、満喫どころではなかったというところでしょうかね。あっけないもんでした。



曇ってるし氷河は土被ってるし、近くで見るとあんまり美しいもんじゃないなぁ・・・。富士山と一緒だ。



歩き回れるのは段の低いところだけ。ここだけ整地したのかしら?縁には溶け出した氷河の水が流れています。



つよい雪上車。モデルは分からないけど、たぶんボンバルディア製なんだろうな。
車内環境はあんまよくないです。



氷河体験おしまい。
物足りない感じがしたけど、じゃあまた来るかというとそうでもない感じだ。



車内はこんな感じじゃ。
冷房は当然無いとしても暖房も付いてないのは寒くてたまらなかったぞ。正直とっとと帰りたかった。



またバスに乗り換えてセンターに戻ってきました。人のいる世界だ。



コロンビア大氷原とは別の氷河。遠くから見る分には綺麗なんだよな。



こっちがコロンビア大氷原。ちょうど隠れてしまっているのか、雪上車や氷原の上を歩いている人たちは見えないです。

今回はここまで。


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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その28 【2015/07/08~18】

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2015年7月13日(月)17時22分
アルバータ州ジャスパー国立公園 アイスフィールド・ディスカバリーセンター
コロンビア大氷原を見学後は、もうひとつのアトラクションのグレイシャー・スカイウォークへ行きます。
センターの向かいにある大氷原と違って、スカイウォークは自動車で10分くらいハイウェイを北上したところにあります。駐車場を造れるような土地はないので、そこまではセンターから出ているシャトルバスに乗ります。バスは随時運行していたはず。



着きました。2014年に開業したまだまだ新しいアトラクションです。
バスのりばからスカイウォークまでは少し歩きますが、その間もロッキーの絶景を味わえるので問題なし。
入口で音声ガイドを貸してくれて、その中には日本語のガイドもあるので、借りてみると良いです。



渓谷沿いに建設されているので景色はすごいです。
奥から突き出ている茶色の構造物が空中歩道の「ディスカバリービスタ」です。



これが目玉であるディスカバリービスタです。崖から突き出た中に浮かぶ歩道です。Aの形をした構造になっています。
うまい具合に全体が分かる写真は撮れなかったので、ここでも見といてください。



落ちたら死ぬ高さです。



先端はフレーム以外はガラス張りになっていて、チンさむになります。



ヒエッ!



ディスカバリービスタは崖に刺さっている根元部で重量を支えているので、先端部には支柱がありません。折れたら死ぬよなぁって感じです。



ちょうど地面に歩道の影が落ちていたので撮影。これはなかなか良い。



景色はまさに絶景の一言。空中から俯瞰できるというのはいいものですな。



ちなみに骨組みは錆びています。去年に開業したばかりなのに?と思いましたが、ロッキーの自然と調和させるためわざと錆びさせたそうです。



見学を終えてバスのりばへ戻ります。遠目から見ると確かに錆びた歩道は目立たないように見えます。
見学時間は多めに見ても1時間ぐらいで済むと思います。



シャトルバスのNFI D40LFでセンターに戻ります。



センターに戻ったら車を走らせて一路レイクルイーズへ。今日はもう宿へ直行です。
相変わらず絶景が続きますし、途中では虹も見れましたし、いいところですね。



レイクルイーズに到着したのは21時前でした。レイクルイーズでは村内のモーテルを拠点にします。
夕食はモーテルに併設されているレストランにしました。大衆食堂という感じの入りやすい店でした。



まずはグリークサラダを食べます。ピーマンが入っているのがここの特徴ですかね?



ピザ。典型的なアメリカピザでしたが美味しかったです。



それとペンネ。これも美味しい。
アメリカ系の料理は美味しくないイメージが付き纏いますが、そういうのは全く感じず程度の差はあれ基本的には美味しいと思えるものでした。そういうまずい店はネットの普及で評判が広がっていくうちに淘汰されていったんじゃないかなと思います。
まあアメリカ(特に内陸や南部)については知りませんが、少なくともカナダでは食事で嫌な思いをすることはそう無いんだと思います。

これで今日はおしまい。翌日へ続く。


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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その29 【2015/07/08~18】

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2015年7月14日(火)10時2分
アルバータ州バンフ国立公園 モレーンレイク・ロード
カナディアンロッキー旅行もついに7日目に入りました。今日はレイクルイーズ周辺の観光地を巡ります。
最初に向かうのはレイクルイーズの村の南にあるモレーン湖です。モレーン湖までは山道を登りますが、やはり絶景。



駐車場にいたブリュースターのMCI J4500。ここも観光コースになっているようですね。

もし自動車でモレーン湖を訪れるのならば、朝一番にするのが良いです。観光客に人気な割に駐車場が狭いので、昼前には車が駐車場から溢れかえり路駐する車を多く見かけました。
私達は運良く駐車場に停められましたが、到着した10時過ぎには既に路駐車がちらほら見えていました。
こんなに混むのは駐車場が狭いというのはもちろん、光線の向きの関係で湖が綺麗に見えるのが午前中だからだというのもあるらしいです。



TRAXXのPrevost H3-45 (3rd generation)。



カナダコーチラインズのPrevost LeMirage XL II。



TRAXXのH3-45 (2nd generation)。ラッピング車です。



いい雰囲気のロッジもありますが、こっちには行かず。



湖よりも先に目につくのはこの瓦礫の山。
これはモレーンという氷河が削り取った岩石が堆積したもの。モレーン湖の名前の由来はこれから来ています。よくこんなに積み上がるよなと。



これがモレーン湖。湖面と同じ高さから見ると、確かに青いけどすごい綺麗かというとそういうわけでもないよねって感じです、湖面と同じ高さから見ると。
ちなみに左側や奥の湖岸にある土砂崩れでも起きたかのような砂や石の堆積物、これもモレーンです。氷河の流れがわかる分こっちの方がどう堆積していったのか想像しやすいですかね。



瓦礫の上に登るトレッキングトレイルを歩きます。とても短いので楽ちんです。



モレーン湖から流れ出す川。



こんな感じの道です。



今日のシマリスニキ(3匹目)。

今日はここまで。


その30へ→

例の新車を見に行く 【2016/07/06】

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現在黒鉄重工には現在執筆中の北米P3とそれに続くカナダでの出来事がまるっと1年分溜まっています。それでも途中で投げ出すよりはマシだと思いながらヒーコラ執筆しているんですが、最近になって飽きが見えてきてここのところ更新頻度が落ちてきている状態です。
そこで気分転換に2016年7月からの帰国後の出来事を書いていくことにしました。そういうわけなので、たまに最近の話題も入るようになります。これも遅延回復のためです。

