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北米project 4 ~Is the order a warbird? その58【2016/03/04~10】

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ボーイングKC-97Lストラトフレイター(1944年・218機目)
なんかまたキモい飛行機がいる・・・こんなの初めて見たぞ。
パット見の印象で察せる人もいるかもしれませんが、これ同社のB-29爆撃機(正確にはそれの改良型のB-50)の設計を流用して造ったC-97輸送機・・・をさらに改造して空中給油機にしたKC-97という飛行機です。

胴体は2つの胴体を上下に連結したようなダルマ型の形状をしているのが一番の特徴でしょうか。これは機内予圧のためだとかなんとか。
輸送機としては旧態依然とした構造だったためか輸送機の発注は80機くらいのハナクソみたいな数字しか取れませんでしたが、空中給油型のKC-97は800機以上を生産する大ヒットになりました。



後ろから。尾部に空中給油のためのフライングブームという給油ハンドルのようなものがあります。
空中給油する相手はジェット戦闘機やジェット爆撃機なのですが、ジェット機とレシプロ機では速度差があり、ジェット機が速度の遅いKC-97に合わせて飛んでいると失速しかねない状態でした。
そこで速度差を埋めるためにKC-97の主翼にジェットエンジンを片翼1発ずつ追加搭載して対策とし、ジェットエンジン搭載型はL型のサブタイプが付いています。
最高速度は640km/hだそうですが、これだと燃料をバカ食いしてしまって給油する分をなくしてしまいますから、実際はもっと低速で給油していたのではないでしょうか?巡航速度が370km/hなのでそのあたりなのかな?
これで戦闘機はどうにかなったらしいですが、B-52相手にはこれでも速度差が埋まらず、給油の際に苦労していたようです。
ちなみにこれもL型なのですが、なぜかジェットエンジンが付いていません。謎ですね~。最初はジェットエンジン無しのG型として造られたので、その時の形態を再現しているのかもしれませんが。



フライングブーム。これの先端を相手の給油口にくっつけて、燃料をグビグビ飲ませます。ブームは向ける方向を動かせることが出来ます。



ブームの根元についている窓。ここにブームのオペレーターが乗り込みます、確か(適当



エンジンはB-29のR-3350デュプレックスサイクロンではなくB-50のR-4360ワスプメジャーです。サイクロンが9気筒*2列に対してワスプメジャーは7気筒*4列。なのでエンジンカウルの形状がB-29と大きく異なるB-50に準じたものです。
ワスプメジャーはかなり強力で、レシプロエンジンの最高峰のひとつです。



セスナO-2スカイマスター(1967年・219機目)
セスナっぽいなぁと思ったら案の定。アメリカ空軍の観測機および暴徒鎮圧用軽攻撃機(COIN機)です。セスナの民間機モデル337を軍用機にしたものです。
こう見えて双発機なんですが、ひとつは機首にあるのは分かりますけど、もうひとつは後ろについています。2発のエンジンを前後につけるプッシュプル方式というエンジン配置をした独特な機体なのです。なのでこれの機内、見た目以上に狭苦しいんじゃないかと思います。
双発機なのでその分信頼性が高いです。被弾の可能性の高い観測機やCOIN機では頼れる装備だったでしょう。
こういう機体でも500機以上が造られていて、ベトナム戦争に従事したんだとか。



後ろのエンジンとプロペラはこんな風に取り付けられていて、中々愉快なことになっています。
双胴のテールブームが主翼から伸びているのも面白い構造です。



グラマンHU-16Aアルバトロス(1日ぶり2機目・220機目)
不時着水した航空機パイロットなどを救助するための救難飛行艇。これはアメリカ沿岸警備隊の塗装です。



マーティンEB-57Bキャンベラ(1949年・221機目)
これは変わった機体でして、イギリスが開発したイングリッシュ・エレクトリック キャンベラ爆撃機をアメリカ空軍がライセンス生産したもの。主翼にぶっ刺さったエンジンがブリテンでしょ?
イギリス機のくせに普通の直線翼に双発ジェットエンジンと基本に忠実な形状をしています。しかし性能は良いのです。アメさんもそれに魅力を感じて輸入してしまうほどですし。イギリス機、普通の機体を造っていれば順当に良い飛行機が造れるだろうに、英国面を出すから・・・。
なんか影が薄いけどロッキードと組んで実は今も名前が残っている不思議な会社で私に知られるマーティンがアメリカでの生産をしました。
爆撃機と言ってもB-29やB-52のような大型戦略爆撃機ではなく、機動性に優れた軽爆撃機です。モスキートのような使い方をしたかったんじゃないでしょうか。アメリカではB-26(旧姓A-26)の後継機として導入して、近接地上支援などの低空爆撃なんかで使ったような。

この機体は電子戦の訓練をするための練習機です。なので機体の端が蛍光オレンジになっています。
それにしてもキミ足が短すぎやしないかい?



