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Channel: 黒鉄重工
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北方project ~Welcome to Hokkaido. その3【2017/5/3~7】

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円山動物園のある円山公園からは路線バスが出ていたので帰りはそれに乗車し円山公園駅へ戻ります。なお道路激混みで歩くより時間かかりました。それでも疲れてたんでバスでよかったんです。
JR北海道バスのいすゞエルガでした。



北海道中央バスのエルガも停まってたのでついでに撮影。
円山公園駅からは地下鉄に乗って琴似駅へ。



琴似駅ではJR函館本線に乗り換えるのですが、地下鉄とJRで同じ駅名なのに両者はおよそ800m離れています。800mは乗り換えするにはちと遠いですがそうは言ってもこれが一番楽ですので。



駅前にはJR北海道バスのふそうエアロスター新MP35。



琴似駅から函館本線の普通電車に乗って小樽駅まで行きます。731系でした。
特に車窓とかは無し。



小樽駅へ着きました。小樽は2度目で、初回は札幌から函館まで函館本線経由で移動する酔狂なことをやった途中で寄りました。
留置線には733系が停まっていました。731系の改良版で、細かいところが色々良くなっているのだ。



いつもの駅前の景色。昔はもっと海がよく見えたんだろうなとか。



2017年5月3日(水)14時20分
北海道小樽市 小樽市総合博物館
その後歩いていったかタクシーに乗っていったか忘れましたが、小樽市総合博物館に来ました。来るの初めて。前に小樽に来た時は冬でしたからね、屋外展示物は雪対策で覆いをされて見れないので行かなかったのです。
総合博物館という名前ですが特に鉄道系の展示が強く、鉄道博物館としても十分通用する規模を持ちます。その中身はこれから見ていくとして。



まずは館内に展示されている蒸気機関車から見て行きます。
6号機関車、しづか号、7100形、A形などやたら名前がありますが、「しづか号」が通りがいいでしょうかね。
北海道最初の鉄道「官営幌内鉄道」が1884年にアメリカのH.K.ポーター社に発注し1885年に納品された蒸気機関車。つまりアメリカ型蒸気機関車なわけです。約1年ぶりに見たアメリカ型に懐かしさが。
幌内鉄道は北海道炭礦鉄道を経て鉄道省に買収されて国有化されましたが、その後もしづか号は1917年まで現役でいました。引退後は製鉄所に転職しましたが、これが幸いして後まで現存することに繋がり、1952年の鉄道開通80周年を記念して原型に復元されました。

ひし形火の粉止付きの煙突に大型の排障器が特徴で、これはまんま当時のアメリカ型の蒸気機関車の特徴です。内地の鉄道は主にイギリスの鉄道を範にしたんですが、北海道はアメリカ製をよく輸入していたとかなんとか。
当時の北海道も開拓時代でしたし、この開拓スピリッツあふれるアメリカ型蒸気機関車はよく似合っていたのかも。

なお同型機は他に2機保存されていて、7101号機「弁慶号」が埼玉の鉄道博物館に、7105号機「義経号」が京都の京都鉄道博物館に保存されています。この時代の車両としてはよく残っている方だと思います。



ポーターの銘板。#672はメーカーの製造番号です。
ポーターは小型機関車の製造に自信ニキだったので、幌内鉄道がポーターに発注したのもそういう理由だったのかも知れません。



車輪配置は2-6-0(車軸配置1C)モーガル。動輪直径は914mmで小さめです。
当時の主流は旅客用は4-6-0、貨物用は2-8-0で、どっちつかずの2-6-0は半端な配置なのですが、汎用性はある程度あるので中小規模の鉄道では需要があったようです。幌内鉄道でも適していたと思います。

動輪を始め機体には細かく色差しされていて、当時はまだ珍しく数も少なかった蒸気機関車への思い入れが感じられます。しづか号といった固有の愛称もまだ数が少なかった頃特有の慣例です。



キャブは開放式でして、冬は寒さで死にそうなんですね。

なおしづかとは源義経の妾だった静御前から取られています。先に名付けられていた義経号繋がりだと思います。



ボイラー周りはこんなかんじ。



しづか号の後ろにいる客車(連結はされていない)はい1号客車。これもい1、フコイ5130、ロフコ5670、コロ1と名前がたくさんありますが、い1が一番通じるようです。
1882年製の幌内鉄道の一等客車です。アメリカから輸入した客車のコピーですが自社製です。ただし台車は製作できなかったようで、これはアメリカから輸入しています。
1928年に定山渓鉄道に譲渡されて1963年まで活躍、その後原型に復元されました。これも転職したのが幸いして、現役期間が長くなったうちに価値が認められて現存に至った例ですね。意外とこういう例は多いので、バカに出来ないものです。



台車はいわゆるイコライザー台車。鎖で台枠と繋がれているのは脱落防止?



星マークは幌内鉄道の社章だったかな?



屋根は採光用の段差が設けられた二重屋根。これがあると意外と明るいんですよ。



車内はロングシートとクロスシートが変則的に組み合わされたもの。貴賓車として使われたこともあったというので、ラウンジ的な設計をされたのかもしれませぬ。
ちなみに当時の内地の鉄道の客車はイギリス式の多扉多室構造で、アメリカ式の両端扉一室構造とは真逆と言えるものでした。


というところで今日はここまで。次回からは屋外展示を見学します。

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