それで、帰国から1週間くらい経った7月6日の朝。なんだか早起き出来たので、この日は平日だし静鉄のアレを見に行くことにしました。いつもの音羽町のところで待機します。
写真は1000系です。静岡県立美術館30週年のヘッドマークを装着しています。



すぐにお目当ての電車が来ました。静岡鉄道の新型車両のA3000形です!
約40年ぶりの新型で、去年の発表時には急行運転復活以来の、そしてそれを上回る衝撃を受けました。
細かいことは他の場で既に言い尽くされてるでしょうからそこは省いてしまいます(手抜き
それにしても、かっこいいですね(小並感



後追いも。



今まではいつまで走らせるんだろうとか思いながら撮っていた1000系。



コカコーラゼロラッピングの通勤急行。平日朝は急行が走るので、ここ数年はその時間帯ばかり来ているような。



無塗装の編成。県総止まりなのもポイント。



A3000形が戻ってきました。朝はこっちが順光なのです。



後追いは正面から。
A3000形いい外観しているのですが、ヘッドマークを装着できそうもなかったり(ヘッドマークを引っ掛けるフックが無かったり、そもそもヘッドマークが来る位置に尾灯があったり)、急行運転時に掲出されるカンも付けられそうになかったり、1000系に比べると遊びが少ないのかなと思います。



ちびまる子ラッピングの急行。



300形復刻塗装に清水七夕まつりHM。



静岡ダイハツ販売のラッピング。去年の撮影時にはいなかった広告です。
もっと「まるでダイハツ製電車」みたいなデザインだと良かったかもしれませんねぇ。



午後の紅茶ラッピングの急行。午後ティーは本当センスがあって好き。



静岡理工科大学のラッピング。車体に書かれている化学式が間違っているらしい。いくら偏差値がアレだからって・・・。



A3000形2周目。今度は通勤急行で登場です。こいつを待っていた。静鉄のホームページで運用が公開されているので、狙うのは簡単です。
逆光でしたがちょうど1000系と離合するところを撮影出来たのはラッキーでした。過渡期ならではの眺めですね、まああと8年間続くんですけど。



もっと寄せてから単独で撮影。急行灯はA3000形では装備されないと思っていたので意外でした。やはりあった方が特別感が出ていいなと思います。



返しの普通を撮ったら、暑くなる前に撤収しました。日本の夏、本当に不快不快アンド不快ですね。夏の間はカナダに居たい・・・。

おしまい

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その30 【2015/07/08~18】

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2015年7月14日(火)10時44分
アルバータ州バンフ国立公園 モレーン湖
はい開幕絶景!
これは思わず声を上げたくもなるくらいに綺麗な景色です。



影が無くなるとモレーン湖の美しさが一層引き立ちます。綺麗なターコイズブルーです。絵に描いたような青い湖とはこのことですよ、本当。
やはり氷河が運んできた雪解け水に含まれる微粒子が光を屈折させるとかなんとか。
ただ木が入り込んでしまうのがちょっとね・・・。



縦構図で。
湖の青、森林の緑、山肌の黒、雲の白と色数が多くて目の保養になります。昔のカナダドルの紙幣に採用されていたのも納得の絶景です。
ここは本当に素晴らしいところですね。行くべき。



湖の背後に聳え立つのは「テンピークス」という山々。文字通り10個の頂がある山々です。
荒々しいテンピークスと穏やかなモレーン湖の対比も見事です。



モレーン湖の絶景を堪能したら駐車場へ戻ります。その途中で見かけた今日2匹目のシマリス(通算4匹目)。
道端で急にそれこそ某ポケモンの如く、野生動物が飛び出してくることがよくあるので、外を歩いている間はカメラは手放せないと思います。
慎重に近づけば200mmレンズでもここまで寄れます。本当に人慣れしているようです。



別のシマリス(通算5匹目)。
こっちは何か食べ物を咥えていますが、あれビスケットでしょうねぇ・・・ダメだぞ、餌あげちゃ。


あ、リスでない何かがいるぞ!



「アメリカナキウサギ American Pika」です。これは初めて見ました。
英名だと「ピカ」と呼ぶので某電気鼠を連想させます。



こそこそ動きながら岩場を下って行きました。



高い声で鳴くそうですが、このピカは鳴かなかったと記憶しています(つーか覚えてない
ナキウサギは名実ともにウサギに属する動物なんですが、耳が短いのもあってネズミにしか見えないんですよね。名前もピカだし。



山を降りてきました。やはり低地から見ると美しさ半減ですね。
カヌーも漕げるんでよかったらやってみよう。



左湖岸にある山。
氷河で削り取られてその傷跡が残っていますが、山の地層も見え隠れしていて面白いです。



右側にあるモレーン。モレーンとは前回書いたとおり、氷河が運んできた土砂の堆積物です。
場所によってはこのモレーンのように草木が生えているものもあります。昔からあるモレーンであると同時に、近年は氷河が後退してしまったためモレーンに動きがないということも感じ取れます。

モレーン湖はここまでです。


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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その31 【2015/07/08~18】

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2015年7月14日(火)12時39分
ブリティッシュコロンビア州ヨーホー国立公園 エメラルド湖



モレーン湖から今度はエメラルド湖に来ました。
レイクルイーズの村からハイウェイ93号線を北上し、その後すぐにトランスカナダハイウェイ1号線に分岐します。フィールドという隣町から横道に入ってエメラルド湖に着きます。
実は州境を越えていて、BC州に戻ってきていたのです。なので時差で時計の時刻が戻るんですが、面倒なので時計はそのままです。



湖の浅瀬。澄んだ水ではないというのが分かるでしょうか。水自体は決して綺麗というわけではなさそうです。濾過水はともかくそのまま飲用するのには向かないんじゃないかしら?