ノースアメリカンF-100Cスーパーセイバー(1日ぶり3機目・222機目)
センチュリーシリーズの先鋒。3機目になると書くこともなくなるんだよね。
この機体は1955年9月に戦術航空軍団に配属になり、1968年6月からはベトナムのトゥイ・ホア基地でベトナム戦争に従事、1969年7月からはオクラホマ州の州空軍に転属、1975年1月に用途廃止です。



後ろから。
F-100は史上初めての超音速戦闘機なわけですが、エリアルールが発見される前の機体ですから、その音速突破は力技のゴリ押しに近いものがあります。
燃料をバカ食いするアフターバーナーで増速していたわけですから、超音速が出せてた瞬間なんてのはほんの一瞬だったんじゃねぇかなと思います。



マクドネルF-101Bブードゥー(1954年・223機目)
意外にも今旅行ではこれが初登場となるF-101。パッとしないやつなのでどっちかというと地味なやつですが、カナダで採用されてるので弊ブログではちょこちょこ出てくる機体です。

センチュリーシリーズの二番手。戦略爆撃機を長距離護衛できる戦闘機として開発されていて、そのルーツは1948年に開発されたXF-88ブードゥーにあります。大まかな機体形状はこの頃のものと似ています。
しかし長距離護衛戦闘機の計画は破棄されてしまったのでF-101は宙に浮いてしまったのですが、F-100でも行われた戦闘爆撃機化で生きる道を見出します。これがF-101Aです。
でも戦闘爆撃機はF-100がいますからこの役も追われてしまい、今度は複座迎撃戦闘機のF-101Bにジョブチェンジします。これもF-102/F-106という本命がいるんですが、F-101BはF-102/F-106が運用できない(SAGEとの接続ができない)辺境での使用を考えられてたそうな。カナダ空軍で運用されていたのもB型です。ついでに、偵察型のRF-101A/Cもいます。
求められる性能はそれぞれ異なるはずなんですが、全部1つの機体にやらせてる辺り、万能というより迷走してんなという気が。



迎撃機型のB型は機関砲を持ちませぬ。これは別にミサイル万能説だからというわけではなく、爆撃機を迎撃するのに機関砲じゃ役に立たないからです。実際、護衛戦闘機型のA型では機関砲4門を搭載しています。
機関砲の替わりに装備されたのがミサイル倉です。半埋込み式で、2初装填できるのが分かります。このミサイル倉は表裏が回転できるようになっていて、回転させると裏側からミサイルが出てきます。なので表裏合わせて4発のミサイルを装備できます。
ミサイルはAIM-4ファルコン空対空ミサイルとAIR-2ジニー空対空☠核☠ミサイル。核ミサイル・・・。
アメリカに侵攻してきた核爆弾を積んだソ連の爆撃機を1機でも撃ち漏らすことはそれすなわちアメリカの都市が火の海にされることを意味するので、確実に仕留めるために多少外しても広範囲な爆風で撃ち落とせる核ミサイルが運用されることになったとかなんとかで、狂ってるよなぁ。



コンベアF-102Aデルタダガー(1953年・224機目)
全天候型迎撃戦闘機です。これをもってF-100からF-106のセンチュリーシリーズ6機すべてを見れたことになります。やったぜ(F-103は欠番になっている)
まだ隠しキャラのF-107ちゅーのがいるんですがそれは翌日見ますよ、ふふふ・・・。

超音速飛行できるのがセンチュリーシリーズのウリのひとつなのでこれもそうなんですが、試作機では重すぎたり空力設計が甘かったりで音速突破に失敗します。さらにエンジンと火器管制装置の開発も遅延してしまい、機体の基本設計からやり直すほど計画は大炎上します。
さらに試作機の開発と量産機の生産設備準備を並行して行う「クック・グレイギー」という方法が採られましたが、これ基本設計に問題があると生産設備の抜本的見直しが必要になるのでF-102の場合は完全に失敗してこれも大炎上・・・。
まあ、難産だったんですよ、これ。