橋を渡ります。



モレーン湖に負けない濃い青色をしています。ここもとても綺麗。
赤いカヌーがいい対比になっていて良いです。



ふーむ、いい景色だ。



鳥が枝に止まっていました。



コウウチョウ Brown-headed cowbirdかな~?と思いますが、自信がないです。
それと、枝葉が入り乱れる中での野鳥撮影は難しいですね。AFだと間違いなく手前の枝にピントが合うんで、MFに設定せざるをえないんですが、MF慣れてないんで合わせている間に鳥がどっか行ってしまうということも・・・。もっと使いこなせるようにならないといけないですね。



対岸に広がる森林。向こう側はトレイルも整備されています。
森林の一部だけ開いていますが、あれはなんでしょうかね?スキー場ではないでしょうけど。



ロッジにあるレストランでお昼ごはんにしました。
バッファローバーガーというものがあったのでそれにしました。牛肉ではなく本当にバッファロー肉を使っているハンバーガーです。
バッファローのパティの他にチーズ、ベーコンチップに野菜ととても食べごたえのあるハンバーガーでした。
肝心のバッファロー肉ですが、牛肉との明確な違いは感じませんでした。ですが、とても美味しいハンバーガーでした。



お昼を摂っている間に外では通り雨が降っていましたが、店を出る頃には止んでまたカラッと晴れてしまいました。こういう悪運は割と強いんですよね。



雲ひとつ無く太陽光がそのまま湖に注ぐので湖もより一層綺麗に見えます。モレーン湖とはまた違った青色、まさしくエメラルド色という感じです。



戻ります。いつの間にか賑やかになっていました。



別の位置からエメラルド湖を眺めます。こちらの方が奥までよく見えますね。



平らな山。キャッスル山みたいな見た目です。
ここも綺麗な湖でした。モレーン湖よりも人は少ないので落ち着いて過ごすことが出来ると思います。



おまけ、エメラルド湖で見かけたバス軍団。
ブリュースターのPrevost H3-45 (2nd generation)。
乗客はクラブツーリズム、つまり日本人でした。日本のツアーバスはフロントガラスにツアー名を書いたボードが置いてあるのですぐに分かります。



ブリュースターのMCI D4505。これは今まで見たことのなかったバスだったかも知れないです。
路線バスのブリュースターコネクト車ですが、エメラルド湖に来る運用はないので今日は観光用に使われているんだと思います。



チャーターバスラインズ・オブ・BCのH3-45 (3rd generation)。
これもクラブツーリズムでした。ブリュースターのツアーとは別の企画のようで、こちらはビジネスクラスの飛行機で行き来するようだったんで、こっちの方が格上ということでしょうな。



TRAXXのH3-45 (2nd)。



カナダコーチラインズのPrevost LeMirage XL II。
こっちはJTBグランドツアーのバスでした。聞き覚えのあるツアー名だと思ったら、ジャスパーで見たバスでした。まさか再会するとは。
ていうか最近の中国人観光客程でないにしろ未だ日本人も多いのだな・・・。



ユニバーサルコーチラインのMCI J4500。白無垢のバス。

ではまた次の場所へ移動します。


その32へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その32 【2015/07/08~18】

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2015年7月14日(火)14時38分
ブリティッシュコロンビア州ヨーホー国立公園 ナチュラルブリッジ
エメラルド湖の次はナチュラルブリッジ Natural Bridgeというところへ来ました。エメラルド湖まで行った道を戻る途中にあります。
通り道にあるので寄ってみましたが、是非行くべき!というほどでもない感じでした。寄れたら寄ってねというくらい。



ここにありんす。



橋というわけなんで、ここには蹴り馬川ことキッキングホース川 Kicking Horse Riverが流れています。キッキングホースとは昔の地質調査学者が馬に蹴られたのが由来だとかなんとか。
流量は膨大で流れも速く、なるほど馬の蹴りみたいな力強い流れなのだなと。



上流はこんな感じです。
かなり白波が立ってることからも荒々しさが想像できるかと。川辺と呼べるような場所も見える範囲にはありません。



さて、自然橋ことナチュラルブリッジとはなんぞや、という風になるわけですが、滞在当時は結局なんのことだか分かりませんでした。
人工橋ことアーティフィシャルブリッジ(命名俺)はあるんですけどね。



正解はこの岩。川を塞ぐように大きな岩が横たわっていますが、これを伝って川を渡れることから自然に出来た橋ということでそう名付けられたんだそうな。
うーんまあ、そう言われればそうだけど、橋と言うにはちょっと・・・という感想ですかな。川が流れている所がちょうど欠けてるし、安全性にも難あり。



で、ご覧のように岩の一部を川の水流が馬の蹴りを食らわせたが如く、風穴ならぬ川穴を穿っているのです。
狭い所を水が通過するので、ただでさえ流量の多い川の流れはここで最も激しくなります。岩を貫いている箇所は確かここだけ。落ちたら流されて死ぬ。



欠けてる所があるとはいえ一応岩は繋がっているんですね。この穿たれた部分だけ見ると確かに「橋」に見えますわ。前言撤回、なるほどナチュラルブリッジだ。
それと、川が岩を穿つ前、要は橋ができる以前は岩の上を通過していたんだろうなぁと思うような痕跡は残っているように見えます。



ナチュラルブリッジの側まで寄ってみます。落ちたら本当に(主にカメラが)シャレにならないんで渡りはしませんでしたが。
「橋」の下を見ると綺麗に丸く削られた岩が見えます。これまでも何度も見てきた水の浸食作用によるものです。長い時間を掛けて岩を下へ下へ削り取っているんだなというのが分かります。

短いですが今回はここまで。実際、滞在時間は30分もいれば十分だと思います。


その33へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その33 【2015/07/08~18】

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2015年7月14日(火)15時6分
ブリティッシュコロンビア州ヨーホー国立公園 フィールド
ナチュラルブリッジを後にした我々は、近くにあるフィールド Fieldという村に立ち寄りました。何で寄ろうとしたのかもう覚えちゃいないんですが、とにかく寄り道したんです。
で、村の奥まで行くと、カナディアンパシフィック鉄道(CP)の東方面行き貨物列車が停まっているのが見えたのです。近くに車を停めてから降りて撮影します。



中々それっぽい画を撮るのは難しいなぁ・・・。
カナディアンロッキーで最初に降り立った町、北部にあるジャスパーを走る鉄道はカナディアンナショナル鉄道ですが、南部のレイクルイーズとバンフを走るのはCPとなっています。
運んでいるのはコールポーター、つまり運炭列車です。貨車は無蓋車に見えますがアレで実際はホッパー車だそうです。



牽引機は、GE AC4400CW形CP9777号機+GE AC4400CW形 UP6419(ex-SP374)号機。2機ともエンジンはかかっています。
本務機のCP機はともかく補機のユニオンパシフィックの機関車がアレですが、これは少し後で。



列車が見える丘(命名俺)の横には給水塔がありました。
CPが1930年に建造したもので、高さは21mでした。ディーゼル機関車導入に伴い1952年に引退してこちらに(恐らく移築)保存されました。
中心の太い柱には穴が空いていますが、これは周りに生息しているキツツキが空けたものだとか。