SAGE(セイジと読む、サゲじゃない)というアメリカ全土とカナダからカツアゲした土地に建設しまくった対空レーダー網をネットワークで繋げて一つの巨大な防空システムにしてしまうという1960年代に運用開始したとは思えん超巨大装置との接続が本格的にされた初めての戦闘機です。SAGEは戦闘機の発進から目標までの誘導まで行うオーパーツじゃねえかと思うすげー装置なんですがここでは割愛します。

ちなみに後継機のF-106とは形がよく似ていますが、見分ける点は空気取り入れ口と垂直尾翼です。空気取り入れ口はF-102は風防の真下にあって、垂直尾翼は三角形になっています。F-106は空気取り入れ口が主翼前縁辺りまで後退していて、垂直尾翼の頂点が切り欠いています。これでキミも近所のデルタ博士だ。



後ろ。F-102/F106はアメリカ機では珍しい水平尾翼の無い無尾翼デルタ翼機です。デルタ翼自体当時は珍しかったです。機体名にもわざわざ採用するほどですしね。これを製造したコンベアはこの後YF-7やB-58などデルタ翼機を造りまくることになります。

胴体は遷音速~超音速あたりで発生する空気抵抗対策のために断面積を変化を緩やかにさせるエリアルールというのを採用しています。特に主翼で断面積が急激に増えるのでその部分の胴体を絞り込むことで増大を緩くしています。
でもこの写真だとよく分かんねぇな。F-5ほど絞ってるわけじゃなさそう。

エンジンノズルの左右には謎の出っ張りが付いてますが、謎ですね。赤外線対策かなとも見えますが、やっぱり謎ですね。



リパブリックF-105Bサンダーチーフ(25分ぶり2機目・225機目)
さっき見たばっかの戦闘爆撃機。B型は最初の量産型です。75機しか生産されてないので貴重。
さっき見たばっかのD型はレーダーの変更で機首が大きくなったので、B型は相対的に機首のコーンが小さいのが特徴。また、機首のバルカン砲が機首の先端に付けられてるのも識別点です。
なおバルカン砲が付いている側面左側の写真は撮っていない模様。逆光だったからね・・・。



さっき見た時も書きましたが、核爆撃を前提に造られた戦闘機です。で、機体に設けられた爆弾倉は核爆弾専用です。狂ってんなぁ・・・。
でも核戦争が起きるわけ無く(起きてたまるか)実際の戦争では通常爆弾を積むことになったんですが、爆弾倉は核爆弾専用なので通常爆弾は積めないというアレっぷり。
なので爆弾は主翼下に吊るすことにしました。爆弾倉の意味なし・・・。それでも燃料タンクに使えたそうな。

見切れてますが、空気取入口の形状がやけに凝ってるなぁという印象。たぶん先端の突起がショックコーンとなっているのだと思います。



図体の割に垂直尾翼がちっさいなぁと。
水平尾翼の影に隠れて分かりづらいですが、エンジンノズル下部分が垂れているのに注目です。
あれは別に推力偏向ノズルではなくて、着陸時にあのノズルの板を展開させることで空気抵抗を生み、着陸滑走の距離を縮めるためのエアブレーキです。板は上下左右に4枚あって、下側の板だけ重力に負けて垂れているだけです。
面白い装備ですが後にも先にもF-105しか持っていないので、流行らなかったんだねぇ。


マクドネル・ダグラスF-4CファントムII(1時間ぶり3機目・226機目)
今日だけで3機目のファントムおじいちゃん。C型は海軍用の最初の量産型です。
海軍機でもこういう地上迷彩するんですね。いわゆるベトナム迷彩ですね。



センチュリーシリーズ軍団勢揃い(全員いるとは言ってない)。F-102とF-106がいません。
F-102とF-105の間にちょうど1機入る空間があるので、以前はF-104がいたのか、それともF-104を収蔵した日のためにそこをわざと空けているのかもしれません。逆にF-106が入れそうな場所はないんですけどね・・・。

というところで今日はここまで。


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