ここでようやく、フィールドの村が蒸気機関車時代には鉄道の町として機能していたんだなということに思い至りました。
フィールドとレイクルイーズの間にはキッキングホース峠という峠があり、この峠を当初44‰の急勾配で越えていたためここはCP屈指の難所でした。
フィールドは急勾配を登る列車を後ろから押し上げる後補機の機関区として機能していたと推察されます。貨物列車の停まっている線路の周りがやけに空地なんで、昔はもっと賑わってたんだろうなぁと。山越えのための拠点となった機関区は日本にも神奈川の山北機関区や群馬の横川機関区などがあり、それと同じような感じでしょう。
後に44‰勾配の路線はこれから向かう「スパイラルトンネル」というより勾配の緩いループ線に置き換えられ、現在は列車のすれ違いのための信号所程度の役割にまで衰退していると思われます。村の主産業も観光客向けのB&B経営が主流に見えました。村の雰囲気は良かったので泊まってみてもいいかなと思いました。
ちなみにフィールドの由来はスパイラルトンネル建設に際し資金提供をしたアメリカ人投資家サイリス・ウェスト・フィールドからだとか。



さて移動するわけですが、本来この後はタカカウ滝へ向かうつもりでした。スパイラルトンネルはどうも列車が通っている時に見ないと面白くないと言われているのです。じゃあ最初にタカカウ滝に行ってその後ついでにトンネルを見に行こうという予定でした。
ところが、村からトランスカナダハイウェイへ通じる道路にかかる踏切を渡る直前、西方面行きの貨物列車が道路を塞ぎました。ダブルスタックを160両くらい繋いだ長い長い貨物列車がノロノロと通り過ぎるもんですから、踏切が開くのに5分以上かかりました。なるほどこれは迷惑なものだと思いましたね。特に都市部でこんな時間足止めされちゃ堪りませんね。
そして「あーやっと踏切開いたね、じゃあ滝へ急ごう」となるんですが、私は「フィールドに停まっていたコールポーターは今の貨物列車が過ぎるのを待っていて、この後すぐに発車するのではないか?」と勘ぐりました。
それが当たりなら2つのいいことがあります。1つは、コールポーターを間近で撮影できること。もう1つはこの後スパイラルトンネルを通過する貨物列車を見られること。特に後者は重要です。
そういうわけなんで、車を停めて少しの間待機してみることにしました。そして数分後、その勘は的中したのでした。



フィールドで見たCP9777号機+UP6419号機が見事通過していきました。撮影地点を練る時間がなかったので、写真としてはちょっとダメですが。全然コールポーターだって分からない・・・。



例の補機、UP6419号機。機体にも書かれていますが、これは元サザンパシフィック鉄道(SP)のSP374号機なのです。KATOからも鉄道模型が発売されるような有名な鉄道のひとつでした。
SPは1996年にユニオンパシフィック鉄道(UP)に買収されて消滅してしまいましたが、現在でもSP塗装の機関車が残存しているということのようです。
これはブラッディノーズ塗装と呼ばれるもので、ボンネットの部分が赤く塗装されてることから付けられたあだ名です。"bloody nose"とは「血の出ている鼻」(≒鼻血)という意味です。日本の「ムーミン」とか「牛乳パック」とかそんなノリでファンが付けた名前だと思います。
本来はもっと鮮やかな赤なんですが、買収から20年近く放置されているみたいなのですっかり退色してしまっています。
とはいえ、ロードナンバーの改番とボンネットのSPの文字がUPの黄色で塗りつぶされたこと以外は原型を保っているのは貴重だと思います。現在SP塗装機がいくつ残っているのかは知りませんが、少数派で間違いはないでしょう。



再びそれっぽく撮ろうとするも、上手く行かず。
撮り終えたらケツまで通り過ぎるのを待たずにすぐに車を出します。この後貨物列車が通り過ぎるスパイラルトンネルへ先回りするためです。



着きました。ここが「スパイラルトンネル Spiral Tunnel」、その見晴台なのだ。
わざわざ見晴台を用意してくれているので、見るのは簡単です。



ここどすえ。
順序が逆になってるけど、正向きにするとおかしな表示になるんでこれでええんやで。



これがスパイラルトンネルだっ!!と写真だけ見てもよく分からないものですな。
樹木がすっかり生い茂ってしまって上側の坑口とそこから伸びる線路くらいしか見えません。確かに列車が通ってないとおもろないな・・・。



そこでよく分かる解説!列車はまだ現れないのでその間解説板を使って説明しよう。
まずYou are hereと書かれているのが今いる見晴台。黒い線が線路で下へ伸びるのがフィールド(西)方面、上へ伸びるのがレイクルイーズ(東)方面です。灰色の線はトランスカナダハイウェイです。

見ての通り、キッキングホース峠をよっこいしょと越えるのにループ線を、それもハイウェイを挟んで2箇所で採用しています。
ちなみにこのキッキングホース峠がカナダの分水嶺なんだそうです。ここから東へ流れる水は遠く大西洋(正確にはその手前のハドソン湾らしいが)まで注ぐというのですから気が遠くなります。
フィールドからやって来た列車は、最初の下部隧道 Lower tunnelを抜けると一旦フィールドの方へと戻ります。そうするとすぐに2つ目の上部隧道 Upper tunnelを抜けて、またレイクルイーズの方へ向かって針路を戻すのです。この図から見るとちょうどN字に進んでいるのです。

そもそもループ線とは急激な高低差のある地形に線路を敷く時に建設された設備で、線路を螺旋状に敷くことで急勾配を緩和しているのです。鉄道というのは急勾配に弱い乗り物で、特殊装備のない普通の電車列車が登れる勾配は40~50‰あたりが限界らしいです。客車列車や重量のある長大貨物列車だとその限度はさらに下がります。たぶん勾配20~30‰で難所と呼ばれるはず。
現在は機関車や電車のパワーも上がりましたし、長大トンネルを掘ったり橋を架けたりして地形をぶち抜いて線路を敷けるので、近年建設された鉄道ではこういう設備はまず見られないです。

で、カナディアンパシフィックのこのスパイラルトンネルは1909年開通、距離は18.5km、勾配は22‰なんだそうな。
さてここで時間を2015年3月末に戻してみよう。この時私はバンクーバーで初めてバンクーバーに到達したCPの大陸横断列車の牽引機CP374号蒸気機関車を見たんですが、この機体がバンクーバーに着いたのは1887年。計算が合わないんですねぇ。

実はスパイラルトンネルが建設される以前に旧線と呼べる線路が建設されていたのです。それは「ビッグヒル Big Hill」と呼ばれる路線です。CPは当初、22‰勾配の線路を敷設するつもりでいましたが、費用も時間もかかってしまうためループ線なしで勾配44‰(45‰説あり)をほぼ直線のような経路で駆け下りることとしました。
蒸気機関車時代に44‰というのはかなりヤバイ数字だと思われます。簡単に比較できるもんでもないですが例えば蒸気機関車時代の御殿場線(旧東海道本線)では、山北→御殿場間の勾配25‰が難所と言われていました。そう考えるとムチャやったんだなぁと感じます。

まあ山登りは機関車たくさん連結して力づくで登ってしまえば済ませられますが、問題は山下りでして、下り坂で速度を出し過ぎると止まれなくなる恐れがあるんですな。鉄の車輪と鉄のレールだと摩擦力が弱いんで減速しにくいのです。
なのでビッグヒルを下る旅客列車は最高速度13km/h、貨物列車に至っては10km/hにまで速度を落として運転していました。それでも万が一制御できずに暴走列車と化してしまうということがあるので、ビッグヒルには3箇所の安全側線がありました。
この安全側線は分岐すると上り勾配になっていて、ちょうど箱根ターンパイクにある緊急待避所のような感じになっていました。見た感じ他の安全側線同様、本線を速度超過で冒進して惨事を起こすよりは安全側線で脱線させといた方がマシというパッシブセーフティな考えのようです。
話は逸れますが、小田急本厚木駅にある安全側線は、高架の上にあって側線の終端の先は柵があるだけでそのさらに先は高架下に落下なので、安全側線に進入した方が大惨事になりそうな気がします。

山下り前の念入りなブレーキテストや当時最強の牽引力(それと恐らく粘着力も)を要求されて製作された軸配置2-8-0蒸気機関車の投入などの対策を行っていたにも関わらず、事故は起きるわ列車の編成は長くなるわで、こりゃいよいよマズいということになってきました。
そしてついに1906年に新線「スパイラルトンネル」の建設が始まり、先に述べたとおり1909年に開通しました。ループ線の経路策定時は雪崩の少ない経路を選ぶよう苦心したそうです。
ビッグヒルはスパイラルトンネル開通後25年経った1934年に廃線となりました。廃線跡の一部は遊歩道になっているようですが、気が付かなかったので行きませんでした。



話が大脱線してしまいましたが、さっき撮った貨物列車が来ましたよ!
列車は下部ループ線の坑口に侵入しようとしているところです。列車の行く先に坑門があるのが分かると思います。



そして隧道を抜けて上側の坑口から列車が出てきました。引いて撮ってるんで機関車はもう点みたいな小ささですが...。



そのまま写真の右側へ向かって進んでいきます。
下部隧道の全長は891m、高低差は15mです。
背後にある上部隧道の全長は991m、高低差は17mです。この見晴台からは下部隧道しか見られませんが、上部隧道が見られる見晴台もあるにはあるらしいです。



列車の先頭は森の中へと消えていきます。この後一旦折り返してきます。
なお速度は大変ノロノロとしたものです。それでも数十km/hは出てるはずなんでビッグヒルと比べたら大変な進歩だと思います。列車の長さも増やせただろうし。



コールポーターホッパー車の群れ。先頭が隠れてもまだケツが見えないんですけどぉ・・・。これ全長1000m以上あるよなぁ。
これだけの長さをよく本務機2機+後補機1機で登れるなと思いますけど、よく見たら空荷でした。それでもすごいと思うけど。



やっとケツが見えました。後補機にAC4400CW形CP8532号機が列車を押し上げていました。
機関車は全てAC4400CW形で、それの力を全て合わせると13200馬力になるので、はえーすごいなぁーとなります。



列車のケツが隧道に入ると今度は折り返してきた列車の先頭が目の前を横切りました。
ただし木が生い茂っているので写真みたいにろくに見えません。機関車が赤いので視認しやすいのはありがたいですがこれでは・・・。音はよく聞こえるんですけどね。
もうちょい木を伐採して見やすくしてほしいもんですけど、自然保護区内でそんなこと許されないんでしょうか?



程なくして列車のケツが下部隧道を抜けました。



目の前をコールポーターが走ってます。わかりづらいですけど。
先頭は今頃上部隧道のループ線を回っている頃だと思います。

列車が全て通り過ぎたらこの場を立ち去り、次の目的地のタカカウ滝へと向かいました。
スパイラルトンネルは確かに列車の動きが見えないとどのような構造なのか掴みにくいと思うので、運悪く列車に遭遇できなかったらつまらない観光地だと思います。列車は1日25~30本程度走っているとのことなのでうまく列車を掴んでみましょう。


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沼津と静岡にいる例のバスを見に行く 前編 【2016/07/14】

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この日は三島に用事があったのですが、例によってその前後にバスと電車の撮影をしていました。今放送中の「ラブライブ!サンシャイン!!」というアニメの広告を貼ったバスと電車が主目的です。
沼津と三島あたりは同アニメの舞台になっているので今盛り上がっているらしいです。何でアニメ不毛の地で住民の意識レベルでアニメマンガにいいイメージを持ってない(と言われている)静岡県を舞台にするのかよく分からないという印象ですが(首都圏から近いくらいしか思い浮かばない)、まあとにかくそうなっているんです。

まずは三島駅前のバスターミナルで張ってみましたが、そもそもここにはラブライブバスは来ない上に他のめぼしいバスも来なかったため早々に退散。



変わったことと言えば、カナダに住んでいた間に沼津・三島地区に展開している「沼津登山東海バス」が社名を「東海バスオレンジシャトル」に変えていたということですね。
変更した理由は公開されてないようですが、まーた長い社名になったなぁと。



三島のバスは収穫が無かったので、代わりに楽寿園に行くことにしました。既に何回も三島は訪れていますが楽寿園を訪れたことは一度もなかったのです。
園内には韮山反射炉の縮尺模型も置いてます。また近いうちに本物を見に行かないとですね。



目当てはこれ。園内に保存されているC58形322号機です。1942年製造、1971年廃車。現役期間のほとんどを富山や敦賀といった北陸で過ごしていましたが、一時期だけ静岡の二俣に配置されていたらしいです。というわけなんで静岡に縁のある機関車ということになります。
保存環境も良くその上、地元の保存会により定期的に整備を受けているので状態はとても良好です。現役機みたいな雰囲気を出していて良いです。
あとはまあ、カナダの蒸気機関車を見てきたあとなので、そんなに大きくねぇなぁという印象が。ボイラーが細いのとそれによって背も低くなってるからでしょうなぁ。ただ、見た目の美しさでは日本型の方がカナダ/アメリカ型よりも上だと思ってます。各主要部品の大きさに偏りがなくバランスがいいからなのかな?



駅名標。言うまでもなく、JR東海の駅名標を模したものです。



運転室。運転機器の構成は(配置が左右で異なる以外は)日本もカナダもそんなに変わらない感じです。
ここもちゃんと手入れが届いていて、動かせる部品も多いと聞きます。



正面から。やっぱボイラーが細いんだよなぁ。でもこのくらいの太さが丁度いいように見えます。



楽寿園には蒸気機関車の他にも庭園や小さな動物園もあるんですが、時間が少なくなってきたので軽く見るだけにして後はまた今度としました。また来ます。
道路と一緒に流れる水路は三島らしくていいですよね。良い風情だ。

この後用事を済ませてきました。



用事を済ませた後は、伊豆箱根鉄道駿豆線の撮影です。
駿豆線にはラブライブの広告を貼った電車が走っているのでそれの撮影でござい。撮れたらいいな程度にしか思ってなかったので、特にどこか出張ることはせずに三島駅を出てすぐのところのカーブで撮影。
最初は7000系です。



その次に来たのがラブライブ電車の3000系でした。あっけないほどすんなり撮影出来ました。車体側面の一部のラッピングとヘッドマークの装着が特徴です。



ラブライブ電車が折り返す間にやって来た普通の3000系も撮影。



ラブライブ電車の折り返し。



側面広告は伊豆箱根鉄道お得意のドアラッピングに加えて窓下にも貼られています。
ラブライブ!はあんま詳しくないんでアレですけど、こんな感じでした。やっぱ絵柄がちょっと苦手なやつなのが取っつきにくいんだろうなぁ。



そういえばラブライブのバスは沼津駅に現れるんだったなぁと思い、その運用が公開されていないか調べてみたらちょうどこの後すぐに駅にやってくるということが分かったので、沼津駅に急行。ちょっと早すぎましたがその間はバスでも撮影して時間を潰します。

前述した沼津登山東海バスの東海バスオレンジシャトルへの社名変更ですが、一部のバスがそれに伴い車体に書かれた社名が変更されています。
例えばこのいすゞエルガミオのように、以前は側面に「沼津登山東海バス」と書かれていた部分が「TOKAI BUS」のシールで上書きされています。



東海バスオレンジシャトルのいすゞキュービック。近所じゃここくらいにしかいないので、見かけたら努めて記録するようにしています。



富士急シティバス軍団。



富士急シティバスのいすゞジャーニーは初見だったかな?



伊豆箱根鉄バスのエルガミオ。



そして目当てのラブライブ!バスが来ました。
日野レインボーHRにラッピングが施されています。



反対側。
ラブライブバスは劇中の舞台である内浦方面の路線に充当される運用が組まれているということで、ファンからは好評なんだそうな。

見るもん見られたので沼津からはこれで撤退します。
後編へ続く。


後編へ→

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その34 【2015/07/08~18】

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2015年7月14日(火)16時40分
ブリティッシュコロンビア州ヨーホー国立公園 タカカウ滝
スパイラルトンネル見学後は、トランスカナダハイウェイを少しフィールド方面へ戻って、そこから分岐している道路を通って終点のタカカウ滝 Takakkaw Fallsへとやってきました。



ここでガンス。
この道もエンジェル氷河の時みたいな山道を通る経路で、途中ではヘアピンカーブも登場するカナダの道路にしては狭小で険しい道でした。
ヘアピンカーブの折り返しは2箇所ありましたがうち1つが曲線無しでガクッと折り返す男らしいカーブ(もはやカーブですら無いですな)で、ちょっと面倒だった記憶が・・・。



ここを訪れる日本人のおよそ5人に4人は「戦う滝」と一度は言ってしまいそうな滝ことタカカウ滝、落差は380mとも254mとも言われていてちょっと差が開きすぎって感じです。実際決め手となるような数字が無いらしいです。
なんかこの写真だと大したことなさそうな滝に見えますが、これ駐車場から、つまり結構離れた位置から撮ったもので、直線距離で約500m離れています。それだけ離れていてこう見えるというのは結構デカい滝だな?というのがちょっと分かると思います。日本にも380m級の瀑布は数箇所程度しかないと思います。



噴出口を望遠で覗いてみます。うーん、近くで寄らないと・・・。
これ岩の中から噴き出てるわけじゃないよね?



よく分かる模型がありました。
模型上に滝が何本か流れていますが、そのうち一番右にあるのがタカカウ滝です。氷河の雪解け水が集まって滝になっているんだよ、ということなんですね。
雪解け水というには大サービスな放水量と思ってしまうんですが、本当によく水が枯れませんよねぇ。



タカカウ滝に行くまでには川が流れています。雪解け水だけでこんな立派な川になるんですから地球というのは本当に壮大なのだなとその一端を感じるわけです。そういえばタカカウとは「壮大な」という意味の現地語です。



川を渡ります。
だんだん、あの滝なんかデカくねぇか?と思うように見えてきました。



橋の上から眺める川。これはタカカウ滝から注ぐ川ではなくて他所から流れてきた川です。この先でタカカウ滝からの川と合流します。
この川はヨーホー川の支流なんですが、未だ名無しなんだそうです。



低木の林を抜けて滝を遮るもののない所まで近づきました。
虹が二重に架かっていて幻想的です。光線の方向からして恐らくこの時間帯でないと架らないのかも知れません。



カメラで近づける所まで近づいてみました。さらに近くまで寄れるのですが、そうすると滝から飛散した水しぶきでカメラがずぶ濡れになってしまうので、ここまでになります。タカカウと言うに相応しい迫力を見せてくれます。



ここまでクッキリとした虹を見たのも久々だなぁと思います。それだけ水飛沫が凄まじいわけなんですが。霧雨と言っていいくらいです。



滝の落着地点。
繰り返しになるけど、雪解け水だけでこんなに流れるもんなのかと驚かされっぱなしです。



下流側を望む。
低木林と霧と背後の岩山がなんだか空想的な世界を作っているように感じます。
このタカカウ滝から始まった名も無き川は、やがてコロンビア川と合流し最後には太平洋に注ぐのです。気の遠くなるような距離を旅するんですなぁ。

タカカウ滝見学後は、レイクルイーズへと戻ります。



その途中で、正確にはほぼもうレイクルイーズの村にある旧レイクルイーズ駅へとやってきました。
1910年にカナディアンパシフィック鉄道(CP)本線の駅として開業して以来、駅舎はその姿を維持しています。現在定期列車が停車することはなく、駅舎はレストランとして再利用されています。
また、臨時列車として夏季に「ロッキーマウンテニア」号が、加えて稀にCPの「ロイヤルカナディアンパシフィック」号が停車します。
「ロイヤルカナディアンパシフィック」はすごい列車で、EMD FP7形(1953年製)3機重連+旧型客車(1916~1931年製)10両程度という年代物の編成で纏めた豪華クルーズ列車です。ホームページ見ても値段が書かれてないので、まあめちゃんこ高い列車なんだろうなぁと。予約を申し込まないと走らないそうなんで、そうそうお目にかかることはないと思います。



ここのレストランの特徴は、引退した旧型客車を利用したレストランであることです。日本でもたまにある電車レストランというやつです。
ただし、客車で食べるには$200以上の食事を予め予約する必要があるので、簡単には入れないです。この金額が1人あたりの金額なのかそうでないのかでハードルが随分と変わってきますがな。
なので通常は駅舎内のレストランで食べる形になります。



客車は3両が保存されていて、いずれもCP所属だった重鋼製客車です。プラットホーム状の歩廊があって、その両側に1両と2両連結で置かれています。
1台目は食堂車「デラメール "Delamare"」。二重屋根、シルヘッダー、3軸ボギー台車が重厚でよさみ。経歴についてはあんまりよく分からなかったです。
車内は窺えなかったので正確には分かりませんが、窓配置的にも食堂車だったと思います。反対側には換気扇らしきものが取り付けられていたことから、この食堂車で料理を作ることも可能だと思われます。



2台目のビジネスカー「ローレン"Laurentian"」。ビジネスカーなのに展望デッキ側を撮るの忘れてぐう無能。
これはもう使っていないのか、3台の中で一番状態が悪かったです。



3台目、これもビジネスカー「キラーニー"Killarney"」。1906年製です。
食堂車と連結しているので、供食設備として使われているのかもしれません。



全体はこんな感じ。
駅のホームは1本しかありません。線路はかつては待避線が数本あったのですが、複線用の新線を建設した際に取り払われてホームの前には本線が1本だけまでに減らされたっぽいです(反対方向の本線は左奥に見切れている築堤の上にある)。

これで今日の行動は終了。モーテルに帰ります。



モーテルの駐車場に動物がいました。たぶんシガラマーモットでしょう。
どこにでも現れるんですねぇ。



なお敷地内に巣穴を持っている模様。



夕食は前日に引き続き、モーテル内のレストランにしました。
ボロネーゼです。私はカナダ/アメリカのクソマズ料理筆頭がスパゲッティだと思ってたんですが(茹で過ぎでボソボソになってそう)、そんな思いをせずにおいしく食べられました。



ピザも安定の美味さですね。最近はカナダでも薄い生地が流行りなのか、昔のアメリカンピザほど厚ぼったい生地を出す店は減ってきてるように思えます。

こんな感じで7日目終了です。翌日へ続く。


その35へ→

沼津と静岡にいる例のバスを見に行く 後編 【2016/07/14】

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沼津駅からは東海道線で静岡に戻るんですが、御殿場線ホームを見てみると313系3000番台が停まっていたのでちょっと見ていきました。
313系3000番台はパンタグラフが2基付いていて通常は2基とも展開して走っているんですが、7月に入った辺りから先頭側のパンタグラフを下ろして走っているというウワサを聞いていたので気にはなっていました。
理由は分からないですしだから何だってこともないのですが、何だか落ち着きませんね。



電車に乗っている途中、静岡鉄道のA3000形は今日走っているのかな?と運用を調べてみたらちょうどいいタイミングで新静岡行の列車に乗れることが分かったので、途中の草薙駅で乗り換えました。
静鉄の乗り場に着いてすぐにA3000形が来ましたので、これに乗って新静岡駅まで向かいます。乗るのはこれが初めてということになります。
車内の撮影ははばかられたんでしませんでしたが、まるで東京の電車だって感じでした(適当



新静岡で折り返しが発車するまでの間、しばしA3000形を観察することにしました。
LED前照灯/尾灯にフルカラーLED行き先表示器という最近の流行を抑えた仕様になっています。
1000系よりも縦長という印象の前面をしていて、形状がくさび形になっているのは先代の1000系を踏襲しているんだと思います。



銘板。めちゃくちゃ磨かれてるので正面から撮影すると自分の体が写ってしまうのだ。



行き先表示器。面積はあまり広くないです。
LEDなのを活かして特別な装飾が出来るらしいですね。



車体は18m、3扉、扉間の窓2枚と、東急7000系の設計を流用してそうだなぁと思わせます。
製造元の総合車両製作所の"Sustina"を採用しているという触れ込みですが、あんまそれっぽく見えねぇなというのがもっぱらの見解。
扉はE231系のような、窓ガラスの部分が一段へこんだようなアレでした。



総合車両製作所のステンレス車両といえば出っ張った雨樋が特徴だったんですが、Sustina導入後は出っ張りを無くすことが出来たようなんで、雨樋が引っ込んですっきりしています。
それでも車体はスポット溶接が目立つし外板の糊しろ(?)みたいな出っ張りもあるし、まあよく分からんなといったところです(手抜き
あと、今時妻窓を付けてくるとは思わなかったのでそこはびっくりしました。



連結部の転落防止幌が無いのが静鉄の電車の特徴だったりします。全駅のホームに柵を設けているので転落防止幌を設置しなくてもいいんだとかなんとか。



最後に出発したところを後追いで撮影して駅の外へ出ます。



新静岡セノバ前のバス発着場でしずてつジャストラインのバス撮影をします。
2015年秋ごろに復刻塗装車が数台登場しまして、今日はそれを狙いに来たというわけです。赤の緑の2種類が数台ずついます。
この一陣だけで終わりだろうなと思っていたんですが、翌年の2016年導入分も復刻塗装で登場したので驚きました。
とりあえず日デスペースランナーJP+西工96MC B-I(小鹿)で肩慣らし。



いすゞエルガ(鳥坂)。
鳥坂営業所のシンボルマークはウサギなんですが、鳥坂なんだから鳥にすりゃよかったのにといつも思っています。



日野セレガHD(相良)のハラダ製茶広告。パッと見どこのバスなのか分からねぇなこれ。
高速バスの全面広告車は思ったよりも見た時のインパクトが大きいです。こっこの広告バスもアレすごいです。



いすゞキュービック+富士重7E(岡部)。しずてつの純正ボディのキュービックは2015年初頭に最後の1台が除籍されて全滅しましたが、富士重ボディ車はまだ残っているということですね。



いすゞガーラHD(相良)。ガーラなんて持ってたんだ・・・。



三菱エアロスター(鳥坂)。



日野セレガ(相良)。



日デスペースランナーUA+西工96MC B-II(唐瀬)。
こんな感じで復刻車来ないなーと思いながら撮ってたら、別の経路から(新静岡を通らない系統がいくつかある)復刻塗装車が静岡駅へ向けて走っていったのを見つけたので、急いで駅の方へ。



やったぜ。
いすゞエルガ(小鹿)の復刻塗装車です。しかもエルガはエルガでも2015年にフルモデルチェンジした新型のLV290系です。これが初撮影。
初代エルガとおおまかな部分は同じですが、ライトケースや冷房室外機の形状とか窓配置とか、細かい所をみると見分けられます。ただし、やはり同時期にフルモデルチェンジした日野ブルーリボンとの違いが無くなってしまったため(初代エルガ/ブルーリボンIIは前照灯の数が違っていてそこで見分けられたのだが)、このバスはいすゞと日野どっちだ!?という風になります、はい。

先述の通り復刻塗装車でして、1945~1965(昭和20~40)年辺りに塗られていた塗装を再現しています。馴染みもクソもないくらい古いんで逆に新鮮。
赤と緑の2種類があって、赤は長距離/貸切用(ワンロマ車?)に使われていたそうです。とりあえず目当ての物が見られたんで満足。



さらに緑の復刻塗装をしたエアロスターもいたのでこれも狙いましたが、微妙な結果に・・・。
緑は短距離用に使われていた車両の塗装でした。



信号待ちを撮ろうとしたらエルガサンドにされてうーんこの。
ちなみにこのエアロスターは新型のMP38系で、2016年にしずてつに導入されました。これも初撮影。
しかも、しずてつがエアロスターを新たに導入したのは8年ぶりとも12年ぶりとも言われていて、随分と久々の導入になりこれにも驚かされました。

こんなところで今日は帰りました。以上です。

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その35 【2015/07/08~18】

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2015年7月15日(水)6時38分
アルバータ州レイクルイーズ 旧レイクルイーズ駅
8日目です。この日は早起きして一人で旧レイクルイーズ駅へ向かい、カナディアンパシフィックの貨物列車撮影、いわゆる朝練をしてきました。昨日は何度も見たい場面で列車を見れたので、たぶん今朝もイケるんじゃないかと思ったのです。
しかし、何の成果も!!得られませんでした!!・・・うーんこの、物欲センサーが働いてるなぁこれは。
心地よい朝の澄んだ冷たい空気(肌寒いくらいだったが)を味わうことは出来たけど、とりあえず俺の睡眠時間を返せ。

意気消沈しながらモーテルに帰って朝ご飯を食べたらチェックアウトして、今日最初の目的地へと向かいます。



やってきたのは、その名もまさしくルイーズ湖 Lake Louise。レイクルイーズいちの観光地です。
ルイーズ湖の由来はカナダ総督ジョン・キャンベルの夫人ルイーズ・キャロライン・アルバータ(1848~1939)から。めちゃ長生きしてんなこの人。アルバータ州の由来もこの人から来ています。
やはり氷河の雪解け水で出来た湖なのでエメラルド色をした綺麗な湖面なのですが・・・あいにくの曇り空で光が当たらず、どんよりとした感じになってしまいました。ここまで天候は順調すぎるくらいに晴れ続きだったのですが。まあきっとすぐに雲は抜けると思うので、落ち着いていきましょう。



湖畔には大正義フェアモント・シャトー・レイクルイーズ閣下がどっしりと構えています。ビクトリアにもある例のフェアモントホテル系列の超高級ホテルのひとつです。
1911年に開業したこのホテルは元々、カナディアンパシフィック鉄道が運営していた「カナディアンパシフィックホテルズ」のホテルでした。同ホテルは後にアメリカのフェアモントホテルズを買収した上でフェアモントホテルズ&リゾーツに社名変更して現在の体制に至っています。買収しといて買収された側の名前を使うというのはちとややこしいですが(フェアモントのほうが名が知られていたかららしい)。
鉄道会社がホテル経営をしていた理由は察しがつきやすいと思いますが、沿線開発です。こんな風光明媚な場所をリゾート開発すれば、そこ目当てに富裕層のお客が自社の鉄道に乗ってやってくるわけですから(まだ道路も飛行機も発達していない時代)、それで一儲けできるということです。鉄道会社がリゾート開発した例というと日本でも東急とか西武鉄道とか小田急とかが当てはまると思います。
カナディアンロッキーのバンフとレイクルイーズの町の発展は、ひとえにカナディアンパシフィックのリゾート開発のお陰と言っても差し支えないもので、地元ではもうフェアモント様様という感じなんだそうな。



どっからでも入れますが、こっちから入ります。
一応晴れ間はあるんで、湖の状態は結局雲の動きとそのタイミング次第ということになるんでやんす。



館内はきらびやか。こういうところに泊まれるような人間になりたい。
特に何もせずに再び外へ出ます。



他の観光地同様、ルイーズ湖にも遊歩道(トレイル)が何本か整備されています。今回はルイーズ湖から標高差約370mの位置にあるアグネス湖までの3.5kmの山道を登っていくことにします。数あるトレイルの中でも人気の高いコースだそうな。
最初は湖畔を歩くので楽なもので景色も綺麗です。



こう行くんでごわす。



少しすると山道の様相を見せてきます。難易度は低い方で、たぶん高尾山くらいだと思います、高尾山登ったこと無いけど。
人気が高いということはそれだけ素人でも登りやすいということなんです。



ちらりとルイーズ湖が見えます。まだ最初のヘアピンカーブも曲がっていませんが、既にけっこうな高さを登っているように感じます。



対岸に見える岩山の巨大な氷河の削り跡がすごいです。これだけの厚さの氷河がかつては存在したんでしょうな。



距離的には半分を超えて、そろそろ一休みしたいなぁと思った時に現れたのがミラー湖 Mirror Lake。大きさはせいぜい池という感じですが、この辺りの湖にしては珍しく透明度の高い湖です。だからこその鏡の湖。



今日の野鳥、畔にいたハイイロホシガラス Clark's Nutcracker。出会ったのはウィスラー以来です。
野鳥って本当は粘り強く待ったりして撮影するもんなんでしょうが、こうして何もせずともバッタリ出会えるというのは楽でして、自然が豊かだというのを感じます。



別のハイイロホシガラス。



上のクチバシがひん曲がっているハイイロホシガラスもいました。食べる時に苦労しそうです。



初観察の野鳥、カナダカケス Gray Jay。北米大陸北部に生息する英名の通り灰色の鳥です。人懐っこいらしく、あまり警戒する様子を見せていませんでした。



元気よく鳴く姿も抑えることが出来ました。



そろそろ行こうかという時に、乗馬している人たちと出くわしました。そう、乗馬しながら登山できるのです。
基本的に人間が通るトレイルとは別経路ですが一部では共用していて、そこには馬の糞がよく落ちています。あんまり臭くないし大抵は既に土の一部と化しているので実害は少ないですが、それでもたまにほやほやのクソが落ちているのでそれだけは踏まないように気をつけたほうがいいです。

今日はここまで。


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